102 / 296
古代魔獣の遺跡編
生理談義
しおりを挟む
朝日が差し込み、小鳥達が騒ぎ出す。
いつもと同じ、穏やかな朝。
であるのだが。
「ん…」
光に誘われて目を開けたメリンダが体を起こす。
「朝…?」
朝になっている。
いや、それはそうなのだけれど。
頭をボリボリかく。
(朝にしてはな~んか物足りないような…)
と寝ぼけた頭で考え、ふと隣のベッドに視線が移る。
そこには、布団にくるまれ、くうくうと静かな寝息をたてるキーナの姿。
その姿に違和感を感じる。
(キーナちゃんが……いる!!)
そこではたと気付く。
毎朝の目覚まし代わりになっている、テルディアスの叫び声を聞いていないのだ。
いいのかそんな日常。
いつもとの違いにメリンダが戸惑っていると、
「むにゃ?」
キーナが目を開けた。
むくりと起きだし、
「おふぁよ~、メリンダさん」
と発音定かではない朝の挨拶をする。
「お、おはよ…」
こんなに穏やかに朝の挨拶をするのも初めてだなどと思いながらも、
「め、珍しいわね。キーナちゃんがいるなんて…」
と疑問を口にする。
キーナが目をパチクリさせる。
「ああ!」
言われている意味を理解すると、何やらモジモジとし始めた。
「あの~、その~」
微かに赤らめたその顔に、メリンダがピンとくる。
「ああ! 生理?」
ズバッと聞き込む。
キーナにとってはその単語も発するのがちょっと恥ずかしいので、
「う、うん…」
とどもってしまう。
「な~んとなく、近づくと精霊の気配とか、な~んとなく感じにくくなるから…」
とモジモジモジ。
「へぇ~」
メリンダ感心。
メリンダはあまりそういうのを感じたことがない。
「まだ、なってないみたいだけど…、今日中にはなるかも…」
とモジモジモジ。
「あらまあ」
そいつは大変。
「下着は?」
「もう着けてる」
この世界にも、整理用の下着などがあるのです。
女性はそれが近づくと、なんとなく分かる人が多いので、始まる前から生理用品を着けておくことがあります。
なにせ相手は血液。
下着に付くと、洗濯でもなかなか落とせなかったりします。
下手すると下着を突き抜けて、履いてるズボンやスカートに付着することも…。
なので、そうならないためにも、始まる前から備えているのです。
閑話休題。
「なら平気ね。生理になると体調悪くなる?」
メリンダがキーナの隣に移動してきて座る。
そしておでこに手を当てた。
体調不良による発熱などがあることもあるからだ。
「うん…。生理になると…」
キーナの顔が暗く沈む。
「生理痛酷いし、体重くなるし、気分も鬱になるし、風邪も引きやすくなる…」
その時の心理状態を思い出し、いっそう気分が暗くなる。
「でも食欲はあるんだ!」
と鼻息を荒くする。
生理は病気ではない!とでも言いたげに。
「そう。なら平気ね」
食欲があれば大丈夫だろう。
「痛むってどのくらい?」
キーナが思い出してまた顔をさらに暗くする。
「悶えるくらい…」
ちなみに作者、一応生物学的に女なので、毎月生理があるのですが、中学生の頃などは、そのあまりの痛さに、五体投地のように地面に丸まり、そのあまりの痛さに、畳を爪で引っかいていたことがあります。
痛さのあまり何も考えられず、何もできない。
薬を飲むのもあまり良くないのではと信じていたあの頃は、できるだけ飲まないように頑張っておりました。
その後、社会人になり、とある人の一言で考えががらりと変わり、きちんと薬を服用するようになりました。
「痛いストレスを抱え込むより、楽になった方が体にもいいでしょ」
みたいな言葉だったと思います。
その後、卵巣破裂で病院に駆け込む事になるのですが。
閑話休題。
「あら、じゃあ薬は強いの飲んでる?」
「んっと、分かんない。とりあえず貰ったやつ」
この世界に来て、よく分からないので女将さんに貰った薬。
あれを愛用している。
「あらまあ。そか」
メリンダ立ち上がり、視線を右上に向けて考え込む。
「う~ん、あたしは痛みがないから、よく分からないのよね~」
「そーなの?!」
そんな羨ましい!
「ええ、生理が来てもいつもと変わらないのよ。さすがに魔法は弱くなるけど」
人によっては全く痛みがない人もいます。
こういう人は本当に羨ましいです。
反対に寝込んでしまうほど辛い人もいます。
まさに千差万別。
「いいなぁ。僕もそうならいいのに…」
痛みを持つ女性なら誰もが思うこと。
メリンダが寝間着を脱ぎ始める。
「カルタットで働いてた仲間の女の子に、酷い子がいたわ。痛みが酷すぎて吐いちゃうって子。一日二日は必ず寝込んでた」
人によっては、頭痛、吐き気、腰痛などもあるとか。
「あ~、酷い人は酷いって聞くよ」
一度ならず訪れたことのある保健室で、そのようなことを聞いたことがある。
「僕、まだましなのかしら?」
「どうかしらね?」
スカートを履き、ブラを着けていたメリンダが答える。
ここで一言。
人と比べてまだ自分は軽いから、などと考えないで下さい。
苦しいものは苦しい、痛いものは痛い。
できるだけ早めに病院を受診することをお勧めします。
作者のように倒れないうちに。
まあ、作者のは希だけれども。
コンコン
キーナ達の部屋の扉を叩く者がいた。
「ハイ?」
メリンダが答える。
「俺だ」
扉の向こうから聞こえてきた声は、珍しく今朝絶叫を上げなかったテルディアスのもの。
「テルだ」
「何? どうしたの?」
「いや…その…」
扉の向こうで言い淀む。
「キーナは大丈夫か?」
その言葉に引っかかりを感じた。
「あ~ん?」
”貴様何を知っている”感を漂わせ、メリンダ扉の向こうの人物に圧をかける。
「いや…、だから…その。だ、大丈夫ならいいんだ。じゃあ」
とそそくさと立ち去ろうとしたテルディアス。
素早く扉を開け、その背を向けた肩に手を置き、止めるメリンダ。
「で? どーゆーことかな?」
メリンダの方が背が低いはずなのに、何故か上から見下ろされたようになるテルディアス。
「だ、だから…」
言い淀むテルディアスを、メリンダが無理矢理部屋に引っ張り込んだ。
椅子に(無理矢理)座らされ、後ろ手に(無理矢理)縛られ、何故か尋問されるような格好になっているテルディアス。
「その…、大概、俺の所に来ない時は…、月のものが…」
男であるテルディアスにとって、月のものと口にするのも、いささか恥ずかしいことだったりする。
「だから…」
と必死に何故か言い訳めいた言葉を吐き出す。
「ハ~~~~~~ン」
と何か言いたげにテルディアスを見下ろすメリンダ。
ベッドの上で少し赤くなりながら、
「さすがに、コレの時は、何となく…」
とキーナが頭をかく。
「ヘ~~~~~~エ」
とニヤニヤ顔のメリンダ。
テルディアスにそっと顔を近づけると、
「よく分かっていらっしゃって」
とからかう。
女でなければ速攻でぶっ飛ばしてやるのに!などとテルディアスが腹の中で考えていた。
「ん、でもね。まだ来てないの」
「…そうなのか?」
さすがに細かいことまでは知りません。
「ん、でも、今日中には来そうだから、またここで泊まっていい?」
「お前が動けないなら仕方ないだろう」
「ゴメンねテル。僕のせいで足止めくっちゃって」
キーナが済まなそうにポリポリと顔をかく。
「こればかりは仕方ないだろう」
毎度の事でもあるのだし。
と口には出さない。
側ではニヤニヤと、メリンダが二人の会話を生暖かい目をして聞いていた。
その気配がうるさい。
「言いたいことがあるなら言え!」
テルディアス我慢しきれなかった。
「べ~つ~に~」
メリンダ口笛を吹いて誤魔化した。
マスクにフードのいつもの格好に戻り、テルディアスが出かけようとする。
「じゃ、俺は宿の手続きと、何か宝玉について手掛かりがないか探してくる。メリンダ、キーナを頼むぞ」
「あら」
メリンダがベッドから立ち上がった。
「あんたがついてなくていいの?」
とニヤニヤ聞いてくる。
「何で俺が? お前の方が分かるだろう?」
男のテルディアスには生理というものがさっぱり分からない。
メリンダが側に居た方が、何かとキーナも頼みやすいだろう。
「あんたの方がよく分かってるのかと思って」
メリンダがペロリと舌を出した。
からかってやがる…。
どついてやりたい衝動をなんとか堪える。
「冗談よ。手続きはよろしく頼むわ」
とメリンダやっと素直に手を振った。
「ああ、キーナを頼んだ」
少し怒気を込めて言葉を吐き捨て、テルディアスがバタンとドアを閉めて出て行った。
その後からあかんべえをするメリンダ。
「ハ~イハイ」
キーナの方を見ると、なんだかキーナがお腹を押さえている。
「キーナちゃん? どうしたの?」
テルディアスとは打って変わって優しい態度。
「ぬ…。来たかも…。痛くなってきた…」
と顔色が悪くなっていく。
「あらまあ! 来たなんて分かるのね~。薬飲む?」
「うん…。メリンダさん分かんないの?」
「あたしは分からないわね。気付いたらなってる」
メリンダが水を用意する。
「そうなんだ」
その後も、二人は生理について色々語り合った。
学校などでは教えてくれないようなこともメリンダは知っていたので、キーナにとってとても有意義な時間でもあった。
いつもと同じ、穏やかな朝。
であるのだが。
「ん…」
光に誘われて目を開けたメリンダが体を起こす。
「朝…?」
朝になっている。
いや、それはそうなのだけれど。
頭をボリボリかく。
(朝にしてはな~んか物足りないような…)
と寝ぼけた頭で考え、ふと隣のベッドに視線が移る。
そこには、布団にくるまれ、くうくうと静かな寝息をたてるキーナの姿。
その姿に違和感を感じる。
(キーナちゃんが……いる!!)
そこではたと気付く。
毎朝の目覚まし代わりになっている、テルディアスの叫び声を聞いていないのだ。
いいのかそんな日常。
いつもとの違いにメリンダが戸惑っていると、
「むにゃ?」
キーナが目を開けた。
むくりと起きだし、
「おふぁよ~、メリンダさん」
と発音定かではない朝の挨拶をする。
「お、おはよ…」
こんなに穏やかに朝の挨拶をするのも初めてだなどと思いながらも、
「め、珍しいわね。キーナちゃんがいるなんて…」
と疑問を口にする。
キーナが目をパチクリさせる。
「ああ!」
言われている意味を理解すると、何やらモジモジとし始めた。
「あの~、その~」
微かに赤らめたその顔に、メリンダがピンとくる。
「ああ! 生理?」
ズバッと聞き込む。
キーナにとってはその単語も発するのがちょっと恥ずかしいので、
「う、うん…」
とどもってしまう。
「な~んとなく、近づくと精霊の気配とか、な~んとなく感じにくくなるから…」
とモジモジモジ。
「へぇ~」
メリンダ感心。
メリンダはあまりそういうのを感じたことがない。
「まだ、なってないみたいだけど…、今日中にはなるかも…」
とモジモジモジ。
「あらまあ」
そいつは大変。
「下着は?」
「もう着けてる」
この世界にも、整理用の下着などがあるのです。
女性はそれが近づくと、なんとなく分かる人が多いので、始まる前から生理用品を着けておくことがあります。
なにせ相手は血液。
下着に付くと、洗濯でもなかなか落とせなかったりします。
下手すると下着を突き抜けて、履いてるズボンやスカートに付着することも…。
なので、そうならないためにも、始まる前から備えているのです。
閑話休題。
「なら平気ね。生理になると体調悪くなる?」
メリンダがキーナの隣に移動してきて座る。
そしておでこに手を当てた。
体調不良による発熱などがあることもあるからだ。
「うん…。生理になると…」
キーナの顔が暗く沈む。
「生理痛酷いし、体重くなるし、気分も鬱になるし、風邪も引きやすくなる…」
その時の心理状態を思い出し、いっそう気分が暗くなる。
「でも食欲はあるんだ!」
と鼻息を荒くする。
生理は病気ではない!とでも言いたげに。
「そう。なら平気ね」
食欲があれば大丈夫だろう。
「痛むってどのくらい?」
キーナが思い出してまた顔をさらに暗くする。
「悶えるくらい…」
ちなみに作者、一応生物学的に女なので、毎月生理があるのですが、中学生の頃などは、そのあまりの痛さに、五体投地のように地面に丸まり、そのあまりの痛さに、畳を爪で引っかいていたことがあります。
痛さのあまり何も考えられず、何もできない。
薬を飲むのもあまり良くないのではと信じていたあの頃は、できるだけ飲まないように頑張っておりました。
その後、社会人になり、とある人の一言で考えががらりと変わり、きちんと薬を服用するようになりました。
「痛いストレスを抱え込むより、楽になった方が体にもいいでしょ」
みたいな言葉だったと思います。
その後、卵巣破裂で病院に駆け込む事になるのですが。
閑話休題。
「あら、じゃあ薬は強いの飲んでる?」
「んっと、分かんない。とりあえず貰ったやつ」
この世界に来て、よく分からないので女将さんに貰った薬。
あれを愛用している。
「あらまあ。そか」
メリンダ立ち上がり、視線を右上に向けて考え込む。
「う~ん、あたしは痛みがないから、よく分からないのよね~」
「そーなの?!」
そんな羨ましい!
「ええ、生理が来てもいつもと変わらないのよ。さすがに魔法は弱くなるけど」
人によっては全く痛みがない人もいます。
こういう人は本当に羨ましいです。
反対に寝込んでしまうほど辛い人もいます。
まさに千差万別。
「いいなぁ。僕もそうならいいのに…」
痛みを持つ女性なら誰もが思うこと。
メリンダが寝間着を脱ぎ始める。
「カルタットで働いてた仲間の女の子に、酷い子がいたわ。痛みが酷すぎて吐いちゃうって子。一日二日は必ず寝込んでた」
人によっては、頭痛、吐き気、腰痛などもあるとか。
「あ~、酷い人は酷いって聞くよ」
一度ならず訪れたことのある保健室で、そのようなことを聞いたことがある。
「僕、まだましなのかしら?」
「どうかしらね?」
スカートを履き、ブラを着けていたメリンダが答える。
ここで一言。
人と比べてまだ自分は軽いから、などと考えないで下さい。
苦しいものは苦しい、痛いものは痛い。
できるだけ早めに病院を受診することをお勧めします。
作者のように倒れないうちに。
まあ、作者のは希だけれども。
コンコン
キーナ達の部屋の扉を叩く者がいた。
「ハイ?」
メリンダが答える。
「俺だ」
扉の向こうから聞こえてきた声は、珍しく今朝絶叫を上げなかったテルディアスのもの。
「テルだ」
「何? どうしたの?」
「いや…その…」
扉の向こうで言い淀む。
「キーナは大丈夫か?」
その言葉に引っかかりを感じた。
「あ~ん?」
”貴様何を知っている”感を漂わせ、メリンダ扉の向こうの人物に圧をかける。
「いや…、だから…その。だ、大丈夫ならいいんだ。じゃあ」
とそそくさと立ち去ろうとしたテルディアス。
素早く扉を開け、その背を向けた肩に手を置き、止めるメリンダ。
「で? どーゆーことかな?」
メリンダの方が背が低いはずなのに、何故か上から見下ろされたようになるテルディアス。
「だ、だから…」
言い淀むテルディアスを、メリンダが無理矢理部屋に引っ張り込んだ。
椅子に(無理矢理)座らされ、後ろ手に(無理矢理)縛られ、何故か尋問されるような格好になっているテルディアス。
「その…、大概、俺の所に来ない時は…、月のものが…」
男であるテルディアスにとって、月のものと口にするのも、いささか恥ずかしいことだったりする。
「だから…」
と必死に何故か言い訳めいた言葉を吐き出す。
「ハ~~~~~~ン」
と何か言いたげにテルディアスを見下ろすメリンダ。
ベッドの上で少し赤くなりながら、
「さすがに、コレの時は、何となく…」
とキーナが頭をかく。
「ヘ~~~~~~エ」
とニヤニヤ顔のメリンダ。
テルディアスにそっと顔を近づけると、
「よく分かっていらっしゃって」
とからかう。
女でなければ速攻でぶっ飛ばしてやるのに!などとテルディアスが腹の中で考えていた。
「ん、でもね。まだ来てないの」
「…そうなのか?」
さすがに細かいことまでは知りません。
「ん、でも、今日中には来そうだから、またここで泊まっていい?」
「お前が動けないなら仕方ないだろう」
「ゴメンねテル。僕のせいで足止めくっちゃって」
キーナが済まなそうにポリポリと顔をかく。
「こればかりは仕方ないだろう」
毎度の事でもあるのだし。
と口には出さない。
側ではニヤニヤと、メリンダが二人の会話を生暖かい目をして聞いていた。
その気配がうるさい。
「言いたいことがあるなら言え!」
テルディアス我慢しきれなかった。
「べ~つ~に~」
メリンダ口笛を吹いて誤魔化した。
マスクにフードのいつもの格好に戻り、テルディアスが出かけようとする。
「じゃ、俺は宿の手続きと、何か宝玉について手掛かりがないか探してくる。メリンダ、キーナを頼むぞ」
「あら」
メリンダがベッドから立ち上がった。
「あんたがついてなくていいの?」
とニヤニヤ聞いてくる。
「何で俺が? お前の方が分かるだろう?」
男のテルディアスには生理というものがさっぱり分からない。
メリンダが側に居た方が、何かとキーナも頼みやすいだろう。
「あんたの方がよく分かってるのかと思って」
メリンダがペロリと舌を出した。
からかってやがる…。
どついてやりたい衝動をなんとか堪える。
「冗談よ。手続きはよろしく頼むわ」
とメリンダやっと素直に手を振った。
「ああ、キーナを頼んだ」
少し怒気を込めて言葉を吐き捨て、テルディアスがバタンとドアを閉めて出て行った。
その後からあかんべえをするメリンダ。
「ハ~イハイ」
キーナの方を見ると、なんだかキーナがお腹を押さえている。
「キーナちゃん? どうしたの?」
テルディアスとは打って変わって優しい態度。
「ぬ…。来たかも…。痛くなってきた…」
と顔色が悪くなっていく。
「あらまあ! 来たなんて分かるのね~。薬飲む?」
「うん…。メリンダさん分かんないの?」
「あたしは分からないわね。気付いたらなってる」
メリンダが水を用意する。
「そうなんだ」
その後も、二人は生理について色々語り合った。
学校などでは教えてくれないようなこともメリンダは知っていたので、キーナにとってとても有意義な時間でもあった。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

白い結婚をめぐる二年の攻防
藍田ひびき
恋愛
「白い結婚で離縁されたなど、貴族夫人にとってはこの上ない恥だろう。だから俺のいう事を聞け」
「分かりました。二年間閨事がなければ離縁ということですね」
「え、いやその」
父が遺した伯爵位を継いだシルヴィア。叔父の勧めで結婚した夫エグモントは彼女を貶めるばかりか、爵位を寄越さなければ閨事を拒否すると言う。
だがそれはシルヴィアにとってむしろ願っても無いことだった。
妻を思い通りにしようとする夫と、それを拒否する妻の攻防戦が幕を開ける。
※ なろうにも投稿しています。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね

ご安心を、2度とその手を求める事はありません
ポチ
恋愛
大好きな婚約者様。 ‘’愛してる‘’ その言葉私の宝物だった。例え貴方の気持ちが私から離れたとしても。お飾りの妻になるかもしれないとしても・・・
それでも、私は貴方を想っていたい。 独り過ごす刻もそれだけで幸せを感じられた。たった一つの希望
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる