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歩み寄ることの必要性

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話を終え、立とうとするマリーさんを私は呼び止める。
キース君の件なら納得は出来た。王様の自分勝手さ以外は…。

でも、そこじゃなく女性として恋愛について聞いてみたくなった。
ほとんどそんな経験が無かったから。

「どうしたら、誰かを好きになれますか?」

私の質問はおかしかったのか、マリーさんはクスッと笑い聞き返す。

「あなた、今まで誰かと真剣には?」

「…ありません」

「やっぱり」

「えっ、何故?」

「顔に書いてあるわ、私には必要ないって。
ダメよ。本当に良いなら許すのも相手のためだと思わないと。
あなたが良いから迫るの、でも許す相手だけは間違えたらダメよ」

前に聞いたような答えだった…。
どこかで…。

そう、クロウリーだ。

その時と同じ事をマリーさんにも言われた。
私は誰と一緒になる事はなくても構わないとさえ思っていたが、やはり女性。

ずっと1人でいて、周りは結婚や子を持つ等どんどん先に進んでいくのを見ているだけなのは辛さもある。
いつか誰かと…と思っても二の足を踏む。

「私はクロウ様が良いと思うけど」

「なっ!?」

「多分あなたの事、気に入ってるわ。最近機嫌が良いから」

「あ、あんな傲慢で俺様気質な人…私は無理。
なんであんな態度しか取れないんですか。誰にも見向きされないですよ、あれでは」

「好きだから強がってるんでしょ。弱いところ見せたくないと言う男心というか」

一目惚れしているとは前から知っているが、それでもあんな態度だったら好きにもなれない。
もう少し優しさなどあれば私も気持ちが動くかも知れないが、今のままではどうしても無理な気がする…。

「少し歩み寄ってみたら?」

「…考えてみます」

マリーさんはベットに寝転がりながら遊ぶキース君を連れ部屋を出ていく。
私もそれに続いて出て行った。
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