1 / 22
1.王国脱出計画
しおりを挟む
西大陸一の大国と言われるヒューゼル王国。
沢山の人間が住み、西大陸の中心とも言われる大国だ。
故に、その国王も優秀でありその国王に使える者達も優秀な者達ばかりだった。
近衛騎士団の団長には剣聖と呼ばれる男が。
宮廷魔術師団には導師と呼ばれる男が。
そして、国王の側近には大賢者と呼ばれる男がついていた。
大賢者はあらゆる知識を有しており常に国の繁栄の為に最善の知識を与えてくれた。
しかし、逆に言えばそれだけだった。
大賢者と名乗るものの魔法は一切使えず、剣や武術もからっきし。
使えるスキルは鑑定の魔眼のみ。
その知識に助けられる事はあったがそれ意外では何も出来ない為、他の者達からは無能と呼ばれており国王が気に入っていなかったら今頃放り出されていたであろう人物だ。
そして、放り出される事を自ら望んでいる人物でもある。
─────────────
鏡の前に立ち身嗜みを整える。
黒髪ウルフカットにキリッとした目付きで赤い瞳。
シュッとした顔立ちで男にしては華奢な体つき。
身長は183cmで人間族では大きい方だ。
服装は黒いYシャツに赤いネクタイ、黒いカーゴパンツに茶色いブーツ。
肩から地に着く程丈の長い黒いコートを羽織っている。
コートの左肩には見開いた本に龍のマーク。
我がウィズリー家の家紋だ。
代々受け継がれてきた大切な物だ。
さて、そろそろ頃合いだよな。
この国を離れるのも。
臣下達の苛立ちも大分溜まってきた。
そろそろ国王陛下に直訴が行われるだろう。
そうすればいくら国王でも俺を追放するしか無くなる。
そうしなければ俺意外の臣下が皆辞職すらあり得るからな。
そして、追放されれば俺は晴れて自由だ。
自分から辞職と言えばそれ相応の理由が無ければ無理だろうし。
まさか悠々自適な旅をしたいなんて言っても無理だと言われるだけだ。
なら、追い出して貰うしか方法は無いよな。
自分の悪い噂を流すのは少々嫌だが国を追放される為の下準備は充分だ。
まさか、この国の誰も自分を追放する為に国中に噂を流してるなんて思わないだろうな。
俺の国外追放が全部俺の計画だったなんて気付くやつはいないだろう。
これで、この国ともおさらばだ。
俺は家を出て王城へと向かう。
王からの召喚に応える為に。
沢山の人間が住み、西大陸の中心とも言われる大国だ。
故に、その国王も優秀でありその国王に使える者達も優秀な者達ばかりだった。
近衛騎士団の団長には剣聖と呼ばれる男が。
宮廷魔術師団には導師と呼ばれる男が。
そして、国王の側近には大賢者と呼ばれる男がついていた。
大賢者はあらゆる知識を有しており常に国の繁栄の為に最善の知識を与えてくれた。
しかし、逆に言えばそれだけだった。
大賢者と名乗るものの魔法は一切使えず、剣や武術もからっきし。
使えるスキルは鑑定の魔眼のみ。
その知識に助けられる事はあったがそれ意外では何も出来ない為、他の者達からは無能と呼ばれており国王が気に入っていなかったら今頃放り出されていたであろう人物だ。
そして、放り出される事を自ら望んでいる人物でもある。
─────────────
鏡の前に立ち身嗜みを整える。
黒髪ウルフカットにキリッとした目付きで赤い瞳。
シュッとした顔立ちで男にしては華奢な体つき。
身長は183cmで人間族では大きい方だ。
服装は黒いYシャツに赤いネクタイ、黒いカーゴパンツに茶色いブーツ。
肩から地に着く程丈の長い黒いコートを羽織っている。
コートの左肩には見開いた本に龍のマーク。
我がウィズリー家の家紋だ。
代々受け継がれてきた大切な物だ。
さて、そろそろ頃合いだよな。
この国を離れるのも。
臣下達の苛立ちも大分溜まってきた。
そろそろ国王陛下に直訴が行われるだろう。
そうすればいくら国王でも俺を追放するしか無くなる。
そうしなければ俺意外の臣下が皆辞職すらあり得るからな。
そして、追放されれば俺は晴れて自由だ。
自分から辞職と言えばそれ相応の理由が無ければ無理だろうし。
まさか悠々自適な旅をしたいなんて言っても無理だと言われるだけだ。
なら、追い出して貰うしか方法は無いよな。
自分の悪い噂を流すのは少々嫌だが国を追放される為の下準備は充分だ。
まさか、この国の誰も自分を追放する為に国中に噂を流してるなんて思わないだろうな。
俺の国外追放が全部俺の計画だったなんて気付くやつはいないだろう。
これで、この国ともおさらばだ。
俺は家を出て王城へと向かう。
王からの召喚に応える為に。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説


【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。


もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる