25 / 29
第二章
5 姿を隠して ※R- 18
しおりを挟む
夕食を食べに行くだけ。
そう言っていたはずだった。
それなのに―――
豪華な夕食をたべ、檜の浴槽にたっぷりと天然温泉が入ったお風呂を楽しみ、湯上がりに浴衣を着て、内輪を手に涼んでいた。
雅冬さんの浴衣姿は始めてみたけれど、良く似合っていた。
って、それはいいの!
なぜ、旅館にいるのか。
「これは。どういうことですか」
「なにがだ?」
少しだけ開けた窓からは川が見え、轟々と激しい川の流れる音と涼しい風が入ってきていた。
「ここ、温泉旅館じゃないですか」
「そうだな」
「夕飯食べに行くって言いましたよね!?」
うん、と雅冬さんは頷いた。
「たがら、夕飯食べただろ?旅館で」
「そうですけど」
それは間違ってない。
でも―――
山奥の温泉は静かで鬱蒼とした黒い木々が窓からは見えていた。
まるで、自分達の姿を隠すための場所のような気がしてならなかった。
「普通の人か」
ポツリと雅冬さんが呟いた。
「菜々子が普通の人のほうがいいっていうなら、宮ノ入を辞めても構わない」
「な、なにバカなこと言ってるんですか」
腕を掴み、座っていた椅子に抱き寄せ、後頭部を押さえて顔を自分の胸に埋めさせた。
「辞めても普通に暮らしていけるくらいは稼げる。どこか、海外か田舎で二人で静かに暮らそう」
雅冬さんの声は穏やかで、その言葉は冗談じゃなく、本気だとわかった。
「どうして、そんな突拍子ないこと言うんですか?無理に決まってます」
「泣くからだろ!泣かせるために宮ノ入で働いているわけじゃない!」
雅冬さんの声が微かにに震えていた。
「い、痛いですよ。泣いたのはそういうんじゃなくて」
抱き締める手に力がこもり、痛いくらいだった。
「綾香か」
低く鋭い声にびくりと体を震わせると、雅冬さんが目を細めて、顎を掴んだ。
「なにを言われた?」
「い、言えないです。私の子供っぽい感情でしかないんです。だからっ、―――んっ」
唇を塞がれ、どさっと畳の上に押し倒された。
雅冬さんの綺麗な顔が苦しげに歪んだ。
「なんだ。俺がどう抱いたかとでも、言ったのか」
なんで、わかるんだろう。
「あいつのことだ。一番傷つくことを言うだろうと思っていた」
「ま、雅冬さん。私が悪いんです。付き合っていたら、当たり前なのに」
「当たり前じゃない。逆に俺が菜々子の昔の男に言われたら、殺してたかもな」
そんな冗談―――と言いかけてやめた。
やりかねない。
「わかった。それじゃあ、たっぷりと抱いてやる」
「な、なんで、そうなるんですか!?」
「俺がそうしたいから」
おかしくないですか?それ。
そう言う前に唇を塞がれ、もうなにも言えなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
浴衣の襟を大きく開けられ、胸を手のひらに包まれてゆっくりと撫でられていた。
「今まで付き合っていた女と別れてもなんの感情もなかった」
太股から体のラインを指が優しくなでて、耳元に熱い息がかかった。
「……っ!」
「言い寄られることしか、知らなかった」
泣き出しそうな顔が近くにあった。
そんな顔して欲しいわけじゃなかったのに―――まるで、私が傷つけたような気がして、胸が痛んだ。
「拒まれたのも初めてだ。堪えるな。あれは」
「ごめ……んなさ……い」
くぷ、と指が蜜壺の入り口に添えられ、腰が浮いた。
浴衣の帯がはらりと解かれ、前が完全に開いてしまった。
「何度拒んでも、嫌だと言っても離さない」
指が抜かれ、性急に熱く固いものがあてられた。
「ま、待って!まだっ」
みち、と先端が込められ、背筋が反り返った。
「ひあっ」
わずかに濡れた中に熱くたぎったものが、押し込まれ、苦しさのあまり涙がこぼれた。
「俺だって……いつも余裕なんかない…」
ぽたり、と雅冬さんの目から涙がこぼれた。
汗と涙が雨みたいに降って、胸が痛い。
「雅冬さんっ」
中は良く馴染み、深く呑み込んでいた。
雅冬さん力強い手が脚を抱え込むと激しく前後に揺らし、声をあげさせた。
「ひっ……あっ……ああ……」
腰を打ち付けられるたび、頭の奥にまで、その刺激が伝わる気がした。
甘い刺激が理性を奪い、腰をうねらせた。
中にいれたまま、体中をキスされ、愛撫されて、また動かされる。
「うっ…くぅっ……」
耳たぶを優しく噛まれ、舐められると中をぎゅうっと締め付けてしまい、どく、液体が注がれて、体の奥に満たされてしまう。
熱い―――
「はっ…あっ」
行き過ぎた快楽に苦しさを覚えて、涙をこぼすとその涙にすら口づけ、舐めとられる。
髪をかき上げられて、再び体を揺さぶられた。
「ひっ…んっ……んん」
中を擦られては泣き声に近い声を上げた。
最奥にこめられた瞬間、手足を突っ張らせて達してしまった。
「…あぅ……あ…。もっ…無理だから…雅冬さん」
中を強く締め付けてしまい、何度目かの熱いものが体に注がれたけれど、まだ終わりではなかった。
「何言ってるんだ。……これからだぞ」
「もっ……許してっ…」
「まだいけるだろう?」
そう言って、雅冬さんは容赦なく、雅冬さんは体に教え込むように何度も抱いたのだった。
そう言っていたはずだった。
それなのに―――
豪華な夕食をたべ、檜の浴槽にたっぷりと天然温泉が入ったお風呂を楽しみ、湯上がりに浴衣を着て、内輪を手に涼んでいた。
雅冬さんの浴衣姿は始めてみたけれど、良く似合っていた。
って、それはいいの!
なぜ、旅館にいるのか。
「これは。どういうことですか」
「なにがだ?」
少しだけ開けた窓からは川が見え、轟々と激しい川の流れる音と涼しい風が入ってきていた。
「ここ、温泉旅館じゃないですか」
「そうだな」
「夕飯食べに行くって言いましたよね!?」
うん、と雅冬さんは頷いた。
「たがら、夕飯食べただろ?旅館で」
「そうですけど」
それは間違ってない。
でも―――
山奥の温泉は静かで鬱蒼とした黒い木々が窓からは見えていた。
まるで、自分達の姿を隠すための場所のような気がしてならなかった。
「普通の人か」
ポツリと雅冬さんが呟いた。
「菜々子が普通の人のほうがいいっていうなら、宮ノ入を辞めても構わない」
「な、なにバカなこと言ってるんですか」
腕を掴み、座っていた椅子に抱き寄せ、後頭部を押さえて顔を自分の胸に埋めさせた。
「辞めても普通に暮らしていけるくらいは稼げる。どこか、海外か田舎で二人で静かに暮らそう」
雅冬さんの声は穏やかで、その言葉は冗談じゃなく、本気だとわかった。
「どうして、そんな突拍子ないこと言うんですか?無理に決まってます」
「泣くからだろ!泣かせるために宮ノ入で働いているわけじゃない!」
雅冬さんの声が微かにに震えていた。
「い、痛いですよ。泣いたのはそういうんじゃなくて」
抱き締める手に力がこもり、痛いくらいだった。
「綾香か」
低く鋭い声にびくりと体を震わせると、雅冬さんが目を細めて、顎を掴んだ。
「なにを言われた?」
「い、言えないです。私の子供っぽい感情でしかないんです。だからっ、―――んっ」
唇を塞がれ、どさっと畳の上に押し倒された。
雅冬さんの綺麗な顔が苦しげに歪んだ。
「なんだ。俺がどう抱いたかとでも、言ったのか」
なんで、わかるんだろう。
「あいつのことだ。一番傷つくことを言うだろうと思っていた」
「ま、雅冬さん。私が悪いんです。付き合っていたら、当たり前なのに」
「当たり前じゃない。逆に俺が菜々子の昔の男に言われたら、殺してたかもな」
そんな冗談―――と言いかけてやめた。
やりかねない。
「わかった。それじゃあ、たっぷりと抱いてやる」
「な、なんで、そうなるんですか!?」
「俺がそうしたいから」
おかしくないですか?それ。
そう言う前に唇を塞がれ、もうなにも言えなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
浴衣の襟を大きく開けられ、胸を手のひらに包まれてゆっくりと撫でられていた。
「今まで付き合っていた女と別れてもなんの感情もなかった」
太股から体のラインを指が優しくなでて、耳元に熱い息がかかった。
「……っ!」
「言い寄られることしか、知らなかった」
泣き出しそうな顔が近くにあった。
そんな顔して欲しいわけじゃなかったのに―――まるで、私が傷つけたような気がして、胸が痛んだ。
「拒まれたのも初めてだ。堪えるな。あれは」
「ごめ……んなさ……い」
くぷ、と指が蜜壺の入り口に添えられ、腰が浮いた。
浴衣の帯がはらりと解かれ、前が完全に開いてしまった。
「何度拒んでも、嫌だと言っても離さない」
指が抜かれ、性急に熱く固いものがあてられた。
「ま、待って!まだっ」
みち、と先端が込められ、背筋が反り返った。
「ひあっ」
わずかに濡れた中に熱くたぎったものが、押し込まれ、苦しさのあまり涙がこぼれた。
「俺だって……いつも余裕なんかない…」
ぽたり、と雅冬さんの目から涙がこぼれた。
汗と涙が雨みたいに降って、胸が痛い。
「雅冬さんっ」
中は良く馴染み、深く呑み込んでいた。
雅冬さん力強い手が脚を抱え込むと激しく前後に揺らし、声をあげさせた。
「ひっ……あっ……ああ……」
腰を打ち付けられるたび、頭の奥にまで、その刺激が伝わる気がした。
甘い刺激が理性を奪い、腰をうねらせた。
中にいれたまま、体中をキスされ、愛撫されて、また動かされる。
「うっ…くぅっ……」
耳たぶを優しく噛まれ、舐められると中をぎゅうっと締め付けてしまい、どく、液体が注がれて、体の奥に満たされてしまう。
熱い―――
「はっ…あっ」
行き過ぎた快楽に苦しさを覚えて、涙をこぼすとその涙にすら口づけ、舐めとられる。
髪をかき上げられて、再び体を揺さぶられた。
「ひっ…んっ……んん」
中を擦られては泣き声に近い声を上げた。
最奥にこめられた瞬間、手足を突っ張らせて達してしまった。
「…あぅ……あ…。もっ…無理だから…雅冬さん」
中を強く締め付けてしまい、何度目かの熱いものが体に注がれたけれど、まだ終わりではなかった。
「何言ってるんだ。……これからだぞ」
「もっ……許してっ…」
「まだいけるだろう?」
そう言って、雅冬さんは容赦なく、雅冬さんは体に教え込むように何度も抱いたのだった。
22
お気に入りに追加
1,922
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
クリスマスに咲くバラ
篠原怜
恋愛
亜美は29歳。クリスマスを目前にしてファッションモデルの仕事を引退した。亜美には貴大という婚約者がいるのだが今のところ結婚はの予定はない。彼は実業家の御曹司で、年下だけど頼りになる人。だけど亜美には結婚に踏み切れない複雑な事情があって……。■2012年に著者のサイトで公開したものの再掲です。
森でオッサンに拾って貰いました。
来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
恋愛
アパートの火事から逃げ出そうとして気がついたらパジャマで森にいた26歳のOLと、拾ってくれた40近く見える髭面のマッチョなオッサン(実は31歳)がラブラブするお話。ちと長めですが前後編で終わります。
ムーンライト、エブリスタにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる