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セレスさんの気持ち

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「帰りたい…日本に?」

小さく私は頷く。

「だ、ダメだよ。帰ったら…」

「なんで?私は元々この国にいたらいけない存在だし、それにずっと居候な感じでいたら迷惑だから」

「迷惑じゃない!全然!むしろいなくなったら困る…」

「なんで…?だってセレスさん、リリィって子が好きだって言ってたし、毎日でも会えるなら~って前…」

「それは…」

「でも嫌だ…帰るなんて。僕はあやかさんがいて欲しい。側に」

とても真剣な表情で私に懇願してくる。
その気持ちは凄い嬉しいが、相手がいる人に側に居てくれと言われても複雑な気持ちしかない。

私は立ち、徐々に暗くなり始めようとする森から帰ることを提案し、クロウリーへと近づいていった。

しかし…

後ろから抱きしめられた。

「お願いだから、帰るなんてやめて欲しい…。もう少しだけココにいて」

「セレスさん…これはマズいです。リリィさんを私は知らないけど裏切りになりますよ?」

「…」

「だから、帰りましょう。コレについては誰にも言いませんから」

「…だったら、リリィに会って」

「えっ…何故?」

「リリィの事は好きだけど、最近思う事がある。だから確かめるために今度会うつもりだったけど、あやかさん、お願い。付いてきて」

「今から、ですか?それに私が行くのも変では。もう暗くなりますよ…」

「今から行けば間に合うはず!だから…お願いします!」

頭を深々と下げ、必死にリリィさんに会って欲しいと言うセレスさんに私は正直不快感もあった。
抱きついてきたこともそうだが、何故私にそこまでして会わせたいのか…。

でも今から一人で屋敷に帰る道中に不安もあり
仕方なくセレスさんの申し出を受ける事にした。

「分かりました…」

私の返事を聞き、ホッとした顔を見せたのも束の間、すぐに馬に乗るようにいうと、あっという間に走り出していた。
慌てて私もクロウリーに乗り追いかけた。

セレスさんは森の中を物凄い勢いで駆けていき、私の視界から消えそうになる。

「待ってよ…」

私の悲痛な声は届かずドンドンと先に進んでいった…。

『大丈夫だ、道なら分かる。だから捕まってろ』

クロウリーに道を任せ、私は必死にセレスさんの後を追いかけていった。
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