70 / 247
第一章 エルフの少女
熱中症啓発特別企画 「イリスさん熱中症になる」
しおりを挟む
ある暑い夏の日の朝、イリスは日課のジョギングをしていた。
走っている時は何事も無かったが異変は帰宅してから起こった。
「いったぁーーーーい??!!」
イリスが突然、両手両足に激痛を訴え始めたのだ!
《いいいいいイリスーーー?!どうしたのですかぁ?!
誰かーーーー?!救急車ーーー!!》
慌てふためくシルフェリアだったが当然そんな物はこの世界には無い。
騒ぎを聞き付けたガストンに抱っこされて自室に搬送されたイリス。
今まで経験した事が無い痛みにギャン泣きしている。
シルフィーナが「風の回復魔法」を使いイリスの手足の痛みは少し和らいだが回復専門の魔法で無いので完全回復は出来ずベッドの上でシクシク泣いている。
「ううう~、痛いよぉ~、何これ?私死んじゃうの?」
珍しく泣き言を言うイリス、よっぽどしんどい様子だ。
「私では精密な診断が出来ませんが手足の筋肉が収縮したままになってしまってますわ」
現在のイリスの状態は手足ピーンとなっている。
見た目は子猫の伸びな感じで可愛いのだが、あまりにイリスが痛がるので周囲の者はそれどころじゃ無いのだ。
あのシルフェリアもオロオロするばかりなのだ。
そうこうしているとクレアが駆けつけてくれて診察が始まる。
それから手足を揉み揉みマッサージしてくれながら診察魔法でイリスの観察を行い溜め息をつく。
《どどどどどうですか?》シルフェリアはまだ混乱状態で使い物にならない。
「うむこれは「熱中症」じゃ」
《熱中症!!って何ですか?!イリスは大丈夫なんですか?!
命に別状は無いんですよね?!》
「場合によっては命に関わるがイリスはもう大丈夫じゃな、危なかったな」
なんと?!マジで生命の危機だった!!
「熱中症とは「重度の日射病」と思って良い、イリスはその中でも重症の分類じゃ。
熱中症はいくら魔力が高かろうが体力が有ろうが強靭な肉体を持っていようが必ず掛かる症状なのでお主達も気をつけよ」
クレアはガストンとロイにも注意を促す。
「今回イリスの様に手足が麻痺する場合もあるが、麻痺が内臓器官で発生する場合もあるのう、意識が混濁して呼吸困難になり死亡する場合もある。
イリスよ、お主は水分はしっかりと取っておったな?」
「はははい~、水を水筒に入れて飲みながら走ってましたぁ」
死の危険が有ったと聞いて本気で怖がっているイリス。
「ふむ、ではコレを飲むが良い」クレアが水筒に入った何かの飲み物をイリスに飲ませ様としたが手足ピーンな、イリスは自分で飲めないので口移しで飲ませてくれる。
5、6回、口移しをしたら・・・
「あれ?痛いの治った??」突然イリスの手足の痛みが引く。
「痛みが無くなった訳では無いぞ?激痛が治っただけじゃ」
「ふむう?」ドンドン口移しでイリスに飲ませるクレア。
20分ほどしたらイリスは起き上がれるくらいに回復した。
「結局なぜイリスはこんな事になったのです?」
汗だくイリスを全裸にしてタライのぶち込んで丸洗いしているシルフィーナ、
いきなりの重篤な理由を気にしている。
イリス入浴なので当然野郎共は強制退去させている。
「イリスは「極度の塩分不足」になったのじゃ。
水だけ補充して塩を取らなかったので体内の塩分が汗と一緒にドンドン流れ出てしまったのじゃ」
塩分の流失は脱水状態より危険な場合が多く注意が必要だ。
シルフィーナに丸洗いされながらイリスは謎の飲み物をコクコク飲んでいる。
「イリス?お味はどうですか?」シルフィーナが謎の飲み物が気になり質問すると、
「甘しょっぱいです」とイリスがシルフィーナにコップを渡して来た。
シルフィーナが一口飲むと、
「???本当に甘しょっぱいですわ?」と首を傾げる、
あまり美味しい飲み物では無い様子で一口で飲むのを止める。
「それが正常な反応じゃ、健常者には美味い飲み物ではないからな・・・
イリスは熱中症状態で体が塩分を欲していたので普通に飲めたのだ」
クレアが持って来たのは「水8、塩1、砂糖1」を混ぜた物だ。
スポーツドリンクの原型だと思ってくれて良い。
正直言ってあまり美味しくは無いが応急処置には最適と思われる。
その日1日休んだイリスは全回復した。
イリスは若いから回復が早かったが年齢を重ねるにつれて回復も遅くなるので、お年寄りは細心の注意が必要です。
「今後絶対に塩分は補給しよう」そう決意したイリス。
その後イリスが作った対熱中症対策の特製飲料は「美味しい」と評判になって商品化され、爆売れする事になるのだ。
それをグリフォンロードのエリカが飲んだら、
「まんまアク○リアスじゃん!」と言われた。
☆
「それでお前大丈夫なのか?てか小説書いてんじゃん?」
点滴打ったからもう大丈夫っす。
昨日の夜中には手足の痛みは消えて暇なんですよ、そしたらタブレット返してくれたので書いています。
不休労災なので昼一で会社行きます。
それから「自分の労災申請書」を書きます、病院行ったから「労災隠し」が出来ないっす。
「めっちゃ恥ずかしいじゃねえか。それから労災隠しすんな!犯罪だろ!」
「それで?何で熱中症に罹ったんです?
作者さん、職業柄、熱中症にめちゃくちゃ詳しくて対策も取ってたはずですよね?」
今回は万全の対策が仇になりました。
今年は暑いと聞いて10万円ほどかけて「空調服」の大幅なアップグレードを行ったんですよ。
「空調服って何です?」
服にファンがついていて、空気を送り込むんですよ。
扇風機を背負って歩いていると思って下さい、気化熱を使い体感温度を下げる仕組みの服です。
それで「風神」の最新式の19v、4連ファンと言う「お前やり過ぎじゃね?」って同僚にも笑われる重装備にしたのです。
そんな感じだったのであまり暑さが気にならなかったので調子こいて休憩を取らないで仕事をしてたんですよ。
ただ汗はしっかりかいていて塩分を流失してたのを気付くのが遅れたんです。
いきなり手足に激痛が走って「あっ!やべっ!」と思った時には遅くて間に合わず、
たまたま打ち合わせに居た社長に連れられ病院へ・・・です。
「それは恥ずかしいですねぇ」
「社長の前で言い逃れ出来ねえじゃん」
もう何も言わないでおくれ・・・
皆さんも熱中症には注意して下さいね☆
対策は「涼しい場所での休憩」と「塩分と水分の補給」しかありません。
根性論が一切通用しないのが「熱中症」です。
人間である以上は必ず罹ります、無理はしないで下さいね^^
走っている時は何事も無かったが異変は帰宅してから起こった。
「いったぁーーーーい??!!」
イリスが突然、両手両足に激痛を訴え始めたのだ!
《いいいいいイリスーーー?!どうしたのですかぁ?!
誰かーーーー?!救急車ーーー!!》
慌てふためくシルフェリアだったが当然そんな物はこの世界には無い。
騒ぎを聞き付けたガストンに抱っこされて自室に搬送されたイリス。
今まで経験した事が無い痛みにギャン泣きしている。
シルフィーナが「風の回復魔法」を使いイリスの手足の痛みは少し和らいだが回復専門の魔法で無いので完全回復は出来ずベッドの上でシクシク泣いている。
「ううう~、痛いよぉ~、何これ?私死んじゃうの?」
珍しく泣き言を言うイリス、よっぽどしんどい様子だ。
「私では精密な診断が出来ませんが手足の筋肉が収縮したままになってしまってますわ」
現在のイリスの状態は手足ピーンとなっている。
見た目は子猫の伸びな感じで可愛いのだが、あまりにイリスが痛がるので周囲の者はそれどころじゃ無いのだ。
あのシルフェリアもオロオロするばかりなのだ。
そうこうしているとクレアが駆けつけてくれて診察が始まる。
それから手足を揉み揉みマッサージしてくれながら診察魔法でイリスの観察を行い溜め息をつく。
《どどどどどうですか?》シルフェリアはまだ混乱状態で使い物にならない。
「うむこれは「熱中症」じゃ」
《熱中症!!って何ですか?!イリスは大丈夫なんですか?!
命に別状は無いんですよね?!》
「場合によっては命に関わるがイリスはもう大丈夫じゃな、危なかったな」
なんと?!マジで生命の危機だった!!
「熱中症とは「重度の日射病」と思って良い、イリスはその中でも重症の分類じゃ。
熱中症はいくら魔力が高かろうが体力が有ろうが強靭な肉体を持っていようが必ず掛かる症状なのでお主達も気をつけよ」
クレアはガストンとロイにも注意を促す。
「今回イリスの様に手足が麻痺する場合もあるが、麻痺が内臓器官で発生する場合もあるのう、意識が混濁して呼吸困難になり死亡する場合もある。
イリスよ、お主は水分はしっかりと取っておったな?」
「はははい~、水を水筒に入れて飲みながら走ってましたぁ」
死の危険が有ったと聞いて本気で怖がっているイリス。
「ふむ、ではコレを飲むが良い」クレアが水筒に入った何かの飲み物をイリスに飲ませ様としたが手足ピーンな、イリスは自分で飲めないので口移しで飲ませてくれる。
5、6回、口移しをしたら・・・
「あれ?痛いの治った??」突然イリスの手足の痛みが引く。
「痛みが無くなった訳では無いぞ?激痛が治っただけじゃ」
「ふむう?」ドンドン口移しでイリスに飲ませるクレア。
20分ほどしたらイリスは起き上がれるくらいに回復した。
「結局なぜイリスはこんな事になったのです?」
汗だくイリスを全裸にしてタライのぶち込んで丸洗いしているシルフィーナ、
いきなりの重篤な理由を気にしている。
イリス入浴なので当然野郎共は強制退去させている。
「イリスは「極度の塩分不足」になったのじゃ。
水だけ補充して塩を取らなかったので体内の塩分が汗と一緒にドンドン流れ出てしまったのじゃ」
塩分の流失は脱水状態より危険な場合が多く注意が必要だ。
シルフィーナに丸洗いされながらイリスは謎の飲み物をコクコク飲んでいる。
「イリス?お味はどうですか?」シルフィーナが謎の飲み物が気になり質問すると、
「甘しょっぱいです」とイリスがシルフィーナにコップを渡して来た。
シルフィーナが一口飲むと、
「???本当に甘しょっぱいですわ?」と首を傾げる、
あまり美味しい飲み物では無い様子で一口で飲むのを止める。
「それが正常な反応じゃ、健常者には美味い飲み物ではないからな・・・
イリスは熱中症状態で体が塩分を欲していたので普通に飲めたのだ」
クレアが持って来たのは「水8、塩1、砂糖1」を混ぜた物だ。
スポーツドリンクの原型だと思ってくれて良い。
正直言ってあまり美味しくは無いが応急処置には最適と思われる。
その日1日休んだイリスは全回復した。
イリスは若いから回復が早かったが年齢を重ねるにつれて回復も遅くなるので、お年寄りは細心の注意が必要です。
「今後絶対に塩分は補給しよう」そう決意したイリス。
その後イリスが作った対熱中症対策の特製飲料は「美味しい」と評判になって商品化され、爆売れする事になるのだ。
それをグリフォンロードのエリカが飲んだら、
「まんまアク○リアスじゃん!」と言われた。
☆
「それでお前大丈夫なのか?てか小説書いてんじゃん?」
点滴打ったからもう大丈夫っす。
昨日の夜中には手足の痛みは消えて暇なんですよ、そしたらタブレット返してくれたので書いています。
不休労災なので昼一で会社行きます。
それから「自分の労災申請書」を書きます、病院行ったから「労災隠し」が出来ないっす。
「めっちゃ恥ずかしいじゃねえか。それから労災隠しすんな!犯罪だろ!」
「それで?何で熱中症に罹ったんです?
作者さん、職業柄、熱中症にめちゃくちゃ詳しくて対策も取ってたはずですよね?」
今回は万全の対策が仇になりました。
今年は暑いと聞いて10万円ほどかけて「空調服」の大幅なアップグレードを行ったんですよ。
「空調服って何です?」
服にファンがついていて、空気を送り込むんですよ。
扇風機を背負って歩いていると思って下さい、気化熱を使い体感温度を下げる仕組みの服です。
それで「風神」の最新式の19v、4連ファンと言う「お前やり過ぎじゃね?」って同僚にも笑われる重装備にしたのです。
そんな感じだったのであまり暑さが気にならなかったので調子こいて休憩を取らないで仕事をしてたんですよ。
ただ汗はしっかりかいていて塩分を流失してたのを気付くのが遅れたんです。
いきなり手足に激痛が走って「あっ!やべっ!」と思った時には遅くて間に合わず、
たまたま打ち合わせに居た社長に連れられ病院へ・・・です。
「それは恥ずかしいですねぇ」
「社長の前で言い逃れ出来ねえじゃん」
もう何も言わないでおくれ・・・
皆さんも熱中症には注意して下さいね☆
対策は「涼しい場所での休憩」と「塩分と水分の補給」しかありません。
根性論が一切通用しないのが「熱中症」です。
人間である以上は必ず罹ります、無理はしないで下さいね^^
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
21
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる