7 / 296
始まりの旅
怖い夢
しおりを挟む
暗闇。
真っ暗な闇。
上も下も右も左も分からない。
自分がどこに向かっているのか、何を目指しているのか。
分からないままひた走る。
ただ、ただ、独りでいるのが怖いから。
誰かにいて欲しくて。
誰かに傍にいて欲しくて。
このまま独りでいては…
「誰か!誰か―――!」
たまらずキーナは叫んだ。
しかし答える声はなく、ただ深遠の淵に飲まれるかのように消えていく。
静寂と暗闇。
たった独り。
「だれか…」
限界に来ていた。
「誰か!助けて――――――――――」
唐突に意識が目覚める。
ガバッと飛び起きる。呼吸は荒い。
息を整えながらキーナは今のが夢であったことを認識する。
(また…あの夢…)
幼い頃から何度も見る夢。
暗闇にただ独り。誰も居らず、ただ独りでいる夢。
思い出すだけで背筋がぞっとする。
「お母さん!」
と振り向いてキーナは気付いた。
自分が違う場所に来ていたことに。ここには母はいない。
(そうだ…僕…)
いつもなら母の傍に行って眠るのだ。この夢を見たあとはどうしても誰かに傍にいて欲しくなる。
(独り…)
孤独感が迫ってくる。
(独り…、独り…!)
孤独感に押し潰されそうになり、両肩を抱いた。
キーナは軽く上に羽織ると、部屋をそっと出た。
夜の廊下。もちろん人の気配はない。
微かに灯された明かりが頼りない光で廊下を照らしている。
キーナは足音を忍ばせながら隣の部屋へ向かった。
(テルの部屋は、…隣だよね)
ノブに手をかけ、扉を開けようとした。
ガ…
しかし扉は開かない。
(鍵…?)
そう、鍵がかかっているのだ。
(そういえば夕飯の後、「鍵はきちんとかけて寝ろ」って言ってたっけ)
用心深いテルディアスのことだ。
かけて寝ないわけがない。
(どうしよう…)
扉が開かなければ…
(独り…)
孤独感が押し寄せてくる。
(テル!!!)
キーナは心の中で叫んだ。
その時、
カタ、カタカタ・・・カ・・・チッ
音がした。
(?…今の音?)
鍵が外れるような音。
思い切って再びノブを回してみる。
ガチャ…
扉が開いた。
(テル!)
テルディアスが開けてくれたものと喜び勇んでキーナは扉を開けた。
しかし、
(あれ?)
テルディアスはベッドに気持よさそうに寝ている。
(寝てる? …鍵、閉まってた…よね?)
律儀に鍵を閉めなおす。
(ま、いっか)
いいのか。
静かにテルディアスに近づく。
気持よさそうな寝息を立ててテルディアスは眠っていた。
何故か上半身裸だ。
キーナがいることにまるで気付かない。
キーナはほっとしてテルの横に座った。
(よかった…。呼吸が聞こえる…)
傍に誰かがいるという安心感。自分と違う呼吸。あれほどに怖かった孤独感が綺麗に消えていく。
(安心したら眠くなってきちった)
キーナはでっかいあくびをした。
振り向くとテルディアスが気持よさそうに寝ている。
このまま自分の部屋に戻るのもめんどくさい。
ということで。
いそいそとテルディアスの横に潜り込む。こらこら。
いい感じに空いているテルディアスの脇に頭を寄せる。
テルディアスの体温を直に感じた。
(あったかいにゃ♪)
包まれる安心感。テルディアスの呼吸。
(テルの心臓の音が…聞こえる…)
トクン・・・トクン・・・トクン・・・
そのうちに暗闇の中に、二つの呼吸が聞こえるようになった。
夜の闇は二人を優しく包み込む。
小鳥が鳴いている。
朝のさわやかな光の中を、朝食でも探しているのか。屋根をチョンチョン歩く音も聞こえてくる。
窓からの光は暖かい。光を、音を感じてテルディアスは目覚めた。
(久しぶりにベッドで寝た。よく寝ちまったな…)
ずっと野宿をしていたのだ。硬いベッドでもかなり有難かった。
(なんだか嫌に温かかったような…)
腕の中からスースーと寝息が聞こえる。
なんで?
テルディアスの意識は急速に目覚めた。
顔から血の気が引いていく。
嫌な汗が出てきた。
腕の中では気持よさそうな寝息をたてて、誰か寝ている。
軽く茶色がかった柔らかな髪。
この頭は昨日から見ているものではないか?
「どうわっ」
近所に思いっきり迷惑な大声を上げてテルディアスはベッドから転げ落ちた。
「にゃんらっ???」
思わずキーナも飛び起きた。
「ん?」
ベッドからさかさまに足が生えている?いや、転げ落ちたテルディアスの足だった。
「つ、痛つ…」
テルディアスがぶつけたのか、頭を抑えながら起き上がった。
「どうしたの?テル?」
キーナは素直に聞いた。
「どうしたもこうしたも!何でお前俺のベッドにいる―――!」
又近所にご迷惑になりそうな大声を出した。
「なんだそんなこと」
キーナはあっけらかんと言った。
「そんなことって…」
テルディアスは軽い絶望を覚えながらつぶやいた。
「怖い夢見ちゃってさあ、一人じゃ怖くて眠れなくなっちって」
キーナはテレテレと頭をかきながら言った。全然悪ぶれている様子もない。
「お前…ガキか…」
テルディアスが怒りをこらえながら言った。
「ひどい!僕もう十四よ!」
キーナがプンプンとしながら言った。
「だったら!」
テルディアスがこらえていた怒りを吐き出すようにベッドを叩いた。
「男のベッドに忍び込んで来るな…!」
怒りをあらわにした迫力のある顔でテルディアスはキーナに迫った。しかしそんなことなど気にもせず、キーナはケロリンと答えた。
「だって怖かったんだもん」
テルディアスはがっくりと肩を落とす。
「だとしてもだ! 万一のことがあったら! どうする気だ!」
怒りやらなんやらよく分からない感情をすべてぶつけるかのように、テルディアスはもう一度ベッドを拳で叩きつけた。
しかし、キョトンとしながらキーナが言う。
「万が一って何?」
…テルディアスが言葉に詰まって赤くなる。
どう言えばいいかも分からず冷や汗だらだら。
テルディアスはベッドの足もとで頭と膝を抱えこんだ。
軽いパニックに陥って頭の中はぐちゃぐちゃだ。
「だってさ、すごく怖い夢なんだよ」
キーナがしょぼんとした顔で言った。
「暗闇に僕独りなの。呼んでも誰もいないの…。探し回るんだけどやっぱり誰もいないの…」
キーナが余程怖いのか、震えながら自分の肩を抱く。
「目を覚ますといつもお母さんが抱きしめてくれるんだけど…、でも…今は…いないから・・・」
テルディアスははっとした。
(「お母さん…」)
とキーナが寝言で呟いていたことに。
「このまま…ずっと…、独りだったらどうしようって…思って…」
震える自分の体を抑えるように肩を強く抱いたままキーナは言った。
ポスっとキーナの頭にテルディアスの手が置かれる。テルがベッドに腰を下ろした。
「? テル?」
「分かったからもう言うな」
優しくテルディアスは言った。
キーナは安心したのかテルディアスを見て眼を潤ませた。
「その夢はいつも見るのか?」
「この頃は見てなかったの」
軽く眼をこする。
「じゃあ見たときだけでも一緒に寝てやれば…」
言いながらテルディアスは自分がとんでもないことを言っている気がしてきた。
一緒に寝る?添い寝?女と?
汗が一筋タラッと垂れる。
いくらなんでも年頃の男と(一応年頃の)女が一緒に寝るわけには…。
「やっぱそれはまずい…」
ダリダリと汗をかきながら必死に考えるがいい案など思いつくわけもない。
「独りでないって思えればいいの」
キーナが切り出す。
「テルの呼吸の音聞いただけでもう安心できてたんだけどね♪自分の部屋に戻るのも面倒だし、テルがあんまり気持よさそうに眠ってるもんだからつい一緒にね♪」
つい
で済まされることか?
「で…」
「で?」
「出てけ―――!!!」
又ご近所に迷惑になりそうなほどの大声を上げながら、テルディアスは勢いよくキーナを部屋の外に放り出した!
バタン!
と勢いよく扉を閉める。
ぶつけたお尻をさすりながら、
「何なのさ一体…」
キーナはテルディアスの部屋を見つめた。
いくら見つめてもその扉は開きそうにない。
「どこの誰だ!朝っぱらから騒いでる奴は!」
不機嫌そうな声があちこちから上がってきた。
慌ててキーナはそ知らぬフリをしながら自分の部屋へ戻っていった。
その頃テルディアスは…。
扉に背中を預け、ゼハゼハと息をついていた。
全く持って常識の外れた少女の相手は疲れるものなのだ。
(こちとらただでさえ人の温もりとは縁遠かったのに、ましてや女なんて…! ガキに色気を感じてしまう自分が怖い!)
腕の中の温もり、柔らかさ。
まだまだ未発達とはいえ、触れていたからだのラインに一瞬ドキッとしてしまったのだ。
(それよりも何よりも!あいつには女の自覚ってもんがないのか―――!)
床で頭を抱えたままうずくまり、テルディアスが独りうんうん悩んでいた頃…。
キーナはそんなことなど露知らず、人目も気にせず(部屋の中だからそんなものないが、せめて窓には気を使いましょう)着替えていた。
女の自覚は…あまりないんじゃないかい?
真っ暗な闇。
上も下も右も左も分からない。
自分がどこに向かっているのか、何を目指しているのか。
分からないままひた走る。
ただ、ただ、独りでいるのが怖いから。
誰かにいて欲しくて。
誰かに傍にいて欲しくて。
このまま独りでいては…
「誰か!誰か―――!」
たまらずキーナは叫んだ。
しかし答える声はなく、ただ深遠の淵に飲まれるかのように消えていく。
静寂と暗闇。
たった独り。
「だれか…」
限界に来ていた。
「誰か!助けて――――――――――」
唐突に意識が目覚める。
ガバッと飛び起きる。呼吸は荒い。
息を整えながらキーナは今のが夢であったことを認識する。
(また…あの夢…)
幼い頃から何度も見る夢。
暗闇にただ独り。誰も居らず、ただ独りでいる夢。
思い出すだけで背筋がぞっとする。
「お母さん!」
と振り向いてキーナは気付いた。
自分が違う場所に来ていたことに。ここには母はいない。
(そうだ…僕…)
いつもなら母の傍に行って眠るのだ。この夢を見たあとはどうしても誰かに傍にいて欲しくなる。
(独り…)
孤独感が迫ってくる。
(独り…、独り…!)
孤独感に押し潰されそうになり、両肩を抱いた。
キーナは軽く上に羽織ると、部屋をそっと出た。
夜の廊下。もちろん人の気配はない。
微かに灯された明かりが頼りない光で廊下を照らしている。
キーナは足音を忍ばせながら隣の部屋へ向かった。
(テルの部屋は、…隣だよね)
ノブに手をかけ、扉を開けようとした。
ガ…
しかし扉は開かない。
(鍵…?)
そう、鍵がかかっているのだ。
(そういえば夕飯の後、「鍵はきちんとかけて寝ろ」って言ってたっけ)
用心深いテルディアスのことだ。
かけて寝ないわけがない。
(どうしよう…)
扉が開かなければ…
(独り…)
孤独感が押し寄せてくる。
(テル!!!)
キーナは心の中で叫んだ。
その時、
カタ、カタカタ・・・カ・・・チッ
音がした。
(?…今の音?)
鍵が外れるような音。
思い切って再びノブを回してみる。
ガチャ…
扉が開いた。
(テル!)
テルディアスが開けてくれたものと喜び勇んでキーナは扉を開けた。
しかし、
(あれ?)
テルディアスはベッドに気持よさそうに寝ている。
(寝てる? …鍵、閉まってた…よね?)
律儀に鍵を閉めなおす。
(ま、いっか)
いいのか。
静かにテルディアスに近づく。
気持よさそうな寝息を立ててテルディアスは眠っていた。
何故か上半身裸だ。
キーナがいることにまるで気付かない。
キーナはほっとしてテルの横に座った。
(よかった…。呼吸が聞こえる…)
傍に誰かがいるという安心感。自分と違う呼吸。あれほどに怖かった孤独感が綺麗に消えていく。
(安心したら眠くなってきちった)
キーナはでっかいあくびをした。
振り向くとテルディアスが気持よさそうに寝ている。
このまま自分の部屋に戻るのもめんどくさい。
ということで。
いそいそとテルディアスの横に潜り込む。こらこら。
いい感じに空いているテルディアスの脇に頭を寄せる。
テルディアスの体温を直に感じた。
(あったかいにゃ♪)
包まれる安心感。テルディアスの呼吸。
(テルの心臓の音が…聞こえる…)
トクン・・・トクン・・・トクン・・・
そのうちに暗闇の中に、二つの呼吸が聞こえるようになった。
夜の闇は二人を優しく包み込む。
小鳥が鳴いている。
朝のさわやかな光の中を、朝食でも探しているのか。屋根をチョンチョン歩く音も聞こえてくる。
窓からの光は暖かい。光を、音を感じてテルディアスは目覚めた。
(久しぶりにベッドで寝た。よく寝ちまったな…)
ずっと野宿をしていたのだ。硬いベッドでもかなり有難かった。
(なんだか嫌に温かかったような…)
腕の中からスースーと寝息が聞こえる。
なんで?
テルディアスの意識は急速に目覚めた。
顔から血の気が引いていく。
嫌な汗が出てきた。
腕の中では気持よさそうな寝息をたてて、誰か寝ている。
軽く茶色がかった柔らかな髪。
この頭は昨日から見ているものではないか?
「どうわっ」
近所に思いっきり迷惑な大声を上げてテルディアスはベッドから転げ落ちた。
「にゃんらっ???」
思わずキーナも飛び起きた。
「ん?」
ベッドからさかさまに足が生えている?いや、転げ落ちたテルディアスの足だった。
「つ、痛つ…」
テルディアスがぶつけたのか、頭を抑えながら起き上がった。
「どうしたの?テル?」
キーナは素直に聞いた。
「どうしたもこうしたも!何でお前俺のベッドにいる―――!」
又近所にご迷惑になりそうな大声を出した。
「なんだそんなこと」
キーナはあっけらかんと言った。
「そんなことって…」
テルディアスは軽い絶望を覚えながらつぶやいた。
「怖い夢見ちゃってさあ、一人じゃ怖くて眠れなくなっちって」
キーナはテレテレと頭をかきながら言った。全然悪ぶれている様子もない。
「お前…ガキか…」
テルディアスが怒りをこらえながら言った。
「ひどい!僕もう十四よ!」
キーナがプンプンとしながら言った。
「だったら!」
テルディアスがこらえていた怒りを吐き出すようにベッドを叩いた。
「男のベッドに忍び込んで来るな…!」
怒りをあらわにした迫力のある顔でテルディアスはキーナに迫った。しかしそんなことなど気にもせず、キーナはケロリンと答えた。
「だって怖かったんだもん」
テルディアスはがっくりと肩を落とす。
「だとしてもだ! 万一のことがあったら! どうする気だ!」
怒りやらなんやらよく分からない感情をすべてぶつけるかのように、テルディアスはもう一度ベッドを拳で叩きつけた。
しかし、キョトンとしながらキーナが言う。
「万が一って何?」
…テルディアスが言葉に詰まって赤くなる。
どう言えばいいかも分からず冷や汗だらだら。
テルディアスはベッドの足もとで頭と膝を抱えこんだ。
軽いパニックに陥って頭の中はぐちゃぐちゃだ。
「だってさ、すごく怖い夢なんだよ」
キーナがしょぼんとした顔で言った。
「暗闇に僕独りなの。呼んでも誰もいないの…。探し回るんだけどやっぱり誰もいないの…」
キーナが余程怖いのか、震えながら自分の肩を抱く。
「目を覚ますといつもお母さんが抱きしめてくれるんだけど…、でも…今は…いないから・・・」
テルディアスははっとした。
(「お母さん…」)
とキーナが寝言で呟いていたことに。
「このまま…ずっと…、独りだったらどうしようって…思って…」
震える自分の体を抑えるように肩を強く抱いたままキーナは言った。
ポスっとキーナの頭にテルディアスの手が置かれる。テルがベッドに腰を下ろした。
「? テル?」
「分かったからもう言うな」
優しくテルディアスは言った。
キーナは安心したのかテルディアスを見て眼を潤ませた。
「その夢はいつも見るのか?」
「この頃は見てなかったの」
軽く眼をこする。
「じゃあ見たときだけでも一緒に寝てやれば…」
言いながらテルディアスは自分がとんでもないことを言っている気がしてきた。
一緒に寝る?添い寝?女と?
汗が一筋タラッと垂れる。
いくらなんでも年頃の男と(一応年頃の)女が一緒に寝るわけには…。
「やっぱそれはまずい…」
ダリダリと汗をかきながら必死に考えるがいい案など思いつくわけもない。
「独りでないって思えればいいの」
キーナが切り出す。
「テルの呼吸の音聞いただけでもう安心できてたんだけどね♪自分の部屋に戻るのも面倒だし、テルがあんまり気持よさそうに眠ってるもんだからつい一緒にね♪」
つい
で済まされることか?
「で…」
「で?」
「出てけ―――!!!」
又ご近所に迷惑になりそうなほどの大声を上げながら、テルディアスは勢いよくキーナを部屋の外に放り出した!
バタン!
と勢いよく扉を閉める。
ぶつけたお尻をさすりながら、
「何なのさ一体…」
キーナはテルディアスの部屋を見つめた。
いくら見つめてもその扉は開きそうにない。
「どこの誰だ!朝っぱらから騒いでる奴は!」
不機嫌そうな声があちこちから上がってきた。
慌ててキーナはそ知らぬフリをしながら自分の部屋へ戻っていった。
その頃テルディアスは…。
扉に背中を預け、ゼハゼハと息をついていた。
全く持って常識の外れた少女の相手は疲れるものなのだ。
(こちとらただでさえ人の温もりとは縁遠かったのに、ましてや女なんて…! ガキに色気を感じてしまう自分が怖い!)
腕の中の温もり、柔らかさ。
まだまだ未発達とはいえ、触れていたからだのラインに一瞬ドキッとしてしまったのだ。
(それよりも何よりも!あいつには女の自覚ってもんがないのか―――!)
床で頭を抱えたままうずくまり、テルディアスが独りうんうん悩んでいた頃…。
キーナはそんなことなど露知らず、人目も気にせず(部屋の中だからそんなものないが、せめて窓には気を使いましょう)着替えていた。
女の自覚は…あまりないんじゃないかい?
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

白い結婚をめぐる二年の攻防
藍田ひびき
恋愛
「白い結婚で離縁されたなど、貴族夫人にとってはこの上ない恥だろう。だから俺のいう事を聞け」
「分かりました。二年間閨事がなければ離縁ということですね」
「え、いやその」
父が遺した伯爵位を継いだシルヴィア。叔父の勧めで結婚した夫エグモントは彼女を貶めるばかりか、爵位を寄越さなければ閨事を拒否すると言う。
だがそれはシルヴィアにとってむしろ願っても無いことだった。
妻を思い通りにしようとする夫と、それを拒否する妻の攻防戦が幕を開ける。
※ なろうにも投稿しています。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。

1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる