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黒猫と共に迷い込む
逃げろ逃げろ!
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どことも知れぬ森の中。明かりを点けることも出来ずに、息を殺して気配を絶つ。もう夜だが、うかうか寝てもいられない。
「ち、我が輩に犬のような持久力がないのが悔しいの」
猫は短距離ランナーだ。犬の様に長い時間走ることは苦手だ。
度々休憩を取りつつ、夜の中を突き進む。はっきり言って、私にはどこをどう進んでいるのか分からない。夜闇に目が利くのは猫の特性。森の中を凄い速さで移動しているのだが、私には時折差し込む細い月明かり以外は何も見えていないので、風を感じて進んでいるのが分かるくらいだ。
「出来れば夜のうちに国境を越えてしまいたいのだがの。せめて領地を抜けられれば…」
「国境は難しくない?」
「うむ。どこかに隠れてやり過ごして、明日にでも国境を越えるしかないかの」
クロさん、何気に移動速度速いよ。
途中からおんぶしてもらっているので、背中で寝ていてもいいとは言われたが、さすがにこんな状況で寝られるほど、私の神経は図太くなかったらしい。
どこに向かっているのかも分からないまま、夜の森を、時に枝から枝を忍者の様に、時に森から出て道らしき所を横切ったりしながら、私達は子爵からできるだけ距離を取った。
ある意味、暗闇ジェットコースター。前が見えない分恐怖倍増。
夜が明けて来た頃、昼間の移動は危険だとクロが言うので、見つけた木の洞で休むことにした。普通は夜の方が危ないんだけどね。
「八重子、喉は渇いてるかの?」
「そういえば、乾いてるね」
「腹も減ってるかの?」
「そういえば、減るもんだね」
「ならば、これでとりあえず満たしておけ」
「ありがとう。って、クロさん、今これ、どこから出した?」
「・・・。ポッケから・・・」
「出せる量じゃないよね?」
「・・・・・・」
クロが来ているコートのポッケから、水の入ったペットボトルと、携帯食料を取り出した。
いや、携帯食料くらいならなんとかポケットに入るかもしれないけどね? ペットボトルは無理でしょう。入ってたらポケットの形が変わってるはずだし。
「これ、リュックに入れてた私のペットボトルのような気がするけど…」
「気のせいだの」
「水を入れてた記憶はないんだけど…」
「気のせいだの。いらんのか? いらんのなら我が輩がいただくぞ」
「いえ。ありがたく貰いますけど、クロ、何か隠してない?」
あからさまに顔を逸らすな。
「夜までゆっくり休むのだの。我が輩は見張りをしておる」
「クロ? 隠してるよね?」
こっち見ろ。
バツの悪そうな顔をして、クロがこちらに顔を向けた。
携帯食料をしゃぶりながら、話すように促す。
真一文字に閉じていた口を、重そうに開き、さめざめと溜息を吐いて、クロが話し始めた。
「実は…、八重子にはあまり言いたくはなかったのだが…、我が輩は、所謂、空間収納という技を持っておって…」
「ク~ロ~さ~ん~」
「待て、落ち着けだの。八重子が考えているほど便利な物ではない。ラノベなどで語られるような時間停止のような機能もないし、取り出しなどは我が輩でなければできぬ。分かるであろう?」
「でも! 荷物! もっと減らせた! ていうか、もっと色々買えたんじゃ?!」
「落ち着け八重子! 時間停止がないということは、できたての料理を買っておいても、食べる頃には冷めておる。物を入れておけば、それだけ酸化、老化、劣化は進むのだの! それにだ、我が輩は普段は元の姿の猫であったし、猫の姿でこの方法を使うわけにもいかぬであろう! それにだ、この世界には空間収納という知識はなさそうだったから!」
捲し立てられたクロの言い訳を聞いて、まあ納得しておいてやる。
確かに、猫の姿で人前で空間から物を出し入れなど出来るはずはないし、時間停止がないのならば確かに料理を保存してはおけない。
「でもさあ、私が持って来た向こうの荷物とか、入れておけたよね?」
服とか服とか服とか。いや、服って結構重いし嵩張るんだよ?
「まあ…、できぬこともないが…」
「ク~ロ~さ~ん~」
とっちめてやろうかと身構えるも、クロが何かにハッとして、私の口を塞いできた。
もちろん、手で、ね。こんな所でラブロマンスはないからね。相手猫だし。
「静かに。追っ手らしい」
クロが囁いた。いや、その良い声で囁かれると、ちょっとドキッとしてしまうのだが。いや、そういう場合じゃない。
サク、サク、と確かに何かの足音がする。
段々と近づいて来る。心臓がドキドキとうるさい。緊張で体を動かすことも出来ず、ただ洞の入り口を見つめていた。
「ウウ~」
低い唸り声。犬系の魔獣かもしれない。
サクサクと足音は近づき、ついには洞の入り口に頭が見えた。
見つかった?!
ぎゅっと目を瞑る。襲いかかられて喉笛を噛み切られるとか、いやその前にクロが守ってくれるのだろうけど、こんな狭い中で?!
そんなことを考えるも、いつまでたっても入ってくる様子はない。
恐る恐る目を開けてみれば、ふんふんと洞の入り口辺りの臭いを嗅ぎながらも、何故かそいつはこちらに気付かないようで、そのまま通り過ぎて行った。
通り過ぎて大分経った頃、クロが口から手を放してくれたので、「はあ~~~~~」と大袈裟に溜息を吐く。
「クロ、何かしてくれてたの?」
「うむ。何もせずにこの中に入るわけがないのだの」
ですよね。
緊張で余計に乾いた喉に水を流し込み、携帯食料を無理矢理お腹に入れて、私はクロが勧めるままに壁に背をつけて休む。
クロは1週間くらい飲まず食わずの不眠不休でも動けるのだそうな。妖ってそんなに体力あるものなの?
人は、いや、人にもよるかもしれないけど、私はそんな事ができるはずもないので、クロに任せて目を閉じた。緊張で眠れないかもしれないかと思ったけど、疲れていたのか、すぐに睡魔に身を委ねる事になったのだった。
目が覚めると、すでに暗くなって来ていた。
いつの間に汲んで来たのか満タンになっていたペットボトルから水を飲み、再び携帯食料を無理矢理腹に詰め込む。
これだけ味気なくて面白くもない、食欲も湧かない食事も初めてだわ。
再びクロの背にご厄介になりながら、夜の森を突き進んでいく。暗闇ジェットコースター再び。
どれくらい進んだのか、クロが言った。
「どうやら、領地は抜けたようだの」
「そんな事も分かるの?」
「なんとなく、臭いで」
「マーキングか」
しかし油断はせずに、そのまま突っ走る。もちろん時折休みながら。
「ありがたい。もうすぐ国境らしいの」
「え?! 早くない?!」
まあ、私には現在地がさっぱり分かっていないのだけど。
夜明けが近づいて来た頃、国境を越えたとクロが言った。
「これで、ひとまず追跡は振り切れた?」
「多分。他所の国にまで追いかけてくれば、それなりに国際問題になるだろうしの」
先程までとは違い、少し速度を落としたクロ。
「国境なんてどこにあった?」
「この森の、真ん中辺りだの。この森を抜ければ、多分安全だの」
「あれ? 壁とかあった?」
「あるわけなかろう。こういう所は、森や山や川などで国境を区切っておるのだの。関所があるのは街道の方だけだの」
「それって、密入国し放題なんじゃ…」
「普通はせぬな。なにせ、我が輩だから森を突っ切って来れたが、普通の人間ならば、魔獣に襲われてただでは済まぬだろうの」
「ああ、そういうものか…」
そうでした。異世界でしたね。
「で、ここは何処の国?」
「一番近い所を目指したからの。光の宮の国だの」
おおう、宗教国家に逆戻りかぁ。
「ち、我が輩に犬のような持久力がないのが悔しいの」
猫は短距離ランナーだ。犬の様に長い時間走ることは苦手だ。
度々休憩を取りつつ、夜の中を突き進む。はっきり言って、私にはどこをどう進んでいるのか分からない。夜闇に目が利くのは猫の特性。森の中を凄い速さで移動しているのだが、私には時折差し込む細い月明かり以外は何も見えていないので、風を感じて進んでいるのが分かるくらいだ。
「出来れば夜のうちに国境を越えてしまいたいのだがの。せめて領地を抜けられれば…」
「国境は難しくない?」
「うむ。どこかに隠れてやり過ごして、明日にでも国境を越えるしかないかの」
クロさん、何気に移動速度速いよ。
途中からおんぶしてもらっているので、背中で寝ていてもいいとは言われたが、さすがにこんな状況で寝られるほど、私の神経は図太くなかったらしい。
どこに向かっているのかも分からないまま、夜の森を、時に枝から枝を忍者の様に、時に森から出て道らしき所を横切ったりしながら、私達は子爵からできるだけ距離を取った。
ある意味、暗闇ジェットコースター。前が見えない分恐怖倍増。
夜が明けて来た頃、昼間の移動は危険だとクロが言うので、見つけた木の洞で休むことにした。普通は夜の方が危ないんだけどね。
「八重子、喉は渇いてるかの?」
「そういえば、乾いてるね」
「腹も減ってるかの?」
「そういえば、減るもんだね」
「ならば、これでとりあえず満たしておけ」
「ありがとう。って、クロさん、今これ、どこから出した?」
「・・・。ポッケから・・・」
「出せる量じゃないよね?」
「・・・・・・」
クロが来ているコートのポッケから、水の入ったペットボトルと、携帯食料を取り出した。
いや、携帯食料くらいならなんとかポケットに入るかもしれないけどね? ペットボトルは無理でしょう。入ってたらポケットの形が変わってるはずだし。
「これ、リュックに入れてた私のペットボトルのような気がするけど…」
「気のせいだの」
「水を入れてた記憶はないんだけど…」
「気のせいだの。いらんのか? いらんのなら我が輩がいただくぞ」
「いえ。ありがたく貰いますけど、クロ、何か隠してない?」
あからさまに顔を逸らすな。
「夜までゆっくり休むのだの。我が輩は見張りをしておる」
「クロ? 隠してるよね?」
こっち見ろ。
バツの悪そうな顔をして、クロがこちらに顔を向けた。
携帯食料をしゃぶりながら、話すように促す。
真一文字に閉じていた口を、重そうに開き、さめざめと溜息を吐いて、クロが話し始めた。
「実は…、八重子にはあまり言いたくはなかったのだが…、我が輩は、所謂、空間収納という技を持っておって…」
「ク~ロ~さ~ん~」
「待て、落ち着けだの。八重子が考えているほど便利な物ではない。ラノベなどで語られるような時間停止のような機能もないし、取り出しなどは我が輩でなければできぬ。分かるであろう?」
「でも! 荷物! もっと減らせた! ていうか、もっと色々買えたんじゃ?!」
「落ち着け八重子! 時間停止がないということは、できたての料理を買っておいても、食べる頃には冷めておる。物を入れておけば、それだけ酸化、老化、劣化は進むのだの! それにだ、我が輩は普段は元の姿の猫であったし、猫の姿でこの方法を使うわけにもいかぬであろう! それにだ、この世界には空間収納という知識はなさそうだったから!」
捲し立てられたクロの言い訳を聞いて、まあ納得しておいてやる。
確かに、猫の姿で人前で空間から物を出し入れなど出来るはずはないし、時間停止がないのならば確かに料理を保存してはおけない。
「でもさあ、私が持って来た向こうの荷物とか、入れておけたよね?」
服とか服とか服とか。いや、服って結構重いし嵩張るんだよ?
「まあ…、できぬこともないが…」
「ク~ロ~さ~ん~」
とっちめてやろうかと身構えるも、クロが何かにハッとして、私の口を塞いできた。
もちろん、手で、ね。こんな所でラブロマンスはないからね。相手猫だし。
「静かに。追っ手らしい」
クロが囁いた。いや、その良い声で囁かれると、ちょっとドキッとしてしまうのだが。いや、そういう場合じゃない。
サク、サク、と確かに何かの足音がする。
段々と近づいて来る。心臓がドキドキとうるさい。緊張で体を動かすことも出来ず、ただ洞の入り口を見つめていた。
「ウウ~」
低い唸り声。犬系の魔獣かもしれない。
サクサクと足音は近づき、ついには洞の入り口に頭が見えた。
見つかった?!
ぎゅっと目を瞑る。襲いかかられて喉笛を噛み切られるとか、いやその前にクロが守ってくれるのだろうけど、こんな狭い中で?!
そんなことを考えるも、いつまでたっても入ってくる様子はない。
恐る恐る目を開けてみれば、ふんふんと洞の入り口辺りの臭いを嗅ぎながらも、何故かそいつはこちらに気付かないようで、そのまま通り過ぎて行った。
通り過ぎて大分経った頃、クロが口から手を放してくれたので、「はあ~~~~~」と大袈裟に溜息を吐く。
「クロ、何かしてくれてたの?」
「うむ。何もせずにこの中に入るわけがないのだの」
ですよね。
緊張で余計に乾いた喉に水を流し込み、携帯食料を無理矢理お腹に入れて、私はクロが勧めるままに壁に背をつけて休む。
クロは1週間くらい飲まず食わずの不眠不休でも動けるのだそうな。妖ってそんなに体力あるものなの?
人は、いや、人にもよるかもしれないけど、私はそんな事ができるはずもないので、クロに任せて目を閉じた。緊張で眠れないかもしれないかと思ったけど、疲れていたのか、すぐに睡魔に身を委ねる事になったのだった。
目が覚めると、すでに暗くなって来ていた。
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これだけ味気なくて面白くもない、食欲も湧かない食事も初めてだわ。
再びクロの背にご厄介になりながら、夜の森を突き進んでいく。暗闇ジェットコースター再び。
どれくらい進んだのか、クロが言った。
「どうやら、領地は抜けたようだの」
「そんな事も分かるの?」
「なんとなく、臭いで」
「マーキングか」
しかし油断はせずに、そのまま突っ走る。もちろん時折休みながら。
「ありがたい。もうすぐ国境らしいの」
「え?! 早くない?!」
まあ、私には現在地がさっぱり分かっていないのだけど。
夜明けが近づいて来た頃、国境を越えたとクロが言った。
「これで、ひとまず追跡は振り切れた?」
「多分。他所の国にまで追いかけてくれば、それなりに国際問題になるだろうしの」
先程までとは違い、少し速度を落としたクロ。
「国境なんてどこにあった?」
「この森の、真ん中辺りだの。この森を抜ければ、多分安全だの」
「あれ? 壁とかあった?」
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「それって、密入国し放題なんじゃ…」
「普通はせぬな。なにせ、我が輩だから森を突っ切って来れたが、普通の人間ならば、魔獣に襲われてただでは済まぬだろうの」
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