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第四話 美人画の怪~よひらの花が咲く頃に~
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料亭 『菊井』から帰ってくると、すでに日は暮れ、家の中は真っ暗だった。
電灯のつまみをひねった。
茶の間を照らす燈火は薄暗く頼りない。
部屋の隅にまで届かず、積み重ねた本の山に影を作っていた。
今日はもう寝るか。
ごちそうを食べたこともあり、満足していた胃袋は夕飯を受け付けず、早めに寝ようと決めた。
夕飯といってもお茶漬け程度の質素なもので料亭で食べたものの足元にも及ばない。
さすが金持ち相手の料亭だけあった。
逸嵩はいつもあんなごちそうを食べているのか。
あいつがいい暮らしをしているのはすぐにわかった。
身に付けているものがまったく違う。
だが―――
「お茶漬けかごちそうか」
ふっと笑いがこみあげた。
悩むまでもない。
ごちそうはたまに食べるからうまいのだ。
毎日はいらない。
縁側の窓を閉める時、梅雨のわずかな晴れ間に久しぶりに雲の少ない澄んだ夜空を眺めることができた。
雨戸のへりに頭をのせてしばらくそのままでいたが、月を見てあくびをひとつ。
「たまの晴れ間もいいもんだな。さて寝よう」
風流な気持ちは長続きせず、茶の間に布団をひき、一日で一番幸せな時間がやってきたと思いながら目を閉じた。
昼寝ができなかった分を取り戻すかのように俺は深く眠った。
―――はずだった。
夢を見ていた。
誰かが歩いている。
夜気にさらされ、冷たくなった石畳の道に月の光が落ち青く照らしている。
その石畳の上を素足で歩くのは藤色と白の格子柄の着物を着た女性だった。
白い足が着物の裾からのぞき、ひたりひたりと石の上を歩き、どこかに向かっている。
どこへ行くのだろうと眺めていると『千年屋』と書かれた看板のある店の前で立ち止まった。
「俺を探しているのか」
それに気づいて薄っすらと目を開けた。
庭の方からすすり泣く声が聞こえてきた。
縁側の硝子戸を眠る前に閉めたはずなのに開いており、庭にいる女性の姿をはっきりと目にすることができた。
女性は悲しげに目を伏せ、泣いている。
なにをそんなに悲しいのか、梅雨時の雨のように止むことない涙をこぼす。
花の咲いていない紫陽花の木の前から動かず、泣き続けるだけ。
『安海はお人好しだから忠告しておくよ。可哀想だと思っても声をかけちゃいけないよ。それが善いものなのか悪いものなのか、自分じゃ判断つかないことのほうが多い。それはね、人もあやかしも同じだよ』
そんな有浄の声が聞こえてくるようだった。
だから、声をかけてはいけない―――いけないとわかっていながら、声をかけてしまった。
「紫陽花になにか思い入れでもあるのか?」
恥じ入るように目元を袖で隠し、遠慮がちに答えた。
『手紙を受け取っていただけましたか』
「手紙? いや、受け取っていない」
『では、私のことは忘れてしまったということですか?』
誰かと間違えているのだと気づいた。
さめざめと泣き伏せる彼女に近寄ろうとしたその時―――目の前を白い物体が走っていき、眩しい光に驚いた俺はハッと目を開けた。
「ぐっ!? 重い!」
ちょうど腹の上に犬が一匹座っていた。
ふてぶてしい顔で俺の寝顔を観察するように眺めていた。
その名は太郎。
兎々子が拾ってきた犬神で白い毛並みがつややかで美しい。
最後に見たときはただの毛玉だったというのに一之森神社の狛犬となってからは立派な犬神の姿に変化していた。
「太郎! お前、俺を圧死させる気か!」
腕を振りまわして太郎を腹の上から追い払うと太郎はからかうようにフサッとした尻尾を揺らしてみせた。
『ふん。感謝しろ。助けてやったのだからな』
助けたとはどういうことだよ。
あと少しで理由を聞けそうだったのに。
「あのなー……夢の中にまで干渉するなよ。俺は目覚めにはこだわるほうなんだからな」
一日の始まりは布団の中で目を閉じ、起きるか起きまいか、しばし悩みつつ、意識の覚醒を少しずつ促す。
これだよ。
「なあ、太郎。饅頭を食いすぎて肥えてきてないか? 図体がでかくなりすぎだろ」
毛玉だった太郎はどこへやら。
今は狼くらいの大きさをしている。
本気で俺を圧死させにきている。
『誰が肥えただ! 失礼な小僧め!』
「じゃあ、飛んでみろよ」
『な、なんだと……!?』
「太郎は知らないだろうが、サーカスじゃ熊や像まで芸を披露するんだぞ? 飛ぶくらいできるだろ?」
『見世物と一緒にするな!』
俺と太郎のどうでもいい言い争いを遮るように縁側から涼しい風が入ってきた。
閉めて眠ったはずの窓が開いていることに気づいた。
縁側の硝子戸が開いていたのは夢だったはずだ。
なぜ、夢が現実に?
半ば混乱気味に庭に立っている有浄を見た。
「安海。今のは夢じゃないよ」
装束姿の有浄は袖をはらい、体をこちらに向けた。
白い装束は夜明けの光で明るい白に変化し、有浄の色素の薄い髪を陽の色に染めた。
雨も降っていないのに紫陽花の木から畳の上まで水が落ちていた。
つまり、俺が彼女をここまで招き入れたことになる。
「……ああ。どうやら、客が来ていたみたいだな」
「客ね。品物もないのによく来たものだ」
うるせえよ。
それは言わなくていい。
「けど、掛け軸はお前のところにあったのにどうして俺のところに来たんだろうな」
「それはね、郁里さんの兄が師範学校に通っていて、安海に背格好が似ていたからだよ」
「……おい。今の聞き捨てならないんだが」
有浄は『しまった!』という顔をしていた。
ますます、俺の疑惑は深まった。
「なあ。もしかして俺を『菊井』に連れて行ったのは『菊井』の息子の代わりに俺をエサにして幽霊を誘き寄せるためだったとかじゃないよな?」
俺の記憶違いでなければ、今回は俺の助けが必要だとかなんとか有浄が言っていたような気がする。
もしや、こうなることをわかっていたのでは……?
有浄がすいっと目をそらした。
これ、有罪だよな?
絶対に有罪確定だ!
俺がにらんでいるのを無視して有浄は言った。
「あー、太郎。安海が助けてくれたお礼になにか作ってくれるそうだよ。人助けはするものだね」
「は? 人助け? 危険な目にあわせたのはお前だろーが!」
「夜明けの空が美しいね」
「おい……。なに誤魔化してるんだ。こっち見ろよ」
「いやぁ、早起きは三文の徳って本当だなー。ほら、安海。早起きしたおかげで、あんこが炊けるじゃないか。俺はいったん神社に戻って掛け軸をとってくる。神社に置いておく意味がなくなったからね」
動きにくいはずの装束の重みを少しも感じさせずに袖をさばき、有浄は去っていった。
太郎を残して。
「くそ! あいつ、逃げたな!」
『さて。なにを作ってくれるのか。見せてもらおうか』
白い犬が偉そうにそんなことを言ってきた。
「誰が作ると言った」
寝起きの俺。
なにが早起きは三文の徳だ。
三文くらいで動いてたまるか。
天井を見上げて、それから布団にいそいそと潜り込んだ。
二度寝というのも悪くない。
太郎もいることだし、そうそう危険な目にあわないだろう。
『怠け者め……!』
「うるさい。俺には俺の生き方がある」
『こんな人間を守ったとは情けない。次は見捨てよう』
「いや!? 助けろよ!」
助けてもらえそうにない空気になり、布団から渋々出た。
そもそも俺を囮に使ったのは有浄だ。
俺が悪いのか?
悪くないよな。
だいたい俺が引き受けた仕事でもないのに一番危険な目にあってないか?
納得できないなと思いながら起きた。
庭の紫陽花の影から、まだあの女性が泣きながら俺を見ているような気がしたからだ―――
電灯のつまみをひねった。
茶の間を照らす燈火は薄暗く頼りない。
部屋の隅にまで届かず、積み重ねた本の山に影を作っていた。
今日はもう寝るか。
ごちそうを食べたこともあり、満足していた胃袋は夕飯を受け付けず、早めに寝ようと決めた。
夕飯といってもお茶漬け程度の質素なもので料亭で食べたものの足元にも及ばない。
さすが金持ち相手の料亭だけあった。
逸嵩はいつもあんなごちそうを食べているのか。
あいつがいい暮らしをしているのはすぐにわかった。
身に付けているものがまったく違う。
だが―――
「お茶漬けかごちそうか」
ふっと笑いがこみあげた。
悩むまでもない。
ごちそうはたまに食べるからうまいのだ。
毎日はいらない。
縁側の窓を閉める時、梅雨のわずかな晴れ間に久しぶりに雲の少ない澄んだ夜空を眺めることができた。
雨戸のへりに頭をのせてしばらくそのままでいたが、月を見てあくびをひとつ。
「たまの晴れ間もいいもんだな。さて寝よう」
風流な気持ちは長続きせず、茶の間に布団をひき、一日で一番幸せな時間がやってきたと思いながら目を閉じた。
昼寝ができなかった分を取り戻すかのように俺は深く眠った。
―――はずだった。
夢を見ていた。
誰かが歩いている。
夜気にさらされ、冷たくなった石畳の道に月の光が落ち青く照らしている。
その石畳の上を素足で歩くのは藤色と白の格子柄の着物を着た女性だった。
白い足が着物の裾からのぞき、ひたりひたりと石の上を歩き、どこかに向かっている。
どこへ行くのだろうと眺めていると『千年屋』と書かれた看板のある店の前で立ち止まった。
「俺を探しているのか」
それに気づいて薄っすらと目を開けた。
庭の方からすすり泣く声が聞こえてきた。
縁側の硝子戸を眠る前に閉めたはずなのに開いており、庭にいる女性の姿をはっきりと目にすることができた。
女性は悲しげに目を伏せ、泣いている。
なにをそんなに悲しいのか、梅雨時の雨のように止むことない涙をこぼす。
花の咲いていない紫陽花の木の前から動かず、泣き続けるだけ。
『安海はお人好しだから忠告しておくよ。可哀想だと思っても声をかけちゃいけないよ。それが善いものなのか悪いものなのか、自分じゃ判断つかないことのほうが多い。それはね、人もあやかしも同じだよ』
そんな有浄の声が聞こえてくるようだった。
だから、声をかけてはいけない―――いけないとわかっていながら、声をかけてしまった。
「紫陽花になにか思い入れでもあるのか?」
恥じ入るように目元を袖で隠し、遠慮がちに答えた。
『手紙を受け取っていただけましたか』
「手紙? いや、受け取っていない」
『では、私のことは忘れてしまったということですか?』
誰かと間違えているのだと気づいた。
さめざめと泣き伏せる彼女に近寄ろうとしたその時―――目の前を白い物体が走っていき、眩しい光に驚いた俺はハッと目を開けた。
「ぐっ!? 重い!」
ちょうど腹の上に犬が一匹座っていた。
ふてぶてしい顔で俺の寝顔を観察するように眺めていた。
その名は太郎。
兎々子が拾ってきた犬神で白い毛並みがつややかで美しい。
最後に見たときはただの毛玉だったというのに一之森神社の狛犬となってからは立派な犬神の姿に変化していた。
「太郎! お前、俺を圧死させる気か!」
腕を振りまわして太郎を腹の上から追い払うと太郎はからかうようにフサッとした尻尾を揺らしてみせた。
『ふん。感謝しろ。助けてやったのだからな』
助けたとはどういうことだよ。
あと少しで理由を聞けそうだったのに。
「あのなー……夢の中にまで干渉するなよ。俺は目覚めにはこだわるほうなんだからな」
一日の始まりは布団の中で目を閉じ、起きるか起きまいか、しばし悩みつつ、意識の覚醒を少しずつ促す。
これだよ。
「なあ、太郎。饅頭を食いすぎて肥えてきてないか? 図体がでかくなりすぎだろ」
毛玉だった太郎はどこへやら。
今は狼くらいの大きさをしている。
本気で俺を圧死させにきている。
『誰が肥えただ! 失礼な小僧め!』
「じゃあ、飛んでみろよ」
『な、なんだと……!?』
「太郎は知らないだろうが、サーカスじゃ熊や像まで芸を披露するんだぞ? 飛ぶくらいできるだろ?」
『見世物と一緒にするな!』
俺と太郎のどうでもいい言い争いを遮るように縁側から涼しい風が入ってきた。
閉めて眠ったはずの窓が開いていることに気づいた。
縁側の硝子戸が開いていたのは夢だったはずだ。
なぜ、夢が現実に?
半ば混乱気味に庭に立っている有浄を見た。
「安海。今のは夢じゃないよ」
装束姿の有浄は袖をはらい、体をこちらに向けた。
白い装束は夜明けの光で明るい白に変化し、有浄の色素の薄い髪を陽の色に染めた。
雨も降っていないのに紫陽花の木から畳の上まで水が落ちていた。
つまり、俺が彼女をここまで招き入れたことになる。
「……ああ。どうやら、客が来ていたみたいだな」
「客ね。品物もないのによく来たものだ」
うるせえよ。
それは言わなくていい。
「けど、掛け軸はお前のところにあったのにどうして俺のところに来たんだろうな」
「それはね、郁里さんの兄が師範学校に通っていて、安海に背格好が似ていたからだよ」
「……おい。今の聞き捨てならないんだが」
有浄は『しまった!』という顔をしていた。
ますます、俺の疑惑は深まった。
「なあ。もしかして俺を『菊井』に連れて行ったのは『菊井』の息子の代わりに俺をエサにして幽霊を誘き寄せるためだったとかじゃないよな?」
俺の記憶違いでなければ、今回は俺の助けが必要だとかなんとか有浄が言っていたような気がする。
もしや、こうなることをわかっていたのでは……?
有浄がすいっと目をそらした。
これ、有罪だよな?
絶対に有罪確定だ!
俺がにらんでいるのを無視して有浄は言った。
「あー、太郎。安海が助けてくれたお礼になにか作ってくれるそうだよ。人助けはするものだね」
「は? 人助け? 危険な目にあわせたのはお前だろーが!」
「夜明けの空が美しいね」
「おい……。なに誤魔化してるんだ。こっち見ろよ」
「いやぁ、早起きは三文の徳って本当だなー。ほら、安海。早起きしたおかげで、あんこが炊けるじゃないか。俺はいったん神社に戻って掛け軸をとってくる。神社に置いておく意味がなくなったからね」
動きにくいはずの装束の重みを少しも感じさせずに袖をさばき、有浄は去っていった。
太郎を残して。
「くそ! あいつ、逃げたな!」
『さて。なにを作ってくれるのか。見せてもらおうか』
白い犬が偉そうにそんなことを言ってきた。
「誰が作ると言った」
寝起きの俺。
なにが早起きは三文の徳だ。
三文くらいで動いてたまるか。
天井を見上げて、それから布団にいそいそと潜り込んだ。
二度寝というのも悪くない。
太郎もいることだし、そうそう危険な目にあわないだろう。
『怠け者め……!』
「うるさい。俺には俺の生き方がある」
『こんな人間を守ったとは情けない。次は見捨てよう』
「いや!? 助けろよ!」
助けてもらえそうにない空気になり、布団から渋々出た。
そもそも俺を囮に使ったのは有浄だ。
俺が悪いのか?
悪くないよな。
だいたい俺が引き受けた仕事でもないのに一番危険な目にあってないか?
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