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川崎まりな①
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川崎まりなが妊娠した。
それは彼女の周囲にとっての大ニュースであった。というのも彼女は大変な人気者であったからだ。そのため、噂は人伝にどんどん広まっていった。
まりなは誰にも知られずに出産しようとしていたのだが、どこからかいつに間にかその情報が漏れ、1番内緒にしたかった過去の男たちにバレてしまったらしい。
これはそんな彼女が出産するまでのマリッジブルーな、マタニティブルーな、そんな物語。
川崎まりなは自由人だ。自由人と言うと、自分勝手にいろんなところを飛んでまわり、突拍子のないことをするというイメージであろうが、彼女はそれとは少し違った。
彼女は生まれた時から1人が好きだった。幼稚園で1人でお絵描きや積み木遊びをし、小学校は1人で机で本を読み続けた。中学校では、花壇やビニールハウスの植物の手入れとスケッチに時間を費やし、高校ではノートの落書きに時間を費やした。
一人遊びを念入りにするのが好きな人間。外交的で飛んで回るというよりは、所謂超個人主義人間であったのだ。
そこそこに友達はいたが、皆生存本能から誰かと常に行動したがるので1人好きな彼女にはほとんど親友と呼べる友達はいなかった。
しかし、彼女はそれでも何ら問題なかった。熱中できるものがあり、1人でも理解者がいればそれだけで十分すぎるぐらい充実した日々を送ることができていたのだ。
だが、恋愛に関しては全くうまくいかなかった。まず、彼女は恋愛に無関心すぎるところがあった。好きとは何か、どこからが好きでどこからが愛してるなのか。そんなことを学生時代少しは悩みはしたが、好きの定義を探している暇があるなら彼女は一人遊びに時間を費やした方が有意義であると決定づけ、恋愛を自分の中から早いうちの排除した。
そもそも彼女がなぜそんなことを考え始めたかというと、学生時代から愛の告白が何度かあったからだ。
「好きです。付き合ってください。」
そんな言葉を同級生や先輩、道端の人、女友達、などなどから言われたが、彼女はいまいちピンと来るものがなかった。
わからなかった。わからないなりにもいろいろ考えたがやっぱりわからなかった。
わからないままそのうち彼女は大学生になる。大学生になると周りは一層恋愛ごとに力を入れていた。数少ない友人も恋人を作っていた。前は一緒になって恋愛はわからないと駄弁っていたのに、普通に恋人ができていた。
友達にその恋人を紹介され、実際に会ってみたが、普通に真面目そうで優しそうな人であった。どこが好きなのか聞いてみたら、お互い全部好きらしい。あと、なんかドキドキするとか。曖昧すぎる。まりなは友達から好きとは何かの答えがわかると期待していたが、それはあまりにも曖昧で抽象的で、結局何もわからなかった。
そして例のごとくこの言葉。
「まりなも早く彼氏作りなよ。もういい歳なんだからさ。」
まりなにとってこれは呪いの言葉であった。気を許した人でもこの言葉を投げ掛けられると途端に心の扉がパタンと閉じるのがわかる。数少ない友人である彼女にこれを言われた時はもう2度と彼女と会うまいと決心したくらいには、まりなにとって呪いの言葉であった。
そうしてある時まりなは自棄になった。
自棄というと、全てがうまくいかなくて鬱屈とした精神状態を想像するだろうが、まりなの場合は逆だった。
今までは落ち着きすぎている部分があった。なんでも自分のペースで、他に乱されず好きなことをできていた。
いい企業に行きなさい。給料のいいところに行きなさい。恋人を作りなさい。貯金をしなさい。痩せなさい。趣味ばかりやるんじゃない。いつまでもふらふらするな。
20代半ばまではそんな周りの言葉など何も気にしていなかった。しかし、20代後半になるとやたらと周りがお節介にうるさくなった。大した仲良くもない職場のおばさんおじさん同僚、カフェの常連客店員、担当美容師、バスで隣になった人。家族や友達だけでなく、こんな知らない人たちにまで結婚を勧められたり詮索されたりした。
川崎まりなはうんざりしていた。うんざりしすぎてカッとなってしまった。
いつもは決して怒らず泣かず感情を乱したりしないのに、この時期は溜まりに溜まったものが爆発し、自分ではいられなかったのだ。
彼女は自分が潜在的に負けず嫌いで天邪鬼なことを分かっていた。分かっていたからこそ、彼女はより1人遊びに熱中したのかもしれない。他に目を向けないように、感情を乱さないように。
だけど、無節操に他人が自分に入り込んでくる今の時期。
落ち着いているなんてできなかった。
彼女が具体的にどうカッとなって何をしたのか。彼女らしくないことを次々にやっていったのだ。
まず、作成途中のパズルを箱に詰め直して物置の奥の奥に閉まった。何か趣味を途中で投げ出したのは初めてだった。
親友から貰った白い天使と白いドレスを着た女性がうつるパズル。最初は白くて綺麗でやり甲斐のありそうなパズルだと思ったが、今は結婚を連想させ嫌味にしか感じなかった。
次に壊れかけだったラジオを捨てた。何度も壊れては直してを繰り返していたが、心が落ち着かず、気が滅入っている時に丁度壊れたので捨てた。
そして、恋愛。川崎まりなが苦手なもの。嫌いになりつつあるもの。避けてきたもの。
それなのに彼女はもう自棄になって適当に男を作って結婚してさっさと離婚してやろうと考えた。
彼女は恋愛や結婚に理想を抱いてはいなかった。どうせうまくいかない。面白くもなんともないだろうと。
周りは彼女が男と付き合ったことがないと言えば、一回経験してみろとか、恋愛は成長できるとか、楽しいよとか、いろいろアドバイスをしてきた。正直話半分で聞いていた。なぜ実態のない永遠でない不確かなものに皆心をよりかけるのかわからなかった。
愛がわからない彼女は、もはや愛などという自分にはない一種の理想的なものに縋るのはやめて、事務的にタスクをこなすことをただ考えていた。結婚離婚という事実を作ってしまえば周りはとやかく言っては来ないだろうと考えたのだ。
それにあたり彼女がまず行ったのが理想の男要素の書き出し作業だ。ここでの理想は彼女の計画にとって都合が良い存在のことである。
物分かりがいい人
口うるさくない人
頭が良すぎない人
優しい人
大体こんなところを目安に探していくことに決めた。あまりに粘着質であったり、法律関係にでも詳しかったりしたら面倒くさいことになりそうなので、この4つあたりはかなり重要だったのだ。
その他の要素は嫌でもいずれ別れることになるだろうから彼女にとってさほど気にならないところであった。
それは彼女の周囲にとっての大ニュースであった。というのも彼女は大変な人気者であったからだ。そのため、噂は人伝にどんどん広まっていった。
まりなは誰にも知られずに出産しようとしていたのだが、どこからかいつに間にかその情報が漏れ、1番内緒にしたかった過去の男たちにバレてしまったらしい。
これはそんな彼女が出産するまでのマリッジブルーな、マタニティブルーな、そんな物語。
川崎まりなは自由人だ。自由人と言うと、自分勝手にいろんなところを飛んでまわり、突拍子のないことをするというイメージであろうが、彼女はそれとは少し違った。
彼女は生まれた時から1人が好きだった。幼稚園で1人でお絵描きや積み木遊びをし、小学校は1人で机で本を読み続けた。中学校では、花壇やビニールハウスの植物の手入れとスケッチに時間を費やし、高校ではノートの落書きに時間を費やした。
一人遊びを念入りにするのが好きな人間。外交的で飛んで回るというよりは、所謂超個人主義人間であったのだ。
そこそこに友達はいたが、皆生存本能から誰かと常に行動したがるので1人好きな彼女にはほとんど親友と呼べる友達はいなかった。
しかし、彼女はそれでも何ら問題なかった。熱中できるものがあり、1人でも理解者がいればそれだけで十分すぎるぐらい充実した日々を送ることができていたのだ。
だが、恋愛に関しては全くうまくいかなかった。まず、彼女は恋愛に無関心すぎるところがあった。好きとは何か、どこからが好きでどこからが愛してるなのか。そんなことを学生時代少しは悩みはしたが、好きの定義を探している暇があるなら彼女は一人遊びに時間を費やした方が有意義であると決定づけ、恋愛を自分の中から早いうちの排除した。
そもそも彼女がなぜそんなことを考え始めたかというと、学生時代から愛の告白が何度かあったからだ。
「好きです。付き合ってください。」
そんな言葉を同級生や先輩、道端の人、女友達、などなどから言われたが、彼女はいまいちピンと来るものがなかった。
わからなかった。わからないなりにもいろいろ考えたがやっぱりわからなかった。
わからないままそのうち彼女は大学生になる。大学生になると周りは一層恋愛ごとに力を入れていた。数少ない友人も恋人を作っていた。前は一緒になって恋愛はわからないと駄弁っていたのに、普通に恋人ができていた。
友達にその恋人を紹介され、実際に会ってみたが、普通に真面目そうで優しそうな人であった。どこが好きなのか聞いてみたら、お互い全部好きらしい。あと、なんかドキドキするとか。曖昧すぎる。まりなは友達から好きとは何かの答えがわかると期待していたが、それはあまりにも曖昧で抽象的で、結局何もわからなかった。
そして例のごとくこの言葉。
「まりなも早く彼氏作りなよ。もういい歳なんだからさ。」
まりなにとってこれは呪いの言葉であった。気を許した人でもこの言葉を投げ掛けられると途端に心の扉がパタンと閉じるのがわかる。数少ない友人である彼女にこれを言われた時はもう2度と彼女と会うまいと決心したくらいには、まりなにとって呪いの言葉であった。
そうしてある時まりなは自棄になった。
自棄というと、全てがうまくいかなくて鬱屈とした精神状態を想像するだろうが、まりなの場合は逆だった。
今までは落ち着きすぎている部分があった。なんでも自分のペースで、他に乱されず好きなことをできていた。
いい企業に行きなさい。給料のいいところに行きなさい。恋人を作りなさい。貯金をしなさい。痩せなさい。趣味ばかりやるんじゃない。いつまでもふらふらするな。
20代半ばまではそんな周りの言葉など何も気にしていなかった。しかし、20代後半になるとやたらと周りがお節介にうるさくなった。大した仲良くもない職場のおばさんおじさん同僚、カフェの常連客店員、担当美容師、バスで隣になった人。家族や友達だけでなく、こんな知らない人たちにまで結婚を勧められたり詮索されたりした。
川崎まりなはうんざりしていた。うんざりしすぎてカッとなってしまった。
いつもは決して怒らず泣かず感情を乱したりしないのに、この時期は溜まりに溜まったものが爆発し、自分ではいられなかったのだ。
彼女は自分が潜在的に負けず嫌いで天邪鬼なことを分かっていた。分かっていたからこそ、彼女はより1人遊びに熱中したのかもしれない。他に目を向けないように、感情を乱さないように。
だけど、無節操に他人が自分に入り込んでくる今の時期。
落ち着いているなんてできなかった。
彼女が具体的にどうカッとなって何をしたのか。彼女らしくないことを次々にやっていったのだ。
まず、作成途中のパズルを箱に詰め直して物置の奥の奥に閉まった。何か趣味を途中で投げ出したのは初めてだった。
親友から貰った白い天使と白いドレスを着た女性がうつるパズル。最初は白くて綺麗でやり甲斐のありそうなパズルだと思ったが、今は結婚を連想させ嫌味にしか感じなかった。
次に壊れかけだったラジオを捨てた。何度も壊れては直してを繰り返していたが、心が落ち着かず、気が滅入っている時に丁度壊れたので捨てた。
そして、恋愛。川崎まりなが苦手なもの。嫌いになりつつあるもの。避けてきたもの。
それなのに彼女はもう自棄になって適当に男を作って結婚してさっさと離婚してやろうと考えた。
彼女は恋愛や結婚に理想を抱いてはいなかった。どうせうまくいかない。面白くもなんともないだろうと。
周りは彼女が男と付き合ったことがないと言えば、一回経験してみろとか、恋愛は成長できるとか、楽しいよとか、いろいろアドバイスをしてきた。正直話半分で聞いていた。なぜ実態のない永遠でない不確かなものに皆心をよりかけるのかわからなかった。
愛がわからない彼女は、もはや愛などという自分にはない一種の理想的なものに縋るのはやめて、事務的にタスクをこなすことをただ考えていた。結婚離婚という事実を作ってしまえば周りはとやかく言っては来ないだろうと考えたのだ。
それにあたり彼女がまず行ったのが理想の男要素の書き出し作業だ。ここでの理想は彼女の計画にとって都合が良い存在のことである。
物分かりがいい人
口うるさくない人
頭が良すぎない人
優しい人
大体こんなところを目安に探していくことに決めた。あまりに粘着質であったり、法律関係にでも詳しかったりしたら面倒くさいことになりそうなので、この4つあたりはかなり重要だったのだ。
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