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得体の知れない感覚

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「こんな所で何を?」

「ちょっと迷ってしまって…部屋に戻りたいのですが…」

「そうですか、なら私が案内しますよ。こちらです」

アランさんの隣を歩き出すが、妙に意識をしてしまい本当なら部屋までの道順や少しはあるのでは?と思う目印を探すべき所を私は一切しなかった。
それより話とは…とモヤモヤとした感覚ばかりを覚える。

「あやかさん、クロウが追いかけていきましたが、大丈夫でしたか?」

「あっ…」

「その様子では何かあったんですね。良ければ聞かせてもらいたいですね」

アランさんに先程言われた告白を言うべきではないなと思い、そこだけは隠し話をした。
もし言ったらこじれたり不穏な空気になるのはなんとなく察しがついたからだ。

「なるほど…」

私の話を聞いたアランさんは歩きながら腕を組み始め少し考えこむ様子を見せていた。
話題を変えよう…そう思い咄嗟に年齢を聞いてみた。

「アランさんはお幾つなんですか?」

考えこむ顔のまま私の方を向き答える。

「私は28ですよ」

(やっぱり年上かぁ…セレスさんと同じな訳ないしね)

「あっ、私は…」

「いいえ、女性の年齢は聞いてはいけないと思うので大丈夫ですよ。それよりここを真っ直ぐ行くとあやかさんの部屋です」

気付くともう部屋まであと少しのところまで来ていた。
確かに、なんとなくこの辺りであれば見覚えがあるなと思った。

部屋の前まで来るとアランさんは立ち止まりしっかりと私と向き合い、こう告げた。

「もう暗くなってきて、お腹も空いた事だと思います。食事を持たせますので、良い時間になったら迎えにきても良いですか?」

そう告げる顔は真剣そのもの。
怖さ…と言った感じはないのだが、少しだけ気後れしてしまう感じだけは何故かあった…。

「…わかりました。お願いします」

アランさんは部屋の扉を開けてくれ私を部屋の中にいれる。
そして、すぐに部屋を後にしていった。

ーーパタン

急に一人になった私は深く息を吐き、椅子に腰掛けた。

(スマートだけどなんだろう、たまに感じるこの感覚…自分にもよくわからない。
この後、アランさんと話すの大丈夫かな?)

一抹の不安が頭をよぎるが、迎えに来る時間だけはゆっくりと迫ってきた。
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