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第一話 狐の嫁入り~お祝いまんじゅう~
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狐顔の女性が去ると、さっきまでの雨が嘘のようにやみ、灰色の雲間から青空がのぞいて見えた。
ちょうど正午のドンが鳴り、雨を避けていた人が石畳の通りを行き交い始める。
着流し姿にカンカン帽をかぶり、早足で通り過ぎて行ったのは近所の尋常小学校で働く男の先生だ。
下宿屋に昼飯を食べに帰って来たのだろう。
先生は無類の甘党で『千年屋』の菓子を気に入ってくれている。
急ぎ足ながらも陳列棚に和菓子がなにも売っていないのを横目で確認するとがっくりと肩を落としていた。
さすがの俺もこれには少し心が痛んだ。
俺はそろそろ本気を出さなくてはいけないのかもしれない。
そんな気がしたが―――
「おー、雨がやんだな。快晴、快晴!」
有浄の何事もなかったかのような顔にやる気がそがれてしまうのもまた事実。
少しくらいは俺を巻き込んで悪いと思えよ。
そんな俺の気持ちも知らずに硝子戸を開けた有浄は軒下からぽたぽたと雨の雫が落ちているのを眩し気に見上げていた。
「さーて、俺も帰ろう」
「おい。待て。さっきの女の正体はなんだ?」
「俺の身内だよ。安海もよく知ってるやつだから、特別な饅頭を作ってやってくれ。頼むよ」
有浄はぽんぽんっと俺の肩を叩いた。
「長いこと俺と居てくれたんだが、とうとう嫁に行くって言うからさ。実は俺もお前に饅頭を頼もうと思って今日は来たんだ。向こうから頼んでくれて助かったよ」
「俺は助かっていないんだが?」
「引き受けたんだろ? しっかりやれよ」
「誰のせいだ、誰の!」
「頼んだぞ。千年屋三代目!」
こ、このやろう。
俺が怒りでぶるぶると拳を震わせていると、兎々子がジッーとこちらを見詰めていた。
「なんだ。兎々子。俺の顔にご飯粒でもついていたか?」
「安海ちゃん。お腹空いた」
こ、こいつまで……!
この流れでそれを言うか?
なぜ、有浄も兎々子も俺を働かせようとするのだろうか。
「家に帰って、賄いでも食えよ」
洋食屋『カネオカ』のオムライスはうまい。
鶏肉と一緒に炒めたご飯に黄色い卵でふんわりつつんだオムライス。
卵の上に甘酸っぱいトマトソースがとろりとかかっているのを思い浮かべただけで、お腹が鳴りそうだった。
まだまだ庶民には洋食は贅沢品だ。
「私、安海ちゃんが炊いた小豆の善哉かお汁粉が食べたいなぁ」
「いいね。小豆は邪気を祓う。ちょうどいい」
二人がオムライスより善哉を要求してきた。
なにがちょうどいいだ。
俺からしたら、お前達が邪気そのものだよ。
俺は昼寝をするつもりだったのに一睡もできなかった。
それを取り戻したい。
「今から俺は昼寝をする。言っている意味がわかるな?」
「よし。わかった。やることがないなら、安海。善哉をごちそうしてくれ」
「善哉を作ってくれるの!? やったー!」
なぜそうなった?
もしかして、こいつらと俺が存在する次元が違うのか?
会話が成立していない気がしてならない。
「待て待て。誰が作ると言った?だいたい小豆に邪気を祓うような効果はないと思うぞ」
「いや、安海が作る和菓子には邪気を祓う力がある」
俺が作った和菓子に怪しげな付加価値をつけるなよ。
額に手をあてた。
「断言する。効果はない」
俺は疫病神の二人、有浄と兎々子の顔を見てきっぱりと言い切った。
それなら、俺はとうに小豆の力とやらでこの二人を祓っているはずだからな。
「塩でもまいとけよ」
「塩じゃだめなんだ。安海が作るあんこは特別なんだよ。善哉が出来上がるまでおとなしく待っているから、うまい善哉を作ってくれよ」
「邪気とか、塩とか、よく私にはわからないけど、安海ちゃんのあんこは小豆の味をしっかり残していて、ただ甘いだけじゃないの。私、大盛りね!」
なにが大盛りだ。
二人とも俺の話を聞けよ。
そして、家の主の許可もなく、勝手に茶の間に上がるな。
「お茶いれるね」
「あ、俺のお茶は渋めがいいな」
「いや、帰れよ」
なに自然な流れで居座ろうとしているんだ。
俺がげんなりした顔をしていると、有浄が言った。
「安海が身を清めてから小豆を炊くのは知ってるよ。けどね、今日は邪気を祓っておいたほうがいい。違うお客さんを呼びたくないならね」
「おい、やめろ! これ以上、おかしな客を呼び込むな!」
最悪だ―――これ以上、面倒事が増えるのだけは避けねばならない。
俺はしぶしぶ襷を手にし、和帽子をかぶる。
まったくなんの脅しだよ。
小豆あんを炊くための火は瓦斯を使う。
新しもの好きの千年屋二代目は工場をいちはやく今風に改築した。
外観を変えることだけは一代目が絶対に許さず、昔のまま。
いつ誰が来てもわかるように変えたくないと言い張った。
初代和菓子職人のじいさんが選んだ道具が並ぶ作業場には竹製、籐製の漉し器、馬毛のもの、杓子や鍋、焼き印、木型が棚にきちんと揃えられている。
それに加え、どんな和菓子でも作れるようにと二代目が集めた道具達。
おかげで俺が道具に困ることはない。
水につけた小豆を鍋にうつし、火にかける前にマッチで瓦斯の火をつけた。
青い炎がゆらめき、その上に鍋をのせる。
何度も小豆を炊いているせいで、色が変わってしまった鍋と木製の杓子。
「それにしても、いい道具だよね。さすが安海のおじいさんだね。使い込んだ道具には神が宿るっていうから、大事に使うといいよ」
「有浄。お前はちょっと黙ってろ。なにか余計なことが起きそうで怖い」
「はいはい」
俺が小豆が膨らむのを見ているのと同じくらい真剣な目で俺を眺めている二人。
なんかやりづらいな。
「あんまりじろじろ見るなよ。茶の間で昼寝でもしてろよ」
「えー、だって安海ちゃんが和菓子を作っている姿って見ていたくなるんだもん」
「そうそう。安海が和菓子を作る姿は神事のようだからね」
兎々子はそれには同意しなかったが、頬杖をついてわくわくしているのはわかった。
褒められるのは嫌いじゃない。
見られるくらいは我慢しよう。
やれやれと思いながら、小豆と向き合った。
水が減ったところで水を足し、沸騰したところで水をいったん変える。
そして、ふたたび水を入れる。
それを繰り返す。
小豆が柔らかくなるのを見計らって、ざるにいったんあげる。
砂糖を入れてないのに小豆の香りは甘い。
その甘い香りを含んだ白い湯気が顔にかかった。
水を切ったそこへ水と砂糖をいれてさらに煮る。
今日はあんを作るわけではないのでここまでだ。
「安海ちゃん。そろそろ出来上がるよね。茶碗だすね」
兎々子が勝手知ったるといった様子で木製の塗り椀と塗り箸を棚から取り出した。
有浄は湯呑を持って茶の間へ行く。
こいつら、俺の家をすべて把握してるんじゃ……?
まさかな?
二人の手慣れた様子を眺めながら、俺は和帽子と襷をはずした。
ちょうど正午のドンが鳴り、雨を避けていた人が石畳の通りを行き交い始める。
着流し姿にカンカン帽をかぶり、早足で通り過ぎて行ったのは近所の尋常小学校で働く男の先生だ。
下宿屋に昼飯を食べに帰って来たのだろう。
先生は無類の甘党で『千年屋』の菓子を気に入ってくれている。
急ぎ足ながらも陳列棚に和菓子がなにも売っていないのを横目で確認するとがっくりと肩を落としていた。
さすがの俺もこれには少し心が痛んだ。
俺はそろそろ本気を出さなくてはいけないのかもしれない。
そんな気がしたが―――
「おー、雨がやんだな。快晴、快晴!」
有浄の何事もなかったかのような顔にやる気がそがれてしまうのもまた事実。
少しくらいは俺を巻き込んで悪いと思えよ。
そんな俺の気持ちも知らずに硝子戸を開けた有浄は軒下からぽたぽたと雨の雫が落ちているのを眩し気に見上げていた。
「さーて、俺も帰ろう」
「おい。待て。さっきの女の正体はなんだ?」
「俺の身内だよ。安海もよく知ってるやつだから、特別な饅頭を作ってやってくれ。頼むよ」
有浄はぽんぽんっと俺の肩を叩いた。
「長いこと俺と居てくれたんだが、とうとう嫁に行くって言うからさ。実は俺もお前に饅頭を頼もうと思って今日は来たんだ。向こうから頼んでくれて助かったよ」
「俺は助かっていないんだが?」
「引き受けたんだろ? しっかりやれよ」
「誰のせいだ、誰の!」
「頼んだぞ。千年屋三代目!」
こ、このやろう。
俺が怒りでぶるぶると拳を震わせていると、兎々子がジッーとこちらを見詰めていた。
「なんだ。兎々子。俺の顔にご飯粒でもついていたか?」
「安海ちゃん。お腹空いた」
こ、こいつまで……!
この流れでそれを言うか?
なぜ、有浄も兎々子も俺を働かせようとするのだろうか。
「家に帰って、賄いでも食えよ」
洋食屋『カネオカ』のオムライスはうまい。
鶏肉と一緒に炒めたご飯に黄色い卵でふんわりつつんだオムライス。
卵の上に甘酸っぱいトマトソースがとろりとかかっているのを思い浮かべただけで、お腹が鳴りそうだった。
まだまだ庶民には洋食は贅沢品だ。
「私、安海ちゃんが炊いた小豆の善哉かお汁粉が食べたいなぁ」
「いいね。小豆は邪気を祓う。ちょうどいい」
二人がオムライスより善哉を要求してきた。
なにがちょうどいいだ。
俺からしたら、お前達が邪気そのものだよ。
俺は昼寝をするつもりだったのに一睡もできなかった。
それを取り戻したい。
「今から俺は昼寝をする。言っている意味がわかるな?」
「よし。わかった。やることがないなら、安海。善哉をごちそうしてくれ」
「善哉を作ってくれるの!? やったー!」
なぜそうなった?
もしかして、こいつらと俺が存在する次元が違うのか?
会話が成立していない気がしてならない。
「待て待て。誰が作ると言った?だいたい小豆に邪気を祓うような効果はないと思うぞ」
「いや、安海が作る和菓子には邪気を祓う力がある」
俺が作った和菓子に怪しげな付加価値をつけるなよ。
額に手をあてた。
「断言する。効果はない」
俺は疫病神の二人、有浄と兎々子の顔を見てきっぱりと言い切った。
それなら、俺はとうに小豆の力とやらでこの二人を祓っているはずだからな。
「塩でもまいとけよ」
「塩じゃだめなんだ。安海が作るあんこは特別なんだよ。善哉が出来上がるまでおとなしく待っているから、うまい善哉を作ってくれよ」
「邪気とか、塩とか、よく私にはわからないけど、安海ちゃんのあんこは小豆の味をしっかり残していて、ただ甘いだけじゃないの。私、大盛りね!」
なにが大盛りだ。
二人とも俺の話を聞けよ。
そして、家の主の許可もなく、勝手に茶の間に上がるな。
「お茶いれるね」
「あ、俺のお茶は渋めがいいな」
「いや、帰れよ」
なに自然な流れで居座ろうとしているんだ。
俺がげんなりした顔をしていると、有浄が言った。
「安海が身を清めてから小豆を炊くのは知ってるよ。けどね、今日は邪気を祓っておいたほうがいい。違うお客さんを呼びたくないならね」
「おい、やめろ! これ以上、おかしな客を呼び込むな!」
最悪だ―――これ以上、面倒事が増えるのだけは避けねばならない。
俺はしぶしぶ襷を手にし、和帽子をかぶる。
まったくなんの脅しだよ。
小豆あんを炊くための火は瓦斯を使う。
新しもの好きの千年屋二代目は工場をいちはやく今風に改築した。
外観を変えることだけは一代目が絶対に許さず、昔のまま。
いつ誰が来てもわかるように変えたくないと言い張った。
初代和菓子職人のじいさんが選んだ道具が並ぶ作業場には竹製、籐製の漉し器、馬毛のもの、杓子や鍋、焼き印、木型が棚にきちんと揃えられている。
それに加え、どんな和菓子でも作れるようにと二代目が集めた道具達。
おかげで俺が道具に困ることはない。
水につけた小豆を鍋にうつし、火にかける前にマッチで瓦斯の火をつけた。
青い炎がゆらめき、その上に鍋をのせる。
何度も小豆を炊いているせいで、色が変わってしまった鍋と木製の杓子。
「それにしても、いい道具だよね。さすが安海のおじいさんだね。使い込んだ道具には神が宿るっていうから、大事に使うといいよ」
「有浄。お前はちょっと黙ってろ。なにか余計なことが起きそうで怖い」
「はいはい」
俺が小豆が膨らむのを見ているのと同じくらい真剣な目で俺を眺めている二人。
なんかやりづらいな。
「あんまりじろじろ見るなよ。茶の間で昼寝でもしてろよ」
「えー、だって安海ちゃんが和菓子を作っている姿って見ていたくなるんだもん」
「そうそう。安海が和菓子を作る姿は神事のようだからね」
兎々子はそれには同意しなかったが、頬杖をついてわくわくしているのはわかった。
褒められるのは嫌いじゃない。
見られるくらいは我慢しよう。
やれやれと思いながら、小豆と向き合った。
水が減ったところで水を足し、沸騰したところで水をいったん変える。
そして、ふたたび水を入れる。
それを繰り返す。
小豆が柔らかくなるのを見計らって、ざるにいったんあげる。
砂糖を入れてないのに小豆の香りは甘い。
その甘い香りを含んだ白い湯気が顔にかかった。
水を切ったそこへ水と砂糖をいれてさらに煮る。
今日はあんを作るわけではないのでここまでだ。
「安海ちゃん。そろそろ出来上がるよね。茶碗だすね」
兎々子が勝手知ったるといった様子で木製の塗り椀と塗り箸を棚から取り出した。
有浄は湯呑を持って茶の間へ行く。
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