25 / 72
第2章
8 弟子にしてください!?
しおりを挟む
十年ぶりに目覚めた第一王子の元妃が、王宮主催の舞踏会に参加するとわかって、貴族たちが大勢参加するという噂を耳にした。
噂好きの貴族たちは、私という旬な話題に乗り遅れまいと、わざわざ領地からやってくるとかで、王都にある貴族の屋敷が、多く手入れされていた。
おかげで、こちらは屋敷から出た不用品を回収できて、リサイクルショップの商品が充実し、助かっている。
それはよかったけれど、問題は舞踏会である。
舞踏会に一度も出席したことがないシバタルイ、二十四歳。
サーラの記憶上では、舞踏会に出席していたものの、実際にダンスを踊るとなると、また別だ。
「うう……。ダンスの練習をしすぎて筋肉痛です……」
「おれ、貴族の子息より、ダンスがうまくなったと思う」
初めてダンスに挑戦したフランは、身体能力の高さからか、あっという間にダンスを覚えた。
私の練習相手になってくれたフランだけど、踊りすぎてゲンナリしている。
もう一生分のダンスを踊ったとまで、言われてしまった。
最初は楽しそうにしていたくせに、二日三日と続くうちに、フランは『お風呂の時間だから』と言って逃げるようになった。
お風呂が一番嫌いな時間だったのに、ダンスの練習より、お風呂の方がマシだと思ったらしい。
「でも、フランのおかげで、かなり上達しましたよ」
「それなら、よかったけど……。あ、雨だ」
フランの耳がぴょこぴょこ動き、遠くの音を聞き分ける。
雨が降る前から、音や匂いでわかるフランは、庭の商品が雨に濡れないよう店内に運び入れて、窓を閉めた。
しばらくして、激しい雨が降りだし、雷が鳴った。
「ひどい雨ですね」
クラゲ精霊ちゃんは、雷が怖いのか、いつもの定位置である窓から遠ざかり、暖炉の上にちょこんと座る。
「そろそろ閉店時間ですし、少し早いですけど、店を閉めましょうか」
「うん。この雨の中、買いに来るお客もいないと思う」
雨で外が暗くなったため、早めにランプを灯す。
入り口ドアが開きっぱなしなっていて、雨音が大きく聞こえた。
「早くドアを閉めないと雨に濡れますよ……フラン?」
振り向くと、フランよりも一回りくらい小さい男の子が、店先にずぶ濡れで立っていた。
「ごめんなさい……。ぼく、お客じゃないんです」
「お客じゃないって? えーと、いいから、店の中に入れよ。風邪をひくぞ」
深くフードをかぶり、顔は見えづらいけど、どこか切羽詰まった様子が気になった。
フランもそれに気づいて、男の子の手を引き、店の中へ招き入れる。
「今、なにか拭くものを持ってきますね」
「あのっ! ぼくを弟子にしてください!」
「弟子? 私の弟子ですか?」
「そうです」
男の子が顔を上げると、フードから銀髪がこぼれた。
毛先から水滴が落ち、青い目が覗く。
水を吸って重たくなったマントさえ、気にする余裕はないのか、男の子は必死だった。
「お願いです! ぼく、魔道具師になりたいんです!」
「あ、あの……。私はまだ駆け出しの魔道具師ですし、弟子をとるような身では……」
「今、一番王都で人気がある魔道具店だって、騎士たちが話しているのを聞きました」
「騎士たち?」
この男の子は、騎士見習いなのだろうか。
それにしては幼い気がするし、マントの下の服は、とても高価そうだ。
子供用の剣には、魔石がついていて、ベルトやブレスレットは護符の効果がある魔道具だ。
身を守るため、惜しみなく使われた魔石の量で、この男の子がただ者でないことがわかる。
――貴族のお坊っちゃまかしら?
「このままだと、風邪をひいてしまいます。お風呂に入って、服を着替えましょうか」
「サーラ。お湯を浴槽に入れたよ~!」
二階からフランの声がする。
男の子の格好を見て、フランが気を利かせ、浴槽にお湯を貯めてくれたようだ。
お風呂は改良して、シャワーや蛇口を取り付け、いつでもお湯が出る。
浴槽は火の魔石を溶かし、お湯を冷めにくくした特注のもの。
特にシャワーは熱いお湯と水の両方がちょうどいい温度で出るようになるまで、かなり苦労した。
お風呂は改良に改良を行った自信作である。
このお風呂のために、魔石をかなり使ってしまったけど、悔いなし!
いつでもお風呂に入れるという誘惑には勝てず、私が持てるすべての知識とスキルを使用したと言ってもいいくらいだ。
「マントはここでとりましょうか。でないと、家の中が水浸しになってしまいますからね」
「ご、ごめんなさい……」
「謝らなくていいんですよ。ひどい天気の中、私を訪ねてきてくれて嬉しいです」
身なりは立派なのに、おどおどして、自信のない顔をし、何度も謝る姿に、私は見覚えがあった。
――サーラに似てる。
容姿じゃなくて、うつむいた顔だとか、周囲を気にする様子が、似ていると思った。
「ぼく、どうしても、魔道具師にならなきゃいけないんです」
フードを脱ぎ、マントを外すと、顔がよく見え、その青い瞳からは、雨に負けないくらい大粒の涙がこぼれ落ちていた。
二階から降りてきたフランが、男の子を見て足を止めた。
「ひえっ! サーラ! そ、そ、その子供っ!」
「フラン?」
「ラーシュ様だよっ! ルーカス様とソニヤ様の子供のっ! 王宮で働いていた時に、何度か見たことあるから、間違いない!」
そう言われてみると、子供の髪はノルデン公爵家に多い銀髪で、顔もソニヤに似て、綺麗な顔をしている。
「師匠、お願いします。普通の子供と同じ扱いで構いません。弟子になって、頑張って働きますから、ここに置いてください!」
涙をぬぐいながら、必死に頼み込む姿に、ソニヤとは違うと思った。
もちろん、ルーカス様とも。
性格はまったく似ておらず、優しい顔立ちをしている。
「ぼくのことは、ラーシュと呼んでください。掃除でもなんでもやります!」
「同居なんか駄目だって! そもそも、家出だろ? こっちが王宮から、誘拐犯扱いされるよ!」
フランが叫んだ。
それは私の心の声でもあった。
誘拐犯――ソニヤかルーカス様、そのどちらかが、大騒ぎするに決まってる。
もしかすると、私に罪を着せて、王宮へ連れ戻す可能性もある。
「師匠がぼくを弟子にしてくれるまで、王宮に帰りません!」
十歳の子が護衛もつけずに、雷雨の中、王宮を泣きながら飛び出してくるなんて、よほどの覚悟がないとできないことだ。
「わかりました。とりあえず、お風呂に入りましょう。風邪を引きますからね」
「弟子にしてくれるってことですか?」
「そ、そうですね。えーと、私の弟子になるには、条件があります! その条件に合格したら、弟子にしましょう!」
ラーシュは条件がなんなのかわからず、きょとんとした顔で、私を見上げる。
「条件は言えません。その条件をクリアしたら、ラーシュは正式に私の弟子です」
「わかりました。弟子になれるよう頑張ります」
なんとか落ち着かせ、フランが浴室へ連れていったけど、なにか事情がありそうだ。
店の中には、水溜まりがいくつかでき、外の明かりは雨風で揺れ、ぼやけて見える。
夕方に降り出した激しい雨は、しばらく止みそうになかった――
噂好きの貴族たちは、私という旬な話題に乗り遅れまいと、わざわざ領地からやってくるとかで、王都にある貴族の屋敷が、多く手入れされていた。
おかげで、こちらは屋敷から出た不用品を回収できて、リサイクルショップの商品が充実し、助かっている。
それはよかったけれど、問題は舞踏会である。
舞踏会に一度も出席したことがないシバタルイ、二十四歳。
サーラの記憶上では、舞踏会に出席していたものの、実際にダンスを踊るとなると、また別だ。
「うう……。ダンスの練習をしすぎて筋肉痛です……」
「おれ、貴族の子息より、ダンスがうまくなったと思う」
初めてダンスに挑戦したフランは、身体能力の高さからか、あっという間にダンスを覚えた。
私の練習相手になってくれたフランだけど、踊りすぎてゲンナリしている。
もう一生分のダンスを踊ったとまで、言われてしまった。
最初は楽しそうにしていたくせに、二日三日と続くうちに、フランは『お風呂の時間だから』と言って逃げるようになった。
お風呂が一番嫌いな時間だったのに、ダンスの練習より、お風呂の方がマシだと思ったらしい。
「でも、フランのおかげで、かなり上達しましたよ」
「それなら、よかったけど……。あ、雨だ」
フランの耳がぴょこぴょこ動き、遠くの音を聞き分ける。
雨が降る前から、音や匂いでわかるフランは、庭の商品が雨に濡れないよう店内に運び入れて、窓を閉めた。
しばらくして、激しい雨が降りだし、雷が鳴った。
「ひどい雨ですね」
クラゲ精霊ちゃんは、雷が怖いのか、いつもの定位置である窓から遠ざかり、暖炉の上にちょこんと座る。
「そろそろ閉店時間ですし、少し早いですけど、店を閉めましょうか」
「うん。この雨の中、買いに来るお客もいないと思う」
雨で外が暗くなったため、早めにランプを灯す。
入り口ドアが開きっぱなしなっていて、雨音が大きく聞こえた。
「早くドアを閉めないと雨に濡れますよ……フラン?」
振り向くと、フランよりも一回りくらい小さい男の子が、店先にずぶ濡れで立っていた。
「ごめんなさい……。ぼく、お客じゃないんです」
「お客じゃないって? えーと、いいから、店の中に入れよ。風邪をひくぞ」
深くフードをかぶり、顔は見えづらいけど、どこか切羽詰まった様子が気になった。
フランもそれに気づいて、男の子の手を引き、店の中へ招き入れる。
「今、なにか拭くものを持ってきますね」
「あのっ! ぼくを弟子にしてください!」
「弟子? 私の弟子ですか?」
「そうです」
男の子が顔を上げると、フードから銀髪がこぼれた。
毛先から水滴が落ち、青い目が覗く。
水を吸って重たくなったマントさえ、気にする余裕はないのか、男の子は必死だった。
「お願いです! ぼく、魔道具師になりたいんです!」
「あ、あの……。私はまだ駆け出しの魔道具師ですし、弟子をとるような身では……」
「今、一番王都で人気がある魔道具店だって、騎士たちが話しているのを聞きました」
「騎士たち?」
この男の子は、騎士見習いなのだろうか。
それにしては幼い気がするし、マントの下の服は、とても高価そうだ。
子供用の剣には、魔石がついていて、ベルトやブレスレットは護符の効果がある魔道具だ。
身を守るため、惜しみなく使われた魔石の量で、この男の子がただ者でないことがわかる。
――貴族のお坊っちゃまかしら?
「このままだと、風邪をひいてしまいます。お風呂に入って、服を着替えましょうか」
「サーラ。お湯を浴槽に入れたよ~!」
二階からフランの声がする。
男の子の格好を見て、フランが気を利かせ、浴槽にお湯を貯めてくれたようだ。
お風呂は改良して、シャワーや蛇口を取り付け、いつでもお湯が出る。
浴槽は火の魔石を溶かし、お湯を冷めにくくした特注のもの。
特にシャワーは熱いお湯と水の両方がちょうどいい温度で出るようになるまで、かなり苦労した。
お風呂は改良に改良を行った自信作である。
このお風呂のために、魔石をかなり使ってしまったけど、悔いなし!
いつでもお風呂に入れるという誘惑には勝てず、私が持てるすべての知識とスキルを使用したと言ってもいいくらいだ。
「マントはここでとりましょうか。でないと、家の中が水浸しになってしまいますからね」
「ご、ごめんなさい……」
「謝らなくていいんですよ。ひどい天気の中、私を訪ねてきてくれて嬉しいです」
身なりは立派なのに、おどおどして、自信のない顔をし、何度も謝る姿に、私は見覚えがあった。
――サーラに似てる。
容姿じゃなくて、うつむいた顔だとか、周囲を気にする様子が、似ていると思った。
「ぼく、どうしても、魔道具師にならなきゃいけないんです」
フードを脱ぎ、マントを外すと、顔がよく見え、その青い瞳からは、雨に負けないくらい大粒の涙がこぼれ落ちていた。
二階から降りてきたフランが、男の子を見て足を止めた。
「ひえっ! サーラ! そ、そ、その子供っ!」
「フラン?」
「ラーシュ様だよっ! ルーカス様とソニヤ様の子供のっ! 王宮で働いていた時に、何度か見たことあるから、間違いない!」
そう言われてみると、子供の髪はノルデン公爵家に多い銀髪で、顔もソニヤに似て、綺麗な顔をしている。
「師匠、お願いします。普通の子供と同じ扱いで構いません。弟子になって、頑張って働きますから、ここに置いてください!」
涙をぬぐいながら、必死に頼み込む姿に、ソニヤとは違うと思った。
もちろん、ルーカス様とも。
性格はまったく似ておらず、優しい顔立ちをしている。
「ぼくのことは、ラーシュと呼んでください。掃除でもなんでもやります!」
「同居なんか駄目だって! そもそも、家出だろ? こっちが王宮から、誘拐犯扱いされるよ!」
フランが叫んだ。
それは私の心の声でもあった。
誘拐犯――ソニヤかルーカス様、そのどちらかが、大騒ぎするに決まってる。
もしかすると、私に罪を着せて、王宮へ連れ戻す可能性もある。
「師匠がぼくを弟子にしてくれるまで、王宮に帰りません!」
十歳の子が護衛もつけずに、雷雨の中、王宮を泣きながら飛び出してくるなんて、よほどの覚悟がないとできないことだ。
「わかりました。とりあえず、お風呂に入りましょう。風邪を引きますからね」
「弟子にしてくれるってことですか?」
「そ、そうですね。えーと、私の弟子になるには、条件があります! その条件に合格したら、弟子にしましょう!」
ラーシュは条件がなんなのかわからず、きょとんとした顔で、私を見上げる。
「条件は言えません。その条件をクリアしたら、ラーシュは正式に私の弟子です」
「わかりました。弟子になれるよう頑張ります」
なんとか落ち着かせ、フランが浴室へ連れていったけど、なにか事情がありそうだ。
店の中には、水溜まりがいくつかでき、外の明かりは雨風で揺れ、ぼやけて見える。
夕方に降り出した激しい雨は、しばらく止みそうになかった――
199
お気に入りに追加
6,763
あなたにおすすめの小説
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!
あなたが選んだのは私ではありませんでした 裏切られた私、ひっそり姿を消します
矢野りと
恋愛
旧題:贖罪〜あなたが選んだのは私ではありませんでした〜
言葉にして結婚を約束していたわけではないけれど、そうなると思っていた。
お互いに気持ちは同じだと信じていたから。
それなのに恋人は別れの言葉を私に告げてくる。
『すまない、別れて欲しい。これからは俺がサーシャを守っていこうと思っているんだ…』
サーシャとは、彼の亡くなった同僚騎士の婚約者だった人。
愛している人から捨てられる形となった私は、誰にも告げずに彼らの前から姿を消すことを選んだ。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

あの日、さようならと言って微笑んだ彼女を僕は一生忘れることはないだろう
まるまる⭐️
恋愛
僕に向かって微笑みながら「さようなら」と告げた彼女は、そのままゆっくりと自身の体重を後ろへと移動し、バルコニーから落ちていった‥
*****
僕と彼女は幼い頃からの婚約者だった。
僕は彼女がずっと、僕を支えるために努力してくれていたのを知っていたのに‥
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。