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第五話 憧れの女学生らいふ~季節外れの雪と溶けない氷~
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雪女―――それは人を凍らせて殺すという物騒な妖怪。
だが、窓の外にいるのはどうがんばっても兎々子より年下の幼い少女。
外の窓の縁にしがみつき、背伸びをして店内を眺めている。
だからといって油断は禁物。
絶対に目を合わせるな、俺。
ロクなことにならないのは長年の経験でわかっているはずだ。
俺は素知らぬ顔でマカロニグラタンを食べた。
「安海ちゃーん!」
「戻ってくるのが早すぎる」
バァーンッと母屋へ続く扉から兎々子が飛び出してきた。
すでに店内に客は俺一人。
今から昼の賄いの時間らしく、弟子達が昼食の皿を用意している。
俺は身内枠で客扱いされてない(まあ、タダだしな)。
「私、考えたんだけど」
「断る」
「あれ!? まだなにも言ってないのに!?」
「俺は帰って昼寝をする」
マカロニグラタンは絶品だった。
お腹もほどよく膨れたことだ。
このまま何事もなく帰宅し、縁側を開け放ち畳の上に寝転がり、庭の雨音を聞きながら眠る。
最高の午後ではないだろうか。
「お豆腐屋さんまで一緒に行って鳶を叩き落として」
なんだ、こいつ、本当にお嬢様か?
鳶を叩き落とせとは物騒にもほどがある。
「昼寝をするって言ってるだろ? 話を聞けよ。落とせねーよ」
俺はただの和菓子職人。
猟師にでも頼めよ。
鳶と戦うような能力はない。
兎々子は油揚げの敵討ちにでも行くつもりなのか、頭に鉢巻を巻いていた。
気合い十分。
策は不十分。
木より高い所を飛ぶ鳥とどうやって戦うつもりだよ。
さて、面倒なことになる前に帰るかと席を立ち、おじさんにお礼を言おうとした瞬間、兎々子が窓を指さした。
「安海ちゃん、まさか今から、あの女の子と逢引き……!?」
「なんだと! 安海が女と逢引きだと!?」
ちょうど今から昼食のおじさんが厨房から飛び出してきた。
「違う! どこをどうみたらそうなるんだ」
窓の外にいるのは雪女(少女)。
こっちは関わらないように必死なんだよ!
気づけよ!
じぃっーと食い入るようにこっちを見ている。
さっと目をそらした瞬間、店内にふわりとカレースパイスの香りが広がった。
「シェフ。賄いができました」
「おう」
今日の賄いはライスカレーらしい。
自然にライスカレーの方へ視線が向いた。
水の入ったコップを並べた弟子達は気まずそうな顔をした。
窓の向こうからじっと見られているせいで全員食べにくい。
おじさんが諦めたように言った。
「おい、安海。あの迷子なのか、お前の逢引き相手なのか知らないが、ここにあの子を連れてこい。腹が減っているんじゃないのか」
「いや。入れない方がいいと思う」
俺はこの洋食屋『カネオカ』の平和を守ったつもりだった―――
「連れてきたよー!」
だが、兎々子よ、なぜお前が雪女を連れてくる?
こういう時だけ素早い。
兎々子が意気揚々と雪女を連れて入ってきた。
雪女はなかなかの手練れらしく着物は女学生と同じ矢絣柄の着物に海老茶袴、ブーツだった。
まだ入学したての女学生という演出だろうか。
だが、髪型までは間に合わなかったようで長い髪を後ろにひとくくりにしていた。
「手が冷たいね。雨で体が冷えてるのかも」
「大丈夫……」
さっと兎々子から手を離した。
「名前はなんて言うの?」
名前はないはずだ。
女学生の真似事もここまでだな。
雪女の正体が明かされるのも時間の問題だ。
「え、えっと、雪―――」
「ユキちゃんっていうの? もしかして冬生まれ?」
「そうなの」
おいっ!?
兎々子っー!
敵に塩を送ってどうするんだよ。
俺は成り行きを見守っていたが、雪女のほうはホッとしたような顔をしていて、その顔を見たら、俺はなにも言えなかった。
俺が黙っているとおじさんが肘で俺をどんっと押した。
「おい、安海。兎々子の優しさを見たか? 不器用でも大事なのは優しさだ。わかったか?」
「わかってないのはおじさんのほうだ」
「な、なんだと」
太郎の時と違って外見は普通の少女に見えるが、有浄の忠告と冷たい息で凍った窓硝子で正体は雪女で間違いないのだ。
どんなことになるかわかったものじゃない。
「ユキちゃん。うちの賄いライスカレーは美味しいんだよ。下手したら、お店のカレーよりも美味しいんだから」
「おい……」
おじさんがそれはないといういように複雑な表情で兎々子を見ていた。
兎々子はどうぞと席を用意し、湯気のあがるライスカレーと水が入ったコップを持ってきた。
「安海ちゃんもライスカレーをじっと見ちゃって。食べたいんでしょ?」
兎々子は俺にもライスカレーを持ってきてくれた。
俺が見ていたのは雪女でライスカレーではなかったのだが、ライスカレーの香りに負けて皿を受け取った。
「どう? ユキちゃん、おいしい?」
「おいしい」
こくっとうなずいたユキは熱々のカレーをすぐ口にはいれず、ふっと冷たい息を吹きかけて口に入る一歩手前で冷ましていた。
猫舌の人間には羨ましい能力だ。
「こんなおいしい食べ物、初めて」
ユキの言葉におじさんは得意顔だった。
その得意顔が兎々子に似ていて父娘だなと思わずにはいられなかった。
確かに洋食屋『カネオカ』の賄いライスカレーはうまい。
細かく刻んだ野菜を大量にいれて炒め、肉を加える。
長時間、形がなくなるまで煮込んでどろどろにし、カレースパイスとカネオカ特製ソースを加え、隠し味をいくつか入れるというこだわりよう。
一口食べただけで野菜や肉の旨味がわかり、味の深みとコクがすごい。
スプーンでとろっとしたカレールウとごはんを半々くらいにすくって口に運ぶ。
「うまい」
「まーな! おい、安海。もっと褒めていいぞ」
おじさんがそう言ったが、作ったのは弟子だ。
弟子達は苦笑していた。
賄いを作るのは弟子の仕事だということくらいは知っている。
そして、兎々子はちゃっかりおかわりまでしていた。
よく食うな……
「ユキちゃんはどこの女学校?」
「私は……その……ここからもっと遠くの女学校で」
「そうなの? いろいろあるものね。私のお友達はミッションスクールに通われてるわ。素敵よね」
「ええ! 憧れます!」
なんだ?
いきなりユキは目を輝かせイキイキとした口調で語りだした。
「靴箱にそっと忍ばせる上級生へのお手紙。ハンカチに刺繍をして交換したり、恋愛小説や雑誌を読んだり……。そして寮生ならではの姉妹関係!」
「そうっ! そうなの! 素敵よねっー!」
なんの話をしているかさっぱり理解できない。おじさんや弟子達も同じく首をかしげていた。
「安海ちゃんに言ってもぜんぜんロマンをわかってくれないの」
「聞いてやってるだけでもありがたいと思えよ」
なんて奴だ。
心配しながら、ライスカレーを一皿食べたが、兎々子とユキは仲良しで和気あいあいとしている。
それをおじさんはニコニコと眺めているから困ったものだ。
「ごちそうさま」
食べ終わった俺はスプーンを皿の上に置いた。
いつもは用心深いおじさんも今回はあてにならないようだ。
珍しく自分から有浄に会いに一之森神社へ行くことにしたのだった。
だが、窓の外にいるのはどうがんばっても兎々子より年下の幼い少女。
外の窓の縁にしがみつき、背伸びをして店内を眺めている。
だからといって油断は禁物。
絶対に目を合わせるな、俺。
ロクなことにならないのは長年の経験でわかっているはずだ。
俺は素知らぬ顔でマカロニグラタンを食べた。
「安海ちゃーん!」
「戻ってくるのが早すぎる」
バァーンッと母屋へ続く扉から兎々子が飛び出してきた。
すでに店内に客は俺一人。
今から昼の賄いの時間らしく、弟子達が昼食の皿を用意している。
俺は身内枠で客扱いされてない(まあ、タダだしな)。
「私、考えたんだけど」
「断る」
「あれ!? まだなにも言ってないのに!?」
「俺は帰って昼寝をする」
マカロニグラタンは絶品だった。
お腹もほどよく膨れたことだ。
このまま何事もなく帰宅し、縁側を開け放ち畳の上に寝転がり、庭の雨音を聞きながら眠る。
最高の午後ではないだろうか。
「お豆腐屋さんまで一緒に行って鳶を叩き落として」
なんだ、こいつ、本当にお嬢様か?
鳶を叩き落とせとは物騒にもほどがある。
「昼寝をするって言ってるだろ? 話を聞けよ。落とせねーよ」
俺はただの和菓子職人。
猟師にでも頼めよ。
鳶と戦うような能力はない。
兎々子は油揚げの敵討ちにでも行くつもりなのか、頭に鉢巻を巻いていた。
気合い十分。
策は不十分。
木より高い所を飛ぶ鳥とどうやって戦うつもりだよ。
さて、面倒なことになる前に帰るかと席を立ち、おじさんにお礼を言おうとした瞬間、兎々子が窓を指さした。
「安海ちゃん、まさか今から、あの女の子と逢引き……!?」
「なんだと! 安海が女と逢引きだと!?」
ちょうど今から昼食のおじさんが厨房から飛び出してきた。
「違う! どこをどうみたらそうなるんだ」
窓の外にいるのは雪女(少女)。
こっちは関わらないように必死なんだよ!
気づけよ!
じぃっーと食い入るようにこっちを見ている。
さっと目をそらした瞬間、店内にふわりとカレースパイスの香りが広がった。
「シェフ。賄いができました」
「おう」
今日の賄いはライスカレーらしい。
自然にライスカレーの方へ視線が向いた。
水の入ったコップを並べた弟子達は気まずそうな顔をした。
窓の向こうからじっと見られているせいで全員食べにくい。
おじさんが諦めたように言った。
「おい、安海。あの迷子なのか、お前の逢引き相手なのか知らないが、ここにあの子を連れてこい。腹が減っているんじゃないのか」
「いや。入れない方がいいと思う」
俺はこの洋食屋『カネオカ』の平和を守ったつもりだった―――
「連れてきたよー!」
だが、兎々子よ、なぜお前が雪女を連れてくる?
こういう時だけ素早い。
兎々子が意気揚々と雪女を連れて入ってきた。
雪女はなかなかの手練れらしく着物は女学生と同じ矢絣柄の着物に海老茶袴、ブーツだった。
まだ入学したての女学生という演出だろうか。
だが、髪型までは間に合わなかったようで長い髪を後ろにひとくくりにしていた。
「手が冷たいね。雨で体が冷えてるのかも」
「大丈夫……」
さっと兎々子から手を離した。
「名前はなんて言うの?」
名前はないはずだ。
女学生の真似事もここまでだな。
雪女の正体が明かされるのも時間の問題だ。
「え、えっと、雪―――」
「ユキちゃんっていうの? もしかして冬生まれ?」
「そうなの」
おいっ!?
兎々子っー!
敵に塩を送ってどうするんだよ。
俺は成り行きを見守っていたが、雪女のほうはホッとしたような顔をしていて、その顔を見たら、俺はなにも言えなかった。
俺が黙っているとおじさんが肘で俺をどんっと押した。
「おい、安海。兎々子の優しさを見たか? 不器用でも大事なのは優しさだ。わかったか?」
「わかってないのはおじさんのほうだ」
「な、なんだと」
太郎の時と違って外見は普通の少女に見えるが、有浄の忠告と冷たい息で凍った窓硝子で正体は雪女で間違いないのだ。
どんなことになるかわかったものじゃない。
「ユキちゃん。うちの賄いライスカレーは美味しいんだよ。下手したら、お店のカレーよりも美味しいんだから」
「おい……」
おじさんがそれはないといういように複雑な表情で兎々子を見ていた。
兎々子はどうぞと席を用意し、湯気のあがるライスカレーと水が入ったコップを持ってきた。
「安海ちゃんもライスカレーをじっと見ちゃって。食べたいんでしょ?」
兎々子は俺にもライスカレーを持ってきてくれた。
俺が見ていたのは雪女でライスカレーではなかったのだが、ライスカレーの香りに負けて皿を受け取った。
「どう? ユキちゃん、おいしい?」
「おいしい」
こくっとうなずいたユキは熱々のカレーをすぐ口にはいれず、ふっと冷たい息を吹きかけて口に入る一歩手前で冷ましていた。
猫舌の人間には羨ましい能力だ。
「こんなおいしい食べ物、初めて」
ユキの言葉におじさんは得意顔だった。
その得意顔が兎々子に似ていて父娘だなと思わずにはいられなかった。
確かに洋食屋『カネオカ』の賄いライスカレーはうまい。
細かく刻んだ野菜を大量にいれて炒め、肉を加える。
長時間、形がなくなるまで煮込んでどろどろにし、カレースパイスとカネオカ特製ソースを加え、隠し味をいくつか入れるというこだわりよう。
一口食べただけで野菜や肉の旨味がわかり、味の深みとコクがすごい。
スプーンでとろっとしたカレールウとごはんを半々くらいにすくって口に運ぶ。
「うまい」
「まーな! おい、安海。もっと褒めていいぞ」
おじさんがそう言ったが、作ったのは弟子だ。
弟子達は苦笑していた。
賄いを作るのは弟子の仕事だということくらいは知っている。
そして、兎々子はちゃっかりおかわりまでしていた。
よく食うな……
「ユキちゃんはどこの女学校?」
「私は……その……ここからもっと遠くの女学校で」
「そうなの? いろいろあるものね。私のお友達はミッションスクールに通われてるわ。素敵よね」
「ええ! 憧れます!」
なんだ?
いきなりユキは目を輝かせイキイキとした口調で語りだした。
「靴箱にそっと忍ばせる上級生へのお手紙。ハンカチに刺繍をして交換したり、恋愛小説や雑誌を読んだり……。そして寮生ならではの姉妹関係!」
「そうっ! そうなの! 素敵よねっー!」
なんの話をしているかさっぱり理解できない。おじさんや弟子達も同じく首をかしげていた。
「安海ちゃんに言ってもぜんぜんロマンをわかってくれないの」
「聞いてやってるだけでもありがたいと思えよ」
なんて奴だ。
心配しながら、ライスカレーを一皿食べたが、兎々子とユキは仲良しで和気あいあいとしている。
それをおじさんはニコニコと眺めているから困ったものだ。
「ごちそうさま」
食べ終わった俺はスプーンを皿の上に置いた。
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