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10.細心の注意
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フェンリルに乗って平原をかけながらアリスに幾つかのクラスタルを手渡す。
「何かあった時の為に使えそうなクラスタルを幾つか渡しておくよ。
それと、俺だけが知る最強の秘術を教えておくよ。」
俺がそう言って手渡したクラスタルをアリスはストレージに仕舞う。
「このクラスタルには特殊な仕掛けがあってね。
全魔力を流し込む事で最終奥義である『ファイナルスキル』が使える。
ただし、ファイナルスキルを使うとクラスタルは粉々に砕け散ってしまうんだ。
ただ、それだけ効果も強力だ。
幸いな事に君にはあらゆるクラスタルを自由に生成できる俺がついてる。
消耗品だと思って気軽に使ってくれて構わないさ。
それとは別にこれも渡しておくよ。」
俺がそう言って他のクラスタルとはあえて別に黒いクラスタルを手渡す。
「そのクラスタルはファイナルスキル以外使わない様にしてくれ。
使うのも絶体絶命のピンチな時だけだ。
そのクラスタルは強力だがそれ故代償も大きい。
ファイナルスキル以外のスキルは全て自身の寿命を糧としたスキルなんだ。
だから絶対にファイナルスキル以外は使わないでくれ。」
俺が強く念を押す。
それだけ危険だがどんな局面でも引っくり返せる程強力なクラスタルなのは間違いない。
「わかった。大切に持っておくね。」
アリスはそう言ってホットパンツのポケットにしまった。
「見えました!王国軍です!」
兵の1人が言った。
それを聞いて俺もアリスも気を引き締めて前を向く。
白馬に乗る国王の前まで来ると国王は驚いた顔で俺を見た。
「我らアーヴァス帝国は奴隷解放を目指している。
ヒューゼル王国が奴隷制度を廃止しないのであれば、我らは剣を取り奴隷救済の為にそなた達を斬る事になるだろう。」
ルーギスが言った。
「奴隷制度は我が国の文化である。
それを否定する事は出来ぬ。」
予想通りの答えが国王から返ってくる。
「そうか、ならば我らは剣を取り奴隷解放をここに宣言する!!」
そう言ってルーギスが剣を抜く。
そこで俺は手を上げてそれを制止した。
「皇帝陛下。不躾ながら私めに策が御座います。」
俺が言うとルーギスよりも国王陛下が驚いていた。
「策とは?」
「この場を一度私にお任せ願えませんか?
もしかしたら剣を抜く必要も無くなるかもしれません。」
俺が言った。
俺だって人殺しなんてしたくないからな。
「ふむ。何をするつもりだ。」
「我が魔法を1つお見せしようかと。
我が祖より伝えられた創世者の魔法に御座います。」
俺が言うと国王陛下が更に驚く。
俺は魔法を使えないと言っていたしな。
「オズよ!そなたは魔法が使えんと!」
「えぇ、言いました。
嘘では御座いません。
私が使える魔法は創世魔法のみ。
この魔法は全ての祖となる魔法。
言わば魔術です。
私はあくまでも魔法が使えないと言ったまで。
魔術は使えますよ。
ただ、国王陛下がそれを勘違いなされただけです。」
俺がそう言って微笑む。
嘘は言ってなかった。
魔術と魔法に明確な違いこそ無いが俺の創世魔法は魔術に分類される。
つまり、正しくは創世魔術だ。
「ふむ、わかった。この場をオズに任せよう。」
「ありがとうございます。
それでは、僭越ながら私がこの世界を作り出すに至った原初の魔術。
創世の魔術を披露致しましょう。
《創の雷鳴は大地を切り裂き世界に亀裂を産み出した。
祖の力を創世龍の名の元に執行せん。
全ての創は我が天命を糧とし生まれ出ものなり。
創の紫電よ、我が天命を糧とし轟き響け!【創世ノ紫電】!!》」
俺が長い詠唱を唱える。
俺の寿命と引き換えに強力な魔法を発動させるのが創世魔法だ。
俺の詠唱と共に帝国と王国の間に雷が落ちて地面を切り裂いた。
「何かあった時の為に使えそうなクラスタルを幾つか渡しておくよ。
それと、俺だけが知る最強の秘術を教えておくよ。」
俺がそう言って手渡したクラスタルをアリスはストレージに仕舞う。
「このクラスタルには特殊な仕掛けがあってね。
全魔力を流し込む事で最終奥義である『ファイナルスキル』が使える。
ただし、ファイナルスキルを使うとクラスタルは粉々に砕け散ってしまうんだ。
ただ、それだけ効果も強力だ。
幸いな事に君にはあらゆるクラスタルを自由に生成できる俺がついてる。
消耗品だと思って気軽に使ってくれて構わないさ。
それとは別にこれも渡しておくよ。」
俺がそう言って他のクラスタルとはあえて別に黒いクラスタルを手渡す。
「そのクラスタルはファイナルスキル以外使わない様にしてくれ。
使うのも絶体絶命のピンチな時だけだ。
そのクラスタルは強力だがそれ故代償も大きい。
ファイナルスキル以外のスキルは全て自身の寿命を糧としたスキルなんだ。
だから絶対にファイナルスキル以外は使わないでくれ。」
俺が強く念を押す。
それだけ危険だがどんな局面でも引っくり返せる程強力なクラスタルなのは間違いない。
「わかった。大切に持っておくね。」
アリスはそう言ってホットパンツのポケットにしまった。
「見えました!王国軍です!」
兵の1人が言った。
それを聞いて俺もアリスも気を引き締めて前を向く。
白馬に乗る国王の前まで来ると国王は驚いた顔で俺を見た。
「我らアーヴァス帝国は奴隷解放を目指している。
ヒューゼル王国が奴隷制度を廃止しないのであれば、我らは剣を取り奴隷救済の為にそなた達を斬る事になるだろう。」
ルーギスが言った。
「奴隷制度は我が国の文化である。
それを否定する事は出来ぬ。」
予想通りの答えが国王から返ってくる。
「そうか、ならば我らは剣を取り奴隷解放をここに宣言する!!」
そう言ってルーギスが剣を抜く。
そこで俺は手を上げてそれを制止した。
「皇帝陛下。不躾ながら私めに策が御座います。」
俺が言うとルーギスよりも国王陛下が驚いていた。
「策とは?」
「この場を一度私にお任せ願えませんか?
もしかしたら剣を抜く必要も無くなるかもしれません。」
俺が言った。
俺だって人殺しなんてしたくないからな。
「ふむ。何をするつもりだ。」
「我が魔法を1つお見せしようかと。
我が祖より伝えられた創世者の魔法に御座います。」
俺が言うと国王陛下が更に驚く。
俺は魔法を使えないと言っていたしな。
「オズよ!そなたは魔法が使えんと!」
「えぇ、言いました。
嘘では御座いません。
私が使える魔法は創世魔法のみ。
この魔法は全ての祖となる魔法。
言わば魔術です。
私はあくまでも魔法が使えないと言ったまで。
魔術は使えますよ。
ただ、国王陛下がそれを勘違いなされただけです。」
俺がそう言って微笑む。
嘘は言ってなかった。
魔術と魔法に明確な違いこそ無いが俺の創世魔法は魔術に分類される。
つまり、正しくは創世魔術だ。
「ふむ、わかった。この場をオズに任せよう。」
「ありがとうございます。
それでは、僭越ながら私がこの世界を作り出すに至った原初の魔術。
創世の魔術を披露致しましょう。
《創の雷鳴は大地を切り裂き世界に亀裂を産み出した。
祖の力を創世龍の名の元に執行せん。
全ての創は我が天命を糧とし生まれ出ものなり。
創の紫電よ、我が天命を糧とし轟き響け!【創世ノ紫電】!!》」
俺が長い詠唱を唱える。
俺の寿命と引き換えに強力な魔法を発動させるのが創世魔法だ。
俺の詠唱と共に帝国と王国の間に雷が落ちて地面を切り裂いた。
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