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第2章
5 元妻がやらかしたようだ(2)※ルーカス視点
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剣の稽古をしていたらしく、子供用の剣を手にしている。
「ぼくの剣を見ていただけませんか?」
少し離れた場所に、護衛のロレンソという騎士が控え、今までラーシュに剣を教えていたようだ。
ノルデン公爵家の遠縁なのか、もっとも信頼できるとソニヤが言い、ラーシュ専属の護衛にした男だ。
「僕は魔法のほうが好きだ。剣は得意でない。お前も王家の一員なら、剣ではなく、魔術の才能を伸ばせ」
ラーシュは青い瞳を大きく見開いた。
魔法は生まれながらの才能である。
さすがに王族であるから、魔力はあるだろうが、ラーシュに魔法の才能はないのか、魔法を使えない。
――十歳のリアムは、この年齢の時、俺の目の前で上級精霊を召喚してみせた。
王立魔法学院にも通っていない十歳の子供が、図書館にある書物を読み、上級精霊を簡単に呼び出したのだ。
図書館長が言うには、王宮の図書館にある書物をすべて読み尽くし、頭の中に記憶しているのは、リアムだけだという。
王立魔法学院への入学も必要ないほど、十歳にしてリアムの知識と力は圧倒的だった。
呼吸をするように、リアムは魔法と魔術を使い、普通の人間ならば、足りない魔力を補うための魔石を必要とするのだが、リアムが使うのを見たことがない。
――いや、一度だけある。サーラを目覚めさせる大魔術を行った時だ。
命に関わる魔術は本来ならば、禁忌とされ、使用を禁じられている。
だが、リアムがやろうとしていることを誰も理解できず、止められる人間がいない。
それくらいリアムと普通の魔術師では差がある。
――同じ王族であっても、魔力の量が違うのはなぜだ。
それを知りたいが、その答えをいまだ見つけられず、図書館になる膨大な過去の記録を読み続けている。
「ラーシュ。剣より魔術に励め」
「はい……。お父さま……」
剣を握りしめ、ラーシュは泣きそうな顔をして、うつむいた。
――子供は苦手だ。自分の子供であっても、なにを考えているか、よくわからない。
ラーシュから、いずれ自分がヴィフレア王国の王になるという気持ちが、少しも感じられないのも、わかりあえない原因のひとつだ。
「そうだな」
このまま去るつもりだったが、ラーシュに魔術を見せてやろうと思った。
少しは剣より魔術を学ぼうという気持ちになるかもしれない。
「ラーシュ。お前に手本を見せてあげよう」
今の自分は、十歳のリアムよりも上のはずだ。
それをたしかめるように、なにもない空間に魔方陣を簡略化して描き、魔石は使用しなかった。
「【風の花】」
なにもなかった場所に赤い花が咲く。
【風の花】――『それは忘却。血で染まる嘆きの花。花となった体は二度と元には戻らない』
突風と同時に花が散り、赤い花びらが目を眩ませる。
強い風は砂をさらい、ラーシュに剣を教えていたロレンソの体を吹き飛ばし、その手から剣が落ちた。
無様な騎士の姿――それをラーシュが、呆然とした顔で眺めていた。
「ラーシュ。剣より魔術だよ」
そう言い残して立ち去った。
これで、ラーシュは剣ではなく、魔術に励むことだろう。
腕に痛みを感じ、視線をそちらに向けると、皮膚が浅くないだ程度に切れており、赤い血が滴っていた。
はらりと金の髪が一房、切り取られ、地面に落ちる。
それが空気に溶けるようにして、消えるのを目にして苛立った。
――わずかだが、代償を持ってかれた。下位の上級精霊であっても、魔石で魔力を増幅しないと無理か。
十歳のリアムにさえ、敵わないとは腹ただしい。
リアムが持つ魔力の量は普通じゃないと、思い知らされるたび、惨めな気持ちになる。
浅かった傷の血は止まったが、一度胸に広がった苦い気持ちは消えない。
まだラーシュには、比べられる弟がいないからいいが、優秀な弟が生まれたら、冷静でいられないだろう。
ラーシュを思って振り返ると、ロレンソと一緒に、突風で倒れた花壇の花を直していた。
――興ざめた。
昔、同じ姿を見たことがある。
王立魔法学院時代、授業で使った風の魔術が、花壇の花をめちゃくちゃにしてしまった。
その花壇の花を拾い集め、なんとかしようとしていたのは、落ちこぼれと馬鹿にされていたサーラだけだった。
「王族だというのに情けない」
呆れた気持ちで、その場を去ろうとした時、派手な服装な一団が目に入った。
中でも、袖口がフリルになったシャツと赤色のタイ、金の鎖がついた眼鏡の男が一番目立つ。
――先頭にいる男は、ファルク伯爵家出身の魔道具師か。
ファルク伯爵家は名門貴族のひとつである。
ノルデン家、アールグレーン家などの四大公爵家には、及ばないものの、腕のいい魔道具師、魔術師を輩出している。
「おお! ルーカス様!」
うっかり目があってしまい、派手な一団がこちらに向かってきた。
面倒だなと思いながら、作り笑いを浮かべた。
「宮廷でトマス殿の顔を見るのは久しぶりだ」
「第一王子ルーカス様に、名を覚えていただき、光栄でございます」
恭しく頭を垂れ、こちらに挨拶をする。
王都でも一二を争う魔道具店で、経営の心配ないだろうが、あえて尋ねてみた。
「元妻が迷惑をかけていないだろうか。王宮に残れと命じたのだが、魔道具店をやりたいと言ってきかなくてね。元妻の店はどうだろうか?」
どうせ、相手にもされていないだろうし、返ってくる答えは、『ははは、ルーカス様。我々の相手にもなりませんよ。あの程度の小娘、かるーくぺしゃんこにして、人生の厳しさを教えてやりますよ』というところだろう。
「困っています」
「困っている?」
予想外の答えが返ってきた。
「今日、我々、魔道具師たちが集まったのは、宮廷魔道具師長様にお会いし、現状をお伝えするためでした」
「けれど、魔道具師長様はいらっしゃられず、鉱山へでかけているらしいとのことで……」
宮廷魔道具師たちが王家所有の鉱山へ行くことは、珍しい話ではなかった。
魔石あっての魔道具であり、【鑑定】スキルを高めるため、多くの石を見るのも彼らの仕事のひとつ。
新たな魔石の発見にも繋がる。
「僕が話をうかがおう。妻の……元妻の話なら、無関係ではないからね」
トマスを始めとする魔道具師たちは、ホッとした表情を見せた。
「実は、我が店に鍋やら包丁やら買い求める客が増えまして」
「我々の店は、一流店だというのに、鍋がないだとか、包丁がないだとか、客は文句を言っていくんですよ」
「それも、上流階級でない客が入り込んで困るんです。店の品位が落ちてしまいます」
――どうやら、サーラの魔道具は安っぽいものばかりを取り扱っているようだ。
大量に生産し、それを売って利益を得ているうだけで、魔道具師たちから力を認められているわけではない。
むしろ、反感を買っている。
「このようなことをルーカス様の耳に入れたくはなかったのですが、魔道具師の価値が下がる恐れがあります」
「魔道具師は町の便利屋ではないのです!」
「店に行きましたが、ファルク殿が話をしても、聞く耳さえ持たず、生意気な……いやいや、頑固な様子でした」
――魔道具師たちに同感だ。
生意気で頑固で、僕の言うことなど、まったく聞かない。
「元妻が君たちに迷惑をかけて申し訳ない。王宮側から一度話をしよう」
「ルーカス様、本当ですか!?」
「王宮に呼び出して、父上の裁可をいただくというのはどうだろう?」
「陛下の! それはよろしゅうございますな」
サーラの魔道具が国のためにならないと、国王陛下である父上が判断したなら、サーラの魔道具店はすぐにでも閉店だ。
貴族たちがこれだけ揃って、怒っているのだから、父上がサーラの魔道具店をこのままにしておくとは思えない。
――残念だったね、サーラ。
僕が気軽に会いに行けないというのなら、君を王宮へ招待すればいいだけのこと。
そして、父上が魔道具師として認めなければ、サーラは王宮へ戻るしかなくなる。
「サーラ。君のために、楽しい舞踏会を開いてあげよう」
みんなの前で、サーラは魔道具師としての権利を剥奪され、王宮へ戻るのだ。
面白いことになったと思いながら、軽い足取りで図書館へ向かった。
気づけば、ずっと感じていた退屈が消えていた――
「ぼくの剣を見ていただけませんか?」
少し離れた場所に、護衛のロレンソという騎士が控え、今までラーシュに剣を教えていたようだ。
ノルデン公爵家の遠縁なのか、もっとも信頼できるとソニヤが言い、ラーシュ専属の護衛にした男だ。
「僕は魔法のほうが好きだ。剣は得意でない。お前も王家の一員なら、剣ではなく、魔術の才能を伸ばせ」
ラーシュは青い瞳を大きく見開いた。
魔法は生まれながらの才能である。
さすがに王族であるから、魔力はあるだろうが、ラーシュに魔法の才能はないのか、魔法を使えない。
――十歳のリアムは、この年齢の時、俺の目の前で上級精霊を召喚してみせた。
王立魔法学院にも通っていない十歳の子供が、図書館にある書物を読み、上級精霊を簡単に呼び出したのだ。
図書館長が言うには、王宮の図書館にある書物をすべて読み尽くし、頭の中に記憶しているのは、リアムだけだという。
王立魔法学院への入学も必要ないほど、十歳にしてリアムの知識と力は圧倒的だった。
呼吸をするように、リアムは魔法と魔術を使い、普通の人間ならば、足りない魔力を補うための魔石を必要とするのだが、リアムが使うのを見たことがない。
――いや、一度だけある。サーラを目覚めさせる大魔術を行った時だ。
命に関わる魔術は本来ならば、禁忌とされ、使用を禁じられている。
だが、リアムがやろうとしていることを誰も理解できず、止められる人間がいない。
それくらいリアムと普通の魔術師では差がある。
――同じ王族であっても、魔力の量が違うのはなぜだ。
それを知りたいが、その答えをいまだ見つけられず、図書館になる膨大な過去の記録を読み続けている。
「ラーシュ。剣より魔術に励め」
「はい……。お父さま……」
剣を握りしめ、ラーシュは泣きそうな顔をして、うつむいた。
――子供は苦手だ。自分の子供であっても、なにを考えているか、よくわからない。
ラーシュから、いずれ自分がヴィフレア王国の王になるという気持ちが、少しも感じられないのも、わかりあえない原因のひとつだ。
「そうだな」
このまま去るつもりだったが、ラーシュに魔術を見せてやろうと思った。
少しは剣より魔術を学ぼうという気持ちになるかもしれない。
「ラーシュ。お前に手本を見せてあげよう」
今の自分は、十歳のリアムよりも上のはずだ。
それをたしかめるように、なにもない空間に魔方陣を簡略化して描き、魔石は使用しなかった。
「【風の花】」
なにもなかった場所に赤い花が咲く。
【風の花】――『それは忘却。血で染まる嘆きの花。花となった体は二度と元には戻らない』
突風と同時に花が散り、赤い花びらが目を眩ませる。
強い風は砂をさらい、ラーシュに剣を教えていたロレンソの体を吹き飛ばし、その手から剣が落ちた。
無様な騎士の姿――それをラーシュが、呆然とした顔で眺めていた。
「ラーシュ。剣より魔術だよ」
そう言い残して立ち去った。
これで、ラーシュは剣ではなく、魔術に励むことだろう。
腕に痛みを感じ、視線をそちらに向けると、皮膚が浅くないだ程度に切れており、赤い血が滴っていた。
はらりと金の髪が一房、切り取られ、地面に落ちる。
それが空気に溶けるようにして、消えるのを目にして苛立った。
――わずかだが、代償を持ってかれた。下位の上級精霊であっても、魔石で魔力を増幅しないと無理か。
十歳のリアムにさえ、敵わないとは腹ただしい。
リアムが持つ魔力の量は普通じゃないと、思い知らされるたび、惨めな気持ちになる。
浅かった傷の血は止まったが、一度胸に広がった苦い気持ちは消えない。
まだラーシュには、比べられる弟がいないからいいが、優秀な弟が生まれたら、冷静でいられないだろう。
ラーシュを思って振り返ると、ロレンソと一緒に、突風で倒れた花壇の花を直していた。
――興ざめた。
昔、同じ姿を見たことがある。
王立魔法学院時代、授業で使った風の魔術が、花壇の花をめちゃくちゃにしてしまった。
その花壇の花を拾い集め、なんとかしようとしていたのは、落ちこぼれと馬鹿にされていたサーラだけだった。
「王族だというのに情けない」
呆れた気持ちで、その場を去ろうとした時、派手な服装な一団が目に入った。
中でも、袖口がフリルになったシャツと赤色のタイ、金の鎖がついた眼鏡の男が一番目立つ。
――先頭にいる男は、ファルク伯爵家出身の魔道具師か。
ファルク伯爵家は名門貴族のひとつである。
ノルデン家、アールグレーン家などの四大公爵家には、及ばないものの、腕のいい魔道具師、魔術師を輩出している。
「おお! ルーカス様!」
うっかり目があってしまい、派手な一団がこちらに向かってきた。
面倒だなと思いながら、作り笑いを浮かべた。
「宮廷でトマス殿の顔を見るのは久しぶりだ」
「第一王子ルーカス様に、名を覚えていただき、光栄でございます」
恭しく頭を垂れ、こちらに挨拶をする。
王都でも一二を争う魔道具店で、経営の心配ないだろうが、あえて尋ねてみた。
「元妻が迷惑をかけていないだろうか。王宮に残れと命じたのだが、魔道具店をやりたいと言ってきかなくてね。元妻の店はどうだろうか?」
どうせ、相手にもされていないだろうし、返ってくる答えは、『ははは、ルーカス様。我々の相手にもなりませんよ。あの程度の小娘、かるーくぺしゃんこにして、人生の厳しさを教えてやりますよ』というところだろう。
「困っています」
「困っている?」
予想外の答えが返ってきた。
「今日、我々、魔道具師たちが集まったのは、宮廷魔道具師長様にお会いし、現状をお伝えするためでした」
「けれど、魔道具師長様はいらっしゃられず、鉱山へでかけているらしいとのことで……」
宮廷魔道具師たちが王家所有の鉱山へ行くことは、珍しい話ではなかった。
魔石あっての魔道具であり、【鑑定】スキルを高めるため、多くの石を見るのも彼らの仕事のひとつ。
新たな魔石の発見にも繋がる。
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トマスを始めとする魔道具師たちは、ホッとした表情を見せた。
「実は、我が店に鍋やら包丁やら買い求める客が増えまして」
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「それも、上流階級でない客が入り込んで困るんです。店の品位が落ちてしまいます」
――どうやら、サーラの魔道具は安っぽいものばかりを取り扱っているようだ。
大量に生産し、それを売って利益を得ているうだけで、魔道具師たちから力を認められているわけではない。
むしろ、反感を買っている。
「このようなことをルーカス様の耳に入れたくはなかったのですが、魔道具師の価値が下がる恐れがあります」
「魔道具師は町の便利屋ではないのです!」
「店に行きましたが、ファルク殿が話をしても、聞く耳さえ持たず、生意気な……いやいや、頑固な様子でした」
――魔道具師たちに同感だ。
生意気で頑固で、僕の言うことなど、まったく聞かない。
「元妻が君たちに迷惑をかけて申し訳ない。王宮側から一度話をしよう」
「ルーカス様、本当ですか!?」
「王宮に呼び出して、父上の裁可をいただくというのはどうだろう?」
「陛下の! それはよろしゅうございますな」
サーラの魔道具が国のためにならないと、国王陛下である父上が判断したなら、サーラの魔道具店はすぐにでも閉店だ。
貴族たちがこれだけ揃って、怒っているのだから、父上がサーラの魔道具店をこのままにしておくとは思えない。
――残念だったね、サーラ。
僕が気軽に会いに行けないというのなら、君を王宮へ招待すればいいだけのこと。
そして、父上が魔道具師として認めなければ、サーラは王宮へ戻るしかなくなる。
「サーラ。君のために、楽しい舞踏会を開いてあげよう」
みんなの前で、サーラは魔道具師としての権利を剥奪され、王宮へ戻るのだ。
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