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番外編【今園】
私の名前※28話前から後
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同期の行きつけの居酒屋で会って以来、なぜか私は野月渚生と飲むようになった。
利害関係でもなく、友人関係でもない不思議な私達の関係。
彼は売れっ子の俳優だけあって、外見も世間一般ではかなり良いとされるものではないかと推測する。
そのためか、自然に若い女性が好むようなおしゃれな場所では飲まなくなった。
お互いに。
―――何故なのか?
「なに?じろじろ見て」
「データ化していました」
「今園さんは時々、おかしなことを言うよね。面白いからいいけど」
おでんのちくわとハンペン、大根を皿にいれてもらった。
屋台のおじさんは黙って冷酒を渡してくれる。
すでに馴染みとなった私達の好みをおじさんは把握していた。
「面白いと言われるのは心外です。褒め言葉ではないと思うのですが」
だしの染みた大根を箸で切り、抑揚のない声で淡々と反論した。
野月さんは卵を箸で割って、口に運びながら反撃する。
「褒めてるんだよ」
「馬鹿にしているの間違いでは?」
「ひねくれたこと言わないで素直にそこは『ありがとう』だろ?」
「私がお礼を口にするほどの褒め言葉ではありません」
「軽く流してくれればいいのに」
「性分ですので」
「本当の今園さんはもっと可愛いはずだけどなー」
「可愛いなんてやめてください。気持ち悪いだけです」
「気持ち悪い!?そこまで言わなくてもいいんじゃないかな!?」
ピシッと空気が凍った。
いつもこうだ。
話しているうちに険悪になり―――
「もっ、もうやめてくれー!」
おでん屋の屋台のおじさんが止め入る。
暖かく白い湯気も私と野月さんが話すと寒々しい冷気に変わる。
「おでんを食べているのに寒気がするんだが」
「奇遇だな。俺もだ」
「おやじー!熱燗をつけてくれ!」」
他の客が次々と熱燗を注文し始めた頃、私達は解散する。
次の約束もしないまま。
二度と会うものか!!とお互いに思いながら。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それがどうしてこうなるのか。
私と野月さんは屋台での言い争いの後、すぐに会う羽目になった。
「どうも」
子供みたいに不貞腐れいるその姿に『可愛い』と思うのは失礼かもしれないが、私にすれば子犬のようなものだ。
「冷静ではないようですね。この場から即刻お帰り下さい」
「は!?壱哉に頼まれてきているんだけど!?」
「今園、渚生。お前達はどうしてそんなに仲が悪いんだ?」
壱哉さんは溜息を吐いた。
この私が壱哉さんの障害となるなど、許されないことだ。
「申し訳ありません。どうしても気が合わないという人間と言うのはいるものです。それがたまたま、壱哉さんのご友人だったという事実に私はひどく戸惑っております」
へぇ、と壱哉さんは笑った。
「今園が珍しいな。他人に対して感想を持つのは」
言われて気づいた。
そうかもしれない。
いつも好きも嫌いもない。
ただそこにいる人間として付き合わなければいけないため、合わせることが多く、なんの感情もなく接していた。
「日奈子さんのことは興味深く思っております」
「それはよかった」
壱哉さんは日奈子さんのことに対しては優しい顔で笑う。
作り笑いではなく。
そのせいか、私も興味があった。
完璧で何をやらせても平均以上のことをこなしてしまう優秀な若様、尾鷹壱哉さん。
尾鷹商事の会長の孫で周囲から大切に育てられてきたのと同時に厳しい教育を受けてきた。
尾鷹の家を継ぐ者として。
その若様が選んだのが、お世辞にも優秀とは言えない女性で平均点にやっと届くかどうかというくらい平凡にも平凡な方だった。
それに加え、ドアにぶつかったり転んだりと忙しい方で、あれが世に言うどんくさいというものだろう。
その日奈子さんを壱哉さんも―――そして野月さんも好意を持っている。
そして、今日、滅多なことではお願いしない壱哉さんがお願いという言葉を使い、私はここにいる。
「さしずめ、俺は王子に命じられてお姫様をさらいにきた従者かな」
野月さんは自嘲気味に笑っていた。
何度か飲み、その席できいた話に寄ると日奈子さんは壱哉さんに恋心を持ち、野月さんのことはお隣の家のお兄さんと思っているらしい。
「私が日奈子さんをお連れしましょう」
そう申し出たのは彼への同情心からだった。
「俺が木に登るって言ってるだろ?」
「私が。貴方はうるさすぎます。家の者に気付かれる恐れがあります」
「おい、二人ともやめろ。木に登るな。日奈子が怪我をしたら、どうする。梯子を使う。渚生、日奈子を連れて外にでたら公園まで送ってくれ。今園は使った後の梯子を回収し、片付けろ」
「それが妥当だよ」
「……了解しました」
壱哉さんのご命令なら仕方ない。
野月さんの顔を見たけど、傷ついてはないようだった。
よかった。
―――よかった?
なぜ、私は野月さんを気にかけているのだろうか。
不思議に思いながらも、壱哉さんのためにお姫様奪還作戦を開始したのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
梯子を片付け、野月さんと合流すると、日奈子さんが帰ってくるまで時間が空いてしまった。
「嬉しそうな顔で壱哉とでかけて行ったよ」
そう言った野月さんも嬉しそうな顔をしていた。
悔しくはないのだろうか。
好きな人が目の前で恋敵とでかけて行くのを見るのは―――
「なに?俺の顔をじっと見て」
「日奈子さんに好意を持ちながら、なぜ惜しみ無い協力をなさるのか興味深いと思っていました」
「日奈子ちゃんには幸せになってほしいんだ。尾鷹は大変な家柄だけど、壱哉が絶対に日奈子ちゃんを守るって信じてるから協力している。好きな人の嬉しい顔を見るのは嫌じゃない。だから、今園さんにも笑っていて欲しいと思ってるよ」
私?
なぜ、私なのだろう。
野月さんと顔を見合わせた。
なんとなく、気まずい沈黙の時間が流れた。
「えーと、今園さん。時間があるし、おでんでも食べに行く?」
「そうですね」
―――私達は初めて申し合わせて飲みに行った。
それに野月さんは気づいているだろうか。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
おでんの屋台に行くと、横並びに座った。
いつもの間隔より近くに。
「今日は仲良くな」
おでん屋のおじさんはそう言って、いつもの皿を私に渡してくれた。
ちくわ、ハンペン、大根、黄色の辛子を皿の横につけて。
野月さんには牛スジ、卵、餅巾着。
私と野月さん、どちらが言い合わせたわけでもなかったけれど、皿を交換した。
「へっ!?」
おじさんは変な声を出して、私と野月さんを交互に見た。
最初に来た時、間違えたのはおじさんで、なんとなく相手の好きなものを食べて見るのも悪くないと思って黙って食べていた。
そのうち、相手が訂正するだろう。
そう思っていた。
「やっぱり好きな物がいいですね」
「そうだね」
「どうして皿の交換をしたんだ?」
お互いの嬉しい顔が見たかったから。
きっと私と野月さんが考えていることは同じだろう。
口の端をあげて笑っていた。
「ちょっとね」
「事情がありまして」
私達の関係は意地の張り合いと腹の探り合い。
でも、時々は素直になって―――
「今園さんの名前、なんていうのか教えてくれる?」
「小耶子といいます」
「いい名前だね。これからは名前で呼んでもいい?」
「構いません。私も名前で呼びます」
「うん、小耶子」
「渚生」
私も渚生も笑った。
おでん屋のおじさんは黙って聞いていたけれど―――
「おやじー!暑くてかなわねえや!冷酒を頼むっ!」
「こっちはビールだ!」
周囲で冷たい飲み物の注文が飛び交っていたのは何故だろうか?
疑問に思いながらも餅巾着を口に運んだ。
この後、私と渚生はお姫様を家に無事送り届けると、別れ際に彼がくれたのは、
「これ、俺の連絡先とスケジュール。また飲みに行こう。二人で」
プライベートな情報と私達が交わした初めての約束だった―――
利害関係でもなく、友人関係でもない不思議な私達の関係。
彼は売れっ子の俳優だけあって、外見も世間一般ではかなり良いとされるものではないかと推測する。
そのためか、自然に若い女性が好むようなおしゃれな場所では飲まなくなった。
お互いに。
―――何故なのか?
「なに?じろじろ見て」
「データ化していました」
「今園さんは時々、おかしなことを言うよね。面白いからいいけど」
おでんのちくわとハンペン、大根を皿にいれてもらった。
屋台のおじさんは黙って冷酒を渡してくれる。
すでに馴染みとなった私達の好みをおじさんは把握していた。
「面白いと言われるのは心外です。褒め言葉ではないと思うのですが」
だしの染みた大根を箸で切り、抑揚のない声で淡々と反論した。
野月さんは卵を箸で割って、口に運びながら反撃する。
「褒めてるんだよ」
「馬鹿にしているの間違いでは?」
「ひねくれたこと言わないで素直にそこは『ありがとう』だろ?」
「私がお礼を口にするほどの褒め言葉ではありません」
「軽く流してくれればいいのに」
「性分ですので」
「本当の今園さんはもっと可愛いはずだけどなー」
「可愛いなんてやめてください。気持ち悪いだけです」
「気持ち悪い!?そこまで言わなくてもいいんじゃないかな!?」
ピシッと空気が凍った。
いつもこうだ。
話しているうちに険悪になり―――
「もっ、もうやめてくれー!」
おでん屋の屋台のおじさんが止め入る。
暖かく白い湯気も私と野月さんが話すと寒々しい冷気に変わる。
「おでんを食べているのに寒気がするんだが」
「奇遇だな。俺もだ」
「おやじー!熱燗をつけてくれ!」」
他の客が次々と熱燗を注文し始めた頃、私達は解散する。
次の約束もしないまま。
二度と会うものか!!とお互いに思いながら。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それがどうしてこうなるのか。
私と野月さんは屋台での言い争いの後、すぐに会う羽目になった。
「どうも」
子供みたいに不貞腐れいるその姿に『可愛い』と思うのは失礼かもしれないが、私にすれば子犬のようなものだ。
「冷静ではないようですね。この場から即刻お帰り下さい」
「は!?壱哉に頼まれてきているんだけど!?」
「今園、渚生。お前達はどうしてそんなに仲が悪いんだ?」
壱哉さんは溜息を吐いた。
この私が壱哉さんの障害となるなど、許されないことだ。
「申し訳ありません。どうしても気が合わないという人間と言うのはいるものです。それがたまたま、壱哉さんのご友人だったという事実に私はひどく戸惑っております」
へぇ、と壱哉さんは笑った。
「今園が珍しいな。他人に対して感想を持つのは」
言われて気づいた。
そうかもしれない。
いつも好きも嫌いもない。
ただそこにいる人間として付き合わなければいけないため、合わせることが多く、なんの感情もなく接していた。
「日奈子さんのことは興味深く思っております」
「それはよかった」
壱哉さんは日奈子さんのことに対しては優しい顔で笑う。
作り笑いではなく。
そのせいか、私も興味があった。
完璧で何をやらせても平均以上のことをこなしてしまう優秀な若様、尾鷹壱哉さん。
尾鷹商事の会長の孫で周囲から大切に育てられてきたのと同時に厳しい教育を受けてきた。
尾鷹の家を継ぐ者として。
その若様が選んだのが、お世辞にも優秀とは言えない女性で平均点にやっと届くかどうかというくらい平凡にも平凡な方だった。
それに加え、ドアにぶつかったり転んだりと忙しい方で、あれが世に言うどんくさいというものだろう。
その日奈子さんを壱哉さんも―――そして野月さんも好意を持っている。
そして、今日、滅多なことではお願いしない壱哉さんがお願いという言葉を使い、私はここにいる。
「さしずめ、俺は王子に命じられてお姫様をさらいにきた従者かな」
野月さんは自嘲気味に笑っていた。
何度か飲み、その席できいた話に寄ると日奈子さんは壱哉さんに恋心を持ち、野月さんのことはお隣の家のお兄さんと思っているらしい。
「私が日奈子さんをお連れしましょう」
そう申し出たのは彼への同情心からだった。
「俺が木に登るって言ってるだろ?」
「私が。貴方はうるさすぎます。家の者に気付かれる恐れがあります」
「おい、二人ともやめろ。木に登るな。日奈子が怪我をしたら、どうする。梯子を使う。渚生、日奈子を連れて外にでたら公園まで送ってくれ。今園は使った後の梯子を回収し、片付けろ」
「それが妥当だよ」
「……了解しました」
壱哉さんのご命令なら仕方ない。
野月さんの顔を見たけど、傷ついてはないようだった。
よかった。
―――よかった?
なぜ、私は野月さんを気にかけているのだろうか。
不思議に思いながらも、壱哉さんのためにお姫様奪還作戦を開始したのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
梯子を片付け、野月さんと合流すると、日奈子さんが帰ってくるまで時間が空いてしまった。
「嬉しそうな顔で壱哉とでかけて行ったよ」
そう言った野月さんも嬉しそうな顔をしていた。
悔しくはないのだろうか。
好きな人が目の前で恋敵とでかけて行くのを見るのは―――
「なに?俺の顔をじっと見て」
「日奈子さんに好意を持ちながら、なぜ惜しみ無い協力をなさるのか興味深いと思っていました」
「日奈子ちゃんには幸せになってほしいんだ。尾鷹は大変な家柄だけど、壱哉が絶対に日奈子ちゃんを守るって信じてるから協力している。好きな人の嬉しい顔を見るのは嫌じゃない。だから、今園さんにも笑っていて欲しいと思ってるよ」
私?
なぜ、私なのだろう。
野月さんと顔を見合わせた。
なんとなく、気まずい沈黙の時間が流れた。
「えーと、今園さん。時間があるし、おでんでも食べに行く?」
「そうですね」
―――私達は初めて申し合わせて飲みに行った。
それに野月さんは気づいているだろうか。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
おでんの屋台に行くと、横並びに座った。
いつもの間隔より近くに。
「今日は仲良くな」
おでん屋のおじさんはそう言って、いつもの皿を私に渡してくれた。
ちくわ、ハンペン、大根、黄色の辛子を皿の横につけて。
野月さんには牛スジ、卵、餅巾着。
私と野月さん、どちらが言い合わせたわけでもなかったけれど、皿を交換した。
「へっ!?」
おじさんは変な声を出して、私と野月さんを交互に見た。
最初に来た時、間違えたのはおじさんで、なんとなく相手の好きなものを食べて見るのも悪くないと思って黙って食べていた。
そのうち、相手が訂正するだろう。
そう思っていた。
「やっぱり好きな物がいいですね」
「そうだね」
「どうして皿の交換をしたんだ?」
お互いの嬉しい顔が見たかったから。
きっと私と野月さんが考えていることは同じだろう。
口の端をあげて笑っていた。
「ちょっとね」
「事情がありまして」
私達の関係は意地の張り合いと腹の探り合い。
でも、時々は素直になって―――
「今園さんの名前、なんていうのか教えてくれる?」
「小耶子といいます」
「いい名前だね。これからは名前で呼んでもいい?」
「構いません。私も名前で呼びます」
「うん、小耶子」
「渚生」
私も渚生も笑った。
おでん屋のおじさんは黙って聞いていたけれど―――
「おやじー!暑くてかなわねえや!冷酒を頼むっ!」
「こっちはビールだ!」
周囲で冷たい飲み物の注文が飛び交っていたのは何故だろうか?
疑問に思いながらも餅巾着を口に運んだ。
この後、私と渚生はお姫様を家に無事送り届けると、別れ際に彼がくれたのは、
「これ、俺の連絡先とスケジュール。また飲みに行こう。二人で」
プライベートな情報と私達が交わした初めての約束だった―――
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