仮: 鬼族成り上がり【きぞくのなりあがり⠀】

山の剣士

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1章:少年の成長

3話

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窓の外から夕日が見えた。体を起こし周りを確認した。

「ここどこ?とーちゃんとかーちゃんは!?村のみんなは!?悪魔は!?」

「静かにしな。ここはワシの家さね。」

「!?あんた誰だ!ここはどこだ!」

「だから静かにしな。ここはアンタの村の少し離れた山小屋さ。偶然アンタの村を過ぎた奥に生える薬草をとった帰りにアンタの村が焼けてるとこを見つけてね。村を確認したけどあんたしか生き残りはいなかったよ。」

「悪魔は!?そーだ!!!とーちゃんとかーちゃんを食ったあの悪魔を倒さないと。とーちゃんとかーちゃんの仇を打たないと!!!」

「悪魔?あぁ、魔人のことかい?魔人ならいなかったよ。デーモンとか下位の悪魔の死体の山なら見つけたけどさ。」

「したい?」

「あぁ。悪魔の死体さ。体の一部が所々無くなってたり、凍ってたり、剣で切られたような死体が沢山あったねぇ。あれ、アンタがやったのかい?」

ん?体の一部が所々無くなってたりするのはかーちゃんがよく使う時空間魔法に似てるな。よく空間を切り取る魔法を使ったりしてたし、氷は村の中じゃ、かーちゃんしか魔法使えないし、剣もとーちゃんしか使わない。もしかして、とーちゃんとかーちゃんが倒したのか?
でも、僕の目の前で食われて……
その光景を思い出し僕は泣いてしまった。もうとーちゃんと剣で戦ったり、かーちゃんに魔法を教えて貰えなくなったりと思うと涙が止まらない。昔みたいに家族で笑いながらご飯食べたり、もう会えないと思うと胸が苦しくなった。

「男が泣くんじゃないよ。みっともない。アンタはこれからどうしたいんだい。」

「ぼくは……僕は、うぎこそは…ッ…何もかも守れるように大事なものを失わないように強く生きる!!!」

「そうかい。なら頑張りな。ワシは鑑定が使える。アンタは時空間魔法と氷魔法が使えるんだろう?ワシは伊達に長生きしていたわけじゃない。魔法のことならワシに任せなさい。そーだね。鬼族なら格闘術か…知り合いに頼んでみるさね。剣術も教えてくれるだろうさ。まぁ、期待せんでおくれ。」

「ッ!!!ありがとぉうござぁいますッ!」

泣きながら感謝の言葉を述べた僕に向かって笑いながら部屋から出ていった。
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