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3 友人の忠告
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新社長の噂話は、経理課にもなぜか届き、お昼前には、要人が仁礼木総合病院の次男であることが知れ渡り、彼女はいるのか、婚約者は誰なのかと、探りを入れる女子社員が増えた。
探偵並みの鋭さを持つ、経理部の大先輩たちは宮ノ入グループの知り合いの社員にまで、聞き込みをする始末。
今日の沖重グループの生産性の悪さは、新社長として、要人は反省するべきだと思う。
「私の存在は空気……。そう……空気になるのよ!」
昼休憩のランチタイムには、社食で友人と食べるのが、私の楽しみ。
昨日の残り物を詰めた手作り弁当を手に、社食へ向かう。
「志茉、こっち! 早くっ!」
「恵衣? どうして、そんな必死になってるの?」
社食の窓際を陣取り、すでに食べる準備万端の様子で、椅子に座って私を待っていたのは、高校からの友人である葉山恵衣。
一番いい窓際の席を陣取り、早く来いと手招きしていた。
「遅いっ! なにしてたのよ」
「仕事以外にないでしょ。恵衣が言いたいことは、想像つくわよ」
恵衣は受付で働いている。
つまり、朝、会社に入ってきた要人を真っ先に目にしたはずだった。
恵衣は社食の煮魚定食を横にやり、私に顔を寄せた……近い。
「ね、志茉。あたしの見間違えじゃなかったら、新しい社長、仁礼木要人先輩に見えたんだけど」
「目は正常です。見間違えじゃないわよ」
ひっと恵衣は、悲鳴に似た声を上げた。
「なにその声。ゾンビに出会ったような声を出さなくてもいいでしょ」
お弁当が入った袋をテーブルに置く。
先に来ていた恵衣が用意してくれたのか、セルフサービスのお茶を私の分まで、持ってきてくれていた。
「だ、だって、あの仁礼木先輩よね?」
どの仁礼木先輩なのかわからないけど、たぶん恵衣が知っている仁礼木は、要人だけだと思って、首を縦に振った。
「高校の時、志茉がちょっとだけ付き合った彼氏をボコボコにした……」
「おおげさよ。あれは私が付き合ったから、ボコボコにしたんじゃないわよ。その人は別件で、要人とケンカになったって言ってたし。要人は大学時代……小学生の頃から、モテモテで、私なんか眼中にないってば」
恵衣が用意してくれた温かいお茶を一口飲む。
「でも、その後別れたでしょ?」
「ま、まあ、だって、なんだか気まずくなって……」
高校生の頃、先輩と付き合ったのは、告白されたから。
まだ高校生だった私は、彼氏という存在に憧れていた。
もちろん、そんな浮ついた気持ちで付き合ったから、あっという間に自然消滅。
「あの頃は若かった……」
「今も若いでしょ! まだ二十四歳よ! 二十四歳っ!」
ヒートアップして、大声を出した恵衣の口を手で塞いだ。
他の先輩方の視線が、チクチク突き刺さる。
うるさくして、すみませんでしたと、なぜか騒いでいない私が、ペコペコ頭を下げる羽目になった。
「志茉。あ、あんたね。いい加減にしておきなさいよ。あの凶悪な肉食獣を野放しにしていいと思ってんの!?」
「要人のどこが凶悪なのよ。例えるなら、大型犬でしょ」
だいたい昨日だって、ご飯にふりかけで大喜びしていたんだから。
空腹を思い出し、お弁当箱を開けた。
このまま恵衣のお喋りに付き合っていたら、お弁当を食べ損ねてしまう。
蓋をあけると、田舎の手作り体験で作った大きな梅干しが、白いご飯の上にのっている。
「また田舎行きたいな」
時々、農業体験や田舎暮らしのイベントに、一人で出かけている。
いずれ、出勤可能な範囲で、自然の多い静かな場所に引っ越すつもりでいた。
今、住んでいるアパートは老朽化しており、長く住めない。
両親の思い出が残っているため、アパートがなくなるまではと思い、暮らしている。
でも、あのアパートを出たら、きっと私と要人の関係は変わってしまう。
お隣の幼馴染でいられなくなって、今みたいに気軽にやって来なくなる――
「田舎に行きたいなんて、おばあちゃんじゃあるまいし」
「癒されるの。去年、田植え体験と稲刈り体験にも行ってきたわよ。恵衣もどう? 収穫したお米がもらえるんだから!」
イキイキと語る私を見て、恵衣は呆れていた。
「行かないわよ。休みはエステにネイル、ショッピング。もう予定ぎっしりなの! だいたいあんなイケメンの幼馴染がいて、よくそこまで、厭世的になれるわね。あたしなら、ぜったい要人さんと付き合うわ」
「恵衣。私と要人は恋愛関係じゃないの。幼馴染よ」
「なに言ってるのよ。要人さんは志茉が好きでしょ? あたしから見てもわかるわよ」
「要人は私じゃなくてもいいの。放って置いても女の人が、たくさん寄ってくるし」
だいたい要人は仁礼木家のお坊ちゃま。私とは住む世界が違う。
古いアパートに住み、身よりのない私なんて、要人の両親が許さない。
仁礼木の家が要人に、家に相応しい女性と付き合うよう言っていることも知っている。
「あの顔よ!? そんなの当然、言い寄ってくる人は多いでしょ。けど、要人さんは志茉に懐いてるんだから」
「そうね。小学生の頃から、お母さんたちまで魅了するくらいには寄って来るわ」
「なにその、武勇伝」
「懐いてるのは否定しないけど、冷静に現状を分析するなら、隣の家に住む大型犬(ブルジョア)を餌付けしてしまっただけなのよ」
年齢を重ねるほど、世間と常識を知って、私たちの距離は遠くなる。
こんなに一緒にいるのに、なにもかも捨てて私たちが近づけたのは、一度だけ。
窓の外に目をやれば、桜の花が目に入る。
私の人生は、日々同じことの繰り返しで、来年も再来年も一人でこうやって、桜の花を眺めてる姿を容易に想像できた。
自分で作ったお弁当に視線を落とし、黙々と口に運ぶ。
「でも、志茉の気持ちもわかるわ。この年齢から付き合う相手は、どうしても結婚を意識しちゃうから。高校時代とは違うわよね」
恵衣は隣で日替わり定食を食べたら、冷静になったらしく、要人の家柄や立場を思い出したようだ。
私たちも二十四歳になって、今年で二十五歳。要人は二十八歳になる。
純粋に恋愛を楽しんでいた頃と違って、いろいろ意識してしまう。
友よ、わかってくれたようねと、言おうとした瞬間、社食がざわついた。
「仁礼木社長よ!」
「どうして、この社食に?」
「役員達が食べる上階の社食じゃないの!?」
「隣にいるの、常務よ。案内されているみたい」
要人よりずっと年上の常務は、ハンカチで汗をぬぐいながら、社食の案内をしていた。
いつもなら、上の階の役員専用の社食でゆったりランチをしているのに、今日はそうもいかないらしい。
なにか難しい話でもしているのか、要人はにこりともせず、社食内のあれこれを指示している。
要人が私を見つけると、口の端を上げて微笑んだ。
こちらが怖い顔をして睨むと、私との約束を思い出したのか、要人は慌てて目を逸らした。
「…ねえ、志茉。あたし、今、あの笑顔を見て思ったんだけど」
「うん?」
「あんた、要人さんを逃したら、絶対に一生独身よ?」
「そうかもね。それでもいいわ」
すでに私は就職から退職までの人生設計を描き、心穏やかに暮らすため、田舎への移住計画と貯蓄を始めている。
「よくなーい! 結婚したいと思った時に、要人さんレベルの男が、すぐその辺に転がってないんだから。なんなら、一緒に飲み会へ行く? 行けば、現実がわかるの?」
ずいっと顔を近づかせ、凄まじい圧をかけてくる。
「ちょ、ちょっと。恵衣!」
「そうだ。飲み会に行こ。今日、ちょうど受付の子たちと営業の湯瀬さんのグループで、飲みに行くのよ」
「でも、今日は大事な予定が……」
「なにその態度! 湯瀬さんグループから飲み会に誘われて、断る女子社員は、社内に誰もいないわよ」
「だって、今日はスーパーの卵が安い日で……」
キッと恵衣は、目を吊り上げて私を睨む。
「スーパーの卵じゃ恋の卵は育たないのよ! その若さで独身主義? ダメダメ! もっと人生楽しまなきゃ」
なにを得ようが、楽しもうが、最後には全て失うのに――両親を亡くした時の耐え難い悲しみを思い出し、目を伏せた。
その人が私の中で、大切な存在になればなるほど、一緒にいるのが怖い。
口に出せない言葉を胸の奥にしまい、散っていく桜の花を眺めていた。
悲しみに年齢なんて関係ない。
私は時が過ぎていくのを待つだけの身だった。
探偵並みの鋭さを持つ、経理部の大先輩たちは宮ノ入グループの知り合いの社員にまで、聞き込みをする始末。
今日の沖重グループの生産性の悪さは、新社長として、要人は反省するべきだと思う。
「私の存在は空気……。そう……空気になるのよ!」
昼休憩のランチタイムには、社食で友人と食べるのが、私の楽しみ。
昨日の残り物を詰めた手作り弁当を手に、社食へ向かう。
「志茉、こっち! 早くっ!」
「恵衣? どうして、そんな必死になってるの?」
社食の窓際を陣取り、すでに食べる準備万端の様子で、椅子に座って私を待っていたのは、高校からの友人である葉山恵衣。
一番いい窓際の席を陣取り、早く来いと手招きしていた。
「遅いっ! なにしてたのよ」
「仕事以外にないでしょ。恵衣が言いたいことは、想像つくわよ」
恵衣は受付で働いている。
つまり、朝、会社に入ってきた要人を真っ先に目にしたはずだった。
恵衣は社食の煮魚定食を横にやり、私に顔を寄せた……近い。
「ね、志茉。あたしの見間違えじゃなかったら、新しい社長、仁礼木要人先輩に見えたんだけど」
「目は正常です。見間違えじゃないわよ」
ひっと恵衣は、悲鳴に似た声を上げた。
「なにその声。ゾンビに出会ったような声を出さなくてもいいでしょ」
お弁当が入った袋をテーブルに置く。
先に来ていた恵衣が用意してくれたのか、セルフサービスのお茶を私の分まで、持ってきてくれていた。
「だ、だって、あの仁礼木先輩よね?」
どの仁礼木先輩なのかわからないけど、たぶん恵衣が知っている仁礼木は、要人だけだと思って、首を縦に振った。
「高校の時、志茉がちょっとだけ付き合った彼氏をボコボコにした……」
「おおげさよ。あれは私が付き合ったから、ボコボコにしたんじゃないわよ。その人は別件で、要人とケンカになったって言ってたし。要人は大学時代……小学生の頃から、モテモテで、私なんか眼中にないってば」
恵衣が用意してくれた温かいお茶を一口飲む。
「でも、その後別れたでしょ?」
「ま、まあ、だって、なんだか気まずくなって……」
高校生の頃、先輩と付き合ったのは、告白されたから。
まだ高校生だった私は、彼氏という存在に憧れていた。
もちろん、そんな浮ついた気持ちで付き合ったから、あっという間に自然消滅。
「あの頃は若かった……」
「今も若いでしょ! まだ二十四歳よ! 二十四歳っ!」
ヒートアップして、大声を出した恵衣の口を手で塞いだ。
他の先輩方の視線が、チクチク突き刺さる。
うるさくして、すみませんでしたと、なぜか騒いでいない私が、ペコペコ頭を下げる羽目になった。
「志茉。あ、あんたね。いい加減にしておきなさいよ。あの凶悪な肉食獣を野放しにしていいと思ってんの!?」
「要人のどこが凶悪なのよ。例えるなら、大型犬でしょ」
だいたい昨日だって、ご飯にふりかけで大喜びしていたんだから。
空腹を思い出し、お弁当箱を開けた。
このまま恵衣のお喋りに付き合っていたら、お弁当を食べ損ねてしまう。
蓋をあけると、田舎の手作り体験で作った大きな梅干しが、白いご飯の上にのっている。
「また田舎行きたいな」
時々、農業体験や田舎暮らしのイベントに、一人で出かけている。
いずれ、出勤可能な範囲で、自然の多い静かな場所に引っ越すつもりでいた。
今、住んでいるアパートは老朽化しており、長く住めない。
両親の思い出が残っているため、アパートがなくなるまではと思い、暮らしている。
でも、あのアパートを出たら、きっと私と要人の関係は変わってしまう。
お隣の幼馴染でいられなくなって、今みたいに気軽にやって来なくなる――
「田舎に行きたいなんて、おばあちゃんじゃあるまいし」
「癒されるの。去年、田植え体験と稲刈り体験にも行ってきたわよ。恵衣もどう? 収穫したお米がもらえるんだから!」
イキイキと語る私を見て、恵衣は呆れていた。
「行かないわよ。休みはエステにネイル、ショッピング。もう予定ぎっしりなの! だいたいあんなイケメンの幼馴染がいて、よくそこまで、厭世的になれるわね。あたしなら、ぜったい要人さんと付き合うわ」
「恵衣。私と要人は恋愛関係じゃないの。幼馴染よ」
「なに言ってるのよ。要人さんは志茉が好きでしょ? あたしから見てもわかるわよ」
「要人は私じゃなくてもいいの。放って置いても女の人が、たくさん寄ってくるし」
だいたい要人は仁礼木家のお坊ちゃま。私とは住む世界が違う。
古いアパートに住み、身よりのない私なんて、要人の両親が許さない。
仁礼木の家が要人に、家に相応しい女性と付き合うよう言っていることも知っている。
「あの顔よ!? そんなの当然、言い寄ってくる人は多いでしょ。けど、要人さんは志茉に懐いてるんだから」
「そうね。小学生の頃から、お母さんたちまで魅了するくらいには寄って来るわ」
「なにその、武勇伝」
「懐いてるのは否定しないけど、冷静に現状を分析するなら、隣の家に住む大型犬(ブルジョア)を餌付けしてしまっただけなのよ」
年齢を重ねるほど、世間と常識を知って、私たちの距離は遠くなる。
こんなに一緒にいるのに、なにもかも捨てて私たちが近づけたのは、一度だけ。
窓の外に目をやれば、桜の花が目に入る。
私の人生は、日々同じことの繰り返しで、来年も再来年も一人でこうやって、桜の花を眺めてる姿を容易に想像できた。
自分で作ったお弁当に視線を落とし、黙々と口に運ぶ。
「でも、志茉の気持ちもわかるわ。この年齢から付き合う相手は、どうしても結婚を意識しちゃうから。高校時代とは違うわよね」
恵衣は隣で日替わり定食を食べたら、冷静になったらしく、要人の家柄や立場を思い出したようだ。
私たちも二十四歳になって、今年で二十五歳。要人は二十八歳になる。
純粋に恋愛を楽しんでいた頃と違って、いろいろ意識してしまう。
友よ、わかってくれたようねと、言おうとした瞬間、社食がざわついた。
「仁礼木社長よ!」
「どうして、この社食に?」
「役員達が食べる上階の社食じゃないの!?」
「隣にいるの、常務よ。案内されているみたい」
要人よりずっと年上の常務は、ハンカチで汗をぬぐいながら、社食の案内をしていた。
いつもなら、上の階の役員専用の社食でゆったりランチをしているのに、今日はそうもいかないらしい。
なにか難しい話でもしているのか、要人はにこりともせず、社食内のあれこれを指示している。
要人が私を見つけると、口の端を上げて微笑んだ。
こちらが怖い顔をして睨むと、私との約束を思い出したのか、要人は慌てて目を逸らした。
「…ねえ、志茉。あたし、今、あの笑顔を見て思ったんだけど」
「うん?」
「あんた、要人さんを逃したら、絶対に一生独身よ?」
「そうかもね。それでもいいわ」
すでに私は就職から退職までの人生設計を描き、心穏やかに暮らすため、田舎への移住計画と貯蓄を始めている。
「よくなーい! 結婚したいと思った時に、要人さんレベルの男が、すぐその辺に転がってないんだから。なんなら、一緒に飲み会へ行く? 行けば、現実がわかるの?」
ずいっと顔を近づかせ、凄まじい圧をかけてくる。
「ちょ、ちょっと。恵衣!」
「そうだ。飲み会に行こ。今日、ちょうど受付の子たちと営業の湯瀬さんのグループで、飲みに行くのよ」
「でも、今日は大事な予定が……」
「なにその態度! 湯瀬さんグループから飲み会に誘われて、断る女子社員は、社内に誰もいないわよ」
「だって、今日はスーパーの卵が安い日で……」
キッと恵衣は、目を吊り上げて私を睨む。
「スーパーの卵じゃ恋の卵は育たないのよ! その若さで独身主義? ダメダメ! もっと人生楽しまなきゃ」
なにを得ようが、楽しもうが、最後には全て失うのに――両親を亡くした時の耐え難い悲しみを思い出し、目を伏せた。
その人が私の中で、大切な存在になればなるほど、一緒にいるのが怖い。
口に出せない言葉を胸の奥にしまい、散っていく桜の花を眺めていた。
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