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9 王の血を引く子
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私が目を覚ましたのは、倒れてから二日目の朝のことだった。
ザカリア様はベッドではなく、剣を抱えたまま、ドアを背に座っていた。
古い宿屋は、階段がきしみ、誰かが上がってくるたびに音がする。
追っ手が来ないか、警戒していたのだろう。
「ザカリア様……。申し訳ありません……」
「セレーネ。具合はどうだ?」
「眠ったお陰で、だいぶよくなりました」
「そうか。目が覚めたばかりで悪いが、すぐにここを出る」
カーテンの隙間から、兵士の姿が見えた。
兵士が王都じゅうを巡回し、私を探しているのだろう。
「医者のほうは、俺の手の者を使った。他言されない」
『子供を身籠っておられます』――あれは夢ではなかったのだ。
「私……ルドヴィク様の子を……」
「そうらしいな」
私とザカリア様の間に沈黙が訪れた。
先に沈黙を破ったのは、ザカリア様だった。
「道は二つ。一つは王の子だと言って王宮に戻る。もう一つは、このまま逃げ、王の子を隠れて育てるかだ」
デルフィーナから身を隠し、安全な場所で子を育てる。
ザカリア様は自分の経験から、王の寵愛を失った妃の元で育つ子の不憫さがわかるのだろう。
「王宮へ戻っても、デルフィーナによって苦しめられるでしょう。実家の侯爵家も、私と子供を道具にし、宮廷で権力を握り、好き放題に振る舞うだけです」
――国のためにはならない。
むしろ、私が王宮に戻ることは害でしかなかった。
私の子とデルフィーナの子のどちらが原因で、ルドヴィク様の力が消えたのか不明だ。
つまり、次の王が誰なのかわからない。
争いが起きる。
その争いは、貴族たちを巻き込むだろう。
そして、デルフィーナに心を読まれて、殺害の疑いをかけられたなら、また私は小さな部屋に閉じ込められる。
最期はザカリア様のお母様のように……
「私は戻りません」
手をお腹に触れさせた。
私は自害する道を選ばない。
子供を宿したからといって、ルドヴィク様の愛情が、私に戻る保証はないのだ。
デルフィーナが心を読める力を持つ限り、私も子供も、この先、ずっと不利な状況が続く。
「ザカリア様の領地で匿っていただけませんか。その代わり、私の子が王となる際には、後見人として、ザカリア様を指名いたします」
実家の侯爵家に権力を渡さず、ザカリア様に渡すということだ。
王の後見人になれば、宮廷で権力を振るうことができる。
私を匿ってもらえるだけの、取引材料にはなる。
「わかった。応じよう」
私とザカリア様の取引は成立した。
身支度を整えて、一階へ行くと、すでにザカリア様が宿屋の支払いを済ませていた。
「ご夫婦ですか」
愛想よく宿屋の主人は語りかけた。
それに対して、ザカリア様はぶっきらぼうに答える。
「そうだ」
「これから、どちらへ?」
「妻の実家がある南の方へ」
「へぇ、うちの妻も南のほうから、嫁いできてまして。どちらの町ですか」
適当な町をザカリア様は答えた。
ザカリア様の領地は東の方角にあるのに、なぜ、そんな嘘をついたのか。
「世話になったな」
ザカリア様は私の腕をつかみ、振り返ることなく宿屋を出た。
しばらくして、目の前に幻覚が浮かんだ。
『あの銀髪の女性はセレーネ様じゃないか?』
『やっぱり、アンタもそう思ったかい?』
『兵士に知らせよう』
『金も出ることだしね』
先ほど、にこやかに送り出してくれた宿屋の夫婦。
その話の内容は、私を高く売るための相談だった。
――これが、王の子の力。
母親である私を守ろうとしているのだ。
まだ産まれてもいないのに、助けてくれる。
私も、こんな弱いままではいけない。
「ザカリア様。この服装では目立ちます。古着屋に寄り、動きやすい服に着替えてもよろしいですか」
「古着屋? だが……」
「私だけ、立派なドレスを着ていても、おかしいだけです」
ザカリア様自身は、すでに平民と同じ服装をしている。
きっと私に、粗末な服装をさせるのをためらったのだろう。
「私は、何もかも失いました。夫も、実家も、帰る場所もありません。だから、せめてお腹の子だけは守りたいのです」
「わかった」
古着屋に寄り、ドレスを売る。
そして、粗末な服に着替えた。
鏡を見る――どうしても、腰まである長い銀髪は隠せなかった。
「ハサミを貸していただけませんか」
店主の妻に頼むと、快くハサミを貸してくれた。
そのハサミで、腰まであった長い銀髪を切った。
「お、奥様!? そんな美しい髪を切ってどうなさいます!」
「この銀髪を差し上げるわ。その代わり、私が店を訪れたことを秘密にしていただきたいの」
銀髪は珍しく、かなり高い値で売れるはずだ。
デルフィーナがばらまいている情報料よりも、高値で。
「あ、あの、こんな……よろしいのですか?」
「ええ。子供たちに美味しいパンを買ってあげて。髪しか差し上げられなくてごめんなさい」
さっきの宿屋の夫婦を責められない。
貧しいから、少しでも生活費が欲しくて私を売ったのだ。
なぜ、こんな貧しくなっているのだろう。
私が閉じ込められている間に、デルフィーナがなにかしたとしか思えない。
王都の物価の値は上がり、通りすがりに見た屋台の品物には、高い税金がかけられている。
ルドヴィク様はなにをしていらっしゃるのか……
「お、王妃様……い、いえ、なんでもございません」
やはり、気づいていたようだ。
古着屋の妻は目に涙を浮かべ、うやうやしく、両手で銀髪を受け取った。
「最近では、なにもかもが高くて、以前のような暮らしができないのです。それに、セレーネ様がされていた慈善事業もすべて止められて、教会の前にはお腹を空かせた者たちが並んでおります」
「そう……。なんとかできるよう、私もなにか考えますから、もう少しだけ頑張ってくださいね」
子供がたくさんいて、将来が不安なのだろう。
――せめて炊き出しだけでも復活させなくては。
着替えを終え、ザカリア様の元へ戻ると、私の髪を見たザカリア様が、目を見開いた。
「髪が……」
「髪はまた伸びますわ。急ぎましょう。宿屋の夫婦が、兵士に情報を与えたようです」
「わかっている。だが、少し待て。店主、これをもらう」
ザカリア様が、追加で手に入れたのはスカーフだった。
短くなった髪を覆い、銀髪を隠す。
「ザカリア様。ありがとうございます」
「礼はいい。急ぐぞ」
少し見ないうちに、王都の町が荒れ、人が減ってしまったような気がした。
「税金と王都へ入る道の通行料を上げたせいで、王都は人の行き来が減っている。そのせいで、物が動かなくなり、商売がうまくいってない」
王都の門を守る兵士は、賄賂を受け取ると、ろくに調べもせずに、私とザカリア様を通してくれた。
「兵士まで……」
「王都の兵士は賄賂でもいいから、金が欲しい。商売人が寄り付かなくなって、物が値上がりしている」
「ルドヴィク様はなにをしているのでしょうか」
「兄上は幼い頃から、王になることが決まっていたからか、政治にも民の暮らしにも興味がない。だから、しっかりした王妃が必要だった」
それで、妃候補を何人も選び、競わせていたのだとわかった。
「兄上はあの性格だ。王妃さえ、しっかりしていれば、意見を聞いて、ただそれを兄上が命じるだけでよかった」
「私が選ばれたのは、誰でもいいというわけではなかったのですね」
「当たり前だ」
ザカリア様は表情を険しくさせた。
「ジュストの報告どおり、通行許可証がなくても通れたが、王都の状態は心配だな」
「ザカリア様。教会経由で、炊き出しだけでもできませんか?」
「……それが、銀髪を切った理由か」
私の短くなった髪を痛ましそうに見つめる。
「仕方ありませんわ。今、私にできることはこれくらいですから」
「なにかできないか、考えておく。兄上は自分の領地に、俺が関わることを嫌う」
「ありがとうございます」
ザカリア様は愛想のいいほうではないけど、引き受けたことは最後まで、やり通してくれる人だ。
私をこうして、王都から連れ出してくれたのだから、信用できる。
「追っ手に見つかる前に、領地へ入るぞ」
「はい」
この時、私は決意した。
荒れた王都、貧しい人々、無関心なルドヴィク様とデルフィーナ。
デルフィーナの子が王位につけば、さらにひどい状況になるだろう。
だから、私は王の子を産む。
そして、デルフィーナに対抗するだけの力を持ち、ふたたび、王宮に戻ることを決め、足を踏み出した――
ザカリア様はベッドではなく、剣を抱えたまま、ドアを背に座っていた。
古い宿屋は、階段がきしみ、誰かが上がってくるたびに音がする。
追っ手が来ないか、警戒していたのだろう。
「ザカリア様……。申し訳ありません……」
「セレーネ。具合はどうだ?」
「眠ったお陰で、だいぶよくなりました」
「そうか。目が覚めたばかりで悪いが、すぐにここを出る」
カーテンの隙間から、兵士の姿が見えた。
兵士が王都じゅうを巡回し、私を探しているのだろう。
「医者のほうは、俺の手の者を使った。他言されない」
『子供を身籠っておられます』――あれは夢ではなかったのだ。
「私……ルドヴィク様の子を……」
「そうらしいな」
私とザカリア様の間に沈黙が訪れた。
先に沈黙を破ったのは、ザカリア様だった。
「道は二つ。一つは王の子だと言って王宮に戻る。もう一つは、このまま逃げ、王の子を隠れて育てるかだ」
デルフィーナから身を隠し、安全な場所で子を育てる。
ザカリア様は自分の経験から、王の寵愛を失った妃の元で育つ子の不憫さがわかるのだろう。
「王宮へ戻っても、デルフィーナによって苦しめられるでしょう。実家の侯爵家も、私と子供を道具にし、宮廷で権力を握り、好き放題に振る舞うだけです」
――国のためにはならない。
むしろ、私が王宮に戻ることは害でしかなかった。
私の子とデルフィーナの子のどちらが原因で、ルドヴィク様の力が消えたのか不明だ。
つまり、次の王が誰なのかわからない。
争いが起きる。
その争いは、貴族たちを巻き込むだろう。
そして、デルフィーナに心を読まれて、殺害の疑いをかけられたなら、また私は小さな部屋に閉じ込められる。
最期はザカリア様のお母様のように……
「私は戻りません」
手をお腹に触れさせた。
私は自害する道を選ばない。
子供を宿したからといって、ルドヴィク様の愛情が、私に戻る保証はないのだ。
デルフィーナが心を読める力を持つ限り、私も子供も、この先、ずっと不利な状況が続く。
「ザカリア様の領地で匿っていただけませんか。その代わり、私の子が王となる際には、後見人として、ザカリア様を指名いたします」
実家の侯爵家に権力を渡さず、ザカリア様に渡すということだ。
王の後見人になれば、宮廷で権力を振るうことができる。
私を匿ってもらえるだけの、取引材料にはなる。
「わかった。応じよう」
私とザカリア様の取引は成立した。
身支度を整えて、一階へ行くと、すでにザカリア様が宿屋の支払いを済ませていた。
「ご夫婦ですか」
愛想よく宿屋の主人は語りかけた。
それに対して、ザカリア様はぶっきらぼうに答える。
「そうだ」
「これから、どちらへ?」
「妻の実家がある南の方へ」
「へぇ、うちの妻も南のほうから、嫁いできてまして。どちらの町ですか」
適当な町をザカリア様は答えた。
ザカリア様の領地は東の方角にあるのに、なぜ、そんな嘘をついたのか。
「世話になったな」
ザカリア様は私の腕をつかみ、振り返ることなく宿屋を出た。
しばらくして、目の前に幻覚が浮かんだ。
『あの銀髪の女性はセレーネ様じゃないか?』
『やっぱり、アンタもそう思ったかい?』
『兵士に知らせよう』
『金も出ることだしね』
先ほど、にこやかに送り出してくれた宿屋の夫婦。
その話の内容は、私を高く売るための相談だった。
――これが、王の子の力。
母親である私を守ろうとしているのだ。
まだ産まれてもいないのに、助けてくれる。
私も、こんな弱いままではいけない。
「ザカリア様。この服装では目立ちます。古着屋に寄り、動きやすい服に着替えてもよろしいですか」
「古着屋? だが……」
「私だけ、立派なドレスを着ていても、おかしいだけです」
ザカリア様自身は、すでに平民と同じ服装をしている。
きっと私に、粗末な服装をさせるのをためらったのだろう。
「私は、何もかも失いました。夫も、実家も、帰る場所もありません。だから、せめてお腹の子だけは守りたいのです」
「わかった」
古着屋に寄り、ドレスを売る。
そして、粗末な服に着替えた。
鏡を見る――どうしても、腰まである長い銀髪は隠せなかった。
「ハサミを貸していただけませんか」
店主の妻に頼むと、快くハサミを貸してくれた。
そのハサミで、腰まであった長い銀髪を切った。
「お、奥様!? そんな美しい髪を切ってどうなさいます!」
「この銀髪を差し上げるわ。その代わり、私が店を訪れたことを秘密にしていただきたいの」
銀髪は珍しく、かなり高い値で売れるはずだ。
デルフィーナがばらまいている情報料よりも、高値で。
「あ、あの、こんな……よろしいのですか?」
「ええ。子供たちに美味しいパンを買ってあげて。髪しか差し上げられなくてごめんなさい」
さっきの宿屋の夫婦を責められない。
貧しいから、少しでも生活費が欲しくて私を売ったのだ。
なぜ、こんな貧しくなっているのだろう。
私が閉じ込められている間に、デルフィーナがなにかしたとしか思えない。
王都の物価の値は上がり、通りすがりに見た屋台の品物には、高い税金がかけられている。
ルドヴィク様はなにをしていらっしゃるのか……
「お、王妃様……い、いえ、なんでもございません」
やはり、気づいていたようだ。
古着屋の妻は目に涙を浮かべ、うやうやしく、両手で銀髪を受け取った。
「最近では、なにもかもが高くて、以前のような暮らしができないのです。それに、セレーネ様がされていた慈善事業もすべて止められて、教会の前にはお腹を空かせた者たちが並んでおります」
「そう……。なんとかできるよう、私もなにか考えますから、もう少しだけ頑張ってくださいね」
子供がたくさんいて、将来が不安なのだろう。
――せめて炊き出しだけでも復活させなくては。
着替えを終え、ザカリア様の元へ戻ると、私の髪を見たザカリア様が、目を見開いた。
「髪が……」
「髪はまた伸びますわ。急ぎましょう。宿屋の夫婦が、兵士に情報を与えたようです」
「わかっている。だが、少し待て。店主、これをもらう」
ザカリア様が、追加で手に入れたのはスカーフだった。
短くなった髪を覆い、銀髪を隠す。
「ザカリア様。ありがとうございます」
「礼はいい。急ぐぞ」
少し見ないうちに、王都の町が荒れ、人が減ってしまったような気がした。
「税金と王都へ入る道の通行料を上げたせいで、王都は人の行き来が減っている。そのせいで、物が動かなくなり、商売がうまくいってない」
王都の門を守る兵士は、賄賂を受け取ると、ろくに調べもせずに、私とザカリア様を通してくれた。
「兵士まで……」
「王都の兵士は賄賂でもいいから、金が欲しい。商売人が寄り付かなくなって、物が値上がりしている」
「ルドヴィク様はなにをしているのでしょうか」
「兄上は幼い頃から、王になることが決まっていたからか、政治にも民の暮らしにも興味がない。だから、しっかりした王妃が必要だった」
それで、妃候補を何人も選び、競わせていたのだとわかった。
「兄上はあの性格だ。王妃さえ、しっかりしていれば、意見を聞いて、ただそれを兄上が命じるだけでよかった」
「私が選ばれたのは、誰でもいいというわけではなかったのですね」
「当たり前だ」
ザカリア様は表情を険しくさせた。
「ジュストの報告どおり、通行許可証がなくても通れたが、王都の状態は心配だな」
「ザカリア様。教会経由で、炊き出しだけでもできませんか?」
「……それが、銀髪を切った理由か」
私の短くなった髪を痛ましそうに見つめる。
「仕方ありませんわ。今、私にできることはこれくらいですから」
「なにかできないか、考えておく。兄上は自分の領地に、俺が関わることを嫌う」
「ありがとうございます」
ザカリア様は愛想のいいほうではないけど、引き受けたことは最後まで、やり通してくれる人だ。
私をこうして、王都から連れ出してくれたのだから、信用できる。
「追っ手に見つかる前に、領地へ入るぞ」
「はい」
この時、私は決意した。
荒れた王都、貧しい人々、無関心なルドヴィク様とデルフィーナ。
デルフィーナの子が王位につけば、さらにひどい状況になるだろう。
だから、私は王の子を産む。
そして、デルフィーナに対抗するだけの力を持ち、ふたたび、王宮に戻ることを決め、足を踏み出した――
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