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緑の男
緑のムッキリ女性
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男はダンと名乗った。
キーナ達も名乗り合う。
そして今までの話を掻い摘まんで話す。
「とまあ、信じられないかもしれないけど、それで宝玉を探してるの」
「こいつの安全は俺達が保証するぜ」
「ずっと一緒に旅して来たしね」
キーナの説明に、サーガ達が補足する。
サーガとメリンダも、自分達が風の一族、火の一族であると名乗っていた。
「ついでに女性経験がまだない男として半人前なこともな!」
「やかましい! 下半身脳みそ男!」
睨み合う2人。
「やめなさい」
メリンダのストップが入り、とりあえず落ち着く。
「宝玉…」
ダンがぼそりと呟く。
「本物…。あるなら…」
やっと聞こえるくらいの声量。何故体がでかいのに声が小さい。
「ああ」
「もちろん」
テルディアスとメリンダが、持っていた宝玉を目の前に差し出した。
それを見て、ゾワリと鳥肌が立つダン。
「な…」
サーガがいつの間にか、後方ダッシュで逃げていた。
「なんでそんな物平気で触れんだよ…」
後ろの方で木に背中を押しつけて、何かにビビったようにしている。
「は?」
「え?」
訳が分からずハテナマークを浮かべる2人。何を怖がっているのだ?
「分かった…。もういい…」
ダンもなにやら体をちょっと後ずさりさせながら、早くしまえと手で急かす。
(黄色があれば信号機…)
キーナは1人でのんきに考えていた。
確かに、水の青い宝玉と火の赤い宝玉だけどね。
ダンがすくっと立ち上がると、
「村まで案内する…」
そうボソリと言った。
なんとか村まで行けるのだと、4人は安心したのであった。
これで空腹で倒れないで済む。
森の中をしばらく行くと、開けた所に無数のテントが張ってある場所が見えてきた。
(テント?)
(野営地みたいだな)
テルディアスとサーガが訝しむ。村ではなかったのか?
「おや、ダン、帰ったのかい」
一人の女性がこちらに気付き、声を掛けてきた。
後ろにいた4人を見て目を見張る。
「まあ…。お客さんかい?! これは久しぶりだね~!」
と何故か嬉しそう。
こくりと頷くダン。いや、返事しろよ。
「これは、久しぶりに楽しめそうだねぇ」
そう呟くと、女性はルンルンと楽しそうに去って行った。
(俺達の方見て言ったよな…?)
あの女性、テルディアスとサーガを見ながら、楽しめそうと言った。何かあるのだろうか。
村、というか、テントの間を通って行く。サーガが何気なく周りを見渡すが、何故か女と子供の姿しかない。
(女と子供だけ…?)
男はどこへ行ったのだろうか。どこかで固まって仕事でもしているのだろうか。
ダンが少し大きめのテントに入って行く。
4人も後に続いた。
そのテントの中には、
「おや、ダン。帰ったのかい」
女性がいた。
一言で言うなら、でかい。
筋肉盛り、胸バイン。立ったらテルディアスよりでかいんじゃと思うくらいにでかい。
緑の髪を後ろで縛り、少しきつめの緑の瞳を向けてくる。
「ん?」
キーナ達に気付く。
「ほう、客かい?!」
やはり嬉しそうである。
「いい拾い物したねぇ! 遠慮せずにお入り!」
「村長。俺の母」
ダンが紹介した。
(拾い物…?)
(逞しいお母様…)
サーガとメリンダが視線を合わせ、苦笑いした。
ここまで来た話を掻い摘まんで話す。まだテルディアスのことは内緒である。
「森で迷ってここへ?! そいつは器用だね!」
わっはっはと豪快に笑い出すダンの母ベニール。笑い声もでかい。
「それでその、テルの呪いを解くにも、宝玉が必要なんです」
キーナが頼み込むと、
「ああいいよ。持ってきな」
「ええ?!」
何故かあっさり承諾。
「扱えるなら、だけどね」
あ、やっぱり裏がありました。
「あれは資格のある者しか扱えない。持って行けるなら、持って行けばいいさ」
眼光鋭く言い放つ。何故か迫力がある。
「はあ…」
あまりのあっさり返事に拍子抜けのキーナ。
今まで2つの宝玉を手にするのに、あれだけ苦労したのだ。当然だろう。
「んで? その呪いってのはなんだい? ちょっと見せてみな」
ギクリ
ベニールの言葉に固まる4人。
「あたしら地の一族は薬学にも精通してるからね。何か役に立てるかもしれないよ?」
「いや、あの、それは…」
(せっかくぼかして説明したのに~!)
とんだハードルである。
「なんだい?」
ギロリとベニールが睨み付けてくる。
「人に物を頼む時はちゃんと目を見て言うもんだよ! それを何だい?! 当事者のあんたがフードの下に顔を隠したままで筋が通ると思ってんのかい?!」
恫喝。
(怖…)
(迫力…)
メリンダとサーガも思わず震え上がる。
「わ、分かりました…」
テルディアスもその迫力に気圧されている。
「ただ…、俺の姿を見ても、驚かないで下さい…」
「ふん! 見ないと分からないよ!」
ふしゅー!と鼻息荒く答える。ごもっとも。
テルディアスが怖々フードを外す。中から出て来たのは、ダーディンの顔。
「ダーディン?」
ベニールの目つきがいっそう険しくなる。
「あんたら、よくまあダーディンの言うことなんざ信じたねぇ!」
((そーですね))
メリンダとサーガが心の中で頷いた。
普通に考えれば確かにおかしいのだろう。
「あたしは、キーナちゃんが言うから信じて…」
「俺も…、キーナが言うから…」
キーナが言わなければ、2人共テルディアスに手を貸そうとも思わなかった。
というか、すでに手を掛けていたかもしれない。
「テルは見ず知らずの僕のことを助けてくれたし、今まで一度も僕に危害を加えようとしたこともないよ」
キーナが力強く言い放つ。
その瞳は、力強い光に満ちていた。
ベニールはその力強い瞳を見つめ返した。
「こんなボウヤの言うことをねぇ」
キーナが滑った。
うん。久しぶりだね、このやりとり。
「え? お嬢ちゃん?」
女だと聞いて、ダンもびっくりしている。やはり男と思われていたらしい。
「あ~、実はそいつ、光の御子なんすよ」
サーガがさらっとバラした。その方が話が早そうだと踏んで。
「光の御子?!」
緑の親子が目を剥く。
「だから俺達も信じたんすよ」
「この子が…」
ぽやっとした表情でベニールを見つめてくるその少女を眺め回す。
なんだか信用されてないと感じ、キーナがちょっと顔を顰めた。
(さっきの眼力といい、常人とは少し異なる気配といい…)
ベニールが少し堪えきれなくなり、視線をキーナから外す。
(それに、この、可愛くて今すぐ抱きしめたい! という衝動…)
実は結構我慢してました。
小さくて可愛くてポヤンとしていて、母性本能をくすぐられるというか、守ってやりたくなるというか…。
気を抜いたら抱きしめてしまいそうになる。
(これが伝え聞く、御子の魅了の力…)
そんな力があったとは。
キーナは多分気付いていない。
そもそも自分がどれだけ周りの人に好かれているか自覚していない。
「なるほどね。まあいいだろう。とりあえず信じてやろう。ただし、何か問題を起こしたら容赦しないよ?」
「大丈夫です!」
ギロリと睨み付けてくるベニールの視線にも負けず、というか気付かず?、キーナが力強く言い放つ。
3人は思った。
(((お前が言うか…)))
無自覚の天然ほど怖いものはない…。
「ふ…。まあゆっくり寛いでくれと言いたい所だけど、今この村はちょっとした食糧危機でね。大したもてなしはできないんだ。すまないね」
「このテントの群れと何か関係が?」
すまなそうな顔をしたベニールに、サーガが問いかけた。
村、というのに、何故皆テント暮らししているのか。
「大したことじゃないよ。あたし達が住んでいた土地を、どこかのお国の使者って奴に奪われちまっただけさ」
((((十分大事だと思うけど?!))))
「今は移住先を見つけるためにここで仮住まいしてるんだ。男達は銭を稼ぎに今村を離れてる」
(だから女子供しかいなかったのか)
サーガが納得した。
まあ、完全にいないわけではなく、数人は村に残ってはいるのだろうけど。
目の前のダンのように。
「さっそくだ、ダン! 宝玉まで案内してやりな!」
ベニールの言葉に、ダンがビクリとなる。
なんだかオドオドとして、とても行きたくなさそう。
それを見て、ベニールが青筋を立てる。
「まったく…。お前は次の村長になるんだよ! いつまでオドオドしてるんだい! いいから行って来な!」
いつまで立ってもオドオドし続けるダンに、ベニールが喝を入れる。
ダンはシュンとしながらも、重い腰を持ち上げた。
何をそんなにオドオドとしているのだろうか?
「ところで兄さん達」
ベニールがテルディアスとサーガに向き直る。
「女は好きかい?」
「もちろん!」
サーガ即答。
早すぎるだろ。
テルディアスは質問の意図が掴めず、少し間を置き、
「いや…」
と否定の言葉を口にした。
「そうかい」
そしてベニールはそれ以上何も言わず、4人を見送った。
最後の質問の意図が分からず、首を傾げる4人。
女が好きならどうしたというのだ?
キーナ達も名乗り合う。
そして今までの話を掻い摘まんで話す。
「とまあ、信じられないかもしれないけど、それで宝玉を探してるの」
「こいつの安全は俺達が保証するぜ」
「ずっと一緒に旅して来たしね」
キーナの説明に、サーガ達が補足する。
サーガとメリンダも、自分達が風の一族、火の一族であると名乗っていた。
「ついでに女性経験がまだない男として半人前なこともな!」
「やかましい! 下半身脳みそ男!」
睨み合う2人。
「やめなさい」
メリンダのストップが入り、とりあえず落ち着く。
「宝玉…」
ダンがぼそりと呟く。
「本物…。あるなら…」
やっと聞こえるくらいの声量。何故体がでかいのに声が小さい。
「ああ」
「もちろん」
テルディアスとメリンダが、持っていた宝玉を目の前に差し出した。
それを見て、ゾワリと鳥肌が立つダン。
「な…」
サーガがいつの間にか、後方ダッシュで逃げていた。
「なんでそんな物平気で触れんだよ…」
後ろの方で木に背中を押しつけて、何かにビビったようにしている。
「は?」
「え?」
訳が分からずハテナマークを浮かべる2人。何を怖がっているのだ?
「分かった…。もういい…」
ダンもなにやら体をちょっと後ずさりさせながら、早くしまえと手で急かす。
(黄色があれば信号機…)
キーナは1人でのんきに考えていた。
確かに、水の青い宝玉と火の赤い宝玉だけどね。
ダンがすくっと立ち上がると、
「村まで案内する…」
そうボソリと言った。
なんとか村まで行けるのだと、4人は安心したのであった。
これで空腹で倒れないで済む。
森の中をしばらく行くと、開けた所に無数のテントが張ってある場所が見えてきた。
(テント?)
(野営地みたいだな)
テルディアスとサーガが訝しむ。村ではなかったのか?
「おや、ダン、帰ったのかい」
一人の女性がこちらに気付き、声を掛けてきた。
後ろにいた4人を見て目を見張る。
「まあ…。お客さんかい?! これは久しぶりだね~!」
と何故か嬉しそう。
こくりと頷くダン。いや、返事しろよ。
「これは、久しぶりに楽しめそうだねぇ」
そう呟くと、女性はルンルンと楽しそうに去って行った。
(俺達の方見て言ったよな…?)
あの女性、テルディアスとサーガを見ながら、楽しめそうと言った。何かあるのだろうか。
村、というか、テントの間を通って行く。サーガが何気なく周りを見渡すが、何故か女と子供の姿しかない。
(女と子供だけ…?)
男はどこへ行ったのだろうか。どこかで固まって仕事でもしているのだろうか。
ダンが少し大きめのテントに入って行く。
4人も後に続いた。
そのテントの中には、
「おや、ダン。帰ったのかい」
女性がいた。
一言で言うなら、でかい。
筋肉盛り、胸バイン。立ったらテルディアスよりでかいんじゃと思うくらいにでかい。
緑の髪を後ろで縛り、少しきつめの緑の瞳を向けてくる。
「ん?」
キーナ達に気付く。
「ほう、客かい?!」
やはり嬉しそうである。
「いい拾い物したねぇ! 遠慮せずにお入り!」
「村長。俺の母」
ダンが紹介した。
(拾い物…?)
(逞しいお母様…)
サーガとメリンダが視線を合わせ、苦笑いした。
ここまで来た話を掻い摘まんで話す。まだテルディアスのことは内緒である。
「森で迷ってここへ?! そいつは器用だね!」
わっはっはと豪快に笑い出すダンの母ベニール。笑い声もでかい。
「それでその、テルの呪いを解くにも、宝玉が必要なんです」
キーナが頼み込むと、
「ああいいよ。持ってきな」
「ええ?!」
何故かあっさり承諾。
「扱えるなら、だけどね」
あ、やっぱり裏がありました。
「あれは資格のある者しか扱えない。持って行けるなら、持って行けばいいさ」
眼光鋭く言い放つ。何故か迫力がある。
「はあ…」
あまりのあっさり返事に拍子抜けのキーナ。
今まで2つの宝玉を手にするのに、あれだけ苦労したのだ。当然だろう。
「んで? その呪いってのはなんだい? ちょっと見せてみな」
ギクリ
ベニールの言葉に固まる4人。
「あたしら地の一族は薬学にも精通してるからね。何か役に立てるかもしれないよ?」
「いや、あの、それは…」
(せっかくぼかして説明したのに~!)
とんだハードルである。
「なんだい?」
ギロリとベニールが睨み付けてくる。
「人に物を頼む時はちゃんと目を見て言うもんだよ! それを何だい?! 当事者のあんたがフードの下に顔を隠したままで筋が通ると思ってんのかい?!」
恫喝。
(怖…)
(迫力…)
メリンダとサーガも思わず震え上がる。
「わ、分かりました…」
テルディアスもその迫力に気圧されている。
「ただ…、俺の姿を見ても、驚かないで下さい…」
「ふん! 見ないと分からないよ!」
ふしゅー!と鼻息荒く答える。ごもっとも。
テルディアスが怖々フードを外す。中から出て来たのは、ダーディンの顔。
「ダーディン?」
ベニールの目つきがいっそう険しくなる。
「あんたら、よくまあダーディンの言うことなんざ信じたねぇ!」
((そーですね))
メリンダとサーガが心の中で頷いた。
普通に考えれば確かにおかしいのだろう。
「あたしは、キーナちゃんが言うから信じて…」
「俺も…、キーナが言うから…」
キーナが言わなければ、2人共テルディアスに手を貸そうとも思わなかった。
というか、すでに手を掛けていたかもしれない。
「テルは見ず知らずの僕のことを助けてくれたし、今まで一度も僕に危害を加えようとしたこともないよ」
キーナが力強く言い放つ。
その瞳は、力強い光に満ちていた。
ベニールはその力強い瞳を見つめ返した。
「こんなボウヤの言うことをねぇ」
キーナが滑った。
うん。久しぶりだね、このやりとり。
「え? お嬢ちゃん?」
女だと聞いて、ダンもびっくりしている。やはり男と思われていたらしい。
「あ~、実はそいつ、光の御子なんすよ」
サーガがさらっとバラした。その方が話が早そうだと踏んで。
「光の御子?!」
緑の親子が目を剥く。
「だから俺達も信じたんすよ」
「この子が…」
ぽやっとした表情でベニールを見つめてくるその少女を眺め回す。
なんだか信用されてないと感じ、キーナがちょっと顔を顰めた。
(さっきの眼力といい、常人とは少し異なる気配といい…)
ベニールが少し堪えきれなくなり、視線をキーナから外す。
(それに、この、可愛くて今すぐ抱きしめたい! という衝動…)
実は結構我慢してました。
小さくて可愛くてポヤンとしていて、母性本能をくすぐられるというか、守ってやりたくなるというか…。
気を抜いたら抱きしめてしまいそうになる。
(これが伝え聞く、御子の魅了の力…)
そんな力があったとは。
キーナは多分気付いていない。
そもそも自分がどれだけ周りの人に好かれているか自覚していない。
「なるほどね。まあいいだろう。とりあえず信じてやろう。ただし、何か問題を起こしたら容赦しないよ?」
「大丈夫です!」
ギロリと睨み付けてくるベニールの視線にも負けず、というか気付かず?、キーナが力強く言い放つ。
3人は思った。
(((お前が言うか…)))
無自覚の天然ほど怖いものはない…。
「ふ…。まあゆっくり寛いでくれと言いたい所だけど、今この村はちょっとした食糧危機でね。大したもてなしはできないんだ。すまないね」
「このテントの群れと何か関係が?」
すまなそうな顔をしたベニールに、サーガが問いかけた。
村、というのに、何故皆テント暮らししているのか。
「大したことじゃないよ。あたし達が住んでいた土地を、どこかのお国の使者って奴に奪われちまっただけさ」
((((十分大事だと思うけど?!))))
「今は移住先を見つけるためにここで仮住まいしてるんだ。男達は銭を稼ぎに今村を離れてる」
(だから女子供しかいなかったのか)
サーガが納得した。
まあ、完全にいないわけではなく、数人は村に残ってはいるのだろうけど。
目の前のダンのように。
「さっそくだ、ダン! 宝玉まで案内してやりな!」
ベニールの言葉に、ダンがビクリとなる。
なんだかオドオドとして、とても行きたくなさそう。
それを見て、ベニールが青筋を立てる。
「まったく…。お前は次の村長になるんだよ! いつまでオドオドしてるんだい! いいから行って来な!」
いつまで立ってもオドオドし続けるダンに、ベニールが喝を入れる。
ダンはシュンとしながらも、重い腰を持ち上げた。
何をそんなにオドオドとしているのだろうか?
「ところで兄さん達」
ベニールがテルディアスとサーガに向き直る。
「女は好きかい?」
「もちろん!」
サーガ即答。
早すぎるだろ。
テルディアスは質問の意図が掴めず、少し間を置き、
「いや…」
と否定の言葉を口にした。
「そうかい」
そしてベニールはそれ以上何も言わず、4人を見送った。
最後の質問の意図が分からず、首を傾げる4人。
女が好きならどうしたというのだ?
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