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第一章 エルフの少女

59話 「鬼達の街」その5

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シルフェリアと白ちゃんのやり取りを聞いててイリスは思った。

「白ちゃんは「おねいさん」じゃ無かったのか・・・」と
初のおねいさん登場にワクテカしたのに本来は女性だったのが少し残念なのだ。

「もう・・・シルフェリアちゃん、コレで解る?」
一瞬で精神化する白ちゃん、うん!実に精霊らしい赤毛の美人さんだね!残念。

するとガストンが突然鼻血を噴いてぶっ倒れた?!一体どうしたんだ?!
って精霊化した白ちゃんは裸同然の超セクシーな服だったからだ。

美しい褐色の肌にスレンダーだが大きなお胸に申し訳程度の布が巻きついているだけで角度によって中身が見えてしまいそうだ。

腰に巻きついてる布をガーターベルトで固定しているのがまたエロい!
「おねいさん」からエロ担当になった白ちゃん。

ブリックリンは?と言うと顔を赤くして俯いている、皆んな純情だね!

「おお!超セクシーな美人さんだ!でも白ちゃん、見えてるよ?」
とイリスが追加の布を白ちゃんのお胸に巻き巻きしている。
ピンクと白のストライプのスカーフだ。

角度的にガストンはモロに白ちゃんのお胸を見てしまった様だ。
俺ならここぞとばかりにガン見するが・・・この純情者め。

ヤキモチを妬いたシルフィーナが凄い不満そうに気絶したガストンを叩き起こすべく頭をめっちゃベシベシと叩いている。

白ちゃんの精霊化で一気にカオスな場になる。

「あらぁ、ありがとうイリスちゃん。可愛いスカーフね、貰って良いの?」

「暇つぶしに沢山作ったので貰って下さい」
イリスは料理以外なら何でもそつなくこなせるのだ、料理以外はね。

《ああー!はいはいそうですね!お会いしてました!思い出しましたよ!》
ダメ精霊が何かを言っている・・・だから会ってるちゅーとろーが。

「もうしっかりしてよね」また一瞬でオーガの姿に戻る白ちゃん。

「あれ?戻るの?何で?」不思議そうにイリスが尋ねると、
「オーガの姿の方が強いのよ」との事、そりゃそうか。

ガストンは目を覚ましたがシルフィーナはまだ頭をベシベシと叩いてる。

「ガストンの前で精霊化はしない方が良いと思う」

「そうね、気をつけるわ」

とりあえずイチャつく2人は放置して話しを進める。

「とりあえずエルフとの同盟は勿論OKよ、こちらからもお願いするわ。
それから「豊穣の祝福」ありがとうね」

「あっ!オークさん達にも同盟をお願いしたいです」

「ええ、分かったわ話しをしとくね」

これで龍騎士イリスの任務は概ね成功だ。
後はクレアが豊穣の祝福を行えばエルフと鬼族の同盟関係が完全に成立する。

「そう言えばイリスちゃんは豊穣の祝福の儀式をやらないの?」

「いいえ当然私も参加です。
人数が多いだけ効果も大きくなりますから、ラーデンブルクからは師匠の他にハイエルフが7名参加します」

「と言う事は9名で儀式を行うのね?」

「それから補助の人も入れると30人以上になりますね。儀式には大体10日ほど掛かると思います」

「結構大きな儀式なのね、早く観たいわ。
こちらで何か用意する物はある?」

「うーんと、この土地の苗木と3kgほどの純金、それから沢山の水を撒きますので小川・・・出来れば中洲なんてあれば良いです」

「分かった用意するわ。何で金が必要なの?」

「術式の触媒に使います。こちらでも用意しますが地元の金の方が効果が高いです」

「なるほど・・・んー3kgの地元の純金って地味に難易度が高いわね。白銀や銀じゃダメなのね」

「ダメです、金以外だとおかしな効果が発生してしまう可能性があります」

鬼達はまだ移住を開始したばかりで通貨など無いから金の用意はしていないのだ。
どうしようかと悩んでると・・・

「じゃあ俺が金脈を探すかい?」ブリックリンが手を挙げる。

「ブリックリン!そうか!その手があった!」
地龍のブリックリンなら金脈を探すのは造作も無い。

「じゃあ探すよ、ちょっと待っててね」
ブリックリンは意識を地脈と同化させて金脈を探し始める。

するとすぐに、「見つけたよ」

「はや?!」

「いや、この辺は金が滅茶苦茶多いよ。ほら」
そう言ってブリックリン手を地面に付けて「重力操作」と呟くと・・・
床から80cm程度の大きな金塊がモコモコと出て来た!

「まあぁ、凄い!」これには驚く白ちゃん。
なんせ自分ん家の下から金塊が出て来たのだ、そりゃ驚く。

ブリックリンは金だけ取り除き石作りの床を元通りに直す。
「うーん・・・量は多いけど錬成する必要があるね」
手に取り鑑定すると、どうやら不純物も多いらしい。

「それなら任せて!」
白ちゃんはブリックリンから金塊を受け取ると「獄炎」と呟く。

すると金の周囲が丸く火の玉になる、炎が白いのでかなりの超高温だと思われる。

「あつつ?!」一気に室温が上がる、晩秋とは言え暑い。

「大丈夫、もう終わるわ」
魔法の炎が弱まり消えていった・・・「貸して下さい」とブリックリンが直接手で
金塊を・・・受け取らずに鉄製の金属鋏を取り出して挟む。

「さすがに俺でも熱いって」白ちゃんが水瓶を持って来たので、
しゅうううううう・・・・金塊水に突っ込んで一気に冷ます。

すると10cmくらいの純金のボールが残っていた。
3kgは確実にある、問題クリアーだ。

「うわあー、こんなにちっちゃくなるんだね!」
初めて見る無加工の純金に興味津々のイリス、「綺麗・・・」純金の美しさに心を奪われた様子だ。

「本当はイリスにもプレゼントしてあげたいんだけど。
地龍の金銀財宝は人族の通貨価値を破壊するからって地龍王様に私的な譲渡を禁止されているんだ。
今回は国同士の外交に必要だから特例だね」

「あら?それなら儀式が終わったらアタシがイリスちゃんにプレゼントするわ」

「やったー♪」

太っ腹な白ちゃんに大喜びのイリスだった。
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