6 / 29
6 貢ぎ物
しおりを挟む
私の朝の始まりは波の音、海鳥の鳴く声で目が覚める。
少しずつ、頭が明瞭になってくると、海からの風で船が揺れる音に気づき、近くの市場に野菜を運ぶ荷馬車が忙しなく走って行くのがわかる。
遠くでニャアと猫の鳴声がして、朝ごはんをあげなくちゃと思った。
寝台から起き上がり、床下にある部屋から這い出て身支度を整えてから窓を開ける。港街はミルク色の霧の中に沈み、頬に冷たい空気が触れる。霧が晴れる前に暖炉の火を起こし、お湯を沸かす。
お昼近くに起きてくる娼館のみんなのためのお茶を入れ、食事を作る―――はずだった。
「う……」
甘い薔薇の香りとふかふかのクッション、足に繋がれた銀の鎖に気づいた。動くとじゃらりと重たい鎖の音がする。
鎖を目にしてオディロンに薬を飲まされたことを思い出した。
特に具合の悪い所はなく、ただの睡眠薬だったようで今まで深く眠っていたらしい。頭の中はぼんやりとしたままで完全に覚醒できていなかった。
絹のクッションから身を起こし、顔をあげると鳥籠を覆うシフォン生地の布が目に入った。薄く柔らかいシフォン生地は微かな風で揺れている。
覆われた布のせいで外は見えないものの、明るさや人の影はぼんやりとわかる。
私はどれだけ眠ってしまったのだろう。
そして、ここはどこなのか。
隙間から入り込む風はいつもの潮風じゃない。
吹き抜ける寒々しい風は自分がどこか広い大広間のようなところに連れて来られたということだけわかった。
ふわりと浮いた布の隙間から、外を覗いてみた。
「えっ……!」
驚きすぎて、ズサッと鳥籠の端っこに寄ってしまった。
こ、こ、これは私の見間違い?
ベアトリーチェはホスキンズ様に身請けされたのよね?
私がいるのはホスキンズ様のお屋敷のはず。
「ま、待って、どういういこと?」
今になり、やっと気が付いたけれど、私は台車に乗せられ運ばれている。
その台車が進んでいるのは長い回廊で、金の装飾とクリスタルのシャンデリアが続き、両側には金の燭台が並ぶ。
私は『パレ・ヴィオレット』で豪奢な調度品や装飾品を見慣れている。
そんな私でさえ、今いる場所の荘厳で優美な内装に言葉を失った。
あの『パレ・ヴィオレット』でもガラスのシャンデリアだったというのに私が今いるここはクリスタルのシャンデリアで、象牙色の壁には金の装飾が施され、同色の柱一本にしても花や葉、蔓が彫られていて芸術の域。
柱の大きさからいって、ここは商人が住むお屋敷レベルじゃない。
「ホスキンズ様のお屋敷にしては大きすぎるような……」
「ん? 起きたのかい。ベアトリーチェ」
私の呟いた声が聞こえたらしく、ホスキンズ様が布越しから私に話しかけた。
「昨晩は鳥籠の演出に驚いたが、鳥の獣人を披露するなら、これくらいでちょうどよかったかもしれないな。さすが『パレ・ヴィオレット』だ。気が利く」
「あのっ! 身請け人はホスキンズ様ですよね?」
「もちろんそうだ」
じゃあ、ここは……?
もう一度、確認しようと布の隙間を覗く。
でっぷりした体つきのホスキンズ様が前を歩いていた。
ホスキンズ様の服装は『パレ・ヴィオレット』に訪れる時より立派で、銀糸や金糸が施された上着とオニキスのように光る革靴をはき、金の懐中時計をぶらさけている。
オディロンよりも身なりは遥かにいい。
でも、こんな宮殿に住むほどの財力があるとは思えない。
「あ、あのぅ、ここはどこですか……?」
「ん? ヴィオレットから聞いていなかったのか。ここはレムナーク王国の王宮だ」
「レムナーク王国? おっ、王宮っ……?」
「珍しく美しい獣人の女性なら、国王陛下の氷のような心を溶かし、気を引くことができるんじゃないかと思ってな」
今なんて……?
国王陛下って言いませんでしたか?
聞き間違えですよねって、言いたいけど言えない。
私の耳はすごくいい。
犬だけあって聴力には自信があった。
遠くで鳴る雷だってわかるくらい。だから、外に干してある洗濯物は一度だって雨に濡らしたことがない。
「私を貢ぎ物にしたんですか?」
「うむ。レムナーク国王陛下はなにを差し上げても喜んでくれない方でな。困っていたんだ。だが、獣人となれば、希少な存在だ。喜ばずとも興味は引けると思ってね」
人をまるで物のように扱うホスキンズ様の感覚に気づいた。
ベアトリーチェが言っていたホスキンズ様が奴隷商をやっているという噂は本当だったのかもしれない。
心臓がバクバクと音をたて体が震えた。
確かに獣人は珍しいけど、こんな扱いされるとは思わなかった。
「獣人の一族は隠れ住んでいて、どこにいるかもわからない。たまに子供を売って生き延びているようだが、獣人が市場に出回るのは、ごくまれだからな」
ホスキンズ様が言う市場とは奴隷を扱っている場所のことだろう。彼が奴隷商であることは確定した。
私とベアトリーチェが生まれた故郷の場所はわからない。故郷を出る時に目隠しをされ、知らない人に手を引かれて馬車に乗せられた。馬車は一日中、走り続けて大きな町に辿り着いた。
そこで出会ったのが『パレ・ヴィオレット』の女主人ヴィオレットだった。
そういえば、ヴィオレットは何歳なのだろう。
誰も彼女の本当の年齢を知らない。若々しく、老いることがないように思えるヴィオレット。
いったい何者なのか―――
「ベアトリーチェ、お前は運がいい。ヴィオレットに拾われ、いい暮らしができたんだ。他の場所ならこうはいかない」
ははっと軽快な笑い声が響いた。
私は全然笑えなかったけど、ホスキンズ様は獣人を手に入れた自分の手腕に満足らしく、足取りも軽やかだ。
「レムナーク王国の国王陛下に謁見できるなどと、滅多にないことだぞ。光栄だろう?」
「ヴィオレットは知っているの?」
こんなことヴィオレットが許すとは思えなかった。今まで身請けされた姐さん達は裕福に暮らしているし、奴隷になったなんて、一度も聞いたことがない。
「もちろん、身請けしたのは私だが、その後はレムナーク王国の王宮に連れて行くとヴィオレットにはきちんと断ってある」
つまり、ヴィオレットも貢ぎ物にされると知っていて、この身請けを了承したっていうの?
あり得ない、あり得ないよ―――!
ぺたんと手をついた。
冷えた金属の感触が私をより一層孤独にさせた。
私がいたアシエベルグ王国に比べ、レムナーク王国は豊かで裕福、強い軍事力がある国だと聞いている。
今、『パレ・ヴィオレット』に通うお客様の中にレムナーク王国の王族や貴族はいない。
なぜなら、通っていた貴族は全員処刑されたから。
姐さん達の話では、今の国王陛下はすぐに人を殺すし、冷酷で人を人とも思わないって―――それから、王宮には化け物がいて人間を頭からバリバリ食べると言っていた。
そんな噂話を思い出し、恐怖でガタガタと体が震えだした。
美しいベアトリーチェならまだしも、外見が地味な上、芸の一つもできない私に生き延びる手段はあるのだろうか。
ない、なさすぎる。
この鳥籠を覆う布が外され、登場するのが淡い茶色の髪と黒い瞳の平凡な女だとわかったら返品どころか、死刑。こんなの、いらないって言われて、その場で首を刎ねられるに決まってる。
「さあ、国王陛下にお披露目だぞ」
ぎぃっと重たい扉の開く音が聞こえてきた。
それは私にとって死刑場の扉と同じ。
扉の向こう側に人の気配がした。
少しずつ、頭が明瞭になってくると、海からの風で船が揺れる音に気づき、近くの市場に野菜を運ぶ荷馬車が忙しなく走って行くのがわかる。
遠くでニャアと猫の鳴声がして、朝ごはんをあげなくちゃと思った。
寝台から起き上がり、床下にある部屋から這い出て身支度を整えてから窓を開ける。港街はミルク色の霧の中に沈み、頬に冷たい空気が触れる。霧が晴れる前に暖炉の火を起こし、お湯を沸かす。
お昼近くに起きてくる娼館のみんなのためのお茶を入れ、食事を作る―――はずだった。
「う……」
甘い薔薇の香りとふかふかのクッション、足に繋がれた銀の鎖に気づいた。動くとじゃらりと重たい鎖の音がする。
鎖を目にしてオディロンに薬を飲まされたことを思い出した。
特に具合の悪い所はなく、ただの睡眠薬だったようで今まで深く眠っていたらしい。頭の中はぼんやりとしたままで完全に覚醒できていなかった。
絹のクッションから身を起こし、顔をあげると鳥籠を覆うシフォン生地の布が目に入った。薄く柔らかいシフォン生地は微かな風で揺れている。
覆われた布のせいで外は見えないものの、明るさや人の影はぼんやりとわかる。
私はどれだけ眠ってしまったのだろう。
そして、ここはどこなのか。
隙間から入り込む風はいつもの潮風じゃない。
吹き抜ける寒々しい風は自分がどこか広い大広間のようなところに連れて来られたということだけわかった。
ふわりと浮いた布の隙間から、外を覗いてみた。
「えっ……!」
驚きすぎて、ズサッと鳥籠の端っこに寄ってしまった。
こ、こ、これは私の見間違い?
ベアトリーチェはホスキンズ様に身請けされたのよね?
私がいるのはホスキンズ様のお屋敷のはず。
「ま、待って、どういういこと?」
今になり、やっと気が付いたけれど、私は台車に乗せられ運ばれている。
その台車が進んでいるのは長い回廊で、金の装飾とクリスタルのシャンデリアが続き、両側には金の燭台が並ぶ。
私は『パレ・ヴィオレット』で豪奢な調度品や装飾品を見慣れている。
そんな私でさえ、今いる場所の荘厳で優美な内装に言葉を失った。
あの『パレ・ヴィオレット』でもガラスのシャンデリアだったというのに私が今いるここはクリスタルのシャンデリアで、象牙色の壁には金の装飾が施され、同色の柱一本にしても花や葉、蔓が彫られていて芸術の域。
柱の大きさからいって、ここは商人が住むお屋敷レベルじゃない。
「ホスキンズ様のお屋敷にしては大きすぎるような……」
「ん? 起きたのかい。ベアトリーチェ」
私の呟いた声が聞こえたらしく、ホスキンズ様が布越しから私に話しかけた。
「昨晩は鳥籠の演出に驚いたが、鳥の獣人を披露するなら、これくらいでちょうどよかったかもしれないな。さすが『パレ・ヴィオレット』だ。気が利く」
「あのっ! 身請け人はホスキンズ様ですよね?」
「もちろんそうだ」
じゃあ、ここは……?
もう一度、確認しようと布の隙間を覗く。
でっぷりした体つきのホスキンズ様が前を歩いていた。
ホスキンズ様の服装は『パレ・ヴィオレット』に訪れる時より立派で、銀糸や金糸が施された上着とオニキスのように光る革靴をはき、金の懐中時計をぶらさけている。
オディロンよりも身なりは遥かにいい。
でも、こんな宮殿に住むほどの財力があるとは思えない。
「あ、あのぅ、ここはどこですか……?」
「ん? ヴィオレットから聞いていなかったのか。ここはレムナーク王国の王宮だ」
「レムナーク王国? おっ、王宮っ……?」
「珍しく美しい獣人の女性なら、国王陛下の氷のような心を溶かし、気を引くことができるんじゃないかと思ってな」
今なんて……?
国王陛下って言いませんでしたか?
聞き間違えですよねって、言いたいけど言えない。
私の耳はすごくいい。
犬だけあって聴力には自信があった。
遠くで鳴る雷だってわかるくらい。だから、外に干してある洗濯物は一度だって雨に濡らしたことがない。
「私を貢ぎ物にしたんですか?」
「うむ。レムナーク国王陛下はなにを差し上げても喜んでくれない方でな。困っていたんだ。だが、獣人となれば、希少な存在だ。喜ばずとも興味は引けると思ってね」
人をまるで物のように扱うホスキンズ様の感覚に気づいた。
ベアトリーチェが言っていたホスキンズ様が奴隷商をやっているという噂は本当だったのかもしれない。
心臓がバクバクと音をたて体が震えた。
確かに獣人は珍しいけど、こんな扱いされるとは思わなかった。
「獣人の一族は隠れ住んでいて、どこにいるかもわからない。たまに子供を売って生き延びているようだが、獣人が市場に出回るのは、ごくまれだからな」
ホスキンズ様が言う市場とは奴隷を扱っている場所のことだろう。彼が奴隷商であることは確定した。
私とベアトリーチェが生まれた故郷の場所はわからない。故郷を出る時に目隠しをされ、知らない人に手を引かれて馬車に乗せられた。馬車は一日中、走り続けて大きな町に辿り着いた。
そこで出会ったのが『パレ・ヴィオレット』の女主人ヴィオレットだった。
そういえば、ヴィオレットは何歳なのだろう。
誰も彼女の本当の年齢を知らない。若々しく、老いることがないように思えるヴィオレット。
いったい何者なのか―――
「ベアトリーチェ、お前は運がいい。ヴィオレットに拾われ、いい暮らしができたんだ。他の場所ならこうはいかない」
ははっと軽快な笑い声が響いた。
私は全然笑えなかったけど、ホスキンズ様は獣人を手に入れた自分の手腕に満足らしく、足取りも軽やかだ。
「レムナーク王国の国王陛下に謁見できるなどと、滅多にないことだぞ。光栄だろう?」
「ヴィオレットは知っているの?」
こんなことヴィオレットが許すとは思えなかった。今まで身請けされた姐さん達は裕福に暮らしているし、奴隷になったなんて、一度も聞いたことがない。
「もちろん、身請けしたのは私だが、その後はレムナーク王国の王宮に連れて行くとヴィオレットにはきちんと断ってある」
つまり、ヴィオレットも貢ぎ物にされると知っていて、この身請けを了承したっていうの?
あり得ない、あり得ないよ―――!
ぺたんと手をついた。
冷えた金属の感触が私をより一層孤独にさせた。
私がいたアシエベルグ王国に比べ、レムナーク王国は豊かで裕福、強い軍事力がある国だと聞いている。
今、『パレ・ヴィオレット』に通うお客様の中にレムナーク王国の王族や貴族はいない。
なぜなら、通っていた貴族は全員処刑されたから。
姐さん達の話では、今の国王陛下はすぐに人を殺すし、冷酷で人を人とも思わないって―――それから、王宮には化け物がいて人間を頭からバリバリ食べると言っていた。
そんな噂話を思い出し、恐怖でガタガタと体が震えだした。
美しいベアトリーチェならまだしも、外見が地味な上、芸の一つもできない私に生き延びる手段はあるのだろうか。
ない、なさすぎる。
この鳥籠を覆う布が外され、登場するのが淡い茶色の髪と黒い瞳の平凡な女だとわかったら返品どころか、死刑。こんなの、いらないって言われて、その場で首を刎ねられるに決まってる。
「さあ、国王陛下にお披露目だぞ」
ぎぃっと重たい扉の開く音が聞こえてきた。
それは私にとって死刑場の扉と同じ。
扉の向こう側に人の気配がした。
1
お気に入りに追加
963
あなたにおすすめの小説
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
黒豹の騎士団長様に美味しく食べられました
Adria
恋愛
子供の時に傷を負った獣人であるリグニスを助けてから、彼は事あるごとにクリスティアーナに会いにきた。だが、人の姿の時は会ってくれない。
そのことに不満を感じ、ついにクリスティアーナは別れを切り出した。すると、豹のままの彼に押し倒されて――
イラスト:日室千種様(@ChiguHimu)
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
従者♂といかがわしいことをしていたもふもふ獣人辺境伯の夫に離縁を申し出たら何故か溺愛されました
甘酒
恋愛
中流貴族の令嬢であるイズ・ベルラインは、行き遅れであることにコンプレックスを抱いていたが、運良く辺境伯のラーファ・ダルク・エストとの婚姻が決まる。
互いにほぼ面識のない状態での結婚だったが、ラーファはイヌ科の獣人で、犬耳とふわふわの巻き尻尾にイズは魅了される。
しかし、イズは初夜でラーファの機嫌を損ねてしまい、それ以降ずっと夜の営みがない日々を過ごす。
辺境伯の夫人となり、可愛らしいもふもふを眺めていられるだけでも充分だ、とイズは自分に言い聞かせるが、ある日衝撃的な現場を目撃してしまい……。
生真面目なもふもふイヌ科獣人辺境伯×もふもふ大好き令嬢のすれ違い溺愛ラブストーリーです。
※こんなタイトルですがBL要素はありません。
※性的描写を含む部分には★が付きます。
【R18】幼馴染な陛下と、甘々な毎日になりました💕
月極まろん
恋愛
幼なじみの陛下に、気持ちだけでも伝えたくて。いい思い出にしたくて告白したのに、執務室のソファに座らせられて、なぜかこんなえっちな日々になりました。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる