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ニ節
頑張ったね会
しおりを挟む大きな結界を張るために外に出ていたが、やっと城に着いた
頑張ったね会の会場となる俺の部屋では、ベルが満面の笑みで俺を出迎えてくれて、疲れていた体が一瞬で癒えていった
それに加え、ベルが美味しい料理を作って待っててくれて最高だった
ちなみに、頑張ったね会というのはベルがつけた名前で可愛すぎて死ぬかと思った
頑張ったね会では、お互いに褒めあったりソーラティアから来た人たちについて語ったりした
「ベル、すごかったな!あの場にいたベルとレーヴァ様以外は全く会話には入れないぐらい迅速かつ完璧に話をまとめていってたな!宰相がいない分もっと大変になると思ってたけど、よく頑張った」
俺はそう言った後、ベルの頭を撫でる
ベルはちょっと恥ずかしそうな表情を浮かべ、今度は俺を褒めてくれた
「リアム兄さんの方こそ、私に危険が及ばないようにずっと警戒してくれてたし、それにあの規模の結界を張れるのはリアム兄さんと師匠ぐらいだろうし」
俺を褒めようとしてくれたのもあるだろうが、おそらく自分が褒められた照れ隠しのためっていうのもあるんだろう
少し早口になってるのが何よりの証拠だ
本当はもっとベタ褒めしたかったが、ベルの心がもたなさそうなので、このぐらいにしておくか
「レーヴァ様ってやっぱすごいよな…
俺たちより年下なのにちゃんと国について考えてたり、こっちのエガリテの社会情勢についての知識もしっかりとあるし」
「私も実際に直接話してみて賢いし、頭の回転が早いし、とても優秀な王様だ!って思うよ。あと、カッコよかったしね!」
「………」
「どうしたの?急に黙り込んで」
「あ、いやちょっと心にダメージが…」
ベルはああいう感じの男がタイプなのか⁉︎
どんなやつなのか俺が見定めて…
「まあ、でもリアム兄さんの方がもっとかっこいいけどね!」
win 嬉しさ>lose 嫉妬
……………(言葉にならない喜び)
照れてたベルを助けるために話を逸らしたが、今度は俺の番だったか
よし、話題をまた少しそらそう
「そういえば、ゼヌアス様!とってもいい人だったな!なんというかフレンドリーな感じで親しみやすいというか」
ベルが返事をする前にさっきの照れ隠しのため、料理をつまむ
「そうだね、私はあんまり話せてないけど雰囲気的にいい人そうだったね!仲良くなれたりしないかな~」
「うぐっ…」
「大丈夫?もしかして体調が悪いんじゃ…」
「いや、大丈夫だ! 」
そんなこんなで、心に傷はできてしまったが楽しい頑張ったね会にすることができた
明日も早いしもう寝よう
月明かりがだんだんと薄くなっていく中、俺とベルは眠りについていった
★あとがき
今回もこのお話を読んでくれてありがとうございました
リアムがベルのことを大好きで大切だということがより分かるお話でしたね
2人のレーヴァとゼヌアスに対する印象もあったりして、レーヴァとゼヌアスがどんな人物像なのかもなんとなくわかってきたのではないでしょうか?
今回の話で新たに師匠が登場しました(^^)/
2人と師匠との関係、師匠の人物像、今の師匠について…
色々気になることも出てくると思います
それはこれからの話の中で入れていきたいなと思ってます!
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