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第1部 恋ってなあに
第9話 お嬢様は押しが強めです。前編
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「お、お嬢様、帰りましょうよ!」
「わたくしが大丈夫だと言っているのだから、信用しなさい!」
ちらちら、キョロキョロと周りを見て、何かに怯えるように歩く少年と、その少年の前を勇ましく歩く一人の少女。
「騎士団の方々は庶民の暮らすところを基本的には巡回しているというじゃない。これは学院帰りの偶然を装ってメレル様とタウェン様にお会いする絶好の機会なのよ!」
そう言って、目を輝かせながら少女が空を仰ぐ。
仰いだところで、空は空。
それにしても、今日はとてもよく晴れていて、ものすごく眩しい。
コソコソと歩いていた道から、人が増えた道へと合流し、少女は「わあぁ」と小さく声を零す。
「今はこれが流行っているのかしら」
視界が開けた場所にあった店先に飾りられた華やかな服や飾りを見て、少女の瞳がさらにキラキラと輝く。
どの年齢であっても女性はお洒落が好きだよな、などと少年が彼女を見ながら考えていると、グンっ、と強めの力で腕を引かれた。
「よし、次はアッチに行くわよ!」
「も、森はダメですよ! お嬢様!! 危険すぎます!」
「大丈夫よ、ほんの少しだけ外に出るだけじゃない」
そう言って、少年の静止の声をまるきり無視して少女は走り出す。
武器も何も持ってきていない。
市街地からまだしも、森に行き、迷子にでもなったら。
いや、迷子どころか、野生動物や、良くないものに襲われでもしたら。
「クビどころか、ボク、旦那様に殺されるかも?!!」
サアァァ、と少年の躰の中から血の気が引く音がする。
「お嬢様! お待ち下さいぃぃぃ!!」
少し先の方まで走っていってしまっている少女を、慌てて追いかけながら、少年は彼女を止められなかったことをひたすらに後悔していた。
◇◇◇◇◇
「今日もよく採れたなぁ」
薬草籠がいっぱいになるほどの収穫に心をホクホクさせながら、森の中を歩く。
傷に効くもの、疲れに効くもの。
虫を避けるものに、反対に虫を寄せ付けるものなど、様々な効果に使えるものを少しずつ。
あくまでも自然にあるもののバランスを崩さないように、適度に採取していく。
「あ、あのルザの木がもうすぐ良さそうだなぁ」
木の高い位置から実が熟していくルザの木。
その木に実る、黄緑色の実が収穫に適した大きさと色合いへと近づいている。
「小さい頃に試しに早めに採ってみたらすごい酸っぱかったんだよねぇ」
顔を顰めすぎて中央に寄ってしまうのでは思うほどに酸っぱかった記憶がある。
「そういえば、あの時ってクートと私で食べて、二人とも黙りこんだんだっけ」
薬学府に通い始めた頃。
本に書いてある内容を確かめてみたくて、二人でこっそり囓ってみたんだった。
あの時は、ラグスにもユティアにも呆れられたなぁ。
そんなことを思い出し、ふふ、と一人で笑う。
「ああ、でも、この酸っぱさって、何かに生かせないかなぁ」
試しに少しだけ採ってみよう。
そう思い、低めのルザの木の足元に籠を置き、木の幹に足をかけた。
「きゃぁぁぁぁ!」
「ッ?!」
二つ目のルザの実をズボンのポケットに入れた時、大きな叫び声があたりに響く。
「女のコ?」
どこから、と木の上からジッ、と周りを見てみれば、草原のほうから走ってくる人影が見える。
「あの子!」
女のコの背後にいるのは、彼女よりも背の高い影。
「追いかけられてるのかも」
助けなきゃ。
そう思い、ポケットにいれてある薬瓶を確認し、木の幹から飛び降りた。
「君! こっちに!」
大きな声で彼女に呼びかける。
私の声に気がついた彼女が、ハッ、とした表情を浮かべたあと、息が途切れそうにならながらも必死に自分のほうへと走ってくる。
大きな影に見えたのは、人でも動物でもなく、大きな蜂の群れだ。
「刺されても平気といえば平気だけど、痛いよね、アレだけいると」
ぶううぅん、と重なり合った羽音が段々と近づいてくる。
見た目と、大きさ、それに羽音から、彼らは蜜蜂だ。
そう判断した私は、収穫したばかりの薬草籠から一つの束を取り出して、色鮮やかに咲いていた花先を握り潰す。
その瞬間、彼女へと向かって飛んでいた蜜蜂たちが、大きく波をうちながら、こちらへと飛んでくる。
その様子を目にした彼女が「危ない!!」と大きな声で叫ぶのを聞き、私はにこり、と彼女へと笑いかけた。
「あ、ありがとう」
「いえ! 他には、刺されているところとかありますか?」
「……あの……足首のあたりが……」
「ああ、ちょっと見ても大丈夫?」
「……お願いしますわ」
しますわ?
日常では聞き慣れない語尾に、一瞬止まりかけるも、まぁ、いいか、と彼女に「ごめんね」と一声かけてから、スカートの裾をめくる。
「ああ、ここも刺されてますね。またちょっとピリっとしますけど、あと少しだけ我慢できますか?」
「……お願いしますわ」
「分かりました」
不安そうな表情を浮かべる彼女に、にこり、と笑いかけてから、手持ちの薬を彼女の足につける。
一瞬だけ、ふる、と身震いをするものの、すぐに小さく息を吐いた彼女に、「もう大丈夫です」と笑顔を浮かべ告げる。
彼女はちらり、と私を見たあと「助かりましたわ」とほんの少し不機嫌そうな表情を浮かべた。
「あの……」
まだどこか痛むのだろうか。
そんな心配をした直後、「お嬢様ぁぁぁ!」と聞こえてきた声に、彼女の身体がピクリ、と反応をしめす。
『お嬢様』
どうりで、とその言葉に一人小さく頷く。
山を散策するには、歩きにくそうな靴だし、色合い自体は抑えた服装ではあるものの、さっき触れた服の布地も、上質なものだった。それに、さっき彼女が言った言葉。
薬学府に通っていた時に、お城の中でよく聞いた言葉遣いだ。
それにしても、何でお嬢様が、側付きもなしにこんな所に?
その私の疑問は、声のした方向から一生懸命にかけてくる少年の姿を見て、一瞬で解決したのだった。
「すみません……」
「私は大丈夫です。他には、怪我してませんか?」
「……大丈夫です、本当に助かりました」
彼の名前はヤン。私より少し歳下で、この少女の側付きの少年らしい。
転びかけたお嬢様を身を以て庇ったものの、うっかり蜂たちを刺激してしまったらしいお嬢様を、どうにかこうにか自分自身、怪我しながらも必死に追いかけてきた、とのことだ。
初めは、こんな森の中で出会った人間から治療なんて、という感じで疑いの目を私に向けていたヤン君だったけれど、薬師としての証明になるブレスレットに気づいた瞬間、「失礼いたしました……」とものすごい勢いで頭をさげていた。
「ヤン、本当に痛いところはなくて?」
「ボクは大丈夫です。それよりお嬢様、もう本当にお屋敷に戻りましょう? そろそろ皆さんがお気づきになって、お嬢様を探されているかも……!」
「……そうね……でも嫌よ! わたくしはまだ帰らないわ!」
「ええぇぇ……!」
ヤン君の言葉に、お嬢様は一瞬うなずきかけたものの、彼女はヤン君の言葉を全力で否定する。そんな彼女に、本気で困惑している彼に、「だいたい!」とお嬢様がヤン君を指差して立ち上がった。
「あなたがきちんと止めないからこんな事になったんでしょう! こっちに騎士団の皆さんが居ないなら、居ないってはっきり言いなさいよ!」
「ええぇぇ、ボク言いましたよぉぉ……」
「わたくしには伝わっていないわ!」
ふん! と大きく鼻から息をはき、お嬢様がヤン君から顔を背ける。
理不尽な、と彼女の言い分に思わず苦笑いを浮かべていれば、「そうですわ!!」と突然、お嬢様が大きな声をあげた。
「庶民のあなた! 庶民のあなたなら騎士団の皆さんを街でお見かけするでしょう?!」
バッ、とこっちに振り向きながら言う彼女の勢いに「え、あ、はい」と思わず頷きながら答えれば、彼女の顔が、パァァァ! と明るくなる。
「どちらにいらっしゃるか教えてくださらない?!」
ぎゅううう、と私の手を握りしめながら言う彼女に、かろうじて「……はい?」と首を傾げながら答えれば、彼女の顔が、グイ、とさらに一歩、私に近づいた。
「わたくしが大丈夫だと言っているのだから、信用しなさい!」
ちらちら、キョロキョロと周りを見て、何かに怯えるように歩く少年と、その少年の前を勇ましく歩く一人の少女。
「騎士団の方々は庶民の暮らすところを基本的には巡回しているというじゃない。これは学院帰りの偶然を装ってメレル様とタウェン様にお会いする絶好の機会なのよ!」
そう言って、目を輝かせながら少女が空を仰ぐ。
仰いだところで、空は空。
それにしても、今日はとてもよく晴れていて、ものすごく眩しい。
コソコソと歩いていた道から、人が増えた道へと合流し、少女は「わあぁ」と小さく声を零す。
「今はこれが流行っているのかしら」
視界が開けた場所にあった店先に飾りられた華やかな服や飾りを見て、少女の瞳がさらにキラキラと輝く。
どの年齢であっても女性はお洒落が好きだよな、などと少年が彼女を見ながら考えていると、グンっ、と強めの力で腕を引かれた。
「よし、次はアッチに行くわよ!」
「も、森はダメですよ! お嬢様!! 危険すぎます!」
「大丈夫よ、ほんの少しだけ外に出るだけじゃない」
そう言って、少年の静止の声をまるきり無視して少女は走り出す。
武器も何も持ってきていない。
市街地からまだしも、森に行き、迷子にでもなったら。
いや、迷子どころか、野生動物や、良くないものに襲われでもしたら。
「クビどころか、ボク、旦那様に殺されるかも?!!」
サアァァ、と少年の躰の中から血の気が引く音がする。
「お嬢様! お待ち下さいぃぃぃ!!」
少し先の方まで走っていってしまっている少女を、慌てて追いかけながら、少年は彼女を止められなかったことをひたすらに後悔していた。
◇◇◇◇◇
「今日もよく採れたなぁ」
薬草籠がいっぱいになるほどの収穫に心をホクホクさせながら、森の中を歩く。
傷に効くもの、疲れに効くもの。
虫を避けるものに、反対に虫を寄せ付けるものなど、様々な効果に使えるものを少しずつ。
あくまでも自然にあるもののバランスを崩さないように、適度に採取していく。
「あ、あのルザの木がもうすぐ良さそうだなぁ」
木の高い位置から実が熟していくルザの木。
その木に実る、黄緑色の実が収穫に適した大きさと色合いへと近づいている。
「小さい頃に試しに早めに採ってみたらすごい酸っぱかったんだよねぇ」
顔を顰めすぎて中央に寄ってしまうのでは思うほどに酸っぱかった記憶がある。
「そういえば、あの時ってクートと私で食べて、二人とも黙りこんだんだっけ」
薬学府に通い始めた頃。
本に書いてある内容を確かめてみたくて、二人でこっそり囓ってみたんだった。
あの時は、ラグスにもユティアにも呆れられたなぁ。
そんなことを思い出し、ふふ、と一人で笑う。
「ああ、でも、この酸っぱさって、何かに生かせないかなぁ」
試しに少しだけ採ってみよう。
そう思い、低めのルザの木の足元に籠を置き、木の幹に足をかけた。
「きゃぁぁぁぁ!」
「ッ?!」
二つ目のルザの実をズボンのポケットに入れた時、大きな叫び声があたりに響く。
「女のコ?」
どこから、と木の上からジッ、と周りを見てみれば、草原のほうから走ってくる人影が見える。
「あの子!」
女のコの背後にいるのは、彼女よりも背の高い影。
「追いかけられてるのかも」
助けなきゃ。
そう思い、ポケットにいれてある薬瓶を確認し、木の幹から飛び降りた。
「君! こっちに!」
大きな声で彼女に呼びかける。
私の声に気がついた彼女が、ハッ、とした表情を浮かべたあと、息が途切れそうにならながらも必死に自分のほうへと走ってくる。
大きな影に見えたのは、人でも動物でもなく、大きな蜂の群れだ。
「刺されても平気といえば平気だけど、痛いよね、アレだけいると」
ぶううぅん、と重なり合った羽音が段々と近づいてくる。
見た目と、大きさ、それに羽音から、彼らは蜜蜂だ。
そう判断した私は、収穫したばかりの薬草籠から一つの束を取り出して、色鮮やかに咲いていた花先を握り潰す。
その瞬間、彼女へと向かって飛んでいた蜜蜂たちが、大きく波をうちながら、こちらへと飛んでくる。
その様子を目にした彼女が「危ない!!」と大きな声で叫ぶのを聞き、私はにこり、と彼女へと笑いかけた。
「あ、ありがとう」
「いえ! 他には、刺されているところとかありますか?」
「……あの……足首のあたりが……」
「ああ、ちょっと見ても大丈夫?」
「……お願いしますわ」
しますわ?
日常では聞き慣れない語尾に、一瞬止まりかけるも、まぁ、いいか、と彼女に「ごめんね」と一声かけてから、スカートの裾をめくる。
「ああ、ここも刺されてますね。またちょっとピリっとしますけど、あと少しだけ我慢できますか?」
「……お願いしますわ」
「分かりました」
不安そうな表情を浮かべる彼女に、にこり、と笑いかけてから、手持ちの薬を彼女の足につける。
一瞬だけ、ふる、と身震いをするものの、すぐに小さく息を吐いた彼女に、「もう大丈夫です」と笑顔を浮かべ告げる。
彼女はちらり、と私を見たあと「助かりましたわ」とほんの少し不機嫌そうな表情を浮かべた。
「あの……」
まだどこか痛むのだろうか。
そんな心配をした直後、「お嬢様ぁぁぁ!」と聞こえてきた声に、彼女の身体がピクリ、と反応をしめす。
『お嬢様』
どうりで、とその言葉に一人小さく頷く。
山を散策するには、歩きにくそうな靴だし、色合い自体は抑えた服装ではあるものの、さっき触れた服の布地も、上質なものだった。それに、さっき彼女が言った言葉。
薬学府に通っていた時に、お城の中でよく聞いた言葉遣いだ。
それにしても、何でお嬢様が、側付きもなしにこんな所に?
その私の疑問は、声のした方向から一生懸命にかけてくる少年の姿を見て、一瞬で解決したのだった。
「すみません……」
「私は大丈夫です。他には、怪我してませんか?」
「……大丈夫です、本当に助かりました」
彼の名前はヤン。私より少し歳下で、この少女の側付きの少年らしい。
転びかけたお嬢様を身を以て庇ったものの、うっかり蜂たちを刺激してしまったらしいお嬢様を、どうにかこうにか自分自身、怪我しながらも必死に追いかけてきた、とのことだ。
初めは、こんな森の中で出会った人間から治療なんて、という感じで疑いの目を私に向けていたヤン君だったけれど、薬師としての証明になるブレスレットに気づいた瞬間、「失礼いたしました……」とものすごい勢いで頭をさげていた。
「ヤン、本当に痛いところはなくて?」
「ボクは大丈夫です。それよりお嬢様、もう本当にお屋敷に戻りましょう? そろそろ皆さんがお気づきになって、お嬢様を探されているかも……!」
「……そうね……でも嫌よ! わたくしはまだ帰らないわ!」
「ええぇぇ……!」
ヤン君の言葉に、お嬢様は一瞬うなずきかけたものの、彼女はヤン君の言葉を全力で否定する。そんな彼女に、本気で困惑している彼に、「だいたい!」とお嬢様がヤン君を指差して立ち上がった。
「あなたがきちんと止めないからこんな事になったんでしょう! こっちに騎士団の皆さんが居ないなら、居ないってはっきり言いなさいよ!」
「ええぇぇ、ボク言いましたよぉぉ……」
「わたくしには伝わっていないわ!」
ふん! と大きく鼻から息をはき、お嬢様がヤン君から顔を背ける。
理不尽な、と彼女の言い分に思わず苦笑いを浮かべていれば、「そうですわ!!」と突然、お嬢様が大きな声をあげた。
「庶民のあなた! 庶民のあなたなら騎士団の皆さんを街でお見かけするでしょう?!」
バッ、とこっちに振り向きながら言う彼女の勢いに「え、あ、はい」と思わず頷きながら答えれば、彼女の顔が、パァァァ! と明るくなる。
「どちらにいらっしゃるか教えてくださらない?!」
ぎゅううう、と私の手を握りしめながら言う彼女に、かろうじて「……はい?」と首を傾げながら答えれば、彼女の顔が、グイ、とさらに一歩、私に近づいた。
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