仮: 鬼族成り上がり【きぞくのなりあがり⠀】

山の剣士

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1章:少年の成長

9話

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「へぇ~。山から降りたこと無かったけど、すげぇなぁ~。草原って広いなぁ」

俺は9歳になる前の秋に思い出した。楽しく過ごしてるうちに昔の記憶がだんだん薄れていった。けど、ラールフレルに模擬戦で負けた時俺の親が悪魔に殺され、食われる夢をみた。もうあんな思いはしたくねぇ。仲間もあんな思いをするんならいらねぇ。ずっと1人でいい。そう思い始め、ラールフレルとガルマから距離を取り始めた。向こうは気づいてなかったみたいだけどなぁ。人が変わったように見えたんか?ちげぇ。距離をおいただけだ。

草原の太陽が沈む方向へ歩き出した。

「確かこっちだったな。あ~めんどくせぇ。空飛んでる方が楽だな。」

ん?前方に馬車が見える。なんだありゃ。人族が人族襲ってんぞ。無視でいいか。

「姫様!早く馬車の中に!お前ら!何がなんでも姫様を守れ!」

「「「「「おう!」」」」」

(ちっ。うるせーなー。静かにしてくれねぇかな。10人もいりゃうるさくなるか。)

と思いながら馬車が20メートル位の距離まで来た。

「おぉん?何だこのガキ!ん?おぉ!いい顔してんじゃねぇか。コイツうりゃ儲かるかもしんねぇなぁ!」

「お頭!いい考えですね!俺が捕まえてきますよ!」

「おうおう!早くしろよな」

「へーい!」

「そこの君!危ないから早く逃げて!」

「団長早く指示を!」

「お前ら3人でそこ突破して子供を保護してこい」

「「「御意!!!」」」



「おい!クソガキ!今からちょぉーと縛るけど動くんじゃねぇぞ。痛い思いしちゃうからなぁ」

と言いながら縄を持って近づいてきた。

「邪魔だ。凍れ。」

盗賊の1人が一瞬で凍らせられた。

それを見た3人の騎士、いや、ここまで来たのは1人か。が目を見開き見ていた。その横を通り過ぎようとしたら騎士が1人で喋り出した。

「ちょっと君!今のは魔法!?もしかして強い?ねぇ!ねぇ!無視しないでよ!」

肩に手をかけられ振り向き威圧を放った。

「ちょっ……や……め…」

鎧を着ていたせいか、気を失って倒れた時に結構大きな音がなって周りの盗賊と騎士団が一斉にこっちをみた。

「なんだよ。邪魔しねぇーから続きでもやってろ。」

「おい!待てよクソガキ。てめぇがうちのもんを凍らせたのか?あぁん?」

「だとしたらなんだ?」

「てめぇら!俺はちっとこいつに用がある。女は殺すな。男は皆殺しだ。」

「「「「「はい!」」」」」

お頭?って呼ばれてたやつの掛け声で戦闘が再開した。突然のことに騎士団が対応出来ずみるみるうちに次から次へと倒れた。

「お~い。クソガキ。どこ見てんだ?あぁん?てめぇはおもちゃだ。今からな!」

素人のような剣術で斬りかかってきた。

(脅しか?そんな剣で当たるわけねぇだろ。)

「落ちろ。」

唱えた途端に空が曇り始め雷が落ちた。雷が落ちた辺りはかなりの深さのクレーターが出来た。

「なんだ。もう死んだのか。」

と言いながら魔力探知と生命探知をかけ生き残ってないか確認したが見つからなかった。

(あっけねぇなぁ。)

「い、今の魔法は君が?」

「頼む!姫様を助けてくれ!」

「俺達はもう動けねぇ!頼む!」

そういえばと、周りを見たら盗賊らが馬車に群がっていた。

「キャーー!!!助けて!誰かー!」

「ちっ。見捨てんのも寝覚めが悪いからな。今回は助けてやる。2度目はないぞ。」

「あ、、ありがとう…」

「こっちに来い」

と言った途端に馬車の中にいたはずの姫がルークの隣にいた。

「え?え?ここどこ?助かったの?」

「静かにしろ。吹きとばせ。」

またもやルークが言った途端に盗賊ら全員が吹き飛びルークの用意した、炎のなかに落ちていった。

(ここから距離あるしいいか)

「!!!やっぱり無詠唱か!いや、詠唱破棄か?とにかく助かった!礼を言う!ありがとう!」

「「「ありがと!」」」

残りの騎士4人のうち団長らしき人が感謝を述べたあと残りの3人の騎士が声を揃えていった。

「礼はいい。んじゃあな。」

「ちょっと待ってください!助けてくれてありがとうございます!もし宜しければ私の馬車に乗っていかれますか?この方面だとアーレストに向かうのですか?なら乗るべきです!」

「何1人で会話してんだ?俺は歩いていく。」

「ちょっと待ってくださいって!目的地がアーレストじゃなくても途中まで乗せていけます!どうぞ乗ってください!」

「だからいいって言ってんだろ。」

「ちょっと!!!せめてお名前だけでも!」

「ルーク」

「ルークさん!ルークさんですね!今日は本当にありがとうございました!何もお礼できるものがなくてすみません。またお会いしたらしっかりとお礼させてもらいます!」

歩きながらルークは手をあげ、後ろに向けて軽く手を振った。
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