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9 お見合い相手
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月曜日、いつものように部屋の鍵を閉め、アパート前に出ると、見知った顔の人がいた。
ごみステーションにいたのは、仁礼木家の家政婦、八重子さんだった。
「八重子さん。おはようございます」
「あらあ! おはようございます。志茉さんじゃありませんか。お久しぶりですねぇ」
「本当ですね。八重子さん、最近見かけなかったので、どうしたのかと思ってました」
「若い家政婦に任せて、温泉へ行っていたんですよ」
八重子さんはベテラン家政婦で、要人のお父さんが小さい頃から、仁礼木家で働いている。
私のことも娘のように、気にかけてくれる親切な人だ。
八重子さんはコホンと咳払いをし、ちらちらと私を見る。
「志茉さん。要人坊っちゃまの車に乗りましたか?」
「何度か……」
「それはよろしゅうございました。要人坊っちゃまは車を選ぶのに、すごく悩んでいらして、一番に志茉さんを乗せたいなんて、可愛らしいことをおっしゃってましたよ」
八重子さんは、仁礼木家のすべてを知っていると言っても過言ではない。
噂では、要人のお父さんですら、八重子さんには頭が上がらないとか。
「志茉さんの好きな車を買って、驚かせるおつもりだったんでしょう」
確かに驚いたけど、きっと要人が求めていた反応とは違う方向で驚いた気がする。
高級車に乗ったヤクザ風の男を演出するには、ぴったりだった。
「要人坊っちゃまはお小さい頃から、なんでもできる優秀なお子様でしたけど、志茉さんにはいくつになっても勝てませんね」
「そうですか? 私はいつも要人に負けているような気分になります」
「まあまあっ! そんなことありませんよ」
八重子さんはそう言ってから、ふとなにかを思い出したかのように、自分の頬に手をあてた。
「そういえば、要人坊ちゃまが家をお出になる話はお聞きしましたか?」
「要人から聞きました」
「私もね、この歳でございましょ? 要人坊ちゃまが家を出たら、仁礼木の家政婦を辞めるつもりなんですよ」
本来なら、八重子さんはすでに退職していたはずだった。
それを要人のお父さんが、若い家政婦だけでは心配だと、八重子さんを止め、もうしばらくだけと頼んだらしい。
「とうとうお辞めになるんですね……」
――また一人、私の周囲から親しい人がいなくなるのだと思うと、寂しくなった。
「仁礼木家のご子息を孫のように、可愛がって参りましたけどね……。体がいうことをきかなくなってきてしまって……」
「八重子さんがいなくなると、お隣の家事は大丈夫なんですか?」
「若い家政婦がおります。旦那様の世話くらいなんとかするでしょう」
仁礼木のおばさんは、あまり家にいないのか、八重子さんの口から『奥様』の話は出てこなかった。
「そうですか。八重子さんがいなくなると、寂しくなります」
「あらやだ。志茉さん、寂しいなんて。要人坊ちゃまがいらっしゃいますでしょ。そろそろ、要人坊ちゃまと結婚なさるのかと、思っていたんですよ」
八重子さんが何気なく言った『結婚』の二文字。
これが、他の人の耳に入ったら、大変なことになる。
キョロキョロと周囲を見回してしまった。
「あ、あの、八重子さん! 誤解があるようなので、言っておきますけど、私と要人は付き合ってません」
「照れなくてもいいんですよ。お二人が好き合ってることくらい私にはわかります」
誰から教えてもらったのか、八重子さんは指と指をくっつけて、ハートマークを作った。
「ご結婚は今年でしょうかね? それとも来年?」
「八重子さんっ! だから違うんですってばっ……」
「志茉? なにしてるんだ? 会社に行くぞ」
「ひえっ! か、要人!」
いつの間に出てきたのか、要人は道路にマセラティを止め、私を呼ぶ。
慌てて腕時計を見ると、もういい時間だった。
「や、八重子さん、失礼します」
「はい。いってらっしゃいまし」
八重子さんは私たちが乗った車が見えなくなるまで、道路に立ってを見送る。
――まったく、八重子さんには敵わないわ。
要人より、厄介な相手である。
「八重子さんとなにを話してたんだ?」
「え、えーと。天気の話よ」
「怪しいな」
知らん顔してくれたらいいのに、要人は無駄に鋭い勘を発揮して、私の嘘を見抜こうとする。
視線を感じ、要人を横目で見る。
「前だけ向いてなさいよ! 危ないでしょ!」
「なんか、俺に隠してないか?」
「隠してません!」
要人は変なとこで勘が鋭いから、気を付けなくてはならない。
会社近くまで来ると、要人は車を止めた。
「要人。送ってくれて、ありがとう」
「志茉、今日の夕飯はアパートで食べるから、俺の分も頼む」
「わかったわよ。仕事、頑張ってね」
「志茉もな」
車から離れ、正面エントランスに向かおうとした私の前に、我が親友、葉山恵衣が立っていた。
車から降りてくるところを見られていたようで、私と恵衣はしばし無言で佇む。
「お、おはよ」
「おはよう、志茉。今のなに? 夫婦の会話?」
車どころか、会話まで聞かれていたようだ。
「ぜ、全部、聞いてた? もしかして、他の人もいた?」
「志茉。慌てなくて大丈夫よ。あたしだけしか、気づいてないから。助手席に志茉らしき人が乗ってたから、どこで降りるのか、見ていたのよ」
どうやら、恵衣が目撃したのは、要人ではなく私。
さすが長年の付き合いだけある。
ほっとして、胸を撫で下ろした。
「いっそ、バレたほうが志茉のためにはよかったかもね」
「どういう意味!?」
「言葉のままよ」
恵衣と並んで歩きながら、会社に入る。
普段なら、静かな会社エントランスに、高い声が響く。
「沖重の営業の方って、とっても素敵だって聞いてたんですよ~! だから、お会いするの楽しみだったんです」
湯瀬さんと話をする女性が一人。
ブラウン系の髪に、ピンクのジャケット、白のワンピーススーツの華やかな姿。
沖重グループ本社では、見かけない色合いのスーツに、私と恵衣は足を止めた。
「見ない顔ね」
受付の恵衣が見たことがないというのなら、社員ではなさそうだ。
私と恵衣に気づいた湯瀬さんが、手招きをする。
「葉山、倉地。こちら扇田工業のお嬢さんで、扇田愛弓さん。社会勉強のため、今日から沖重の秘書課で働くそうだ」
「よろしくお願いしまーす。愛弓、働くの初めてだから、緊張しちゃって。湯瀬さんに相談に乗ってもらっていたんです」
にこにこ笑顔で、湯瀬さんと楽しそうに話している姿を見る限り、愛弓さんが緊張しているようには見えなかった。
「いえ。こちらこそ」
当たり障りない挨拶をし、立ち去ろうとした私の腕を恵衣が掴む。
――なっ、なぜ?
恵衣は受付でよく見る笑顔を浮かべ、愛弓さんに言った。
「秘書課って、どなたの秘書になられるのかしら?」
「私の希望は社長なんですけど、お仕事の邪魔になるって言われて、困ってるんです」
社長とは、つまり要人の秘書。
女子社員の鋭い視線が、愛弓さんに向けられた。
でも、愛弓さんはまったく気にしていない。
「お二人ともモデルみたいにスタイルがよくて、綺麗ですね」
恵衣はお得意の受付嬢スマイルを浮かべ、崩さない。
「二人とも男子社員から人気あるよ。葉山は受付で、倉地は経理課にいるんだ。わからないことがあれば、聞くといいよ」
「お仕事、できるんですね! 愛弓、働くの初めてなんです。お二人に負けないよう頑張りますね~! それで、湯瀬さんって~」
私たちに興味はないとばかりに、愛弓さんは湯瀬さんのほうを向く。
湯瀬さんを見ると、手でさりげなく、私たちにここから、離れるよう合図していた。
「遅刻すると困るので、失礼しますね」
恵衣と私は、湯瀬さんを生け贄にして、その場を離れた。
「志茉。あの手の女子は危険よ」
「危険!?」
「狙った獲物は、どんな手段を使っても仕留めるハンター女子!」
「ここはジャングルですか?」
冗談で言ったつもりが、恵衣は冗談として受け止めてくれなかった。
「ジャングルよ。食うか食われるか。奪うか奪われるか!」
「そ、そう? でも、同じ所で働くこともないから、無害じゃない?」
私がいる経理課には、社会勉強にしてはハードルが高すぎる。
「秘書課よ? 秘書課! 絶対、要人さん狙いよ?」
「でも、要人には男の秘書がいるって言ってたし」
「妻の余裕を見せるわねぇ~」
「誰が妻よ。事実を言っただけでしょ」
湯瀬さんと愛弓さんが、二人で話しているのを恵衣は不機嫌そうに眺め、ぷいっと顔を背けた。
「余裕ないのは、あたしだけかも」
珍しく恵衣は、弱気な発言をして、ロッカールームへ歩いていった。
でも、私はこの時、まだ知らなかった。
要人が言っていたお見合い相手――それが、愛弓さんだということを。
ごみステーションにいたのは、仁礼木家の家政婦、八重子さんだった。
「八重子さん。おはようございます」
「あらあ! おはようございます。志茉さんじゃありませんか。お久しぶりですねぇ」
「本当ですね。八重子さん、最近見かけなかったので、どうしたのかと思ってました」
「若い家政婦に任せて、温泉へ行っていたんですよ」
八重子さんはベテラン家政婦で、要人のお父さんが小さい頃から、仁礼木家で働いている。
私のことも娘のように、気にかけてくれる親切な人だ。
八重子さんはコホンと咳払いをし、ちらちらと私を見る。
「志茉さん。要人坊っちゃまの車に乗りましたか?」
「何度か……」
「それはよろしゅうございました。要人坊っちゃまは車を選ぶのに、すごく悩んでいらして、一番に志茉さんを乗せたいなんて、可愛らしいことをおっしゃってましたよ」
八重子さんは、仁礼木家のすべてを知っていると言っても過言ではない。
噂では、要人のお父さんですら、八重子さんには頭が上がらないとか。
「志茉さんの好きな車を買って、驚かせるおつもりだったんでしょう」
確かに驚いたけど、きっと要人が求めていた反応とは違う方向で驚いた気がする。
高級車に乗ったヤクザ風の男を演出するには、ぴったりだった。
「要人坊っちゃまはお小さい頃から、なんでもできる優秀なお子様でしたけど、志茉さんにはいくつになっても勝てませんね」
「そうですか? 私はいつも要人に負けているような気分になります」
「まあまあっ! そんなことありませんよ」
八重子さんはそう言ってから、ふとなにかを思い出したかのように、自分の頬に手をあてた。
「そういえば、要人坊ちゃまが家をお出になる話はお聞きしましたか?」
「要人から聞きました」
「私もね、この歳でございましょ? 要人坊ちゃまが家を出たら、仁礼木の家政婦を辞めるつもりなんですよ」
本来なら、八重子さんはすでに退職していたはずだった。
それを要人のお父さんが、若い家政婦だけでは心配だと、八重子さんを止め、もうしばらくだけと頼んだらしい。
「とうとうお辞めになるんですね……」
――また一人、私の周囲から親しい人がいなくなるのだと思うと、寂しくなった。
「仁礼木家のご子息を孫のように、可愛がって参りましたけどね……。体がいうことをきかなくなってきてしまって……」
「八重子さんがいなくなると、お隣の家事は大丈夫なんですか?」
「若い家政婦がおります。旦那様の世話くらいなんとかするでしょう」
仁礼木のおばさんは、あまり家にいないのか、八重子さんの口から『奥様』の話は出てこなかった。
「そうですか。八重子さんがいなくなると、寂しくなります」
「あらやだ。志茉さん、寂しいなんて。要人坊ちゃまがいらっしゃいますでしょ。そろそろ、要人坊ちゃまと結婚なさるのかと、思っていたんですよ」
八重子さんが何気なく言った『結婚』の二文字。
これが、他の人の耳に入ったら、大変なことになる。
キョロキョロと周囲を見回してしまった。
「あ、あの、八重子さん! 誤解があるようなので、言っておきますけど、私と要人は付き合ってません」
「照れなくてもいいんですよ。お二人が好き合ってることくらい私にはわかります」
誰から教えてもらったのか、八重子さんは指と指をくっつけて、ハートマークを作った。
「ご結婚は今年でしょうかね? それとも来年?」
「八重子さんっ! だから違うんですってばっ……」
「志茉? なにしてるんだ? 会社に行くぞ」
「ひえっ! か、要人!」
いつの間に出てきたのか、要人は道路にマセラティを止め、私を呼ぶ。
慌てて腕時計を見ると、もういい時間だった。
「や、八重子さん、失礼します」
「はい。いってらっしゃいまし」
八重子さんは私たちが乗った車が見えなくなるまで、道路に立ってを見送る。
――まったく、八重子さんには敵わないわ。
要人より、厄介な相手である。
「八重子さんとなにを話してたんだ?」
「え、えーと。天気の話よ」
「怪しいな」
知らん顔してくれたらいいのに、要人は無駄に鋭い勘を発揮して、私の嘘を見抜こうとする。
視線を感じ、要人を横目で見る。
「前だけ向いてなさいよ! 危ないでしょ!」
「なんか、俺に隠してないか?」
「隠してません!」
要人は変なとこで勘が鋭いから、気を付けなくてはならない。
会社近くまで来ると、要人は車を止めた。
「要人。送ってくれて、ありがとう」
「志茉、今日の夕飯はアパートで食べるから、俺の分も頼む」
「わかったわよ。仕事、頑張ってね」
「志茉もな」
車から離れ、正面エントランスに向かおうとした私の前に、我が親友、葉山恵衣が立っていた。
車から降りてくるところを見られていたようで、私と恵衣はしばし無言で佇む。
「お、おはよ」
「おはよう、志茉。今のなに? 夫婦の会話?」
車どころか、会話まで聞かれていたようだ。
「ぜ、全部、聞いてた? もしかして、他の人もいた?」
「志茉。慌てなくて大丈夫よ。あたしだけしか、気づいてないから。助手席に志茉らしき人が乗ってたから、どこで降りるのか、見ていたのよ」
どうやら、恵衣が目撃したのは、要人ではなく私。
さすが長年の付き合いだけある。
ほっとして、胸を撫で下ろした。
「いっそ、バレたほうが志茉のためにはよかったかもね」
「どういう意味!?」
「言葉のままよ」
恵衣と並んで歩きながら、会社に入る。
普段なら、静かな会社エントランスに、高い声が響く。
「沖重の営業の方って、とっても素敵だって聞いてたんですよ~! だから、お会いするの楽しみだったんです」
湯瀬さんと話をする女性が一人。
ブラウン系の髪に、ピンクのジャケット、白のワンピーススーツの華やかな姿。
沖重グループ本社では、見かけない色合いのスーツに、私と恵衣は足を止めた。
「見ない顔ね」
受付の恵衣が見たことがないというのなら、社員ではなさそうだ。
私と恵衣に気づいた湯瀬さんが、手招きをする。
「葉山、倉地。こちら扇田工業のお嬢さんで、扇田愛弓さん。社会勉強のため、今日から沖重の秘書課で働くそうだ」
「よろしくお願いしまーす。愛弓、働くの初めてだから、緊張しちゃって。湯瀬さんに相談に乗ってもらっていたんです」
にこにこ笑顔で、湯瀬さんと楽しそうに話している姿を見る限り、愛弓さんが緊張しているようには見えなかった。
「いえ。こちらこそ」
当たり障りない挨拶をし、立ち去ろうとした私の腕を恵衣が掴む。
――なっ、なぜ?
恵衣は受付でよく見る笑顔を浮かべ、愛弓さんに言った。
「秘書課って、どなたの秘書になられるのかしら?」
「私の希望は社長なんですけど、お仕事の邪魔になるって言われて、困ってるんです」
社長とは、つまり要人の秘書。
女子社員の鋭い視線が、愛弓さんに向けられた。
でも、愛弓さんはまったく気にしていない。
「お二人ともモデルみたいにスタイルがよくて、綺麗ですね」
恵衣はお得意の受付嬢スマイルを浮かべ、崩さない。
「二人とも男子社員から人気あるよ。葉山は受付で、倉地は経理課にいるんだ。わからないことがあれば、聞くといいよ」
「お仕事、できるんですね! 愛弓、働くの初めてなんです。お二人に負けないよう頑張りますね~! それで、湯瀬さんって~」
私たちに興味はないとばかりに、愛弓さんは湯瀬さんのほうを向く。
湯瀬さんを見ると、手でさりげなく、私たちにここから、離れるよう合図していた。
「遅刻すると困るので、失礼しますね」
恵衣と私は、湯瀬さんを生け贄にして、その場を離れた。
「志茉。あの手の女子は危険よ」
「危険!?」
「狙った獲物は、どんな手段を使っても仕留めるハンター女子!」
「ここはジャングルですか?」
冗談で言ったつもりが、恵衣は冗談として受け止めてくれなかった。
「ジャングルよ。食うか食われるか。奪うか奪われるか!」
「そ、そう? でも、同じ所で働くこともないから、無害じゃない?」
私がいる経理課には、社会勉強にしてはハードルが高すぎる。
「秘書課よ? 秘書課! 絶対、要人さん狙いよ?」
「でも、要人には男の秘書がいるって言ってたし」
「妻の余裕を見せるわねぇ~」
「誰が妻よ。事実を言っただけでしょ」
湯瀬さんと愛弓さんが、二人で話しているのを恵衣は不機嫌そうに眺め、ぷいっと顔を背けた。
「余裕ないのは、あたしだけかも」
珍しく恵衣は、弱気な発言をして、ロッカールームへ歩いていった。
でも、私はこの時、まだ知らなかった。
要人が言っていたお見合い相手――それが、愛弓さんだということを。
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