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初ニャンジョン長毛種の髭!
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私の名はアテラ。ニャンジョンの街のとある道具屋の一人娘です。
今朝も早くからニャンジョンへと潜ります。断わっておきますが私は探索者ではありません。
探索者ではない者でも安心して潜れるニャンジョン。この中にはお宝が転がっているのです。
それは普通のダンジョンで取れる魔石や魔道具や宝石のようなものではありません。このニャンジョンのお宝は、ズバリ! 猫の髭! なのです!
何故猫の髭が、とは思いますよね?
それは昔、とある探索者さんがたまたま猫の髭が落ちているのを見つけて拾ったところから来ています。ダンジョン内では抜け毛などもダンジョンに吸収されてしまうので、本当に見つけたのは運が良かったのでしょう。
猫好きの習慣なのか、たかが髭なのに拾って大事に仕舞っておいたそうです。そしてたまたまその後行った近くのダンジョンで、これまたレアな魔道具を発見する事になり、大金を掴んだそうです。
その人は「猫の髭のおかげに違いない!」と吹聴し、その後ニャンジョンに潜る人も一時的に増加したそうです。しかし猫の髭などそれこそ余程の幸運でもなければ見つけられるものでもなく、すぐに猫の髭を探索するよりダンジョンを探索した方が金になると、いつもの感じに戻ったそうですが。
その後もたまたま運良く猫の髭に巡り会った探索者が、やはりレアな魔道具を手にするということがまたあり、猫の髭はニャンジョンで取れる唯一のお宝となりました。
一時期無理矢理引っこ抜いたり切り落としたりという事件も発生しましたが、そんな者は発見次第ボコボコにされ、ついでに何故か無理矢理取ったものはダンジョンの外に出ると消えてしまうということがあり、無理矢理事件もなくなりました。
今でも猫の髭はとても貴重なものとして、時折探しに来る者がいるそうです。そしてその1人が私です。
入場料を払い、ダンジョンの中へと入っていきます。
「にゃあん」
入り口に一番近いところを縄張りにしているらしいシロちゃんがまずお出迎えしてくれます。この子は密かに初心者殺しと呼ばれています。ニャンジョンに初めて訪れた探索者をメロメロにしてしまうからだそうです。
「おはよう、シロちゃん。君は後の人からももらうだろうから、ちょっと控えめにね」
と少しだけおやつを与えます。
「にゃう」
ちょっとふくよか気味のお腹を撫でさせてもらって、さらに奥へと進みます。
他にも何匹かに挨拶しておやつを配りつつ、私は奥の大部屋へとやって来ました。ここが私の目指す場所なのです。
「おはよう皆。今日も元気かな?」
「「「みゃーう」」」
何匹かの猫が返事してくれます。すっかり顔馴染みになっているので皆だらけきった格好で出迎えてくれます。
朝飯とばかりに何匹か群がって来ます。
「はいはい。少しだけですよ~」
後から探索者さん達が来てご飯をあげるのを楽しみにしているのも知ってます。いつもは少しだけご飯を配るのですが、今日は鞄をごそごそ漁って、目当ての物を出します。
「今回は多く獲れましたからね~。皆さん、どうぞお楽しみ下さい」
そう言って籠を持ち上げ、蓋を外して一気に中身をぶちまけます。
「「「「ちゅうう!!」」」」
何匹ものネズミが宙を舞い、ある者は宙で掴まり、ある者は着地と同時に掴まり、ある者はそのまま部屋の中を逃げ回ります。
「にゃあん!」
皆が目の色を変えて獲物を追い始めます。
ニャンジョンがあるせいなのか、猫が少ないこの街ではネズミが多く繁殖し、皆困っています。それを掴まえて猫にあげれば喜ぶのでは? と考えた私はネズミを捕まえる罠を考え、あちらこちらのお店に仕掛けさせてもらっています。ネズミが減って人は喜び、猫も喜ぶとてもいい方法かと思ってます。
「さて、一仕事」
皆がネズミを追いかけている間に、私は猫達の寝床を探ります。
この大部屋はもはやダンジョンの部屋と言うより、猫の遊び部屋と言った感じになっています。
猫好きの探索者さんが猫のためにと置いた猫ベッドがきっかけと聞いています。
固い床で眠るより柔らかい寝床がいいだろうと考えたどこかの探索者さんが、特注で作ってニャンジョンのこの部屋に置いたのが始まりだそうで、その後我も我もといろんな探索者さんが猫ベッドを置くようになったそうです。
今でも時折古くなっているから交換したいと買いに来る方もいるので、この街の道具屋では猫ベッドも取り扱っております。猫ベッドだけでなく、猫用品全般ですね。
猫ベッドを一個一個調べていくと、
「あったー!」
やっと1本見つけました! 猫の髭です!
床に落ちるとダンジョンに吸収されてしまいますが、猫ベッドの上ならば消えずに残っていることが多いのです。それを察した私はいつも朝早くにニャンジョンを訪れているのです。他の人はまだ誰も気付いていないようなので、秘密です。
その後も調べると、2本も見つかりました! 大収穫です!
「白い髭2本、黒い髭1本。今日は運がいい!」
黒い髭はこれまたなかなか見つからないのでレアもの扱いされています。
ネズミ達も猫がすっかり掴まえたようで、姿が見えなくなっています。私は甘えてくる猫達の頭を撫でつつ、荷物を背負い直します。
「ありがとうね。ちょっと今日は噂の2階層に行ってみようと思ってるんだ」
「にゃん」
言っていることを理解しているのかしていないのか、可愛いお返事をしてくれました。
名残惜しそうにお見送りしてくれる猫達を後に、噂のボス部屋へと足を進めます。ボス部屋に入ると、部屋の真ん中に石が置かれて文字が書いてありました。きっと子猫達の世話をしたというケビンさんが置いたのでしょう。
『アル、イスナ、ウルミ、エスト、オルファ、ここに眠る』
私は石にそっと黙祷を捧げ、2階層へと続く階段を降りていきました。
「うわ…、本当に毛が長い…」
「みゃあん」
降りてすぐに見つけた茶虎の毛長ちゃん。モフモフが倍になってます。
「うはあ、この尻尾…たまらん…」
おもわず仕事を忘れてモフってしまうほど。
「いかんいかん。今日はまあ様子見ということで」
おやつを少しだけあげて、奥へと進みます。探すのは1階層のように猫がたむろっている大部屋。そこの方が髭が落ちている可能性も高まります。
まだ地図が完成されていないので、自分で探さなければなりません。ニャンジョンでは探索者さん達が会う猫会う猫に挨拶などしているので、マッピングが捗らないそうです。
そういう私も会う猫会う猫に挨拶してしまうので、やはり足が進みません。
「はあ…。やっぱり情報を待った方がいいですかね」
毛長の子達も皆人懐っこくて可愛くて、いちいちモフらせてくれるのでついモフってしまいます。
「ん?」
黒白の白多めの毛長ちゃんをモフっている時でした。石の床に見慣れた白い太い毛が転がっていました。
「こ、これは…髭?!」
思わずモフっている毛長ちゃんの毛と見比べて見ますが、明らかに体の毛よりも太い。確かに髭のようです!
「初! 長毛種の髭!!」
思わず大声を上げてしまったせいで、ビックリして黒白ちゃんはどこかへすっ飛んで行ってしまいました。悪い事をしました。
「うへへ~。まさか初日にゲット出来るとは思いませんでした。今日はこのくらいにして帰りますか」
お店は父と母が開けていてくれています。私は朝は髭採取にニャンジョンに潜るのが日課です。
大部屋探索は今日は諦めて、お店に戻ることにしました。
しかし、初長毛種の髭です。一体いくらになるのでしょうか?
「本当に長毛種の髭?」
「本当です。別に信じてくれなくてもいいですけど」
「いや。この店ではぱちもんは出さないって評判だから信じるけど…」
髭が入荷しないかと時折顔を見せる探索者さんが、たまたま本日訪れてきました。
日頃からひいきにしてもらっているので、今日収穫出来た短毛種の髭の他に長毛種の髭もお見せしました。しかし見ただけではその違いは分かりません。
「うう~ん」
悩んでいるようです。
短毛種の髭でさえ、そのレアさから値段が1本10万もするのです。そして今回初長毛種の髭ということで、お値段もちょっとお高めの20万にしています。簡単に手が出るものではありません。
「いや! 初物だし! ここは買ってみよう!」
「毎度あり!」
お買い上げとなりました。
その後の噂で、その探索者は狙っていた魔道具を発見するに至ったとか。
その後、短毛種の髭はレアな魔道具を見つけられるラッキーアイテム、長毛種の髭はお目当てのレア物を見つけられる願いの叶うラッキーアイテムという噂が広まって行くのであった。
今朝も早くからニャンジョンへと潜ります。断わっておきますが私は探索者ではありません。
探索者ではない者でも安心して潜れるニャンジョン。この中にはお宝が転がっているのです。
それは普通のダンジョンで取れる魔石や魔道具や宝石のようなものではありません。このニャンジョンのお宝は、ズバリ! 猫の髭! なのです!
何故猫の髭が、とは思いますよね?
それは昔、とある探索者さんがたまたま猫の髭が落ちているのを見つけて拾ったところから来ています。ダンジョン内では抜け毛などもダンジョンに吸収されてしまうので、本当に見つけたのは運が良かったのでしょう。
猫好きの習慣なのか、たかが髭なのに拾って大事に仕舞っておいたそうです。そしてたまたまその後行った近くのダンジョンで、これまたレアな魔道具を発見する事になり、大金を掴んだそうです。
その人は「猫の髭のおかげに違いない!」と吹聴し、その後ニャンジョンに潜る人も一時的に増加したそうです。しかし猫の髭などそれこそ余程の幸運でもなければ見つけられるものでもなく、すぐに猫の髭を探索するよりダンジョンを探索した方が金になると、いつもの感じに戻ったそうですが。
その後もたまたま運良く猫の髭に巡り会った探索者が、やはりレアな魔道具を手にするということがまたあり、猫の髭はニャンジョンで取れる唯一のお宝となりました。
一時期無理矢理引っこ抜いたり切り落としたりという事件も発生しましたが、そんな者は発見次第ボコボコにされ、ついでに何故か無理矢理取ったものはダンジョンの外に出ると消えてしまうということがあり、無理矢理事件もなくなりました。
今でも猫の髭はとても貴重なものとして、時折探しに来る者がいるそうです。そしてその1人が私です。
入場料を払い、ダンジョンの中へと入っていきます。
「にゃあん」
入り口に一番近いところを縄張りにしているらしいシロちゃんがまずお出迎えしてくれます。この子は密かに初心者殺しと呼ばれています。ニャンジョンに初めて訪れた探索者をメロメロにしてしまうからだそうです。
「おはよう、シロちゃん。君は後の人からももらうだろうから、ちょっと控えめにね」
と少しだけおやつを与えます。
「にゃう」
ちょっとふくよか気味のお腹を撫でさせてもらって、さらに奥へと進みます。
他にも何匹かに挨拶しておやつを配りつつ、私は奥の大部屋へとやって来ました。ここが私の目指す場所なのです。
「おはよう皆。今日も元気かな?」
「「「みゃーう」」」
何匹かの猫が返事してくれます。すっかり顔馴染みになっているので皆だらけきった格好で出迎えてくれます。
朝飯とばかりに何匹か群がって来ます。
「はいはい。少しだけですよ~」
後から探索者さん達が来てご飯をあげるのを楽しみにしているのも知ってます。いつもは少しだけご飯を配るのですが、今日は鞄をごそごそ漁って、目当ての物を出します。
「今回は多く獲れましたからね~。皆さん、どうぞお楽しみ下さい」
そう言って籠を持ち上げ、蓋を外して一気に中身をぶちまけます。
「「「「ちゅうう!!」」」」
何匹ものネズミが宙を舞い、ある者は宙で掴まり、ある者は着地と同時に掴まり、ある者はそのまま部屋の中を逃げ回ります。
「にゃあん!」
皆が目の色を変えて獲物を追い始めます。
ニャンジョンがあるせいなのか、猫が少ないこの街ではネズミが多く繁殖し、皆困っています。それを掴まえて猫にあげれば喜ぶのでは? と考えた私はネズミを捕まえる罠を考え、あちらこちらのお店に仕掛けさせてもらっています。ネズミが減って人は喜び、猫も喜ぶとてもいい方法かと思ってます。
「さて、一仕事」
皆がネズミを追いかけている間に、私は猫達の寝床を探ります。
この大部屋はもはやダンジョンの部屋と言うより、猫の遊び部屋と言った感じになっています。
猫好きの探索者さんが猫のためにと置いた猫ベッドがきっかけと聞いています。
固い床で眠るより柔らかい寝床がいいだろうと考えたどこかの探索者さんが、特注で作ってニャンジョンのこの部屋に置いたのが始まりだそうで、その後我も我もといろんな探索者さんが猫ベッドを置くようになったそうです。
今でも時折古くなっているから交換したいと買いに来る方もいるので、この街の道具屋では猫ベッドも取り扱っております。猫ベッドだけでなく、猫用品全般ですね。
猫ベッドを一個一個調べていくと、
「あったー!」
やっと1本見つけました! 猫の髭です!
床に落ちるとダンジョンに吸収されてしまいますが、猫ベッドの上ならば消えずに残っていることが多いのです。それを察した私はいつも朝早くにニャンジョンを訪れているのです。他の人はまだ誰も気付いていないようなので、秘密です。
その後も調べると、2本も見つかりました! 大収穫です!
「白い髭2本、黒い髭1本。今日は運がいい!」
黒い髭はこれまたなかなか見つからないのでレアもの扱いされています。
ネズミ達も猫がすっかり掴まえたようで、姿が見えなくなっています。私は甘えてくる猫達の頭を撫でつつ、荷物を背負い直します。
「ありがとうね。ちょっと今日は噂の2階層に行ってみようと思ってるんだ」
「にゃん」
言っていることを理解しているのかしていないのか、可愛いお返事をしてくれました。
名残惜しそうにお見送りしてくれる猫達を後に、噂のボス部屋へと足を進めます。ボス部屋に入ると、部屋の真ん中に石が置かれて文字が書いてありました。きっと子猫達の世話をしたというケビンさんが置いたのでしょう。
『アル、イスナ、ウルミ、エスト、オルファ、ここに眠る』
私は石にそっと黙祷を捧げ、2階層へと続く階段を降りていきました。
「うわ…、本当に毛が長い…」
「みゃあん」
降りてすぐに見つけた茶虎の毛長ちゃん。モフモフが倍になってます。
「うはあ、この尻尾…たまらん…」
おもわず仕事を忘れてモフってしまうほど。
「いかんいかん。今日はまあ様子見ということで」
おやつを少しだけあげて、奥へと進みます。探すのは1階層のように猫がたむろっている大部屋。そこの方が髭が落ちている可能性も高まります。
まだ地図が完成されていないので、自分で探さなければなりません。ニャンジョンでは探索者さん達が会う猫会う猫に挨拶などしているので、マッピングが捗らないそうです。
そういう私も会う猫会う猫に挨拶してしまうので、やはり足が進みません。
「はあ…。やっぱり情報を待った方がいいですかね」
毛長の子達も皆人懐っこくて可愛くて、いちいちモフらせてくれるのでついモフってしまいます。
「ん?」
黒白の白多めの毛長ちゃんをモフっている時でした。石の床に見慣れた白い太い毛が転がっていました。
「こ、これは…髭?!」
思わずモフっている毛長ちゃんの毛と見比べて見ますが、明らかに体の毛よりも太い。確かに髭のようです!
「初! 長毛種の髭!!」
思わず大声を上げてしまったせいで、ビックリして黒白ちゃんはどこかへすっ飛んで行ってしまいました。悪い事をしました。
「うへへ~。まさか初日にゲット出来るとは思いませんでした。今日はこのくらいにして帰りますか」
お店は父と母が開けていてくれています。私は朝は髭採取にニャンジョンに潜るのが日課です。
大部屋探索は今日は諦めて、お店に戻ることにしました。
しかし、初長毛種の髭です。一体いくらになるのでしょうか?
「本当に長毛種の髭?」
「本当です。別に信じてくれなくてもいいですけど」
「いや。この店ではぱちもんは出さないって評判だから信じるけど…」
髭が入荷しないかと時折顔を見せる探索者さんが、たまたま本日訪れてきました。
日頃からひいきにしてもらっているので、今日収穫出来た短毛種の髭の他に長毛種の髭もお見せしました。しかし見ただけではその違いは分かりません。
「うう~ん」
悩んでいるようです。
短毛種の髭でさえ、そのレアさから値段が1本10万もするのです。そして今回初長毛種の髭ということで、お値段もちょっとお高めの20万にしています。簡単に手が出るものではありません。
「いや! 初物だし! ここは買ってみよう!」
「毎度あり!」
お買い上げとなりました。
その後の噂で、その探索者は狙っていた魔道具を発見するに至ったとか。
その後、短毛種の髭はレアな魔道具を見つけられるラッキーアイテム、長毛種の髭はお目当てのレア物を見つけられる願いの叶うラッキーアイテムという噂が広まって行くのであった。
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