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第二章 シルフェリアとの別れとイリスの覚悟
8話 「イリスダンジョンの攻略」その2
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「なんじゃと?!エリカとミイが音信不通の行方不明じゃと!」
イリスを連れ戻す為にイリスが引き籠っている思われる「イリスダンジョン」の攻略に向かったグリフォンロードのエリカとリザードレディのミイからの連絡が途絶えてから1週間・・・
さすがに女王クレアも龍騎士隊イリスの面々もエリカとミイの安否が不安になって来た。
「シルフィーナよ・・・イリスとの念話は?」
「それが・・・迷宮の深い所に居るのか、繋がりませんの。
なので今からひとっ飛びして迷宮の前で連絡をとって見ますわ・・・」
「私も付き合おうか?君一人危険かも知れない所に行かせる訳には行かない」
すっかりシルフィーナと恋仲になったガイエスが心配して同行する提案をするが、
「迷宮の前までしか行きませんわ、大丈夫です」と断るシルフィーナ。
「しかし・・・」
「今はガストンが国から離れてはいけませんわ。
私も絶対に無理はしないと約束致します」
事実、中央大陸で大きな戦争が勃発してラーデンブルク公国では厳戒態勢だ。
500名規模の主力部隊の司令官が国を離れるのはよろしくは無い。
「約束だよ?シルフィーナ」
「ええ!任せておいて下さいまし」
そう言ってイリスダンジョンへと向かったシルフィーナだったがやはり一週間経っても音信不通の行方不明になった。
これはいよいよ只事で無いと公爵官邸で本格的な作戦会議が行われた。
「さて・・・どうしたモノか・・・
妾にはイリスが仲間に危害を加えているとは到底思えないのじゃが・・・」
「一応シルフィーナには私と一対になっているネックレスを渡してます。
何かあった時には救難信号も送れますし、シルフィーナの魔力や生命反応に何か異常があった場合には私にも緊急事態だと分かる仕組みにもなっています」
「ふむ・・・それで反応は?」
「反応は「正常」です、むしろ体調は良好を示しています。
私は心配でしたから、ずっとネックレスを気にしてましたが、ネックレスに何かしらの工作や妨害を受けた形跡はありませんでした」
なのでガストンはイリスダンジョンに向かうべきか悩んでいるのだ。
「つまり、シルフィーナが自分の意思で連絡をとって来ぬと言う訳か?」
「そうですね・・・精霊のシルフィーナにとっての1週間は人間にとっての1時間程度にしか捉えてないかも知れませんね」
「私がミイに渡した宝槍も戦闘による衝撃を槍が受ければ私の持つ宝玉にも伝わる仕組みになっていますが・・・今の所は反応は皆無です」
ロイ的には放蕩娘は連絡も取らずに遊び回っているのか?と言う感覚なのだ。
「うーん?じゃあ、もう1週間待って何も連絡が無ければアタシが乗り込むわ。
やっぱりガストンが国から離れるのは不味いと思うの。
人間の使節団の相手をしているのがガストンだからね。」
オーガロードのホワイトの指摘通り、現在鎖国中のラーデンブルク公国には、
ピアツェンツェア王国とヴィグル帝国の使節団が来て個別外交を申し出ている。
その交渉に同じ人間のガストンが当たっているので突然ガストンが不在になるのは相手にも余計な疑念を与えかねないのだ。
そして鎖国状態なので大勢の戦闘員を国外に出すのもよろしく無いのだ。
「ふう・・・イリスは何を考えておるんじゃ?」
「それより全然何考えてるか分からないのはブリックリンよ?」
「確かに・・・昔からの相棒のイリスとブリックリンがずっと一緒に居るのは分かります。
でも何で連絡を寄越して来ないんでしょう?
地龍的には余り良い行動には思えないのですよ」
そんなガストンの懸念は当たり3日後に地龍からの使者がラーデンブルク公国へと訪れた。
訪れた使者いわく・・・
「いえ、まだ問題とまでは行って無いんですけどね。
ただブリックリンは真面目な男なので、定期連絡を寄越さないで何をしているか見に来たんですよ」
使者に来たのはブリックリンの同僚の地龍の龍戦士でブリックリンの友人で様子を見に来ただけだと言う話しだ。
「そのダンジョンを確認したらすぐに戻って報告しますね」
そう地龍の龍戦士が言ってくれたのでクレア達は安心して任せる事にした。
何せ地龍の龍戦士だ、余程の事が無いと不覚を取るなどあり得ないからだ。
しかし・・・龍戦士は2週間経っても戻って来なかった・・・
「本当にどうなっているのだ?!
行方不明者の全員が単独でも軍隊と渡り合えるほどの実力者とは?
イリスダンジョンで何が起こっているのだ?!」
これ程の異常な事態にさすがのクレアも混乱していた。
「もう猶予は無いわね・・・
予定通りにアタシが直接転移して確認してくるわ」
オーガロードのホワイトがエリカが持っているだろう転移魔法が刻印してある宝玉へ直接転移する事が決定した。
転移先で何が起こるか予測不能なので完全装備で突撃する。
「やはり・・・私も一緒に転移した方が・・・」
「ダメよ、これ以上の戦力は割けないわ」
ただでさえホワイトが国を離れる事で防衛線に穴が空くのにガストンやロイまで抜ける訳にはいかないのだ。
「・・・分かりました、油断なされぬ様に」
「分かっているわ、さすがに油断出来る状況じゃ無いもの、最大限の警戒をして行くわよ、貴方達も海岸線の監視をお願いね」
「了解しました」
ヒュイイン!魔法陣が展開して転移魔法が発動する。
「じゃあ!行って来るわね!」ヒュウウン!!
こうして一瞬でホワイトの姿は消えたのだった・・・
「・・・・・・・・」
「ロイ殿どうした?何か気がついたのか?」
今回の件では殆ど発言をしないロイに違和感を覚えたガストンがそう尋ねると・・・
「いや・・・なんか今回の件はしょうも無い理由で発生したかも?
そんな風に感じるんですよ」
「しょうも無い理由?」ロイが何を言っているかイマイチ分からないガストンだった。
イリスを連れ戻す為にイリスが引き籠っている思われる「イリスダンジョン」の攻略に向かったグリフォンロードのエリカとリザードレディのミイからの連絡が途絶えてから1週間・・・
さすがに女王クレアも龍騎士隊イリスの面々もエリカとミイの安否が不安になって来た。
「シルフィーナよ・・・イリスとの念話は?」
「それが・・・迷宮の深い所に居るのか、繋がりませんの。
なので今からひとっ飛びして迷宮の前で連絡をとって見ますわ・・・」
「私も付き合おうか?君一人危険かも知れない所に行かせる訳には行かない」
すっかりシルフィーナと恋仲になったガイエスが心配して同行する提案をするが、
「迷宮の前までしか行きませんわ、大丈夫です」と断るシルフィーナ。
「しかし・・・」
「今はガストンが国から離れてはいけませんわ。
私も絶対に無理はしないと約束致します」
事実、中央大陸で大きな戦争が勃発してラーデンブルク公国では厳戒態勢だ。
500名規模の主力部隊の司令官が国を離れるのはよろしくは無い。
「約束だよ?シルフィーナ」
「ええ!任せておいて下さいまし」
そう言ってイリスダンジョンへと向かったシルフィーナだったがやはり一週間経っても音信不通の行方不明になった。
これはいよいよ只事で無いと公爵官邸で本格的な作戦会議が行われた。
「さて・・・どうしたモノか・・・
妾にはイリスが仲間に危害を加えているとは到底思えないのじゃが・・・」
「一応シルフィーナには私と一対になっているネックレスを渡してます。
何かあった時には救難信号も送れますし、シルフィーナの魔力や生命反応に何か異常があった場合には私にも緊急事態だと分かる仕組みにもなっています」
「ふむ・・・それで反応は?」
「反応は「正常」です、むしろ体調は良好を示しています。
私は心配でしたから、ずっとネックレスを気にしてましたが、ネックレスに何かしらの工作や妨害を受けた形跡はありませんでした」
なのでガストンはイリスダンジョンに向かうべきか悩んでいるのだ。
「つまり、シルフィーナが自分の意思で連絡をとって来ぬと言う訳か?」
「そうですね・・・精霊のシルフィーナにとっての1週間は人間にとっての1時間程度にしか捉えてないかも知れませんね」
「私がミイに渡した宝槍も戦闘による衝撃を槍が受ければ私の持つ宝玉にも伝わる仕組みになっていますが・・・今の所は反応は皆無です」
ロイ的には放蕩娘は連絡も取らずに遊び回っているのか?と言う感覚なのだ。
「うーん?じゃあ、もう1週間待って何も連絡が無ければアタシが乗り込むわ。
やっぱりガストンが国から離れるのは不味いと思うの。
人間の使節団の相手をしているのがガストンだからね。」
オーガロードのホワイトの指摘通り、現在鎖国中のラーデンブルク公国には、
ピアツェンツェア王国とヴィグル帝国の使節団が来て個別外交を申し出ている。
その交渉に同じ人間のガストンが当たっているので突然ガストンが不在になるのは相手にも余計な疑念を与えかねないのだ。
そして鎖国状態なので大勢の戦闘員を国外に出すのもよろしく無いのだ。
「ふう・・・イリスは何を考えておるんじゃ?」
「それより全然何考えてるか分からないのはブリックリンよ?」
「確かに・・・昔からの相棒のイリスとブリックリンがずっと一緒に居るのは分かります。
でも何で連絡を寄越して来ないんでしょう?
地龍的には余り良い行動には思えないのですよ」
そんなガストンの懸念は当たり3日後に地龍からの使者がラーデンブルク公国へと訪れた。
訪れた使者いわく・・・
「いえ、まだ問題とまでは行って無いんですけどね。
ただブリックリンは真面目な男なので、定期連絡を寄越さないで何をしているか見に来たんですよ」
使者に来たのはブリックリンの同僚の地龍の龍戦士でブリックリンの友人で様子を見に来ただけだと言う話しだ。
「そのダンジョンを確認したらすぐに戻って報告しますね」
そう地龍の龍戦士が言ってくれたのでクレア達は安心して任せる事にした。
何せ地龍の龍戦士だ、余程の事が無いと不覚を取るなどあり得ないからだ。
しかし・・・龍戦士は2週間経っても戻って来なかった・・・
「本当にどうなっているのだ?!
行方不明者の全員が単独でも軍隊と渡り合えるほどの実力者とは?
イリスダンジョンで何が起こっているのだ?!」
これ程の異常な事態にさすがのクレアも混乱していた。
「もう猶予は無いわね・・・
予定通りにアタシが直接転移して確認してくるわ」
オーガロードのホワイトがエリカが持っているだろう転移魔法が刻印してある宝玉へ直接転移する事が決定した。
転移先で何が起こるか予測不能なので完全装備で突撃する。
「やはり・・・私も一緒に転移した方が・・・」
「ダメよ、これ以上の戦力は割けないわ」
ただでさえホワイトが国を離れる事で防衛線に穴が空くのにガストンやロイまで抜ける訳にはいかないのだ。
「・・・分かりました、油断なされぬ様に」
「分かっているわ、さすがに油断出来る状況じゃ無いもの、最大限の警戒をして行くわよ、貴方達も海岸線の監視をお願いね」
「了解しました」
ヒュイイン!魔法陣が展開して転移魔法が発動する。
「じゃあ!行って来るわね!」ヒュウウン!!
こうして一瞬でホワイトの姿は消えたのだった・・・
「・・・・・・・・」
「ロイ殿どうした?何か気がついたのか?」
今回の件では殆ど発言をしないロイに違和感を覚えたガストンがそう尋ねると・・・
「いや・・・なんか今回の件はしょうも無い理由で発生したかも?
そんな風に感じるんですよ」
「しょうも無い理由?」ロイが何を言っているかイマイチ分からないガストンだった。
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