30 / 30
30 それぞれの旅立ち
しおりを挟む
ヴィルジニア王女、愛を証明するために命を絶った――ルヴェロナ王国はそれを王女の悲しい恋物語として紡いでいくだろう。
真実を知る者以外は。
なんて、かっこいいかんじで、身内以外は話がまとまったわけだけど、実際のところ後始末が大変だった。
アルドはすぐにルヴェロナへやってきて、私に婚約を申し込んだ。
当然、ルヴェロナは大騒ぎになり、バルレリア側はヴィルジニアを死なせてしまった後ろめたさからか、アルドの婚約をあっさり認めた。
そして、表向き死んだことになっているお兄様はソニアたちと行動をともにし、ルヴェロナに到着してすぐに身を隠した。
両親や宰相に詳しく話すのは私に丸投げで、一度クラウディオ様に殺されて生き返ったというくだりを省略し、説明するのがとても大変だった。
男に戻るなら、なんのために女の姿になっていたんだとか、バルレリアのほうは本当に疑っていないんだろうなだとか、ずっと質問責めの日々が続いた。
気持ちはわかる。
バルレリアからルヴェロナへ武器の調査団がやってきた後だったから、なおさら神経質になっているのだ。
「どうなることかと思ったが、うまくいってよかった」
「あら。私の花占いでは作戦は成功するって出ていたでしょう」
「それで、庭園から花が大量に減っていたのか」
「いい結果が出るまで占うのが、私の占いよ!」
「イカサマか?」
「まあ! 失礼ね! 占いのなんたるかを教えてさしあげるわ」
お父様とお母様は話が逸れて、占いが当たる当たらないで揉めていた。
相変わらずの二人を眺めて呆れることができるのも、生きているからこそだ。
「二人とも。かわいい息子の旅立ちに喧嘩しないでくれるかな」
両親の前にいるのはお兄様。ヴィルフレードお兄様だ。
ヴィルフレードに戻ったお兄様は髪を短く切り、旅装に身を包み、日に焼けた顔をしてすっかり男らしくなっていた。
王宮を出て暮らしていたせいもあるのか、凛々しい顔になった。
「おっと、悪い。息子の大事な旅立ちの日だというのに、夫婦喧嘩をしている場合じゃなかったな」
「ヴィルフレードがいなくなるなんて寂しくなるわ」
「近くに寄ったら、顔を出すよ。王子じゃなくて、国民の一人としてね」
お兄様は新たにルヴェロナ国民として、偽の戸籍を与えられた。
王子でも王女でもなくなったお兄様は旅芸人の一座と旅をすることに決めた。
旅芸人一座のほうは大歓迎で、お兄様のそばにはソニアが控えてる、
ただし甘い空気はゼロ。キリッとした顔をしている。
ソニアがお兄様の恋人かといえば、ちょっと事情が違うようで、ソニアは使命感に燃えた真剣な表情でお父様とお母様に告げた。
「ご心配なく。ヴィルフレード様のことは、私がお守りいたします」
「えー。ソニアちゃん。逆だよ、逆」
身を隠していたお兄様は旅芸人一座の元で、剣の稽古を始めた。
剣のほうはブランクがありすぎて、まだまだ訓練が必要だとか。
毎日、体力作りの走り込みから始めているらしい。
「息子だが、娘として育てたからな……。足手まといかもしれないが、ヴィルフレードのことをよろしく頼む」
「国王陛下。とんでもございません! 必ず、ヴィルフレード様を一人前にしてみせます!」
お父様から頼まれた旅芸人一座の座長は張り切っていたけど、お兄様のほうは張り切らなくていいのに、なんて呟いていた。
日々のスパルタ訓練が効いているようだ。
そんなお兄様に、私が渡したのは湿布薬や乾燥させた薬草を粉末にさせたものだった。
これで、少しは筋肉痛が緩和されると思う。
「レティツィア。アルドと婚約したんだって? おめでとう」
「ええ。ありがとう」
「二人の結婚式には戻るよ。国民の一人、いや、旅芸人の一座の一人として。僕からのお祝いの芸を考えとく。女装以外の芸でね」
「お兄様、笑える冗談を言ってよ……」
私の結婚式はアルドが成人する十八歳になったら、執り行われる約束を交わしている。
それまで、アルドはバルレリア王に即位したクラウディオ様の補佐をすることとなった。
ルヴェロナへ行くまで政治を学ぶためだ。
これに王妃派が反発するのではと思われたけれど、クラウディオ様は成人の義や戴冠式が終わると同時に王妃を王宮から追い出し、政治の舞台から遠ざけた。
即位したクラウディオ様がまずやったのはそれで、王妃派だった貴族たちに大きな衝撃を与えた。
派閥をクラウディオ様によって分解され、権力を削がれた王妃は今は離宮で静かに暮らしているらしい。
「クラウディオもだけどさ。アルドの奴、本当に変わったよな」
「ええ。お兄様もね」
「そりゃ、変わるよ。だって女から男に戻ったんだし」
私とお兄様は笑った。
このところ、離れて生活していた私たちは久しぶりに顔を合わせた。
そのせいか、そっくりだった私たちは面立ちが変わり、今ではしっかり見分けられる。
一緒に過ごした日々が遠い過去のように感じる。
十六歳の誕生日を過ぎ、収穫祭も終わった。
私たちは生き延びたのだ。
そして、今となっては、これが二度目の人生だということを知っているのは私たちだけではなくなっていた。
その一人であるソニアは旅立ちの準備で忙しそうにしている。
旅立ちの準備が終わるまで私たちは手を繋ぎ、リンゴの木の下で話す。
こうやって手を繋ぐのも最後だろう。
「アルドは前回の記憶を持っていたんだな」
「最初は夢だって思っていたみたい」
悪い夢を見ていたんだとアルドは思っていたらしい。でも、私たちに出会って疑うようになった。
その疑いを持ったのは、かなり早いうちで、始めて会った七歳の時だった。
二度目の人生で始めてアルドと再会した私たちの誕生日の夜のこと。
お兄様の寝相が悪く、寝間着がはだけていたせいで、男だとわかったらしい。なお、直してあげたのに何度も足で蹴られたとか。
アルドは酷い目にあったと言いながら笑っていた。
「僕たちと違って、あいつは一人だったからな」
「そうね。一人だったら、私も信じられなかったかも」
「けどさ、僕が王女のふりをしているあたりで、打ち明けてくれたらよかったんだ」
「アルドは私たちに死ぬ運命にあるなんて言えなかったのよ。そんなことを言って嫌われたくなかったって」
前回の記憶が戻ったアルドは、この先ずっと孤独な人生なのだと七歳にして悟った。
記憶が戻ったのは私たちと出会ってからで、眠った時にたくさん夢を見ていたらしい。
目が覚めた時、探していたのは母親じゃなくて私たちだったそうだ。
母親の死を二度体験したアルドは変えられない運命もあると感じた――でも、自分が願った二人は生き返った。
だから、アルドは私たちの死だけは回避しようと決意した。
暖かい部屋に迎え入れられ、私たちとともに眠った七歳の夜に。
「僕たちはきっと何回、生き返ってもアルドと友達になるだろうな」
「そうね。絶対的な運命の友ね」
「レテツィアはアルドの婚約者だろ? つまり、何回生き返っても夫婦になるってわけだ」
「えっ!?」
「運命が絶対なら……ね?」
お兄様は笑うと、繋いでいた手を私から離した。
「レティツィア。アルドと幸せになれよ」
「お兄様もソニアと幸せにね」
空いた手をお兄様に向かって振った。
お兄様も同じように手を振り返す。
馬の準備は終わり、お兄様は清々しい顔をし、すっかり溶け込んで仲間になった旅芸人一座に迎えられて満ち足りた顔をしている。
馬車は動き出し、泣いている両親や宰相、乳母たちにまた会いに来るよと何度もお兄様は言った。
お兄様は泣いてない。
これはお兄様が、ずっと待ち望んでいた自由な生活だから。
馬車の一団が見えなくなるまで見送った私は道の向こう側を眺めて立っていた。
風に吹かれて色づいた葉が舞っている。
秋の終わりの風は迎えることのなかった冬がやってくることを教えていた。
そして――
「レティツィア!」
お兄様が去った道とは違う道からアルドがやってくる。そして、私に手を振る。
金色の葉に染まる中、アルドの笑顔が眩しく見えた。
また急いでやってきたのか、護衛たちを置き去りにしてしまっている。
「もう、仕方ないわね。アルドは……」
そう言いながら、私は笑っていた。
これからやってくる冬、そしてこの先――私はアルドと生きていく。
幸せな時間が訪れることを私たちは知っている。
【了】
真実を知る者以外は。
なんて、かっこいいかんじで、身内以外は話がまとまったわけだけど、実際のところ後始末が大変だった。
アルドはすぐにルヴェロナへやってきて、私に婚約を申し込んだ。
当然、ルヴェロナは大騒ぎになり、バルレリア側はヴィルジニアを死なせてしまった後ろめたさからか、アルドの婚約をあっさり認めた。
そして、表向き死んだことになっているお兄様はソニアたちと行動をともにし、ルヴェロナに到着してすぐに身を隠した。
両親や宰相に詳しく話すのは私に丸投げで、一度クラウディオ様に殺されて生き返ったというくだりを省略し、説明するのがとても大変だった。
男に戻るなら、なんのために女の姿になっていたんだとか、バルレリアのほうは本当に疑っていないんだろうなだとか、ずっと質問責めの日々が続いた。
気持ちはわかる。
バルレリアからルヴェロナへ武器の調査団がやってきた後だったから、なおさら神経質になっているのだ。
「どうなることかと思ったが、うまくいってよかった」
「あら。私の花占いでは作戦は成功するって出ていたでしょう」
「それで、庭園から花が大量に減っていたのか」
「いい結果が出るまで占うのが、私の占いよ!」
「イカサマか?」
「まあ! 失礼ね! 占いのなんたるかを教えてさしあげるわ」
お父様とお母様は話が逸れて、占いが当たる当たらないで揉めていた。
相変わらずの二人を眺めて呆れることができるのも、生きているからこそだ。
「二人とも。かわいい息子の旅立ちに喧嘩しないでくれるかな」
両親の前にいるのはお兄様。ヴィルフレードお兄様だ。
ヴィルフレードに戻ったお兄様は髪を短く切り、旅装に身を包み、日に焼けた顔をしてすっかり男らしくなっていた。
王宮を出て暮らしていたせいもあるのか、凛々しい顔になった。
「おっと、悪い。息子の大事な旅立ちの日だというのに、夫婦喧嘩をしている場合じゃなかったな」
「ヴィルフレードがいなくなるなんて寂しくなるわ」
「近くに寄ったら、顔を出すよ。王子じゃなくて、国民の一人としてね」
お兄様は新たにルヴェロナ国民として、偽の戸籍を与えられた。
王子でも王女でもなくなったお兄様は旅芸人の一座と旅をすることに決めた。
旅芸人一座のほうは大歓迎で、お兄様のそばにはソニアが控えてる、
ただし甘い空気はゼロ。キリッとした顔をしている。
ソニアがお兄様の恋人かといえば、ちょっと事情が違うようで、ソニアは使命感に燃えた真剣な表情でお父様とお母様に告げた。
「ご心配なく。ヴィルフレード様のことは、私がお守りいたします」
「えー。ソニアちゃん。逆だよ、逆」
身を隠していたお兄様は旅芸人一座の元で、剣の稽古を始めた。
剣のほうはブランクがありすぎて、まだまだ訓練が必要だとか。
毎日、体力作りの走り込みから始めているらしい。
「息子だが、娘として育てたからな……。足手まといかもしれないが、ヴィルフレードのことをよろしく頼む」
「国王陛下。とんでもございません! 必ず、ヴィルフレード様を一人前にしてみせます!」
お父様から頼まれた旅芸人一座の座長は張り切っていたけど、お兄様のほうは張り切らなくていいのに、なんて呟いていた。
日々のスパルタ訓練が効いているようだ。
そんなお兄様に、私が渡したのは湿布薬や乾燥させた薬草を粉末にさせたものだった。
これで、少しは筋肉痛が緩和されると思う。
「レティツィア。アルドと婚約したんだって? おめでとう」
「ええ。ありがとう」
「二人の結婚式には戻るよ。国民の一人、いや、旅芸人の一座の一人として。僕からのお祝いの芸を考えとく。女装以外の芸でね」
「お兄様、笑える冗談を言ってよ……」
私の結婚式はアルドが成人する十八歳になったら、執り行われる約束を交わしている。
それまで、アルドはバルレリア王に即位したクラウディオ様の補佐をすることとなった。
ルヴェロナへ行くまで政治を学ぶためだ。
これに王妃派が反発するのではと思われたけれど、クラウディオ様は成人の義や戴冠式が終わると同時に王妃を王宮から追い出し、政治の舞台から遠ざけた。
即位したクラウディオ様がまずやったのはそれで、王妃派だった貴族たちに大きな衝撃を与えた。
派閥をクラウディオ様によって分解され、権力を削がれた王妃は今は離宮で静かに暮らしているらしい。
「クラウディオもだけどさ。アルドの奴、本当に変わったよな」
「ええ。お兄様もね」
「そりゃ、変わるよ。だって女から男に戻ったんだし」
私とお兄様は笑った。
このところ、離れて生活していた私たちは久しぶりに顔を合わせた。
そのせいか、そっくりだった私たちは面立ちが変わり、今ではしっかり見分けられる。
一緒に過ごした日々が遠い過去のように感じる。
十六歳の誕生日を過ぎ、収穫祭も終わった。
私たちは生き延びたのだ。
そして、今となっては、これが二度目の人生だということを知っているのは私たちだけではなくなっていた。
その一人であるソニアは旅立ちの準備で忙しそうにしている。
旅立ちの準備が終わるまで私たちは手を繋ぎ、リンゴの木の下で話す。
こうやって手を繋ぐのも最後だろう。
「アルドは前回の記憶を持っていたんだな」
「最初は夢だって思っていたみたい」
悪い夢を見ていたんだとアルドは思っていたらしい。でも、私たちに出会って疑うようになった。
その疑いを持ったのは、かなり早いうちで、始めて会った七歳の時だった。
二度目の人生で始めてアルドと再会した私たちの誕生日の夜のこと。
お兄様の寝相が悪く、寝間着がはだけていたせいで、男だとわかったらしい。なお、直してあげたのに何度も足で蹴られたとか。
アルドは酷い目にあったと言いながら笑っていた。
「僕たちと違って、あいつは一人だったからな」
「そうね。一人だったら、私も信じられなかったかも」
「けどさ、僕が王女のふりをしているあたりで、打ち明けてくれたらよかったんだ」
「アルドは私たちに死ぬ運命にあるなんて言えなかったのよ。そんなことを言って嫌われたくなかったって」
前回の記憶が戻ったアルドは、この先ずっと孤独な人生なのだと七歳にして悟った。
記憶が戻ったのは私たちと出会ってからで、眠った時にたくさん夢を見ていたらしい。
目が覚めた時、探していたのは母親じゃなくて私たちだったそうだ。
母親の死を二度体験したアルドは変えられない運命もあると感じた――でも、自分が願った二人は生き返った。
だから、アルドは私たちの死だけは回避しようと決意した。
暖かい部屋に迎え入れられ、私たちとともに眠った七歳の夜に。
「僕たちはきっと何回、生き返ってもアルドと友達になるだろうな」
「そうね。絶対的な運命の友ね」
「レテツィアはアルドの婚約者だろ? つまり、何回生き返っても夫婦になるってわけだ」
「えっ!?」
「運命が絶対なら……ね?」
お兄様は笑うと、繋いでいた手を私から離した。
「レティツィア。アルドと幸せになれよ」
「お兄様もソニアと幸せにね」
空いた手をお兄様に向かって振った。
お兄様も同じように手を振り返す。
馬の準備は終わり、お兄様は清々しい顔をし、すっかり溶け込んで仲間になった旅芸人一座に迎えられて満ち足りた顔をしている。
馬車は動き出し、泣いている両親や宰相、乳母たちにまた会いに来るよと何度もお兄様は言った。
お兄様は泣いてない。
これはお兄様が、ずっと待ち望んでいた自由な生活だから。
馬車の一団が見えなくなるまで見送った私は道の向こう側を眺めて立っていた。
風に吹かれて色づいた葉が舞っている。
秋の終わりの風は迎えることのなかった冬がやってくることを教えていた。
そして――
「レティツィア!」
お兄様が去った道とは違う道からアルドがやってくる。そして、私に手を振る。
金色の葉に染まる中、アルドの笑顔が眩しく見えた。
また急いでやってきたのか、護衛たちを置き去りにしてしまっている。
「もう、仕方ないわね。アルドは……」
そう言いながら、私は笑っていた。
これからやってくる冬、そしてこの先――私はアルドと生きていく。
幸せな時間が訪れることを私たちは知っている。
【了】
60
お気に入りに追加
998
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
あなたが選んだのは私ではありませんでした 裏切られた私、ひっそり姿を消します
矢野りと
恋愛
旧題:贖罪〜あなたが選んだのは私ではありませんでした〜
言葉にして結婚を約束していたわけではないけれど、そうなると思っていた。
お互いに気持ちは同じだと信じていたから。
それなのに恋人は別れの言葉を私に告げてくる。
『すまない、別れて欲しい。これからは俺がサーシャを守っていこうと思っているんだ…』
サーシャとは、彼の亡くなった同僚騎士の婚約者だった人。
愛している人から捨てられる形となった私は、誰にも告げずに彼らの前から姿を消すことを選んだ。
王太子エンドを迎えたはずのヒロインが今更私の婚約者を攻略しようとしているけどさせません
黒木メイ
恋愛
日本人だった頃の記憶があるクロエ。
でも、この世界が乙女ゲームに似た世界だとは知らなかった。
知ったのはヒロインらしき人物が落とした『攻略ノート』のおかげ。
学園も卒業して、ヒロインは王太子エンドを無事に迎えたはずなんだけど……何故か今になってヒロインが私の婚約者に近づいてきた。
いったい、何を考えているの?!
仕方ない。現実を見せてあげましょう。
と、いうわけでクロエは婚約者であるダニエルに告げた。
「しばらくの間、実家に帰らせていただきます」
突然告げられたクロエ至上主義なダニエルは顔面蒼白。
普段使わない頭を使ってクロエに戻ってきてもらう為に奮闘する。
※わりと見切り発車です。すみません。
※小説家になろう様にも掲載。(7/21異世界転生恋愛日間1位)
【完結】婚約者を譲れと言うなら譲ります。私が欲しいのはアナタの婚約者なので。
海野凛久
恋愛
【書籍絶賛発売中】
クラリンス侯爵家の長女・マリーアンネは、幼いころから王太子の婚約者と定められ、育てられてきた。
しかしそんなある日、とあるパーティーで、妹から婚約者の地位を譲るように迫られる。
失意に打ちひしがれるかと思われたマリーアンネだったが――
これは、初恋を実らせようと奮闘する、とある令嬢の物語――。
※第14回恋愛小説大賞で特別賞頂きました!応援くださった皆様、ありがとうございました!
※主人公の名前を『マリ』から『マリーアンネ』へ変更しました。
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
あなたの妻にはなりません
風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。
彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。
幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。
彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。
悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。
彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。
あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。
悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。
「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」
選ばれたのは私以外でした 白い結婚、上等です!
凛蓮月
恋愛
【第16回恋愛小説大賞特別賞を頂き、書籍化されました。
紙、電子にて好評発売中です。よろしくお願いします(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾】
婚約者だった王太子は、聖女を選んだ。
王命で結婚した相手には、愛する人がいた。
お飾りの妻としている間に出会った人は、そもそも女を否定した。
──私は選ばれない。
って思っていたら。
「改めてきみに求婚するよ」
そう言ってきたのは騎士団長。
きみの力が必要だ? 王都が不穏だから守らせてくれ?
でもしばらくは白い結婚?
……分かりました、白い結婚、上等です!
【恋愛大賞(最終日確認)大賞pt別二位で終了できました。投票頂いた皆様、ありがとうございます(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾応援ありがとうございました!
ホトラン入り、エール、投票もありがとうございました!】
※なんてあらすじですが、作者の脳内の魔法のある異世界のお話です。
※ヒーローとの本格的な恋愛は、中盤くらいからです。
※恋愛大賞参加作品なので、感想欄を開きます。
よろしければお寄せ下さい。当作品への感想は全て承認します。
※登場人物への口撃は可ですが、他の読者様への口撃は作者からの吹き矢が飛んできます。ご注意下さい。
※鋭い感想ありがとうございます。返信はネタバレしないよう気を付けます。すぐネタバレペロリーナが発動しそうになります(汗)
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる