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第五話 憧れの女学生らいふ~季節外れの雪と溶けない氷~
(2)
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静寂を恐れるな!
俺は自分にそう言い聞かせた。
そう、静けさこそ好機。
つまり、昼寝をするには最高の環境だということだ。
よし、昼寝をしよう。
晴れ間を見つけて干した俺の座布団(相棒)よ。
今こそ、その能力(ふかふか)を発揮するがいい。
昼寝を目標に定めた俺は店の拭き掃除をしようとして手を止めた。
「あー……。忘れてた」
取り置きしてあった酒饅頭の重箱が目に入った。
この酒饅頭は兎々子のじいさん、兼岡商店の大旦那からの頼まれもので届けないわけにはいかない。
店が開いていることをどこから聞き付けたのか、兼岡商店で働く若い男の奉公人が朝一番にやってきて饅頭代を前払いしていった。
手が空いた時にでも届けてくれと言われていた。
初代の頃からずっと兎々子のじいさんは千年屋の酒饅頭が大好物なのだ。
大酒飲みの甘党だ。
呑んべえだけあって饅頭にも酒が入っていないと気が済まないのか、一番好きな饅頭は酒饅頭と決まっている。
そして、俺のじいさんとよく飲みにいっていたのを思い出す。
俺のじいさんも酒が好きな人だった。
夕暮れ時になると店の前にある竹の長椅子に座り、この界隈の人達と酒の肴を持ち寄って晩酌をしていた。
「今ごろどこでなにをしているのやら……」
俺のじいさんとばあさんは突然いなくなった。
両親が上海に行き、俺が帝大に入学した年の夏だった。
朝、起きると二人の姿はなく、書き置きだけが残されていた。
『ちょっとでかけてくる』
―――それきりだった。
元々、全国各地を歩き、和菓子の道具や材料を探し求めるのが好きだった人だ。
その書き置きを見て『またか』としか思わなかった。
じいさんとばあさんのちょっとした旅行など、いつものことだ。
温泉にでも入って面白い菓子の材料か木型でも見つけてすぐに帰ってくるだろう。
そんな感覚だった。
だが、何ヵ月たっても何年たっても帰ってこなかったのである。
「親は心配しなくていいっていうけど、さすがに心配だよな」
自由気ままな俺の両親はともかく、一時は妖怪よりも妖怪だと言われている兎々子のじいさんでさえ元気をなくし、町内も灯りが消えたようになっていた。
それくらい俺のじいさんは皆から慕われていたのだ。
そう思うと酒饅頭くらいは届けてやらねばなるまい。
俺は年寄りには優しいほうだ。
酒饅頭が入った重箱を風呂敷に包んで手に持った。
店を出て一之森神社とは逆方向を歩く。
数分歩くと見えてきたのは石畳の通りでも一際目をひく兼岡商店と洋食屋『カネオカ』の建物だ。
兼岡商店はその敷地内に大きな蔵がいくつも並び、店は二階建てで一階は醤油と味噌を売り、二階では客や取引先をもてなす休憩所のようになっているらしい。
俺はまだ二階にあがらせてもらったことはなく、どんな風になっているか知らない。
店の向かいには住み込みの奉公人達が住む家もある。
さすがこの通りでも有数の金満家。
いつ見ても圧倒される。
「すみません。『千年屋』ですが頼まれものを届けにきました」
俺は迷わず家ではなく店のほうに声をかけた。
妖怪タヌキじじいを避けてのことである。
「ああ! 安海さん。もしかして酒饅頭ですか? 大旦那様がまだかまだかと首を長くして待っていましたよ」
兼岡商店と書かれた前掛けをした若い奉公人が笑って言ったが俺は少しも笑えなかった。
どうやら、妖怪タヌキじじいが待っていたのは酒饅頭じゃなくて俺―――
「やっときたか」
「げっ!」
店の奥から牛首紬の着物が着た妖怪タヌキじじいが現れた。
なぜ、妖怪か。
それはまったく衰える様子がなく、年々若返っているように見えるからだ。
白髪頭だというのに腰は曲がっておらず、足も引きずらず、いまだ現役で采配を振るっている。
「ん? 千年屋の小倅は挨拶もできんのか」
「……こんにちは。毎度どうも。そして、さようなら」
「テツ」
「へい! 大旦那様!」
髪を短く刈った奉公人のテツが俺の退路を絶った。
おいおいおいおい!?
なにするんだよ。
テツは両手を広げ、今から俺と相撲でもとるかのように腰を落とし、俺を行かせまいとする。
リヤカーで醤油瓶を運んでいるだけあって、紺の印半纏からのぞいた筋肉質な腕は頑強で勝てそうにない。
「安海。悪く思うな。大旦那様の命令は絶対なんだ」
知っている。
俺は渋々、妖怪タヌキじじいに向き直った。
「兼岡のじいさん。俺になにか用事でもあるのか?」
「わしがじきじきにお前が作った酒饅頭の感想を言ってやる。おい! 白湯をだしてやれ」
「白湯……」
「半人前が生意気にここで茶を飲もうなんぞ、百年早いわ」
百年もかよ。
俺は諦めて帳場があるあがり框の冷たい板の上に座った。
風呂敷を解き、重箱を開けて酒饅頭を取り出す。
シワひとつない白く綺麗な顔をした酒饅頭。
まず、手に取ると商品を検分するように酒饅頭を半分に割る。
中から口当たり滑らかなこしあんが現れる。
それを鋭い目で見、皮の匂いを確かめ、皮とあんを別々に口にする。
そして次は両方一緒に食べる。
けっこう大きな一口だった。
「ふん、まあまあだ」
「そんだけ食ってまあまあってどういうことだよ!?」
ほとんど一個食ってるじゃねーかっ!
俺の前に白湯が置かれた。
その白湯が『半人前め』と代弁しているようで腹が立ったが、声を張り上げたせいで潤いが欲しくなり、白湯を一口飲んだ。
「まだ白湯でじゅうぶんだな。あいつの酒饅頭はもっと皮がしっとりしていたぞ。蒸した後、しばらく経っても皮がパサつくことのないうまい酒饅頭だった」
ぐっと俺は言葉に詰まった。
確かにじいさんの酒饅頭は時間が経ってもしっとりしていてうまかった。
きっと基本の材料の他にじいさんがなにか加えていたに違いない。
「……わかった」
白湯を飲み干して立ち上がった。
「せいぜい精進しろ」
ヨイショと掛け声をかけてタヌキじじいが立ち上がった。
それを見てテツがようやく道を開けてくれた。
そして、手早く酒饅頭の入った重箱を職人や奉公人達に回し、一つずつ全員が手に取った。
「いやいや、たいしたもんですよ」
「うん。前よりずっと初代の味に近づいているよ」
店の人達は優しくそう言ってくれたが、俺はやっぱりタヌキじじいの評価が気になってしまう。
空になった重箱を受け取り、俺はぺこりと頭を下げた。
「大旦那様はいなくなった安海のじいさんの代わりにお前ことを気にかけてくれているんだからな。大旦那様に感謝しろよ」
テツは虎の威を借る狐となって偉そうにそんなことを言ってきた。
「わしが死ぬまでにうまい酒饅頭が作れるといいが、まだまだかかりそうだな」
タヌキじじいは高笑いをしてまた奥へと消えた。
俺と会うたび、この調子だ。
有浄も苦手としているから、同じような目にあっているに違いない。
今度聞いてみよう。
そう思いながら醤油屋から出た。
「おーい、安海。大旦那様が隣の店で好きなものを食べていけとおっしゃっていたぞー」
醤油屋の店の中からテツが店の中から大声で俺に言った。
俺に直接言えばいいものを素直じゃない。
酒饅頭のお礼だろう。
隣にはコンクリート造りの洋食屋『カネオカ』が建ってる。
これはこれで兼岡商店とは別の意味で存在感がある。
洋風建築はまだ珍しい。
目立たないわけがなかった。
その洋食屋『カネオカ』には昼もだいぶ過ぎたというのに何人か連れだって入っていくのが見えた。
今日も繁盛している。
俺もその後ろに続いて店に入った。
「いらっしゃい―――来たか」
洋食屋『カネオカ』の店主は前の客までは笑顔で『いらっしゃい』と言っていたが、俺の顔を見るなり態度は一変した。
すでにタヌキじじいの手先から連絡を受け、俺が店に来ることを聞いていたのだろう。
待ち構えていたとしか思えない。
白いコックコートを着たおじさんが厨房入り口前で腕を組み仁王立ちしていた。
これが客を迎える態度かよ。
いつも俺に優しいおばさんの姿を探したが見当たらない。
「おばさんは?」
「所用ででかけている。今は俺と弟子のみッ!」
洋食につられて来るんじゃなかった。
おじさんだけと聞いて正直後悔した。
俺は自分にそう言い聞かせた。
そう、静けさこそ好機。
つまり、昼寝をするには最高の環境だということだ。
よし、昼寝をしよう。
晴れ間を見つけて干した俺の座布団(相棒)よ。
今こそ、その能力(ふかふか)を発揮するがいい。
昼寝を目標に定めた俺は店の拭き掃除をしようとして手を止めた。
「あー……。忘れてた」
取り置きしてあった酒饅頭の重箱が目に入った。
この酒饅頭は兎々子のじいさん、兼岡商店の大旦那からの頼まれもので届けないわけにはいかない。
店が開いていることをどこから聞き付けたのか、兼岡商店で働く若い男の奉公人が朝一番にやってきて饅頭代を前払いしていった。
手が空いた時にでも届けてくれと言われていた。
初代の頃からずっと兎々子のじいさんは千年屋の酒饅頭が大好物なのだ。
大酒飲みの甘党だ。
呑んべえだけあって饅頭にも酒が入っていないと気が済まないのか、一番好きな饅頭は酒饅頭と決まっている。
そして、俺のじいさんとよく飲みにいっていたのを思い出す。
俺のじいさんも酒が好きな人だった。
夕暮れ時になると店の前にある竹の長椅子に座り、この界隈の人達と酒の肴を持ち寄って晩酌をしていた。
「今ごろどこでなにをしているのやら……」
俺のじいさんとばあさんは突然いなくなった。
両親が上海に行き、俺が帝大に入学した年の夏だった。
朝、起きると二人の姿はなく、書き置きだけが残されていた。
『ちょっとでかけてくる』
―――それきりだった。
元々、全国各地を歩き、和菓子の道具や材料を探し求めるのが好きだった人だ。
その書き置きを見て『またか』としか思わなかった。
じいさんとばあさんのちょっとした旅行など、いつものことだ。
温泉にでも入って面白い菓子の材料か木型でも見つけてすぐに帰ってくるだろう。
そんな感覚だった。
だが、何ヵ月たっても何年たっても帰ってこなかったのである。
「親は心配しなくていいっていうけど、さすがに心配だよな」
自由気ままな俺の両親はともかく、一時は妖怪よりも妖怪だと言われている兎々子のじいさんでさえ元気をなくし、町内も灯りが消えたようになっていた。
それくらい俺のじいさんは皆から慕われていたのだ。
そう思うと酒饅頭くらいは届けてやらねばなるまい。
俺は年寄りには優しいほうだ。
酒饅頭が入った重箱を風呂敷に包んで手に持った。
店を出て一之森神社とは逆方向を歩く。
数分歩くと見えてきたのは石畳の通りでも一際目をひく兼岡商店と洋食屋『カネオカ』の建物だ。
兼岡商店はその敷地内に大きな蔵がいくつも並び、店は二階建てで一階は醤油と味噌を売り、二階では客や取引先をもてなす休憩所のようになっているらしい。
俺はまだ二階にあがらせてもらったことはなく、どんな風になっているか知らない。
店の向かいには住み込みの奉公人達が住む家もある。
さすがこの通りでも有数の金満家。
いつ見ても圧倒される。
「すみません。『千年屋』ですが頼まれものを届けにきました」
俺は迷わず家ではなく店のほうに声をかけた。
妖怪タヌキじじいを避けてのことである。
「ああ! 安海さん。もしかして酒饅頭ですか? 大旦那様がまだかまだかと首を長くして待っていましたよ」
兼岡商店と書かれた前掛けをした若い奉公人が笑って言ったが俺は少しも笑えなかった。
どうやら、妖怪タヌキじじいが待っていたのは酒饅頭じゃなくて俺―――
「やっときたか」
「げっ!」
店の奥から牛首紬の着物が着た妖怪タヌキじじいが現れた。
なぜ、妖怪か。
それはまったく衰える様子がなく、年々若返っているように見えるからだ。
白髪頭だというのに腰は曲がっておらず、足も引きずらず、いまだ現役で采配を振るっている。
「ん? 千年屋の小倅は挨拶もできんのか」
「……こんにちは。毎度どうも。そして、さようなら」
「テツ」
「へい! 大旦那様!」
髪を短く刈った奉公人のテツが俺の退路を絶った。
おいおいおいおい!?
なにするんだよ。
テツは両手を広げ、今から俺と相撲でもとるかのように腰を落とし、俺を行かせまいとする。
リヤカーで醤油瓶を運んでいるだけあって、紺の印半纏からのぞいた筋肉質な腕は頑強で勝てそうにない。
「安海。悪く思うな。大旦那様の命令は絶対なんだ」
知っている。
俺は渋々、妖怪タヌキじじいに向き直った。
「兼岡のじいさん。俺になにか用事でもあるのか?」
「わしがじきじきにお前が作った酒饅頭の感想を言ってやる。おい! 白湯をだしてやれ」
「白湯……」
「半人前が生意気にここで茶を飲もうなんぞ、百年早いわ」
百年もかよ。
俺は諦めて帳場があるあがり框の冷たい板の上に座った。
風呂敷を解き、重箱を開けて酒饅頭を取り出す。
シワひとつない白く綺麗な顔をした酒饅頭。
まず、手に取ると商品を検分するように酒饅頭を半分に割る。
中から口当たり滑らかなこしあんが現れる。
それを鋭い目で見、皮の匂いを確かめ、皮とあんを別々に口にする。
そして次は両方一緒に食べる。
けっこう大きな一口だった。
「ふん、まあまあだ」
「そんだけ食ってまあまあってどういうことだよ!?」
ほとんど一個食ってるじゃねーかっ!
俺の前に白湯が置かれた。
その白湯が『半人前め』と代弁しているようで腹が立ったが、声を張り上げたせいで潤いが欲しくなり、白湯を一口飲んだ。
「まだ白湯でじゅうぶんだな。あいつの酒饅頭はもっと皮がしっとりしていたぞ。蒸した後、しばらく経っても皮がパサつくことのないうまい酒饅頭だった」
ぐっと俺は言葉に詰まった。
確かにじいさんの酒饅頭は時間が経ってもしっとりしていてうまかった。
きっと基本の材料の他にじいさんがなにか加えていたに違いない。
「……わかった」
白湯を飲み干して立ち上がった。
「せいぜい精進しろ」
ヨイショと掛け声をかけてタヌキじじいが立ち上がった。
それを見てテツがようやく道を開けてくれた。
そして、手早く酒饅頭の入った重箱を職人や奉公人達に回し、一つずつ全員が手に取った。
「いやいや、たいしたもんですよ」
「うん。前よりずっと初代の味に近づいているよ」
店の人達は優しくそう言ってくれたが、俺はやっぱりタヌキじじいの評価が気になってしまう。
空になった重箱を受け取り、俺はぺこりと頭を下げた。
「大旦那様はいなくなった安海のじいさんの代わりにお前ことを気にかけてくれているんだからな。大旦那様に感謝しろよ」
テツは虎の威を借る狐となって偉そうにそんなことを言ってきた。
「わしが死ぬまでにうまい酒饅頭が作れるといいが、まだまだかかりそうだな」
タヌキじじいは高笑いをしてまた奥へと消えた。
俺と会うたび、この調子だ。
有浄も苦手としているから、同じような目にあっているに違いない。
今度聞いてみよう。
そう思いながら醤油屋から出た。
「おーい、安海。大旦那様が隣の店で好きなものを食べていけとおっしゃっていたぞー」
醤油屋の店の中からテツが店の中から大声で俺に言った。
俺に直接言えばいいものを素直じゃない。
酒饅頭のお礼だろう。
隣にはコンクリート造りの洋食屋『カネオカ』が建ってる。
これはこれで兼岡商店とは別の意味で存在感がある。
洋風建築はまだ珍しい。
目立たないわけがなかった。
その洋食屋『カネオカ』には昼もだいぶ過ぎたというのに何人か連れだって入っていくのが見えた。
今日も繁盛している。
俺もその後ろに続いて店に入った。
「いらっしゃい―――来たか」
洋食屋『カネオカ』の店主は前の客までは笑顔で『いらっしゃい』と言っていたが、俺の顔を見るなり態度は一変した。
すでにタヌキじじいの手先から連絡を受け、俺が店に来ることを聞いていたのだろう。
待ち構えていたとしか思えない。
白いコックコートを着たおじさんが厨房入り口前で腕を組み仁王立ちしていた。
これが客を迎える態度かよ。
いつも俺に優しいおばさんの姿を探したが見当たらない。
「おばさんは?」
「所用ででかけている。今は俺と弟子のみッ!」
洋食につられて来るんじゃなかった。
おじさんだけと聞いて正直後悔した。
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