146 / 194
黒猫と共に迷い込む
獣人の国へ行こう
しおりを挟む
再び不法上空侵入を繰り返し、ドラゴンの里のある山から更に北西へ。
山に囲まれた土地が見えてくる。
「地図的にはあそこら辺だわね」
私が地図オンチでなければ。
「分からなければ、降りて聞いてみれば良い」
「そうだね、クレナイ」
ということで、ちょっと関所っぽくなっている所から離れた所に降りる。
そして歩いて関所、じゃないか、国境なのかな?だとしたら随分小さな国に見えるけど。
山をくり抜いて道を敷いており、その前に衛兵さんらしき人…、じゃない、モフモフさんが立っている!しかもあの立派な鬣は、猫科の動物の中でも大型で、百獣の王と呼ばれるあの有名なお方ではないか!
「ハアハア、鬣…」
「八重子、まて、まずは命の危険を感じろ」
「は! そうでした」
最強肉食獣の前に行くのにハアハアしてたら駄目ですね。
「何者だ?」
近づく私達を見つけ、ライオンさんが睨んできた。
あああ、その眼光も殺されそうで恍惚…。じゃなくて。
「こんにちは。ここは、獣人の国ですか?」
「…。そうだが。何しに来た?」
「観光に」
「・・・・・・」
あれ?変な事言った?
「観光、だと?」
何故そんなに怖い顔をされるのでしょうか。
「そう言って我が国の者を攫って行くのだろう?」
「ええ?! そんな事しませんよ?!」
くそう、ここでも同じ人間の仕業で何か疑われているのか!
「あの、私も同じ獣人です」
そう言ってコハクが帽子を取る。
可愛い黄色の丸いお耳がぴょこんと出てくる。いつ見ても可愛い。ハアハア。
「ん? お前は…、攫われた虎人族か?! なんで人間と…! そうか、奴隷か…」
確かに奴隷ではありますけどね。なんでさっきより目つきが怖くなってるのでしょう。
「奴隷を捕まえに来たのか? 新たに奴隷が欲しいとでも? どこまで我らをバカにするのか…」
「いいえ! 違います! 奴隷なんていりませんて!」
「確かに私はこの方の奴隷ですが、この方には助けて頂いているのです!」
コハクが前に出た。
「奴隷になっているのに、助けられている? どういうことだ?」
「私は幼い頃に捕まって、奴隷にされました。その後、酷い扱いを受けて、それまでの記憶をなくしました。そして、病も患ってしまったのです。でも、この方は、そんな私を買い取ってくれて、しかも妖精さんに頼んで、毎日痛みを取ってくれているんです! そんなお方の元で、私が不当な扱いを受けていると思いますか?!」
コハクの剣幕に、ライオンさんもタジタジとなる。
「だ、だが、お前は奴隷のままで…」
「それも買い上げた直後に、奴隷紋を外そうかとも仰って下さいました! でも、只人の街にいては、私のような子供の獣人はいつ攫われてしまうかもしれない。なので、奴隷紋をあえて取らず、私を保護していてくれたのです!」
そうなのよね。いくらコハクが力があるっていってもまだ10歳の少女。しかも成長不良で小さめ。大男にひょいっと担がれて持って行かれちゃうかもしれないってね。現に1度誘拐されたし…。
「い、いや、だが、しかし…」
ライオンさんはまだ理由を探しているようだ。
「その子の言う事は本当じゃぞ。妾達がそれを証言するのじゃ」
クレナイが前に出て来た。
「ふん、只人の言うことなぞ、誰が信用するものか」
「おや? 其方には妾達が人に見えると?」
クレナイからあの怖い気配がだだ漏れてきた。
「え…? なん…」
「そうじゃのう。見ないと分からぬか。と言っても妾では危ないし。ハヤテ、元の姿に戻ってみい」
「あい!」
良い返事をして、ハヤテがグリフォンの姿にドロン。目を丸くするライオンさん。
「こちらの白いお方はペガサス。そして妾はドラゴンが人化しておる。さて、これでも妾の言葉は信じられぬか?」
「ど、ドラゴン…?!」
ライオンさんの顔が引き攣っている。
「ま、まさか、いや、だって、あの誇り高きドラゴンが、何故只人なんかと…、ってこっちの只人もまさか?!」
「いや、そのお方は紛れもないただの人じゃ」
ただの人です。なんか寂しいな。
「え? 只人? え? なら、なんでドラゴン…?」
「妾はまだ卵の頃に人間に攫われてのう。生まれてすぐに従魔紋を付けられたのじゃ。それからずっと人の従魔よ」
「なんと…」
「じゃが悪い事ばかりでもない。今のこの主殿はほんにようできたお方でのう。妾は今の生活を存分に楽しんでおるのじゃ」
「うむ。我も人間に捕まった当初は絶望しかなかったが、今は主に会えて幸せと思っておるである」
「クア!」
リン!
いやだなあ。皆にそんな事言われたら、嬉しくて目から汁が出て来ちゃうよ。
「私も、ご主人様に買われてから、生活が一変しました。普通の人のように扱って頂けるし、食事もお腹いっぱい食べられて、ふかふかの布団で眠らせてもらってます。時折ご主人様は私が奴隷だとう言うことも忘れてしまって、普通の子供のように寄り添って下さいます。本当に、私はご主人様に出会えて幸せです」
いやいや、ちょっと言いすぎじゃない?くすぐったいんだけど。
モジモジしていると、ライオンさんがこっちを見た。
「…。なるほど。余程慕われているか、余程魔紋の扱いに長けているのか…」
「其方、それ以上主殿を愚弄すると、国ごと滅ぼすぞ?」
「ひ?!」
「クレナイ、抑えて」
単体はまだしも、国ごとはやめようね。
言わせているなんて言われるのは私も心外だけれども。
「あのう、それで、ええと、獣人の国に入るのは、難しいですか? 出来ればこの子が、いたかもしれない所とかに寄ってみたいんですけど」
「よ、寄ってどうするのだ…」
ライオンさんが怯えてしまっているよ。
「いやまあ、何て言うか、いやな思い出は思い出させたくないけど、ご両親と過ごした楽しい思い出なんか思い出せたらなと。この前にこのクレナイの為にドラゴンの里に行ってきたので」
「ドラゴンの里?!」
ライオンさんが百面相になっている。
「ま、まさか、ど、ドラゴンの里なんて、じょ、冗談…」
「何故主殿が冗談なぞ言わねばならんのじゃ。行って来たぞ。のう、皆?」
「うむ。そこでリバーシ作りに駆り出されたのである」
「私はコップに模様を付けろと…」
「あそんだー」
リンリン
ライオンさん、お口大きいのは分かったから、出来れば閉じて下さい。
「妾も両親に会えて、無事を報告出来て、ほんに主殿と出会えて良かったのじゃ。他の人間じゃったら、妾の故郷へ行こうなどと言わなかったじゃろうからな」
ライオンて目が小さくて可愛いなとは思うけど、点になるとまた可愛いね。
ぎぎぎ…と音が鳴りそうな程不自然にライオンさんがこちらを見て、
「あんた、本当に只人か?」
いやいや、私は本当にただの人です。って言ってて悲しいから!
山に囲まれた土地が見えてくる。
「地図的にはあそこら辺だわね」
私が地図オンチでなければ。
「分からなければ、降りて聞いてみれば良い」
「そうだね、クレナイ」
ということで、ちょっと関所っぽくなっている所から離れた所に降りる。
そして歩いて関所、じゃないか、国境なのかな?だとしたら随分小さな国に見えるけど。
山をくり抜いて道を敷いており、その前に衛兵さんらしき人…、じゃない、モフモフさんが立っている!しかもあの立派な鬣は、猫科の動物の中でも大型で、百獣の王と呼ばれるあの有名なお方ではないか!
「ハアハア、鬣…」
「八重子、まて、まずは命の危険を感じろ」
「は! そうでした」
最強肉食獣の前に行くのにハアハアしてたら駄目ですね。
「何者だ?」
近づく私達を見つけ、ライオンさんが睨んできた。
あああ、その眼光も殺されそうで恍惚…。じゃなくて。
「こんにちは。ここは、獣人の国ですか?」
「…。そうだが。何しに来た?」
「観光に」
「・・・・・・」
あれ?変な事言った?
「観光、だと?」
何故そんなに怖い顔をされるのでしょうか。
「そう言って我が国の者を攫って行くのだろう?」
「ええ?! そんな事しませんよ?!」
くそう、ここでも同じ人間の仕業で何か疑われているのか!
「あの、私も同じ獣人です」
そう言ってコハクが帽子を取る。
可愛い黄色の丸いお耳がぴょこんと出てくる。いつ見ても可愛い。ハアハア。
「ん? お前は…、攫われた虎人族か?! なんで人間と…! そうか、奴隷か…」
確かに奴隷ではありますけどね。なんでさっきより目つきが怖くなってるのでしょう。
「奴隷を捕まえに来たのか? 新たに奴隷が欲しいとでも? どこまで我らをバカにするのか…」
「いいえ! 違います! 奴隷なんていりませんて!」
「確かに私はこの方の奴隷ですが、この方には助けて頂いているのです!」
コハクが前に出た。
「奴隷になっているのに、助けられている? どういうことだ?」
「私は幼い頃に捕まって、奴隷にされました。その後、酷い扱いを受けて、それまでの記憶をなくしました。そして、病も患ってしまったのです。でも、この方は、そんな私を買い取ってくれて、しかも妖精さんに頼んで、毎日痛みを取ってくれているんです! そんなお方の元で、私が不当な扱いを受けていると思いますか?!」
コハクの剣幕に、ライオンさんもタジタジとなる。
「だ、だが、お前は奴隷のままで…」
「それも買い上げた直後に、奴隷紋を外そうかとも仰って下さいました! でも、只人の街にいては、私のような子供の獣人はいつ攫われてしまうかもしれない。なので、奴隷紋をあえて取らず、私を保護していてくれたのです!」
そうなのよね。いくらコハクが力があるっていってもまだ10歳の少女。しかも成長不良で小さめ。大男にひょいっと担がれて持って行かれちゃうかもしれないってね。現に1度誘拐されたし…。
「い、いや、だが、しかし…」
ライオンさんはまだ理由を探しているようだ。
「その子の言う事は本当じゃぞ。妾達がそれを証言するのじゃ」
クレナイが前に出て来た。
「ふん、只人の言うことなぞ、誰が信用するものか」
「おや? 其方には妾達が人に見えると?」
クレナイからあの怖い気配がだだ漏れてきた。
「え…? なん…」
「そうじゃのう。見ないと分からぬか。と言っても妾では危ないし。ハヤテ、元の姿に戻ってみい」
「あい!」
良い返事をして、ハヤテがグリフォンの姿にドロン。目を丸くするライオンさん。
「こちらの白いお方はペガサス。そして妾はドラゴンが人化しておる。さて、これでも妾の言葉は信じられぬか?」
「ど、ドラゴン…?!」
ライオンさんの顔が引き攣っている。
「ま、まさか、いや、だって、あの誇り高きドラゴンが、何故只人なんかと…、ってこっちの只人もまさか?!」
「いや、そのお方は紛れもないただの人じゃ」
ただの人です。なんか寂しいな。
「え? 只人? え? なら、なんでドラゴン…?」
「妾はまだ卵の頃に人間に攫われてのう。生まれてすぐに従魔紋を付けられたのじゃ。それからずっと人の従魔よ」
「なんと…」
「じゃが悪い事ばかりでもない。今のこの主殿はほんにようできたお方でのう。妾は今の生活を存分に楽しんでおるのじゃ」
「うむ。我も人間に捕まった当初は絶望しかなかったが、今は主に会えて幸せと思っておるである」
「クア!」
リン!
いやだなあ。皆にそんな事言われたら、嬉しくて目から汁が出て来ちゃうよ。
「私も、ご主人様に買われてから、生活が一変しました。普通の人のように扱って頂けるし、食事もお腹いっぱい食べられて、ふかふかの布団で眠らせてもらってます。時折ご主人様は私が奴隷だとう言うことも忘れてしまって、普通の子供のように寄り添って下さいます。本当に、私はご主人様に出会えて幸せです」
いやいや、ちょっと言いすぎじゃない?くすぐったいんだけど。
モジモジしていると、ライオンさんがこっちを見た。
「…。なるほど。余程慕われているか、余程魔紋の扱いに長けているのか…」
「其方、それ以上主殿を愚弄すると、国ごと滅ぼすぞ?」
「ひ?!」
「クレナイ、抑えて」
単体はまだしも、国ごとはやめようね。
言わせているなんて言われるのは私も心外だけれども。
「あのう、それで、ええと、獣人の国に入るのは、難しいですか? 出来ればこの子が、いたかもしれない所とかに寄ってみたいんですけど」
「よ、寄ってどうするのだ…」
ライオンさんが怯えてしまっているよ。
「いやまあ、何て言うか、いやな思い出は思い出させたくないけど、ご両親と過ごした楽しい思い出なんか思い出せたらなと。この前にこのクレナイの為にドラゴンの里に行ってきたので」
「ドラゴンの里?!」
ライオンさんが百面相になっている。
「ま、まさか、ど、ドラゴンの里なんて、じょ、冗談…」
「何故主殿が冗談なぞ言わねばならんのじゃ。行って来たぞ。のう、皆?」
「うむ。そこでリバーシ作りに駆り出されたのである」
「私はコップに模様を付けろと…」
「あそんだー」
リンリン
ライオンさん、お口大きいのは分かったから、出来れば閉じて下さい。
「妾も両親に会えて、無事を報告出来て、ほんに主殿と出会えて良かったのじゃ。他の人間じゃったら、妾の故郷へ行こうなどと言わなかったじゃろうからな」
ライオンて目が小さくて可愛いなとは思うけど、点になるとまた可愛いね。
ぎぎぎ…と音が鳴りそうな程不自然にライオンさんがこちらを見て、
「あんた、本当に只人か?」
いやいや、私は本当にただの人です。って言ってて悲しいから!
0
お気に入りに追加
212
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる