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兄弟喧嘩と解決方法
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クロウさんから離れた私はアランさんの後ろに身を隠した。
「クロウ、あやかさんが怯えてるよ。もう少し場をわきまえないと嫌われるよ」
「場が違っても私は嫌です…」
「だってさ。早く謝らないともっと嫌われるよ。
あっ、でもいっか。クロウには…」
「アラン、それ以上言ったら切るぞ?」
腰に携えた剣を抜こうとする体勢を見せるクロウさんにアランさんは、どうぞ。といった顔を見せていた。
(いやいや…こんな場所で切りつけるなんておかしい。ましてや兄弟だよね、この二人…)
「後悔しても知らんぞ?」
腰に携えた剣の柄を右手で握り、今まさに斬りかかろうかといった様子だった。
「やめてよ…なんで兄弟で…」
私はアランさんの左腕を掴み、もし斬りかかるなら私にもその刃が届いてしまうといった状況にし、思い留まってもらう感じの雰囲気を作った。
腕をギュッと握り込む私を見るアランさん。
「分かった分かった。止める。でも早くアランから離れろ、あやか」
剣から手を離し両手を上げ、もうしないと言ったポーズを見せるクロウさん。
ホッとした表情を見せる私だったが、これだけで終わらなかった。
腕を掴んでいる私を引き寄せ、抱きしめたのはアランだった…。
「えっ」
一瞬の出来事だった。
すぐに私を離し何事もなかった様な雰囲気を作るアランさんだったが、私は急な出来事で心臓がバクバクと鼓動していく。
「アラン…なんだ、今のは?」
「君だけじゃないよ、あやかさんが好きなのは。俺もいい歳だし、そろそろかなぁって思い始めているからね」
「ほぉ…お前に渡す気は無いな」
収まったかと思われた事態がアランさんの一言で再燃してしまった。
しかも…私を好きだとハッキリと…。
一度に二人、しかも兄弟と言う人達に好かれた私はこの場を収める方法を必死に考えた。
(三人でしっかり話し合う?…いや、こじれそう。
なら私抜きで二人で話し合う?…また切りつけるなんてなったら)
頭の中をグルグルと色んな解決方法を巡るが、最適の解答が出てこない。
そんな時…部屋の外からニャーと猫の声がした。
(動物頼り!ってクロウさん嫌いだったっけ…。
それにアランさんもあまり…のような)
いや、私達だけでは無理だなと思い、もうこれに頼ろうと私は部屋を出て猫を探した。
急に部屋を飛び出した私を何事と思いながら、立ち尽くす二人。
「いた!」
鳴き声の持ち主はアッシュだった。
『またあなた?なにか用?』
「お願い…抱っこさせて。どうしてもアッシュが必要なの」
アッシュよりも低く、土下座する様な感じでお願いをした。
『…あなた、面白いわね。いいわ、どうぞ』
なかなか懐かないと言われていたアッシュを私は抱き抱え、二人の元に戻った。
「クロウ、あやかさんが怯えてるよ。もう少し場をわきまえないと嫌われるよ」
「場が違っても私は嫌です…」
「だってさ。早く謝らないともっと嫌われるよ。
あっ、でもいっか。クロウには…」
「アラン、それ以上言ったら切るぞ?」
腰に携えた剣を抜こうとする体勢を見せるクロウさんにアランさんは、どうぞ。といった顔を見せていた。
(いやいや…こんな場所で切りつけるなんておかしい。ましてや兄弟だよね、この二人…)
「後悔しても知らんぞ?」
腰に携えた剣の柄を右手で握り、今まさに斬りかかろうかといった様子だった。
「やめてよ…なんで兄弟で…」
私はアランさんの左腕を掴み、もし斬りかかるなら私にもその刃が届いてしまうといった状況にし、思い留まってもらう感じの雰囲気を作った。
腕をギュッと握り込む私を見るアランさん。
「分かった分かった。止める。でも早くアランから離れろ、あやか」
剣から手を離し両手を上げ、もうしないと言ったポーズを見せるクロウさん。
ホッとした表情を見せる私だったが、これだけで終わらなかった。
腕を掴んでいる私を引き寄せ、抱きしめたのはアランだった…。
「えっ」
一瞬の出来事だった。
すぐに私を離し何事もなかった様な雰囲気を作るアランさんだったが、私は急な出来事で心臓がバクバクと鼓動していく。
「アラン…なんだ、今のは?」
「君だけじゃないよ、あやかさんが好きなのは。俺もいい歳だし、そろそろかなぁって思い始めているからね」
「ほぉ…お前に渡す気は無いな」
収まったかと思われた事態がアランさんの一言で再燃してしまった。
しかも…私を好きだとハッキリと…。
一度に二人、しかも兄弟と言う人達に好かれた私はこの場を収める方法を必死に考えた。
(三人でしっかり話し合う?…いや、こじれそう。
なら私抜きで二人で話し合う?…また切りつけるなんてなったら)
頭の中をグルグルと色んな解決方法を巡るが、最適の解答が出てこない。
そんな時…部屋の外からニャーと猫の声がした。
(動物頼り!ってクロウさん嫌いだったっけ…。
それにアランさんもあまり…のような)
いや、私達だけでは無理だなと思い、もうこれに頼ろうと私は部屋を出て猫を探した。
急に部屋を飛び出した私を何事と思いながら、立ち尽くす二人。
「いた!」
鳴き声の持ち主はアッシュだった。
『またあなた?なにか用?』
「お願い…抱っこさせて。どうしてもアッシュが必要なの」
アッシュよりも低く、土下座する様な感じでお願いをした。
『…あなた、面白いわね。いいわ、どうぞ』
なかなか懐かないと言われていたアッシュを私は抱き抱え、二人の元に戻った。
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