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テルディアス求婚騒動編
メリンダとサーガ
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「光の御子ォ?! こいつがぁ?!」
飲み屋兼宿屋の一角に座っていた四人組の一人が声を上げた。
「声がでかすぎるぞ」
とフードの男。
「こいつ…」
としかめ面をする少年。
「こいつって…」
と同じくしかめ面をする赤い髪の美女。
「いや…、その…」
と言い淀む黄色い髪の背の低い男。
端から見るとおかしな四人組、お馴染みキーナ一行である。
夕飯を食べながら、これまでの経緯を新しく仲間になったサーガに話していたのだ。
「ふえ~、なんか、話が大きくなってんなぁ」
「そお?」
自覚のない少年のような少女キーナが首を傾げる。
本当に本人に自覚がないので困ったものだ。
「んで、宝玉探すついでに僕の運命の人を探してるんだけど…」
言ってて何だか恥ずかしい。
「その運命の人がどういう人なのかも、よく分かってないのよね」
「うん」
と小さく首を振る。
「男とか、女とかも?」
口休めのスルメのような物を囓りながら、サーガが問いかける。
「うん」
さすがに運命の人なのだから、男だとは思うのだけど…。
でも何が運命なのかもさっぱりわからないので、はっきりとは答えられない。
そこでにやりとサーガが笑い、自分を指さしながら、
「なら俺かも」
「ありえないわよ」
「ありえないよ」
「ありえないな」
三者三様、スッパリはっきり言い捨てた。
あまりのはっきりの否定に、ちょっと拗ねるサーガ。
んなに思いっきり否定せんでもと口を尖らせる。
「だってサーガとはもう…」
とキーナが顔を赤くする。
「もう…」
と何故か口元を手で隠すような仕草。
その行動にテルディアスとメリンダの目が光った。
メリンダが優しく、キーナの肩に手を置く。
「もう…、何? キーナちゃん」
見る人が見れば、その優しい笑顔の中、目が笑っていない事に気付いただろう。
しかし、視線が下を向いているキーナは気付かない。
「あの…、えと…」
言いにくそうに言葉を綴る。
「その…、だから…、キス…みたいなことはしてるし…」
とやっと聞き取れるほどの声量でゴニョゴニョゴニョ。
キ・ス
その言葉にテルディアスとメリンダの顔が暗くなる。
そして、二人の周りの空気が、何故か殺気を帯びてくる。
周りのテーブルにいた人達は、何故か気温が低くなった気がすると、軽く首を傾げている。
「キーナちゃん、ちょっと待っててね」
とメリンダが席を立つ。
「ちょっと…、大事な話をしなけりゃならんからな」
とテルディアスも席を立つ。
「お?」
何故かテルディアスの手がサーガの肩を掴んでいた。
「「さあこい!」」
テルディアスとメリンダがサーガの両腕を持って引き摺っていく。
「え? ちょ、おい! ちょっと、なんで…」
三人の姿は、宿屋の扉の向こうに消えていった。
訳が分からないキーナ。
(何しに行ったんだろう?)
と首を傾げる。
一人寂しく、スルメのような物を囓り、まだ未成年と言う事もあり、一応お酒は控え、ジュースを飲む。
少しした時、
「うんぎゃああああ!!」
ドゴオ!!
サーガの悲鳴が聞こえてきた。
びびる宿屋の客達。
何が起こったのか。
(今の声…、サーガ?)
とりあえずサーガに何かあったのだろうということだけは理解したキーナであったが、何故か席を立って様子を見に行こうという気持ちが起きない。
何故か座っていなければいけない気がする…。
と、宿屋の扉が開き、テルディアスとメリンダが入って来た。
二人は動かなくなったサーガを、荷物のように引き摺りながら、キーナの元へと歩いてくる。
少し焦げたサーガを、椅子に放り投げるようにぼてっと置き、何事もなかったかのように椅子に座る。
「ゴメンね~。キーナちゃん。待たせちゃって~」
といつもと変わらない笑顔を見せるメリンダ。
「う、ううん!」
その笑顔がなんだか怖くて、何も言い出せないキーナ。
「んで、今後の予定だけど…」
「ああ」
テルディアスも何事もなかったかのように、メリンダの話を聞き入る。
二人の会話をやはり何事もなかったかのように聞いていたキーナであったが、
(一体、何があったんだろう…)
この疑問は、最後まで口に出す事はできなかった。
良い子はすでに眠る時間。
街の喧騒もだいぶ収まり、親が子供達を寝かせて、夜なべに励む頃。
旅人であるキーナ達は、もちろんいい子だったので、早々にベッドに潜り込み、寝息をたてている。
キーナが気持ちよさそうな寝息をたてている横で、何度か寝返りを繰り返すメリンダ。
何度目かの寝返りで、諦めたようにベッドの上に起き上がる。
キーナの方を見て、よく寝ている事を確かめ、
「はぁ…」
と溜息をついた。
(だめだ。な~んかムラムラする…)
と頭を抱える。
(ま~、考えてみれば、もう一月以上男を取ってないんだもん、当たり前か)
栄養剤のように言い切るな。
こっそりとベッドから下り、寝間着を脱ぎ、服を着替える。
(キーナちゃんの前だとなんとなく、そーゆー気になれないというか、なっちゃいけない気がするのよね~)
キーナとて聖女というわけではない。
いずれ、好きな男に身を任せることもあるだろう。
しかし、しかし、なんというか、純粋過ぎてその辺りの話は深入りできない。
キーナの目をみていると、そんな考えを持つ事さえ罪なのではないかとさえ思ってしまう。
足音を忍ばせ、扉を開ける。
(ちょっとだけ。行ってきます)
言い訳しているわけではないが、このままでは眠る事もままならない。
ぐっすり眠るキーナをもう一度見て、ゆっくりと扉を閉めた。
できるだけ音を立てないように静かに宿屋の廊下を歩く。
と、階段から誰かが上がってくる足音が聞こえた。
こんな時間に誰かしら?と前を見ると、黄色い頭が見えてくる。
(ゲ、サーガ…)
サーガもこちらに気付く。
「およ? 姐さん」
階段を登り切り、メリンダに近づいてきた。
「こ、こんな時間に、何してたのよ」
少し後ろ暗いメリンダだったが、一応毅然とした態度を取る。
「ん? そりゃもちろん、女の子を買いに」
すっきりはっきりすっぱりさっぱり威風堂々悪びれる事もなく恥ずかしげも無く言い切ったサーガ。
なんとなく答えは分かっていたが、頭を抱えるメリンダ。
(ちょ、直情的な奴…)
普通、もう少し言い淀んだりとかするだろう。
「そーゆー姐さんこそ、男漁り?」
膝ががっくしと折れかかる。
なんだか泣きたくなってきた。
(こんな奴と同等かと思うと…、なんか情けなくなってくる…)
人の三大欲求の一つと言われる性欲。
人の営みには大切なものではあるけれど、それほどはっきりと公言できるものではない。
メリンダだって、そんなにはっきりと表だって示す事などあまりない。
「あり? 違うのか?」
「そうよ! その通りよ!」
なんだか腹が立ってサーガに突っかかる。
「おー、やっぱしぃ。んじゃ~さぁ、俺としない?」
いい考えだとばかりににっこりするサーガ。
「は?」
何アホ言っとんじゃこいつはと言う顔をするメリンダ。
「や~、なんかあんましいい子がいなくてさ~。帰って来ちまったんだよね~」
お前が女の子を選べる立場か。
とメリンダ内心で突っ込む。
「姐さん結構好みだしさ~。今から行ってもいい男いないぜ?」
とカラカラ笑う。
(こいつと…?)
目の前に立つサーガを頭から足まで眺め回す。
(顔…はまあ悪くない)
テルディアス程カッコイイと言うわけでは無いが、悪いというほどでもない。
どちらかと言えば、まあカッコイイんじゃない?くらいは言えるだろう。
(でもどう見たって15、16…)
あまり若いと経験不足で、自分は満足できない。
まあ、慣れてない楽しさというものもあるけれど。
(背もあたしより低いし…)
元々メリンダは背が高いのだから、ほとんどの男はメリンダよりも低くなってしまうと思うのだけれど、女はこの辺り基準が厳しい。
(チビのガキを相手にしてもねぇ…。余計に欲求不満になるわ~)
しばらく男を取ってないから、できるだけ満足できそうな男としたい。
できればしばらくしなくてもいいわくらいの、上手い男としたい。
まあ、そこまで上手い男なぞ、なかなか当たる事もないのだけれど。
「なーなー、いいだろ?」
メリンダの思考なんぞお構いなしに、サーガが話しかけてくる。
「絶対満足させてやっからさ~」
絶対満足。
その言葉にメリンダがピクリと反応する。
そしてチラリとサーガを見て、
「本当に? 満足させてくれるの?」
と聞く。
「ああ、もちろん」
チビのガキが、どんな自信があるというのか。
「そこまで言うなら、相手してあげてもいいけど…」
とさらりと髪をかき上げ、
「もしできなかったら、料金は倍額もらうわよ」
と不敵な笑みを浮かべた。
「ぬあ?!」
金が発生すると聞いて、サーガが焦る。
「ふふ…、やっぱり、自信ないのかしら?」
そこまで言われちゃ、男として、受けないわけに行かない。
「いーぜ! やったろうじゃん!」
「ふ…。やってみなさいよ」
そして二人の夜の戦いが始まった。
サーガの部屋にて、戦いの火蓋は切って落とされた。
メリンダの服がはらりと床に脱ぎ散らかされていく。
なまめかしい体をベッドに横たえ、サーガを誘う。
「さあ…、来て…」
サーガがひゅうと口笛を鳴らすと、いそいそとベッドに上がって行った。
暗闇に、荒い息づかいが聞こえる。
メリンダのなまめかしい体が動く。
「あ…!」
耐えきれずメリンダの口から声が漏れる。
(何こいつ…! なんで…こんな…)
「あああ…!」
(こんなに上手いの…!)
メリンダは我を忘れ、サーガのもたらす快楽に溺れた。
飲み屋兼宿屋の一角に座っていた四人組の一人が声を上げた。
「声がでかすぎるぞ」
とフードの男。
「こいつ…」
としかめ面をする少年。
「こいつって…」
と同じくしかめ面をする赤い髪の美女。
「いや…、その…」
と言い淀む黄色い髪の背の低い男。
端から見るとおかしな四人組、お馴染みキーナ一行である。
夕飯を食べながら、これまでの経緯を新しく仲間になったサーガに話していたのだ。
「ふえ~、なんか、話が大きくなってんなぁ」
「そお?」
自覚のない少年のような少女キーナが首を傾げる。
本当に本人に自覚がないので困ったものだ。
「んで、宝玉探すついでに僕の運命の人を探してるんだけど…」
言ってて何だか恥ずかしい。
「その運命の人がどういう人なのかも、よく分かってないのよね」
「うん」
と小さく首を振る。
「男とか、女とかも?」
口休めのスルメのような物を囓りながら、サーガが問いかける。
「うん」
さすがに運命の人なのだから、男だとは思うのだけど…。
でも何が運命なのかもさっぱりわからないので、はっきりとは答えられない。
そこでにやりとサーガが笑い、自分を指さしながら、
「なら俺かも」
「ありえないわよ」
「ありえないよ」
「ありえないな」
三者三様、スッパリはっきり言い捨てた。
あまりのはっきりの否定に、ちょっと拗ねるサーガ。
んなに思いっきり否定せんでもと口を尖らせる。
「だってサーガとはもう…」
とキーナが顔を赤くする。
「もう…」
と何故か口元を手で隠すような仕草。
その行動にテルディアスとメリンダの目が光った。
メリンダが優しく、キーナの肩に手を置く。
「もう…、何? キーナちゃん」
見る人が見れば、その優しい笑顔の中、目が笑っていない事に気付いただろう。
しかし、視線が下を向いているキーナは気付かない。
「あの…、えと…」
言いにくそうに言葉を綴る。
「その…、だから…、キス…みたいなことはしてるし…」
とやっと聞き取れるほどの声量でゴニョゴニョゴニョ。
キ・ス
その言葉にテルディアスとメリンダの顔が暗くなる。
そして、二人の周りの空気が、何故か殺気を帯びてくる。
周りのテーブルにいた人達は、何故か気温が低くなった気がすると、軽く首を傾げている。
「キーナちゃん、ちょっと待っててね」
とメリンダが席を立つ。
「ちょっと…、大事な話をしなけりゃならんからな」
とテルディアスも席を立つ。
「お?」
何故かテルディアスの手がサーガの肩を掴んでいた。
「「さあこい!」」
テルディアスとメリンダがサーガの両腕を持って引き摺っていく。
「え? ちょ、おい! ちょっと、なんで…」
三人の姿は、宿屋の扉の向こうに消えていった。
訳が分からないキーナ。
(何しに行ったんだろう?)
と首を傾げる。
一人寂しく、スルメのような物を囓り、まだ未成年と言う事もあり、一応お酒は控え、ジュースを飲む。
少しした時、
「うんぎゃああああ!!」
ドゴオ!!
サーガの悲鳴が聞こえてきた。
びびる宿屋の客達。
何が起こったのか。
(今の声…、サーガ?)
とりあえずサーガに何かあったのだろうということだけは理解したキーナであったが、何故か席を立って様子を見に行こうという気持ちが起きない。
何故か座っていなければいけない気がする…。
と、宿屋の扉が開き、テルディアスとメリンダが入って来た。
二人は動かなくなったサーガを、荷物のように引き摺りながら、キーナの元へと歩いてくる。
少し焦げたサーガを、椅子に放り投げるようにぼてっと置き、何事もなかったかのように椅子に座る。
「ゴメンね~。キーナちゃん。待たせちゃって~」
といつもと変わらない笑顔を見せるメリンダ。
「う、ううん!」
その笑顔がなんだか怖くて、何も言い出せないキーナ。
「んで、今後の予定だけど…」
「ああ」
テルディアスも何事もなかったかのように、メリンダの話を聞き入る。
二人の会話をやはり何事もなかったかのように聞いていたキーナであったが、
(一体、何があったんだろう…)
この疑問は、最後まで口に出す事はできなかった。
良い子はすでに眠る時間。
街の喧騒もだいぶ収まり、親が子供達を寝かせて、夜なべに励む頃。
旅人であるキーナ達は、もちろんいい子だったので、早々にベッドに潜り込み、寝息をたてている。
キーナが気持ちよさそうな寝息をたてている横で、何度か寝返りを繰り返すメリンダ。
何度目かの寝返りで、諦めたようにベッドの上に起き上がる。
キーナの方を見て、よく寝ている事を確かめ、
「はぁ…」
と溜息をついた。
(だめだ。な~んかムラムラする…)
と頭を抱える。
(ま~、考えてみれば、もう一月以上男を取ってないんだもん、当たり前か)
栄養剤のように言い切るな。
こっそりとベッドから下り、寝間着を脱ぎ、服を着替える。
(キーナちゃんの前だとなんとなく、そーゆー気になれないというか、なっちゃいけない気がするのよね~)
キーナとて聖女というわけではない。
いずれ、好きな男に身を任せることもあるだろう。
しかし、しかし、なんというか、純粋過ぎてその辺りの話は深入りできない。
キーナの目をみていると、そんな考えを持つ事さえ罪なのではないかとさえ思ってしまう。
足音を忍ばせ、扉を開ける。
(ちょっとだけ。行ってきます)
言い訳しているわけではないが、このままでは眠る事もままならない。
ぐっすり眠るキーナをもう一度見て、ゆっくりと扉を閉めた。
できるだけ音を立てないように静かに宿屋の廊下を歩く。
と、階段から誰かが上がってくる足音が聞こえた。
こんな時間に誰かしら?と前を見ると、黄色い頭が見えてくる。
(ゲ、サーガ…)
サーガもこちらに気付く。
「およ? 姐さん」
階段を登り切り、メリンダに近づいてきた。
「こ、こんな時間に、何してたのよ」
少し後ろ暗いメリンダだったが、一応毅然とした態度を取る。
「ん? そりゃもちろん、女の子を買いに」
すっきりはっきりすっぱりさっぱり威風堂々悪びれる事もなく恥ずかしげも無く言い切ったサーガ。
なんとなく答えは分かっていたが、頭を抱えるメリンダ。
(ちょ、直情的な奴…)
普通、もう少し言い淀んだりとかするだろう。
「そーゆー姐さんこそ、男漁り?」
膝ががっくしと折れかかる。
なんだか泣きたくなってきた。
(こんな奴と同等かと思うと…、なんか情けなくなってくる…)
人の三大欲求の一つと言われる性欲。
人の営みには大切なものではあるけれど、それほどはっきりと公言できるものではない。
メリンダだって、そんなにはっきりと表だって示す事などあまりない。
「あり? 違うのか?」
「そうよ! その通りよ!」
なんだか腹が立ってサーガに突っかかる。
「おー、やっぱしぃ。んじゃ~さぁ、俺としない?」
いい考えだとばかりににっこりするサーガ。
「は?」
何アホ言っとんじゃこいつはと言う顔をするメリンダ。
「や~、なんかあんましいい子がいなくてさ~。帰って来ちまったんだよね~」
お前が女の子を選べる立場か。
とメリンダ内心で突っ込む。
「姐さん結構好みだしさ~。今から行ってもいい男いないぜ?」
とカラカラ笑う。
(こいつと…?)
目の前に立つサーガを頭から足まで眺め回す。
(顔…はまあ悪くない)
テルディアス程カッコイイと言うわけでは無いが、悪いというほどでもない。
どちらかと言えば、まあカッコイイんじゃない?くらいは言えるだろう。
(でもどう見たって15、16…)
あまり若いと経験不足で、自分は満足できない。
まあ、慣れてない楽しさというものもあるけれど。
(背もあたしより低いし…)
元々メリンダは背が高いのだから、ほとんどの男はメリンダよりも低くなってしまうと思うのだけれど、女はこの辺り基準が厳しい。
(チビのガキを相手にしてもねぇ…。余計に欲求不満になるわ~)
しばらく男を取ってないから、できるだけ満足できそうな男としたい。
できればしばらくしなくてもいいわくらいの、上手い男としたい。
まあ、そこまで上手い男なぞ、なかなか当たる事もないのだけれど。
「なーなー、いいだろ?」
メリンダの思考なんぞお構いなしに、サーガが話しかけてくる。
「絶対満足させてやっからさ~」
絶対満足。
その言葉にメリンダがピクリと反応する。
そしてチラリとサーガを見て、
「本当に? 満足させてくれるの?」
と聞く。
「ああ、もちろん」
チビのガキが、どんな自信があるというのか。
「そこまで言うなら、相手してあげてもいいけど…」
とさらりと髪をかき上げ、
「もしできなかったら、料金は倍額もらうわよ」
と不敵な笑みを浮かべた。
「ぬあ?!」
金が発生すると聞いて、サーガが焦る。
「ふふ…、やっぱり、自信ないのかしら?」
そこまで言われちゃ、男として、受けないわけに行かない。
「いーぜ! やったろうじゃん!」
「ふ…。やってみなさいよ」
そして二人の夜の戦いが始まった。
サーガの部屋にて、戦いの火蓋は切って落とされた。
メリンダの服がはらりと床に脱ぎ散らかされていく。
なまめかしい体をベッドに横たえ、サーガを誘う。
「さあ…、来て…」
サーガがひゅうと口笛を鳴らすと、いそいそとベッドに上がって行った。
暗闇に、荒い息づかいが聞こえる。
メリンダのなまめかしい体が動く。
「あ…!」
耐えきれずメリンダの口から声が漏れる。
(何こいつ…! なんで…こんな…)
「あああ…!」
(こんなに上手いの…!)
メリンダは我を忘れ、サーガのもたらす快楽に溺れた。
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