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32 長い片思い ※R-18
しおりを挟む心の準備も覚悟もしていたけど―――私は自分がいかに無知なのかを知った。
「あっ、あのっ」
「いや?」
「い、いいえっ!」
嫌というより恥ずかしい。
別々にお風呂に入るのかと思っていたら、一緒に入るなんて思っても見なかった。
ちょっとも離れていたくないというように壱哉さんは私を背後から抱き締めたまま、体の隅々に触れ、耳から首筋へと何度も唇を這わせた。
「……っ、あっ……」
我慢しているのに声が漏れてしまう。
私の顔を覗き込むと壱哉さんがまた唇にキスをした。
「い、壱哉さっ……」
お湯と一緒に胸をすくいあげて、胸の突起を転がして声をあげさせた。
「あっ、あっ、んっ」
「日奈子。もっと声を聞かせて」
耳元で囁かれて熱い息がかかっただけで、下腹部が疼いた。
背中に唇が触れて、下へとゆっくりとなぞられ、ビクッと体が震えた。
体がおかしい。
ずっと熱くて、苦しくて。
「も、もぅ、む、無理ですから」
泣きそうな顔で訴えると、言葉をかきけして深く口づけた。
「あっ、あ、ふっ」
舌がからめとられて何も言えなくなってしまう。
「ベッドに行こうか」
こくっと首を縦に振ると、体をバスタオルに包み込み、抱き抱えると寝室のベッドの上にそっと降ろしてくれた。
「日奈子」
体中にキスをされ、逃げようにも次から次へと新しい刺激を与えられて、どうしていいかわからず、指でシーツをかきむしった。
力が入らない指からシーツがすり抜けてしまう。
「あっ、あ、ああ」
壱哉さんは飢えた獣のように脚を掴むと太ももにキスをして赤い痕を残していく。
広げた脚を抱えると顔を下腹部に埋めて、指が前の固い丸みを帯びた部分にふれた。
「や、あっ!い、いちやさっ、そこ、きたなっ」
「汚くないから。全部見せて」
拒もうとすると、指がぐりっと前の固い部分に強く押しあてられて高い声をあげてしまう。
「やっ、あ、ああっ」
ぬめる舌が中をかき回し、ぐちゅぐちゅと水音を鳴らしていた。
「う、あっ、ああっ」
「すごい濡れている」
「ご、ごめなさっ、あっ、んっ」
舌がぐるりと中で動き、逃げようとした体をつかまれた。
「日奈子、逃げないで」
「こ、れ以上はっ、おかしくなるから、や、やあっ」
深くまで舌を差し込まれ、あまりの刺激に喉を反らした。
「ひあっ、あっ、あ」
だめなのに声を我慢できずに泣きながら、悶えていると指が髪をすくった。
「感じていいから」
涙をこらえ、首を縦に振った。
たっぷり濡れていたせいか、指をすんなり、受け入れて指の本数を増やされた。
「んっ」
「大丈夫?慣らさないと入らないから。我慢できる?」
「だ、大丈夫で、すっ」
前後に指が動かされると何も考えられなくなる。
「あ、ああ、あっ」
何か―――下腹部から込み上げてきて、壱哉さんの腕をつかんだ。
「もぉっ、だ、だめ、ですっ」
より一層激しく指が動かされて腰が浮いた。
「ひあっ―――ああっ!」
頭が真っ白になり、自分の体がシーツの中に沈みこんだ。
「あ、あぁ」
体からは力はぬけ、くたりとしていると壱哉さんは力の抜けた脚をつかんだ。
「いれるけど、痛かったら言って」
「い、壱哉さんの好きなようにしてもらって、だ、大丈夫ですからっ」
壱哉さんに口づけると照れたように目をそらした。
「それ、我慢ができなくなるから」
「は、はい」
熱くて硬いものが浅い部分をぐりぐりとこすりつけていた。
「初めてだから、あまり無理させたくない」
「へ、平気です」
ぎゅっと大きな背中にしがみついた。
「日奈子。俺の方が平気じゃなくなる」
苦しいほどの圧迫感が下腹部に加えられたけれど、それすら今は気持ちいい。
少しずつゆっくりとならしながら、奥まで入ると壱哉さんが苦しそうに息を吐いた。
「っ、日奈子、愛してる」
「はっ、んっ、わ、私もです」
「長かったな」
優しく手が頭を撫でた。
「どれたけ待ったか。きっと日奈子は知らない」
そんな前から―――?
そう言い終わると、ゆっくりと動きだした。
腹の奥から掻き出されるような感覚に体を強張らせると、大丈夫だというようにキスをして緊張を解かせた。
「痛くない?」
「へ、いきで、す」
「じゃあ、激しくするから」
ぐっと腰をつかんだかと思うと強く叩きつけるように激しく動きだし、目の前がちかちかとしてさっきほどまでとは比じゃないほどの刺激に声すらあげることができなかった。
また―――込み上げてくる感覚に体が震えた。
熱いものがどくっと中に注がれたのを感じて、同時に体が仰け反り、その衝撃を受け止めた。
「あっあああっ!」
熱い―――もう何も考えられない。
頭の中が真っ白に埋め尽くされ、意識が飛んでしまった―――
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