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1.王国脱出計画
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西大陸一の大国と言われるヒューゼル王国。
沢山の人間が住み、西大陸の中心とも言われる大国だ。
故に、その国王も優秀でありその国王に使える者達も優秀な者達ばかりだった。
近衛騎士団の団長には剣聖と呼ばれる男が。
宮廷魔術師団には導師と呼ばれる男が。
そして、国王の側近には大賢者と呼ばれる男がついていた。
大賢者はあらゆる知識を有しており常に国の繁栄の為に最善の知識を与えてくれた。
しかし、逆に言えばそれだけだった。
大賢者と名乗るものの魔法は一切使えず、剣や武術もからっきし。
使えるスキルは鑑定の魔眼のみ。
その知識に助けられる事はあったがそれ意外では何も出来ない為、他の者達からは無能と呼ばれており国王が気に入っていなかったら今頃放り出されていたであろう人物だ。
そして、放り出される事を自ら望んでいる人物でもある。
─────────────
鏡の前に立ち身嗜みを整える。
黒髪ウルフカットにキリッとした目付きで赤い瞳。
シュッとした顔立ちで男にしては華奢な体つき。
身長は183cmで人間族では大きい方だ。
服装は黒いYシャツに赤いネクタイ、黒いカーゴパンツに茶色いブーツ。
肩から地に着く程丈の長い黒いコートを羽織っている。
コートの左肩には見開いた本に龍のマーク。
我がウィズリー家の家紋だ。
代々受け継がれてきた大切な物だ。
さて、そろそろ頃合いだよな。
この国を離れるのも。
臣下達の苛立ちも大分溜まってきた。
そろそろ国王陛下に直訴が行われるだろう。
そうすればいくら国王でも俺を追放するしか無くなる。
そうしなければ俺意外の臣下が皆辞職すらあり得るからな。
そして、追放されれば俺は晴れて自由だ。
自分から辞職と言えばそれ相応の理由が無ければ無理だろうし。
まさか悠々自適な旅をしたいなんて言っても無理だと言われるだけだ。
なら、追い出して貰うしか方法は無いよな。
自分の悪い噂を流すのは少々嫌だが国を追放される為の下準備は充分だ。
まさか、この国の誰も自分を追放する為に国中に噂を流してるなんて思わないだろうな。
俺の国外追放が全部俺の計画だったなんて気付くやつはいないだろう。
これで、この国ともおさらばだ。
俺は家を出て王城へと向かう。
王からの召喚に応える為に。
沢山の人間が住み、西大陸の中心とも言われる大国だ。
故に、その国王も優秀でありその国王に使える者達も優秀な者達ばかりだった。
近衛騎士団の団長には剣聖と呼ばれる男が。
宮廷魔術師団には導師と呼ばれる男が。
そして、国王の側近には大賢者と呼ばれる男がついていた。
大賢者はあらゆる知識を有しており常に国の繁栄の為に最善の知識を与えてくれた。
しかし、逆に言えばそれだけだった。
大賢者と名乗るものの魔法は一切使えず、剣や武術もからっきし。
使えるスキルは鑑定の魔眼のみ。
その知識に助けられる事はあったがそれ意外では何も出来ない為、他の者達からは無能と呼ばれており国王が気に入っていなかったら今頃放り出されていたであろう人物だ。
そして、放り出される事を自ら望んでいる人物でもある。
─────────────
鏡の前に立ち身嗜みを整える。
黒髪ウルフカットにキリッとした目付きで赤い瞳。
シュッとした顔立ちで男にしては華奢な体つき。
身長は183cmで人間族では大きい方だ。
服装は黒いYシャツに赤いネクタイ、黒いカーゴパンツに茶色いブーツ。
肩から地に着く程丈の長い黒いコートを羽織っている。
コートの左肩には見開いた本に龍のマーク。
我がウィズリー家の家紋だ。
代々受け継がれてきた大切な物だ。
さて、そろそろ頃合いだよな。
この国を離れるのも。
臣下達の苛立ちも大分溜まってきた。
そろそろ国王陛下に直訴が行われるだろう。
そうすればいくら国王でも俺を追放するしか無くなる。
そうしなければ俺意外の臣下が皆辞職すらあり得るからな。
そして、追放されれば俺は晴れて自由だ。
自分から辞職と言えばそれ相応の理由が無ければ無理だろうし。
まさか悠々自適な旅をしたいなんて言っても無理だと言われるだけだ。
なら、追い出して貰うしか方法は無いよな。
自分の悪い噂を流すのは少々嫌だが国を追放される為の下準備は充分だ。
まさか、この国の誰も自分を追放する為に国中に噂を流してるなんて思わないだろうな。
俺の国外追放が全部俺の計画だったなんて気付くやつはいないだろう。
これで、この国ともおさらばだ。
俺は家を出て王城へと向かう。
王からの召喚に応える為に。
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