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反応が違いすぎる

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試着してみるとサイズはピッタリだった。
こんな服を着るなんて思わなかったから少しだけ回ってみたりもしてみた。

「…ふふっ」

なんだか嬉しくなりつい笑ってしまう。

「あやかさん、着れた?」

セレスさんの声で現実に戻された。
浮かれている場合じゃない、今は1人ではないし、なにより相手が待っているからだ。

「はい、着れました」

試着室のカーテンを開け、セレスさんとアッシュの前に姿を現した。
気恥ずかしさがあり、目を見れず俯きながら言う。

「どう…ですか?」

「…いい」

セレスさんの返事もまた言葉少なげであり、照れがあるんだろうか?
着て欲しいと言ったのはそっちであったが、もしかしたら想像以上だったんだろうか、と思ってしまった。

「アッシュは、どう思う?」

私の格好を顔から下に目を移し、一通り見てから言う。

『……い、いいんじゃない』

(あれ、けなすと思ったけど、意外に素直だな。アッシュに認めたのは初めてかも知れない)

「あやかさん、いいよ!凄い似合う!ねぇ、カリファ」

「そうね、ただ…」

似合うとは思ってくれているが、少し不満げな感じがあるようだった。 
カリファさんが思うイメージはこれを足すと言い、部屋の一角に置かれている場所からあるものを持ってきた。

「これを羽織ってみて」

渡されたのは赤と黒のチェック柄の長めのストール。
これを両肩に掛ける感じで、と私に着方を教えその通りに着てみた。
するとさっきよりグッと大人らしい雰囲気に変わった。

「うん、いい。イメージ通り」

「うん…ヤバイ。直視できないかも…」

セレスさんの様子が明らかに朝より違う。
服だけでこんなに相手の様子が違うなんて私は今まで知らなかった。

「あの、セレスさん、出かけるんですよね?」

「え、あ、うん。行こうか…アッシュがいて良かった…」

んっ、と思った。
私は居ない方が気楽と言うか変に突っかかってこないから良かったのだが、そこはセレスさんが主導権を握っているので委ねた。

『良かったわね、さっきより…』

「じゃ、じゃあ…」

カリファさんに挨拶を済ませ、私達は部屋を後にし、屋敷を出るために廊下を歩き出した。

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