キーナの魔法

小笠原慎二

文字の大きさ
上 下
225 / 296
シゲール襲来編

一騒動

しおりを挟む
翌日、いつものように2人を見送ったダンは、いつものように買い出しをしてサーガ達の元へ向かった。

「おっすー」
「おー」

ダンの姿を見て、サーガとメリンダが声を上げた。メリンダの表情には大分怯えた感じがなくなっていた。ちょっと嬉しい。
食事中だったので食事が終わるまで待つ。メリンダはまだ1人では上手く食べられないのか、サーガに食べさせてもらっている。

「ほいメリンダ、あーん」
「あーん」

メリンダのような成人女性があーんなどとやっている姿はシュールである。とても他の人に見せられる姿ではない。
食事を終えると、

「じゃあメリンダ、これで遊んでてくれるか?」
「あい!」

サーガが木の切れ端で作ったのだろうか、人型の木切れを渡すとメリンダはそれを手に持って遊び始めた。といっても可愛い人形遊びというにはほど遠く、眺め回したり振り回したり。破壊活動かと思えるような扱いなので、手からすっぽ抜けて飛んで来たらと思うとちょっと怖い。
そしてサーガと話をしていると、

「たーが、たーが」
「なんだい? メリンダ」

話しに入りたいような素振りをしたりする。確実に精神が成長している。

「今朝から俺の真似をするようになった」

とサーガは言う。
サーガが

「姐さん」

と呼びかけると、

「えーさん?」

と首を傾げるようになったらしい。

「え~と、姐さんは姐さんだけど姐さんじゃなくて…」

自分の名前を「姐さん」と刷り込まれる危険を感じたサーガ、今朝から「メリンダ」と呼ぶように気をつけているのだと。
食事もきちんと摂るようになり、夜も落ち着いて眠るようになったらしい。サーガの負担も大分減ったようだ。
そんなメリンダの様子を微笑ましくも横目で見つつ、ダンはキーナ達のことを報告する。

「デート、上手くいった、らしい」
「そんな報告はいらねー」

どうせなら上手く行ったというよりも盛大に失敗したという報告を聞きたかったらしい。まあそうよね。
ダンの「上手く行った」は、街中の男達に見せつけることに成功したという意味だったのだが、サーガにとっては2人の仲が進展したとしか聞こえない。
これが言葉による認識のズレ、というものかもしれない。
そして今日も家政夫ダンはくるくると動き回り、多少メリンダの遊び相手も務めたのだった。











キーナ達が帰って来て、今日の報告会が始まる。

「今日はお客さんがいつもより少なかった」

とキーナがにっこり笑う。
おかげで今日は多少余裕を持って仕事が出来たらしい。うん、仕事は忙しすぎても駄目だよね。
テルディアスは、

「特にいつもと変わらない」

と簡潔に報告。
だがダンの目には、テルディアスがどことなくスッキリしたような顔をしているように見えていた。それに、街から持ち帰ってきた横に置いてある袋からは、動かすと金属音が聞こえた…。












テルディアスは語らないが、実は一騒動があった。
いつものようにキーナを店まで送った。まだ早い時間にはそう客の姿もない。それはいつもの風景だ。
近頃常連になりつつある仕事斡旋所に顔を出すと、

「あんた、テルって言うのかい?」

所長の親父さんが声を掛けてきた。

「あ?」

ついイラッとして店主を睨んでしまう。
その呼び名はキーナだから許しているものだ。キーナも今では間違えること無く「テルディアス」と呼ぶことは出来る。しかし「長い」という理由で呼び慣れている「テル」呼びにしているのだ。
今更キーナに「テルディアス」と呼ばれるのもなんだかおかしい気がするので、テルディアスはそれを許している。まあ、キーナだし。
テルディアスの鋭い眼光を浴び、店主がたじたじとなる。

「い、いや、確か署名にはもっと長い名前だったかなと思ったんだが…、その、あんた?なのかどうか、名指しで依頼が来てるんだよ…」

笑顔を引き攣らせつつ、所長が一枚の紙を渡してくる。
それを受け取って読んでみると、明らかに自分の指しているような描写が書かれていた。
「テル」と呼ばれている灰色のフードにマントを身に付け、マスクで顔を隠している人物…。
テルディアスしかいない。
依頼内容は荷物を取りに行って欲しいとあり、届ける場所は荷物を渡す時に伝えるともある。そして報酬額が異様に高い。
どう見ても罠の臭いがプンプンである。

「どう見ても変な依頼だからな。受けなくてもいいんだが…」

困ったような様子で所長がテルディアスを見た。なんとなく察しがついているのかもしれない。

「いや。受けよう」

テルディアスはそう言った。
依頼を受ける場合は失敗した時などのことを考え、先にいくらか保証金を積まなければならない。それは報酬額の3割から5割ほどである。もちろん依頼を遂行すればその保証金も帰ってくる。
依頼主によってそれは設定されていたりもするのだが、この依頼については3割で設定されていた。テルディアスが旅人で、それほど所持金を持っていないだろうと考えられているのだろう。
テルディアスは金を積んで署名をすると、その場所を所長に聞いて斡旋所を出た。

「そんな袋小路に荷物があるとは思えないけどな」

所長がそう言って苦笑いしていた。












教えられた場所へと向かう。途中でテルディアスは溜息を吐いた。

(気配の消し方も知らない素人集団か…)

近づく前から気配やら殺気とまではいかないが、高ぶる感情などが感じ取れる。ちょっと面倒に感じたが、ここである程度をしておけば、後々役に立つだろうと足を進めた。
少し細い路地を通る。その先は少し広い袋小路になっているらしい。凸の字のようになっているようだ。
路地を通りながらも、見えない死角に大勢の気配を感じ取る。もちろん、後ろにも。
テルディアスはこの狭い路地を「地爆《ウルテガ》」で破壊してトンズラしたくなった。この唯一の通路を破壊されれば、この奥にいる大勢はしばらく出てこられなくなるだろう。はっきり言って素人の相手は面倒くさい。

盛大に吐きそうになる溜息を堪えながら、テルディアスは袋小路へと入っていった。
袋小路に入った途端に広がる男達。50人近くいるのだろうか。一応テルディアスを取り囲んでいるようだ。後ろからも10人程の気配。
サーガ並の猛者がそれくらいの数がいたならば、さすがのテルディアスも易々と踏み込みはしなかっただろう。
一応サーガの実力は買っている。テルディアスと何度も打ち合いが出来る者などそうはいない。
だが目の前にいる者達は素人である。手に持っているのが角材や木の棒。中には長刀を構えている者もいた。それなりに腕に覚えがある者だろうか。多少戦い慣れした気配を持つ者も数人。玄人さんとでも呼んでおこうか。しかしテルディアスの手を煩わせるような者は見当たらなかった。

「はっはっは! 罠とも知らずひょこひょこ現われやがって! 馬鹿め!」

なんだか昨日見た覚えのある男が囀っていた。昨日腕を捻り上げるのが足りなかったかとテルディアスは反省した。

(あのまま折っておくべきだったか…)

しかしあの時はキーナがいたのであまり手荒なまねをしたくはなかったのだ。
そういう時の対処も考えて置いた方が良いだろうかとテルディアスは頭を悩ませる。しかしキーナにあまり暴力的な場面は見せたくない。

さんざん見せてきただろうに今更とも作者は思う。

「貴様さえいなくなれば、キーナさんは我が物…、あ、いやすんません…」

我が物にしたい馬鹿が本心をペロリと吐き出してしまい、周りの者に睨まれている。

「キーナさんは我らがアイドルなのだ! マスクで顔を隠しているような醜男の貴様に独り占めなどさせん! 皆の者、かかれ!」

その言葉を合図に、一斉に男達がテルディアスに飛びかかって来た。
テルディアスは少し助走をつけると、跳んだ。

「跳んだ?!」
「逃げた?!」

男達の頭上を飛び越え、1人着地の犠牲にしながら地面に降り立つ。その瞬間地面に手を付き、

「地爆《ウルテガ》!」

地面を爆破させた。
テルディアスを中心に、半径3Mほどの地面が砂埃を巻き上げる。
この術は地面を爆破させるものではあるが、さほど殺傷能力は高くは無い。地形の変化と巻き上がる石礫や砂埃で多少の擦り傷は負わせたりするが、どちらかというと目眩ましの手法で使われることが多い。
もちろん使い手によっては最悪の状況になったりすることもある。おじいさんとか赤の賢者とかレオちゃんとか…(全部同じ人だろ!)

多対1の戦闘で一番怖いのは同士討ちであろう。特に目に頼っている者は視界を奪われるともう何もできなくなる。
テルディアスは近場にいた者達を瞬時に叩きのめし、人が少し少ない方へと走る。そこでも、

「地爆《ウルテガ》!」

爆破させた。
同じ事を別の場所でも繰り返せば、袋小路は砂埃で視界が効かなくなった。風の魔法を使えば砂埃を晴らす事もできようが、魔法を使える者はいないようだ。

「あっちに逃げたぞ!」
「いやこっちだ!」
「後ろにいるぞ!」

など怒号が飛び交うが、誰が正確な情報を発しているのかも分からない。そして戦うことに慣れていない素人集団はパニックを起こし、とにかくなんでもいいやと手に持っていた武器を振り回す。それが同士討ちとなり、どんどんと人が倒れていった。
そして視界が晴れると、そこに立っているのはテルディアスだけになっていた。

「さて」

テルディアスがつかつかと倒れている男の1人に近づいた。

「おい」

脇腹を少し強めに蹴り上げる。

「ぐえ!」

体をくの字にして痛みを堪える男。昨日腕を捻り上げたあの男である。

「俺の目を誤魔化せると思うな」

この男、戦況が不利と知ると、やられたふりをして倒れていたのだ。逃げ出さなかったのは視界を防がれていた為である。つまり無傷。
男の髪を掴んで、無理矢理顔を上げさせる。

「ひいいいぃぃ…、たぢけて…」

だったら最初からやらなければ良いだろうに。数を揃えればどうにかなると思ったのだろう。

「お前がこの騒動の責任者だな?」
「ち、違いますぅ…」
「他の者に聞いてみるか? 1人でも俺の意見に同意するならお前の腕を片方削いでやろうか」
「そうです! あたしです!」

男が速攻で肯定した。

「よし。ならば、この騒動の落とし前、お前が責任を取るよな?」
「は、はひ…」

テルディアスの鋭い眼光に睨まれ、男がか細い声を上げる。

「まずはこれに、署名しろ」

もちろんだが、紹介状である。失敗すると保証金は没収され、仕事もやりにくくなる。
男は震える手で署名した。

「それともちろん、迷惑をかけたのだから、それなりのことはするよな?」
「は、はひ…」

迷惑料モロモロコミコミで、テルディアスは少し法外な値段をふっかける。
男が顔を青くする。

「そ、それは、僕ひゃんのお小遣いでは…、ちょっと難しいかも…」
「払えないのか?」

テルディアスが凄む。

「ひぃっ」

男が息を飲む。
男の身なりからして、そこそこ裕福な商人の家だろうと当たりをつけたテルディアス。搾り取るつもりでふっかけたが、無理をすれば払えそうな気配が見える。

「そうか。払えないのか。なら、お前の体で払ってもらうか」
「か、体…?」
「足を切り落とせば丁度いいくらいか。腕は残してやる」
「ひぃぃぃぃぃ!」

一応商人だから計算に必要だろう両手は残してやると慈悲を見せるが、男は悲鳴を上げた。

「払います払います! なんとしても払いますのでお助けをぉぉぉぉぉ!」

男が地面に頭を擦りつけた。

「なんだ。払えるのか。なら切り落とすのはやめておこう」

少し優しい声を出せば、ほっとしたように顔を上げる男。涙と鼻水と泥で顔がぐちゃぐちゃだ。
さすがに全て現金ではテルディアスも持ち運びに困るので、一部は宝石などを用意するように言い含める。明日までに用意して、この袋小路で受け渡しするよう話しをつけた。前金として男が身に付けていた財布やら貴金属やらを頂いておく。

かつあげなんて心の中で唱えてはいけないよ。

「それから最後に、キーナに2度と近づくなという忠告は覚えているな?」
「はいっ! もちろんであります!」

男は大分従順になっていた。

「ああ。お前はキーナの前に姿を現わすのは禁止だが、他の者については純粋に客として店に行くのは禁止しない。但し、不埒な真似をしたら手足の1本や2本は覚悟しておけ、ということをお前から伝えておけ。いいな?」
「は、はいいい! かしこまりましたですう!」

男は敬礼しながら答えた。この分ならば大丈夫かと腰を上げた。

「もし1人でも不埒な者が出たら、お前も覚悟しておけ」

そう言い残し、その場を去った。
男が恐怖で顔を青くしてガタガタ言っていたが、そんなものは知ったこっちゃないのである。
本当はキーナに近づくのを全員禁止したかったが、それではあの店の売り上げが落ちてしまうだろう。昨日店に行った時ガランとしていた店内を思い出す。
下手に客がこなくなって店が潰れでもしたら、またキーナの働き口を探さねばならなくなってしまうのだ。あれだけ良い条件(女しかいない職場)の働き口はそうないだろう。
なので、店に行くことは禁止しなかった。時折見回りに行こうとテルディアスは思った。
そして、メリンダの回復を祈った。
今日ほどメリンダの存在を渇望したことはないだろう。それはあの男の、

「マスクで顔を隠すような醜男」

発言である。
テルディアスもいろいろあったので、自分が人目を引く容姿だということは自覚している。もし昨日のデートでメリンダに化粧をしてもらい街を練り歩いていれば、もしかしたら今日の騒動はなかったかもしれない。
まあメリンダが元気であればこんなに街に留まることもないのではあるが。
ダーディンの姿でなければ…。
テルディアスは改めて魔女を憎々しげに思ったのだった。






そして今日もキーナはベッドに潜り込み、枕元に置いてある火の宝玉に祈る。
早くメリンダさんが元気になりますように。と。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

白い結婚をめぐる二年の攻防

藍田ひびき
恋愛
「白い結婚で離縁されたなど、貴族夫人にとってはこの上ない恥だろう。だから俺のいう事を聞け」 「分かりました。二年間閨事がなければ離縁ということですね」 「え、いやその」  父が遺した伯爵位を継いだシルヴィア。叔父の勧めで結婚した夫エグモントは彼女を貶めるばかりか、爵位を寄越さなければ閨事を拒否すると言う。  だがそれはシルヴィアにとってむしろ願っても無いことだった。    妻を思い通りにしようとする夫と、それを拒否する妻の攻防戦が幕を開ける。 ※ なろうにも投稿しています。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

ご安心を、2度とその手を求める事はありません

ポチ
恋愛
大好きな婚約者様。 ‘’愛してる‘’ その言葉私の宝物だった。例え貴方の気持ちが私から離れたとしても。お飾りの妻になるかもしれないとしても・・・ それでも、私は貴方を想っていたい。 独り過ごす刻もそれだけで幸せを感じられた。たった一つの希望

君は妾の子だから、次男がちょうどいい

月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

処理中です...