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49.謝罪
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「アデリア嬢、今回のこと大変申し訳なかった」
今日起きた事をすべて説明が終えたのですが、するといきなり陛下がソファに座ったまま身体を倒して謝罪しましたわ。
「アデリア嬢、今まで不快な思いをさせて申し訳なかった」
すると呼応するようにジュリオ殿下まで頭を下げるではないですか。
一体、何が起こっていますの? なんでわたくし陛下と王太子殿下に頭を下げられているんですの?
今、目の前で繰り広げられている事にわたくしの頭がついていきませんわ。
「そ、そんな謝らないでください、陛下も王太子殿下も臣下に頭など下げないでくださいませ」
王妃様やアルフォンソ殿下に視線を送りますが、王妃様は扇で口元を隠して笑っておりますし、アルフォンソ殿下は小さく「当然の事だ」なんて呟いておりますのよ。わたくしどうしたらよろしいんですの?
「あなたたちいい加減になさいませ。アデリアが困っているではありませんか」
ここでようやく王妃様が助け舟を出してくださいましたわ。
おかげで陛下も王太子殿下も頭をあげてくださいました。
「だが、今回の事にしても、ジュリオの事にしてもな、全ては私が舐められているのが悪いのだ」
苦渋の表情を浮かべた陛下の言葉に、わたくしは眉間に皺を寄せますわ。
一体どういうことかとお話しを聞いてみますと、どうやらウィンダム侯爵家とは前当主の頃からあまりいい関係とは言えなかったようですの。
ウィンダム侯爵家はクルースト国よりに領地を持っておりまして、クルーストやスタンとの結びつきが強いらしいですわ。それだけでもちょっときな臭いと思うのですけれど、陛下がレオンディーヌ様(王妃様のお名前ですわ)を娶る際にもやたらと横やりを入れて来て、その当時のウィンダム侯爵家のご令嬢との婚姻を勧められたそうなのです。
しかも王妃様曰く、こんな細腰で子供など産めるのでしょうかな、ですとか、やはり女性は肉感的でなければ癒しにもなりませんでしょう、などと物凄く馬鹿にされたらしいですわ。
もちろん陛下は(当時はまだ王太子だったそうですが)ウィンダム侯爵をお叱りになったそうですが、当のウィンダム侯爵はどこ吹く風であったとか。
全く王家を王家とも思っていない態度で、よく貴族などやっていられるものですわ。
もうそれだけで不敬罪を適用してもよろしかったのではと思ってしまいますわ。
そしてその当時にはフェザンディエ公爵家のご当主もウィンダム侯爵と似通った事を仰って、色々と煩かったそうなんです。それにはわたくしも少し驚きましたわ。
だってわたくしが考案した(ことになっている)妊婦さんでも着れるドレスは、そのフェザンディエ公爵家のご令嬢のためだったはずですもの。
けれど、それもそのはず。
レオンディーヌ様は、フェザンディエ公爵家に婚約者のいないご令息様がいることに目をつけまして、すぐさまご友人でとても優秀だったノエラ様をそのご令息様にご紹介したのですって。
そうしましたらお二人は意気投合されたようで、今の世に父のような老人は必要なかろうと、当時のフェザンディエ公爵様を引退させ、領地へ追放、その後そのご令息様がご当主に納まったそうですわ。
フェザンディエ公爵夫人であるノエラ様には、妊婦さん用ドレスをおつくりしました時にお会いしましたが、とても人の好さそうなふくふくとした女性だったのですけれど。まあ、見た目では女性の怖さというものは分かりませんものね。
まあ、そんな事もございましたが、結局陛下の時には国母の座に座ることが出来なかったウィンダム侯爵家は、そのまま王位継承第二位であった王弟殿下の後見人となったようですわ。
とはいってもこの王弟殿下は、魔法にしか興味がない御仁でございまして、こちらもまたウィンダム侯爵家のご令嬢を嫁に迎える事もなく、未だに独り身で魔法省にほとんど住みついておりますの。
レオンディーヌ様としては、してやったりと思われた事でしょうね。あんな女性を馬鹿にしたようなもの言いをするような人ですもの。もしわたくしがその場にいたら、精霊様に思いきりお仕置きしてもらっていましたわよ。
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今日起きた事をすべて説明が終えたのですが、するといきなり陛下がソファに座ったまま身体を倒して謝罪しましたわ。
「アデリア嬢、今まで不快な思いをさせて申し訳なかった」
すると呼応するようにジュリオ殿下まで頭を下げるではないですか。
一体、何が起こっていますの? なんでわたくし陛下と王太子殿下に頭を下げられているんですの?
今、目の前で繰り広げられている事にわたくしの頭がついていきませんわ。
「そ、そんな謝らないでください、陛下も王太子殿下も臣下に頭など下げないでくださいませ」
王妃様やアルフォンソ殿下に視線を送りますが、王妃様は扇で口元を隠して笑っておりますし、アルフォンソ殿下は小さく「当然の事だ」なんて呟いておりますのよ。わたくしどうしたらよろしいんですの?
「あなたたちいい加減になさいませ。アデリアが困っているではありませんか」
ここでようやく王妃様が助け舟を出してくださいましたわ。
おかげで陛下も王太子殿下も頭をあげてくださいました。
「だが、今回の事にしても、ジュリオの事にしてもな、全ては私が舐められているのが悪いのだ」
苦渋の表情を浮かべた陛下の言葉に、わたくしは眉間に皺を寄せますわ。
一体どういうことかとお話しを聞いてみますと、どうやらウィンダム侯爵家とは前当主の頃からあまりいい関係とは言えなかったようですの。
ウィンダム侯爵家はクルースト国よりに領地を持っておりまして、クルーストやスタンとの結びつきが強いらしいですわ。それだけでもちょっときな臭いと思うのですけれど、陛下がレオンディーヌ様(王妃様のお名前ですわ)を娶る際にもやたらと横やりを入れて来て、その当時のウィンダム侯爵家のご令嬢との婚姻を勧められたそうなのです。
しかも王妃様曰く、こんな細腰で子供など産めるのでしょうかな、ですとか、やはり女性は肉感的でなければ癒しにもなりませんでしょう、などと物凄く馬鹿にされたらしいですわ。
もちろん陛下は(当時はまだ王太子だったそうですが)ウィンダム侯爵をお叱りになったそうですが、当のウィンダム侯爵はどこ吹く風であったとか。
全く王家を王家とも思っていない態度で、よく貴族などやっていられるものですわ。
もうそれだけで不敬罪を適用してもよろしかったのではと思ってしまいますわ。
そしてその当時にはフェザンディエ公爵家のご当主もウィンダム侯爵と似通った事を仰って、色々と煩かったそうなんです。それにはわたくしも少し驚きましたわ。
だってわたくしが考案した(ことになっている)妊婦さんでも着れるドレスは、そのフェザンディエ公爵家のご令嬢のためだったはずですもの。
けれど、それもそのはず。
レオンディーヌ様は、フェザンディエ公爵家に婚約者のいないご令息様がいることに目をつけまして、すぐさまご友人でとても優秀だったノエラ様をそのご令息様にご紹介したのですって。
そうしましたらお二人は意気投合されたようで、今の世に父のような老人は必要なかろうと、当時のフェザンディエ公爵様を引退させ、領地へ追放、その後そのご令息様がご当主に納まったそうですわ。
フェザンディエ公爵夫人であるノエラ様には、妊婦さん用ドレスをおつくりしました時にお会いしましたが、とても人の好さそうなふくふくとした女性だったのですけれど。まあ、見た目では女性の怖さというものは分かりませんものね。
まあ、そんな事もございましたが、結局陛下の時には国母の座に座ることが出来なかったウィンダム侯爵家は、そのまま王位継承第二位であった王弟殿下の後見人となったようですわ。
とはいってもこの王弟殿下は、魔法にしか興味がない御仁でございまして、こちらもまたウィンダム侯爵家のご令嬢を嫁に迎える事もなく、未だに独り身で魔法省にほとんど住みついておりますの。
レオンディーヌ様としては、してやったりと思われた事でしょうね。あんな女性を馬鹿にしたようなもの言いをするような人ですもの。もしわたくしがその場にいたら、精霊様に思いきりお仕置きしてもらっていましたわよ。
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