34 / 66
リカルド
7
しおりを挟む
「本来ならもっと早くにおめでとうと言うべきなのだろうがな、お前が遠征で出ている間に問題が起こった」
俺は考え込んでいたらしい。
殿下の声に顔をあげると、殿下の青い瞳は冷ややかに俺を見ていた。
「問題、ですか?」
「ああ、怪我人に不安を与えたくはないが、あまり放って置いてもいい問題ではないような気がしてな。だが、まず、お前に確認しないといけないのだ。お前の恋人の名前はコリンナであっているか」
殿下の言葉にどきりとした。さっき殿下は俺が結婚したことを確認していなかったか。なのにコリンナの名前を挙げる理由はなんだ。
「はい、あっております」
「お前の結婚した相手は、バーバラ・ルーベンス子爵令嬢であっているか」
「あっております」
生きた心地がしないというのは、こういうことを言うのだろうか。
殿下の言葉に心臓が痛いくらいに鼓動を速めた。
「では、アルトワイス騎士爵夫人とは誰を指している」
「……仰っている意味がよく分からないのですが」
殿下の言葉に俺は戸惑うしかなかった。いったい殿下は何を聞きたいのか。アルトワイス騎士爵夫人と呼ばれるのは、バーバラ嬢でしかあり得ないだろうに。
「ふむ。やはりお前は知らないのだな。まあ、そうだろうな。お前にはなんの得もないし。かと言って女が勝手に動いたにしては、手回しが良すぎるしな。そうすると誰の差し金か」
「殿下?」
ブツブツと呟く殿下の言葉は、周囲の雑音が全く聞こえないせいか、やけにはっきりと聞こえてくる。それは俺の不安を煽った。
「……お前がこの任務について、すでに半年が過ぎていることには気づいているか」
「ええ、それは、まあ」
元々半年と言い渡されていた任務だ。だがこの期間には移動の時間も含まれている。何せ荷駄隊も含む400名もの大移動だ。騎馬だけなら10日程度の日程も、人数が増えるだけで移動速度は各段に落ちる。それに加えて荷駄隊もとなると、移動だけでひと月みるのは妥当だろう。
だから本来であれば、すでに帰路についていてもおかしくはなかった。
けれど、どうしたわけか西の魔の森から溢れるように魔獣が現れる。最初は余裕で殲滅していたが、中々終わりが見えないとなると疲れがたまる。
今回はアゼリア側が討伐に参加しないということで、食料などは支援してもらえることになっていたし、長期の遠征の場合、近くの街に休暇に行かせる事もある。とは言え大人数を一遍に休ませるわけにもいかないために、十騎長が率いる小隊単位ずつになるため、休暇が中々回ってこないと言う不満もあるようだが、これについてはどうしようもなかった。
「第三は負傷者多数と連絡がきたのでな、一応、第六から補充人員は連れてきた。残りは調整中だが、なるべく重傷者から連れて帰るようにしたい。副団長はいるんだよな?」
「ええ、一応、完全に萎縮して、天幕に籠っておりますが」
「……使えんな」
俺についての話をしていたと思うのに、いきなり話題を変えられ俺も仕方なく返事をする。確かにそれも大事な話なのだ。
いつまでも重傷者や負傷者をこの場所に置いておくわけにはいかない。それに思ったよりも怪我人が多いせいで薬や包帯などの備品も数が少なくなってきていると聞いた。
もちろんそれらもアゼリア側に言えば用意はしてくれるだろうが、あまり借りを作るのも得策ではない。
「お前は足と肋骨だったか」
「足は皹が入っていたそうですが、治癒魔法で快癒していると言われました」
「そうすると肋骨か。確か肋骨にはあまり治癒魔法を使わないのだったな」
「肋骨の状態がどうなっているのか分かりませんので。下手に骨が欠けていたりすると心臓や肺を傷つけてしまう可能性があるため治癒魔法は使わない事になっております」
殿下の問いかけに、不意に別の声が応えた。医務官だ。
どうやら、いつの間にか防音魔法は解かれていたらしい。となると先ほどの話を俺から問いかけることは出来ないということだ。
「となるとリカルドはこのまま安静にしていろ、暫くは俺が陣頭指揮を執る」
その言葉に、俺はありがたいと素直に思った。
団長を失くし、怪我人を多く抱えた今の第三には、しっかりしたトップが必要だった。
それからの俺は、寝たり起きたりを繰り返す日々だった。何せ痛みで身体が動かせない。あまりにも痛みがひどい時は、痛み止めを処方してもらうが薬には限りがある。
殿下が連れて来た第六騎士団も荷駄隊を連れてきているので、ある程度の数は確保できているようだが、もしこのまま西の魔の森の討伐が続けられるのなら、やはり薬を無駄に使うべきではなかった。
殿下が姿を見せてから数日後、帰還の第一陣となる重傷者を乗せた荷駄隊と、騎士見習いたちが出発していった。
まずは重傷者を一番近い西のエルデガルド辺境伯のところに送り、騎士見習いと荷駄隊は、そこから王都へと向かう予定でいる。
たぶん次の人員も既に王都からは出立して、こちらに向かっている事だろう。
それが到着すれば、自分を含む軽傷者や第三、第五の騎士たちも帰還を始めることになるはずだ。ただ、それが一遍になのか、徐々になのかは殿下に確認していないので分からないのだが。
どちらにしても今の俺ではさして役には立たない。
肋骨をやってしまったせいで馬にもロクに乗れないし、剣も持つだけで精いっぱいだろう。かといって他の怪我人の面倒もみれないし食事の準備も手伝えない、となれば大人しく寝ている方が邪魔にならずにすむ分まだましのはずだ。
しかし普段、時間があれば鍛錬をするか溜まっている事務仕事をこなしているかのどちらかだった俺にしてみると、寝ているだけというのは落ち着かない。もちろん身体は休息を求めているから突然、眠気に襲われることもあったが、概ね俺は考えている。
王都に戻ったらまず何をしなくてはいけないのか。
自分から逃げ出すようにいなくなった俺を、コリンナはもう見限っているかもしれない。
一応、生活費などは月々渡してもらえるよう申請書は提出したが、長いこと顔を見せないダメな夫に、バーバラは呆れかえっているかもしれない。
だからまずは二人に謝らなくてはいけないだろう。
薬のせいか、ゆらりと揺れる意識の中で、俺はそんな事を考えていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リカルド回は、取り敢えずここまでです。次からはバーバラに戻ります。
現在、バーバラの話を書き溜めておりますが、もしかしたら1,2日間が空くかもしれません。
ここから少し展開早めていきます。たぶん。
俺は考え込んでいたらしい。
殿下の声に顔をあげると、殿下の青い瞳は冷ややかに俺を見ていた。
「問題、ですか?」
「ああ、怪我人に不安を与えたくはないが、あまり放って置いてもいい問題ではないような気がしてな。だが、まず、お前に確認しないといけないのだ。お前の恋人の名前はコリンナであっているか」
殿下の言葉にどきりとした。さっき殿下は俺が結婚したことを確認していなかったか。なのにコリンナの名前を挙げる理由はなんだ。
「はい、あっております」
「お前の結婚した相手は、バーバラ・ルーベンス子爵令嬢であっているか」
「あっております」
生きた心地がしないというのは、こういうことを言うのだろうか。
殿下の言葉に心臓が痛いくらいに鼓動を速めた。
「では、アルトワイス騎士爵夫人とは誰を指している」
「……仰っている意味がよく分からないのですが」
殿下の言葉に俺は戸惑うしかなかった。いったい殿下は何を聞きたいのか。アルトワイス騎士爵夫人と呼ばれるのは、バーバラ嬢でしかあり得ないだろうに。
「ふむ。やはりお前は知らないのだな。まあ、そうだろうな。お前にはなんの得もないし。かと言って女が勝手に動いたにしては、手回しが良すぎるしな。そうすると誰の差し金か」
「殿下?」
ブツブツと呟く殿下の言葉は、周囲の雑音が全く聞こえないせいか、やけにはっきりと聞こえてくる。それは俺の不安を煽った。
「……お前がこの任務について、すでに半年が過ぎていることには気づいているか」
「ええ、それは、まあ」
元々半年と言い渡されていた任務だ。だがこの期間には移動の時間も含まれている。何せ荷駄隊も含む400名もの大移動だ。騎馬だけなら10日程度の日程も、人数が増えるだけで移動速度は各段に落ちる。それに加えて荷駄隊もとなると、移動だけでひと月みるのは妥当だろう。
だから本来であれば、すでに帰路についていてもおかしくはなかった。
けれど、どうしたわけか西の魔の森から溢れるように魔獣が現れる。最初は余裕で殲滅していたが、中々終わりが見えないとなると疲れがたまる。
今回はアゼリア側が討伐に参加しないということで、食料などは支援してもらえることになっていたし、長期の遠征の場合、近くの街に休暇に行かせる事もある。とは言え大人数を一遍に休ませるわけにもいかないために、十騎長が率いる小隊単位ずつになるため、休暇が中々回ってこないと言う不満もあるようだが、これについてはどうしようもなかった。
「第三は負傷者多数と連絡がきたのでな、一応、第六から補充人員は連れてきた。残りは調整中だが、なるべく重傷者から連れて帰るようにしたい。副団長はいるんだよな?」
「ええ、一応、完全に萎縮して、天幕に籠っておりますが」
「……使えんな」
俺についての話をしていたと思うのに、いきなり話題を変えられ俺も仕方なく返事をする。確かにそれも大事な話なのだ。
いつまでも重傷者や負傷者をこの場所に置いておくわけにはいかない。それに思ったよりも怪我人が多いせいで薬や包帯などの備品も数が少なくなってきていると聞いた。
もちろんそれらもアゼリア側に言えば用意はしてくれるだろうが、あまり借りを作るのも得策ではない。
「お前は足と肋骨だったか」
「足は皹が入っていたそうですが、治癒魔法で快癒していると言われました」
「そうすると肋骨か。確か肋骨にはあまり治癒魔法を使わないのだったな」
「肋骨の状態がどうなっているのか分かりませんので。下手に骨が欠けていたりすると心臓や肺を傷つけてしまう可能性があるため治癒魔法は使わない事になっております」
殿下の問いかけに、不意に別の声が応えた。医務官だ。
どうやら、いつの間にか防音魔法は解かれていたらしい。となると先ほどの話を俺から問いかけることは出来ないということだ。
「となるとリカルドはこのまま安静にしていろ、暫くは俺が陣頭指揮を執る」
その言葉に、俺はありがたいと素直に思った。
団長を失くし、怪我人を多く抱えた今の第三には、しっかりしたトップが必要だった。
それからの俺は、寝たり起きたりを繰り返す日々だった。何せ痛みで身体が動かせない。あまりにも痛みがひどい時は、痛み止めを処方してもらうが薬には限りがある。
殿下が連れて来た第六騎士団も荷駄隊を連れてきているので、ある程度の数は確保できているようだが、もしこのまま西の魔の森の討伐が続けられるのなら、やはり薬を無駄に使うべきではなかった。
殿下が姿を見せてから数日後、帰還の第一陣となる重傷者を乗せた荷駄隊と、騎士見習いたちが出発していった。
まずは重傷者を一番近い西のエルデガルド辺境伯のところに送り、騎士見習いと荷駄隊は、そこから王都へと向かう予定でいる。
たぶん次の人員も既に王都からは出立して、こちらに向かっている事だろう。
それが到着すれば、自分を含む軽傷者や第三、第五の騎士たちも帰還を始めることになるはずだ。ただ、それが一遍になのか、徐々になのかは殿下に確認していないので分からないのだが。
どちらにしても今の俺ではさして役には立たない。
肋骨をやってしまったせいで馬にもロクに乗れないし、剣も持つだけで精いっぱいだろう。かといって他の怪我人の面倒もみれないし食事の準備も手伝えない、となれば大人しく寝ている方が邪魔にならずにすむ分まだましのはずだ。
しかし普段、時間があれば鍛錬をするか溜まっている事務仕事をこなしているかのどちらかだった俺にしてみると、寝ているだけというのは落ち着かない。もちろん身体は休息を求めているから突然、眠気に襲われることもあったが、概ね俺は考えている。
王都に戻ったらまず何をしなくてはいけないのか。
自分から逃げ出すようにいなくなった俺を、コリンナはもう見限っているかもしれない。
一応、生活費などは月々渡してもらえるよう申請書は提出したが、長いこと顔を見せないダメな夫に、バーバラは呆れかえっているかもしれない。
だからまずは二人に謝らなくてはいけないだろう。
薬のせいか、ゆらりと揺れる意識の中で、俺はそんな事を考えていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リカルド回は、取り敢えずここまでです。次からはバーバラに戻ります。
現在、バーバラの話を書き溜めておりますが、もしかしたら1,2日間が空くかもしれません。
ここから少し展開早めていきます。たぶん。
47
お気に入りに追加
5,864
あなたにおすすめの小説
愛せないですか。それなら別れましょう
黒木 楓
恋愛
「俺はお前を愛せないが、王妃にはしてやろう」
婚約者バラド王子の発言に、 侯爵令嬢フロンは唖然としてしまう。
バラド王子は、フロンよりも平民のラミカを愛している。
そしてフロンはこれから王妃となり、側妃となるラミカに従わなければならない。
王子の命令を聞き、フロンは我慢の限界がきた。
「愛せないですか。それなら別れましょう」
この時バラド王子は、ラミカの本性を知らなかった。
【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
【完結】捨ててください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。
でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。
分かっている。
貴方は私の事を愛していない。
私は貴方の側にいるだけで良かったのに。
貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。
もういいの。
ありがとう貴方。
もう私の事は、、、
捨ててください。
続編投稿しました。
初回完結6月25日
第2回目完結7月18日
もう、愛はいりませんから
さくたろう
恋愛
ローザリア王国公爵令嬢ルクレティア・フォルセティに、ある日突然、未来の記憶が蘇った。
王子リーヴァイの愛する人を殺害しようとした罪により投獄され、兄に差し出された毒を煽り死んだ記憶だ。それが未来の出来事だと確信したルクレティアは、そんな未来に怯えるが、その記憶のおかしさに気がつき、謎を探ることにする。そうしてやがて、ある人のひたむきな愛を知ることになる。
あなたが選んだのは私ではありませんでした 裏切られた私、ひっそり姿を消します
矢野りと
恋愛
旧題:贖罪〜あなたが選んだのは私ではありませんでした〜
言葉にして結婚を約束していたわけではないけれど、そうなると思っていた。
お互いに気持ちは同じだと信じていたから。
それなのに恋人は別れの言葉を私に告げてくる。
『すまない、別れて欲しい。これからは俺がサーシャを守っていこうと思っているんだ…』
サーシャとは、彼の亡くなった同僚騎士の婚約者だった人。
愛している人から捨てられる形となった私は、誰にも告げずに彼らの前から姿を消すことを選んだ。
あなたに未練などありません
風見ゆうみ
恋愛
「本当は前から知っていたんだ。君がキャロをいじめていた事」
初恋であり、ずっと思いを寄せていた婚約者からありえない事を言われ、侯爵令嬢であるわたし、アニエス・ロロアルの頭の中は真っ白になった。
わたしの婚約者はクォント国の第2王子ヘイスト殿下、幼馴染で親友のキャロラインは他の友人達と結託して嘘をつき、私から婚約者を奪おうと考えたようだった。
数日後の王家主催のパーティーでヘイスト殿下に婚約破棄されると知った父は激怒し、元々、わたしを憎んでいた事もあり、婚約破棄後はわたしとの縁を切り、わたしを家から追い出すと告げ、それを承認する書面にサインまでさせられてしまう。
そして、予告通り出席したパーティーで婚約破棄を告げられ絶望していたわたしに、その場で求婚してきたのは、ヘイスト殿下の兄であり病弱だという事で有名なジェレミー王太子殿下だった…。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※中世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物などは現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる