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第三話 犬の住処探し~味は違えど柏餅~
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「こらっ! 兎々子っ! 部屋で反省していろと言っただろうが!」
おじさんの怒鳴り声に兎々子は目に涙を浮かべた。
「お父さんの人でなし! 今頃、太郎ちゃんは寒空の下、行くあてもなく震えているに決まってるわ!」
寒空ねぇ……
窓からのぞく空は見事なまでに青い空。
だが、兎々子は親父さんと戦争中。
『本日天気晴朗ナレドモ波高シ』というところか。
しかし、寒空はないだろう。
言いすぎだ。
そう思ったのは俺だけじゃないらしく、全員が兎々子を呆れた目で見ていた。
「太郎ちゃんは今頃、大きな犬に追いかけられて逃げまどっているかも。かわいそうな太郎ちゃん」
兎々子の中で名前は太郎に決まったようだ。
名前は太郎でも次郎でも三郎でもなんだっていい。
それよりも兎々子劇場はいつ終わるんだ?
兎々子は胸の前に手を組み、天井を見上げていた。
お前は帝劇の女優かよ。
その視線の先を追って俺も天井を見上げたが、そこには金具のついた三連シャンデリアが吊るされているだけで変わったものはなにもない。
「おい……兎々子……」
俺が声をかけると顔をこちらに向けた。
いつもよりキリッとした顔をしている。
その顔を見て俺は後悔した。
また面倒事に巻き込まれる予感がした―――いや、もう巻き込まれているか。
「安海ちゃん! 一緒に太郎ちゃんを探して!」
「ほらな。巻き込まれているのは俺のほうだろ」
じろっとおじさんを見た。
おじさんはサッと目を逸らした。
現実を直視しろよ!
兎々子を指さし、おじさんに訴えたが、それも無視。
なんて汚い大人だ。
俺がイライラとしていると、横にいた有浄が太郎ねと小さくつぶやいた。
こいつはこいつでなにを考えているのか、さっぱりわからない。
だが、善意だけで犬を引き取るような人間だとは思えない。
太郎のためにも探さないほうがいいような気がしてきた。
「兎々子ちゃん。俺が太郎を引き受けようか?」
「だめ!」
名前までしっかり決めてしまっていた兎々子にとってはもう家族同然なのだろう。
有浄の申し出を強い口調で断った。
まだ諦めてない兎々子の様子におじさんが 鬼瓦のような顔をした。
悪霊を拒むという鬼瓦。
おじさんとそっくりだなと俺は一人頷いた。
「兎々子! たとえ、見つけてきても絶対にうちでは飼わんぞ!」
おじさんも折れる様子がない。
いつもは仲裁してくれるおばさんも困った顔をしていた。
犬を飼うのはどうやら難しそうだ。
「なあ、兎々子。自分の家が駄目なら、隣の醤油屋で飼ってもらえばいいだろ?可愛い孫の頼みなら犬の一匹や二匹、余裕で飼ってくれる」
「駄目なの。猫を三匹も飼ってるの」
「あー、そういえば猫好きだったな」
「招き猫様って呼ぶくらい大切にしてるんだから。おじいちゃんには飼ってもらえないよ……」
確かになぁ。
あの妖怪タヌキ爺が犬モドキの侵入を許すとは思えない。
うーんと俺が唸っていると、有浄が言った。
「だから、俺が飼ってあげるよ」
ありがたいはずの有浄、数回目の申し出。
だが、兎々子はものすごく嫌な顔をしてみせた。
「うわ、失礼だな。もしかして、俺の動物に対する優しい気持ちを疑ってる?」
しーんとなったまま、誰も口を開かない。
兎々子だけじゃない。
有浄を除くこの場の全員が疑っている。
しばらくしてから、おじさんが遠慮がちに言った。
「おい、あの犬をどうするつもりだ? いや、俺は一之森神社がどうにかしてくれるというなら、それでいいんだぞ? ただな、こう……あんまり寝覚めの悪い扱いはだな……」
「やだなー。俺は仮にも神主だよ? ああいった生き物の扱いは俺の領分だと思うんだよね」
神主……だと?
いや、確かに有浄の本業は神主なのだが、陰陽師を自称するより神主だと名乗られたほうが、不安な気持ちになるのはなぜなのだろうか。
「たまには神主としてご町内の役に立たないとね」
そのご町内のみなさんが不安そうな顔でお前を見てるよ。
俺も含めな。
『信用してくれ!』という人間ほど信用できないって本当なんだな。
兎々子も同じように思ったのか、戸惑いを隠しきれてなかった。
わかる、わかるぞ。
だが、普通の犬なら俺もおじさんも少しは考えただろう。
見るからに普通の犬じゃない。
やはり餅は餅屋だ。
「兎々子。有浄に引き取ってもらえ」
「で、でも……」
「ああみえて、有浄はいい奴だ。太郎に酷いことはしない(はずだ)」
「有浄さんは太郎ちゃんを大事にしてくれる?」
不安げな表情で兎々子は有浄の顔を見た。
「それはあいつの態度次第だね」
「もう! 太郎ちゃんは可愛いでしょ! なにが不満なの!?」
いや、普通の人間なら不満だらけだと思うぞ。
実際、おじさんが首を横に振振っていた。
それに気づかない兎々子は俺と有浄に言った。
「まずは太郎ちゃんを見つけないと! 二人とも一緒に探して!」
「こら! お前は部屋で謹慎中だろう!」
「そうよ。兎々子、昨日からなにも食べてないでしょ。なにか食べてから出掛けたほうがいいわ」
「むー」
イライラと兎々子はおじさんと睨みあった。
有浄はそんな二人の間に割って入った。
「まあまあ。どこに太郎がいるか、なんとなくわかるから、兎々子ちゃんはおとなしく部屋で謹慎してるといいよ」
「太郎ちゃんがどこにいるか有浄さんにはわかるの?」
「当然。陰陽師だからね」
とたんに胡散臭くなった。
やっぱり神主でいい。
「それじゃ、安海。太郎を迎えに行こうか」
やっぱり俺も一緒に行くのか。
後は有浄に任せて帰って昼寝でもするつもりだったが、兎々子が俺に『ついていって有浄さんを見張っていて!』と目で訴えかけてきた。
信用されてないにもほどがある。
はいはい、と兎々子にうなずいてから、手土産を持ってきたことを思い出した。
「そういえば、柏餅を作ったから持ってきたんだった」
座っていたテーブルの席に戻り、置きっぱなしになっていた風呂敷包みを手にする。
「おじさん、これ」
柏餅が入った風呂敷包みをおじさんに渡した。
「安海……お前……」
「柏餅好きだって前に言ってたから」
「クソ……いいところあるじゃねえか」
すんっとおじさんは鼻をすすった。
風呂敷の結び目をほどき、おじさんは重箱の蓋を開けた。
白と蓬の柏餅がずらりと並んでいた。
「おすすめはその手前のやつ。おじさん用に大きめに作ったから」
「気が利くじゃねえか。なんだよ、成長したな」
おじさんは口を大きく開け、柏餅を頬張った。
それを見て、俺はスススッと店の出口のほうへ近寄る。
「ぎゃっ……! しょっぱああああ! なんだこれ!?」
赤鬼のように顔を赤くしたおじさんを見て、俺と有浄は逃げるように店を出た。
「安海。なにしたんだよ?」
「中身をあれだけ味噌にした」
見た目は柏餅でも中身は味噌。
それでも柏餅は柏餅。
ぼんやりしているが、なにも考えてないと思ったら大間違い。
いつも、おじさんに言われっぱなしというわけじゃない。
俺なりに仕返しはきっちりさせてもらう。
有浄は大笑いした。
「なるほどね。それじゃあ、俺もそれに倣って太郎をちょっと違う飼い犬にしてやろう」
にんまりと笑った有浄は悪い顔をしていた。
おじさんの怒鳴り声に兎々子は目に涙を浮かべた。
「お父さんの人でなし! 今頃、太郎ちゃんは寒空の下、行くあてもなく震えているに決まってるわ!」
寒空ねぇ……
窓からのぞく空は見事なまでに青い空。
だが、兎々子は親父さんと戦争中。
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しかし、寒空はないだろう。
言いすぎだ。
そう思ったのは俺だけじゃないらしく、全員が兎々子を呆れた目で見ていた。
「太郎ちゃんは今頃、大きな犬に追いかけられて逃げまどっているかも。かわいそうな太郎ちゃん」
兎々子の中で名前は太郎に決まったようだ。
名前は太郎でも次郎でも三郎でもなんだっていい。
それよりも兎々子劇場はいつ終わるんだ?
兎々子は胸の前に手を組み、天井を見上げていた。
お前は帝劇の女優かよ。
その視線の先を追って俺も天井を見上げたが、そこには金具のついた三連シャンデリアが吊るされているだけで変わったものはなにもない。
「おい……兎々子……」
俺が声をかけると顔をこちらに向けた。
いつもよりキリッとした顔をしている。
その顔を見て俺は後悔した。
また面倒事に巻き込まれる予感がした―――いや、もう巻き込まれているか。
「安海ちゃん! 一緒に太郎ちゃんを探して!」
「ほらな。巻き込まれているのは俺のほうだろ」
じろっとおじさんを見た。
おじさんはサッと目を逸らした。
現実を直視しろよ!
兎々子を指さし、おじさんに訴えたが、それも無視。
なんて汚い大人だ。
俺がイライラとしていると、横にいた有浄が太郎ねと小さくつぶやいた。
こいつはこいつでなにを考えているのか、さっぱりわからない。
だが、善意だけで犬を引き取るような人間だとは思えない。
太郎のためにも探さないほうがいいような気がしてきた。
「兎々子ちゃん。俺が太郎を引き受けようか?」
「だめ!」
名前までしっかり決めてしまっていた兎々子にとってはもう家族同然なのだろう。
有浄の申し出を強い口調で断った。
まだ諦めてない兎々子の様子におじさんが 鬼瓦のような顔をした。
悪霊を拒むという鬼瓦。
おじさんとそっくりだなと俺は一人頷いた。
「兎々子! たとえ、見つけてきても絶対にうちでは飼わんぞ!」
おじさんも折れる様子がない。
いつもは仲裁してくれるおばさんも困った顔をしていた。
犬を飼うのはどうやら難しそうだ。
「なあ、兎々子。自分の家が駄目なら、隣の醤油屋で飼ってもらえばいいだろ?可愛い孫の頼みなら犬の一匹や二匹、余裕で飼ってくれる」
「駄目なの。猫を三匹も飼ってるの」
「あー、そういえば猫好きだったな」
「招き猫様って呼ぶくらい大切にしてるんだから。おじいちゃんには飼ってもらえないよ……」
確かになぁ。
あの妖怪タヌキ爺が犬モドキの侵入を許すとは思えない。
うーんと俺が唸っていると、有浄が言った。
「だから、俺が飼ってあげるよ」
ありがたいはずの有浄、数回目の申し出。
だが、兎々子はものすごく嫌な顔をしてみせた。
「うわ、失礼だな。もしかして、俺の動物に対する優しい気持ちを疑ってる?」
しーんとなったまま、誰も口を開かない。
兎々子だけじゃない。
有浄を除くこの場の全員が疑っている。
しばらくしてから、おじさんが遠慮がちに言った。
「おい、あの犬をどうするつもりだ? いや、俺は一之森神社がどうにかしてくれるというなら、それでいいんだぞ? ただな、こう……あんまり寝覚めの悪い扱いはだな……」
「やだなー。俺は仮にも神主だよ? ああいった生き物の扱いは俺の領分だと思うんだよね」
神主……だと?
いや、確かに有浄の本業は神主なのだが、陰陽師を自称するより神主だと名乗られたほうが、不安な気持ちになるのはなぜなのだろうか。
「たまには神主としてご町内の役に立たないとね」
そのご町内のみなさんが不安そうな顔でお前を見てるよ。
俺も含めな。
『信用してくれ!』という人間ほど信用できないって本当なんだな。
兎々子も同じように思ったのか、戸惑いを隠しきれてなかった。
わかる、わかるぞ。
だが、普通の犬なら俺もおじさんも少しは考えただろう。
見るからに普通の犬じゃない。
やはり餅は餅屋だ。
「兎々子。有浄に引き取ってもらえ」
「で、でも……」
「ああみえて、有浄はいい奴だ。太郎に酷いことはしない(はずだ)」
「有浄さんは太郎ちゃんを大事にしてくれる?」
不安げな表情で兎々子は有浄の顔を見た。
「それはあいつの態度次第だね」
「もう! 太郎ちゃんは可愛いでしょ! なにが不満なの!?」
いや、普通の人間なら不満だらけだと思うぞ。
実際、おじさんが首を横に振振っていた。
それに気づかない兎々子は俺と有浄に言った。
「まずは太郎ちゃんを見つけないと! 二人とも一緒に探して!」
「こら! お前は部屋で謹慎中だろう!」
「そうよ。兎々子、昨日からなにも食べてないでしょ。なにか食べてから出掛けたほうがいいわ」
「むー」
イライラと兎々子はおじさんと睨みあった。
有浄はそんな二人の間に割って入った。
「まあまあ。どこに太郎がいるか、なんとなくわかるから、兎々子ちゃんはおとなしく部屋で謹慎してるといいよ」
「太郎ちゃんがどこにいるか有浄さんにはわかるの?」
「当然。陰陽師だからね」
とたんに胡散臭くなった。
やっぱり神主でいい。
「それじゃ、安海。太郎を迎えに行こうか」
やっぱり俺も一緒に行くのか。
後は有浄に任せて帰って昼寝でもするつもりだったが、兎々子が俺に『ついていって有浄さんを見張っていて!』と目で訴えかけてきた。
信用されてないにもほどがある。
はいはい、と兎々子にうなずいてから、手土産を持ってきたことを思い出した。
「そういえば、柏餅を作ったから持ってきたんだった」
座っていたテーブルの席に戻り、置きっぱなしになっていた風呂敷包みを手にする。
「おじさん、これ」
柏餅が入った風呂敷包みをおじさんに渡した。
「安海……お前……」
「柏餅好きだって前に言ってたから」
「クソ……いいところあるじゃねえか」
すんっとおじさんは鼻をすすった。
風呂敷の結び目をほどき、おじさんは重箱の蓋を開けた。
白と蓬の柏餅がずらりと並んでいた。
「おすすめはその手前のやつ。おじさん用に大きめに作ったから」
「気が利くじゃねえか。なんだよ、成長したな」
おじさんは口を大きく開け、柏餅を頬張った。
それを見て、俺はスススッと店の出口のほうへ近寄る。
「ぎゃっ……! しょっぱああああ! なんだこれ!?」
赤鬼のように顔を赤くしたおじさんを見て、俺と有浄は逃げるように店を出た。
「安海。なにしたんだよ?」
「中身をあれだけ味噌にした」
見た目は柏餅でも中身は味噌。
それでも柏餅は柏餅。
ぼんやりしているが、なにも考えてないと思ったら大間違い。
いつも、おじさんに言われっぱなしというわけじゃない。
俺なりに仕返しはきっちりさせてもらう。
有浄は大笑いした。
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