58 / 247
第一章 エルフの少女
58話 「鬼達の街」その4
しおりを挟む
だんだんと今回の顛末が見えて来た。
オーガキングのホワイトが予知で見た悲惨な未来を変える為に鬼一族を人間と引き離そうと今回、ここに街を作り始めたのだった。
「それにしてもクレアちゃんも人が悪いわよね。
大事な事を弟子に伝えて無いんだから・・・いえ、あの子の事だから単純に忘れているのかしら?・・・あり得るわ」
「白ちゃんは師匠の事を知っているのですか?」
「ええ、それはもう。
まだあの子が結構尖っていた頃に散々喧嘩を売られて逃げ回っていたのよ。
懐かしいわぁ」
「詳しく!!」何か楽しそうな話しがキター!と前のめりになるイリス。
「あら?何かしら?今日1番の食いつきが来た様な・・・
まぁ良いわ、あの子しばらくの間、世界中を旅していたのね、その時アタシと偶然に出会って・・・」
「出会って?」
「あの子いきなり殴り掛かってきたのよ?!お主は強そうじゃ!とか言って!
アタシ本当に何もして無いのよぉ?・・・その時は散歩してただけなのに!
やっぱり見た目って大事なのよねぇ・・・」
何となくそうだろうと思っていたがクレアは脳筋だと確定したのだった。
「それは・・・うちの師匠がごめんなさい」
「ああ、あの時のアタシも結構、クレアちゃんとの鬼ごっこ楽しんだから大丈夫。
そしたらクレアちゃんったら「なんで妾と戦ってくれぬのじゃあ!」と膝を抱えて不貞腐れちゃって、なんかアタシが悪者っぽくなっちゃってねぇ、
「いや何でアタシが可愛い子と戦うの?」って言い返したら・・・」
「言い返したら?」
「「妾は可愛く無い!」って今度は顔真っ赤に照れちゃって、可愛いかったわぁ」
「師匠が可愛い!」
「あんまり可愛いかったから「じゃあ修行としての組み手なら付き合うわ」って言ったら・・・」
「言ってたら?」
「その場でぴょんぴょんと飛んで喜んじゃったのよ!可愛くない?!」
「めっちゃ可愛いです!」
あの長身美人のクレアがぴょんぴょんと・・・想像しただけで悶えてしまいそうになる。
「それから一緒に体術の修行を始めたのだけど・・・」
「始めたのだけど?」
「あの子って凄い運動神経が鈍いのよ!それはもう魔導士にステータス全振りって感じで!
修行中に何回もコロコロと転んじゃって!それも可愛くって」
「それは何と無く分かります!」
脳筋だからって強いとは限らない、運動神経が鈍い者は鈍いのだ。
クレアは今でも何も無い所でよく転ぶのだ。
「それでも全然諦め無いから修行に300年も付き合っちゃったわ。
300年修行してもあんまり強くならなかったけど・・・」
「お疲れ様でした!」
師匠の鈍臭可愛いエピソードに萌えまくるイリス。
「その代わりに魔導士の腕はあっという間にアタシを超えちゃったのよ?
あまりの才能に嫉妬しちゃうくらいにね。
それで「何で闘士になりたいの?」って尋ねたら・・・」
「尋ねたら?」
「「妾だってカッコ良く動きたい!」って単純な理由だったわ。
子供の頃から鈍臭いクレアは可愛いって言われたのが悔しかったのね」
「今の師匠も鈍臭可愛いです!」
「それを言ったら、あの子マジ凹みするから言うのやめなさいね?」
イリスは白ちゃんに真顔で注意される。
「あっ、はい」
でもちょっと凹んだ師匠も見て見たいと思うイリスだった。
だって凄い可愛いと思うから!
《つまり、白ちゃんはクレアさんのお師匠さんなんですね?》
話しを聞いてたシルフェリアがその事を気になったのか質問して来ると、
「そんな大層な物じゃ無いわ。
基本、あの子は放っておいても色々な事をドンドン自分で覚えたから。
・・・身体を動かす事以外はね。
でもそうねぇ、腐れ縁の友達って所かしらねぇ」
と嬉しそうに答える白ちゃん、2人の仲はかなり良さそうだ。
「しかしホワイト殿はそんなに長く生きておられるのですか?」
オーガの寿命は400年ほどと言われている。
オーガキングのホワイトはその倍としても1000年は厳しいはずなのだ。
しかし話しは15000歳のクレアの若い頃の話しなのでガストンは、ホワイトが転生をしているので無いかと思って質問して来た。
「あらぁ、ごめんなさいね。
アタシも大事な事を伝えて無かったわ!アタシは「イフリート」でもあるのよ」
イフリート・・・火の大精霊だね。
つまり寿命は現時点では不明・・・ユグドラシルと同じく多分3万年くらい?
《イフリート?!私、初めてお会いしました!》
同じ大精霊のシルフェリアが驚くが・・・ちょっと待て。
「何回も会ってるじゃないのシルフェリアちゃん!
どおりで他人行儀だと思ったわ、やっぱり気付いて無かったのね・・・」
だよね。
お前、イリスに精霊の講義をしてる時にイフリートに会った事あるって言ってたじゃねえか。
《ええ?!いつ?!》
「精霊会議の時よ!」
100年に一度くらいに世界中の大精霊が集まって情報交換をする会議があるのだ。
《ええ?!だってあの時のイフリートって女性だったじゃないですかぁ?!》
「・・・精神生命体の精霊の時の姿が普段と違うの当たり前でしょ?
でも魂は同じなんだから普通は気づかない?」
《全然気づきませんでした・・・》
「そう・・・なら仕方ないわね」遂に白ちゃんが諦めた?!
シルフェリアのダメ精霊っぷりに同じ大精霊のシルフィーナも呆れる。
ちなみに風の大精霊のシルフィーナは精霊会議に参加した事は無い。
理由は「面倒くさそう」だからだ。
参加、不参加は完全に本人の自由なので不参加の大精霊も結構多いのだ。
しかし、なんか面白そうなのが分かったので次回の精霊会議には参加して見ようと思うシルフィーナだった。
オーガキングのホワイトが予知で見た悲惨な未来を変える為に鬼一族を人間と引き離そうと今回、ここに街を作り始めたのだった。
「それにしてもクレアちゃんも人が悪いわよね。
大事な事を弟子に伝えて無いんだから・・・いえ、あの子の事だから単純に忘れているのかしら?・・・あり得るわ」
「白ちゃんは師匠の事を知っているのですか?」
「ええ、それはもう。
まだあの子が結構尖っていた頃に散々喧嘩を売られて逃げ回っていたのよ。
懐かしいわぁ」
「詳しく!!」何か楽しそうな話しがキター!と前のめりになるイリス。
「あら?何かしら?今日1番の食いつきが来た様な・・・
まぁ良いわ、あの子しばらくの間、世界中を旅していたのね、その時アタシと偶然に出会って・・・」
「出会って?」
「あの子いきなり殴り掛かってきたのよ?!お主は強そうじゃ!とか言って!
アタシ本当に何もして無いのよぉ?・・・その時は散歩してただけなのに!
やっぱり見た目って大事なのよねぇ・・・」
何となくそうだろうと思っていたがクレアは脳筋だと確定したのだった。
「それは・・・うちの師匠がごめんなさい」
「ああ、あの時のアタシも結構、クレアちゃんとの鬼ごっこ楽しんだから大丈夫。
そしたらクレアちゃんったら「なんで妾と戦ってくれぬのじゃあ!」と膝を抱えて不貞腐れちゃって、なんかアタシが悪者っぽくなっちゃってねぇ、
「いや何でアタシが可愛い子と戦うの?」って言い返したら・・・」
「言い返したら?」
「「妾は可愛く無い!」って今度は顔真っ赤に照れちゃって、可愛いかったわぁ」
「師匠が可愛い!」
「あんまり可愛いかったから「じゃあ修行としての組み手なら付き合うわ」って言ったら・・・」
「言ってたら?」
「その場でぴょんぴょんと飛んで喜んじゃったのよ!可愛くない?!」
「めっちゃ可愛いです!」
あの長身美人のクレアがぴょんぴょんと・・・想像しただけで悶えてしまいそうになる。
「それから一緒に体術の修行を始めたのだけど・・・」
「始めたのだけど?」
「あの子って凄い運動神経が鈍いのよ!それはもう魔導士にステータス全振りって感じで!
修行中に何回もコロコロと転んじゃって!それも可愛くって」
「それは何と無く分かります!」
脳筋だからって強いとは限らない、運動神経が鈍い者は鈍いのだ。
クレアは今でも何も無い所でよく転ぶのだ。
「それでも全然諦め無いから修行に300年も付き合っちゃったわ。
300年修行してもあんまり強くならなかったけど・・・」
「お疲れ様でした!」
師匠の鈍臭可愛いエピソードに萌えまくるイリス。
「その代わりに魔導士の腕はあっという間にアタシを超えちゃったのよ?
あまりの才能に嫉妬しちゃうくらいにね。
それで「何で闘士になりたいの?」って尋ねたら・・・」
「尋ねたら?」
「「妾だってカッコ良く動きたい!」って単純な理由だったわ。
子供の頃から鈍臭いクレアは可愛いって言われたのが悔しかったのね」
「今の師匠も鈍臭可愛いです!」
「それを言ったら、あの子マジ凹みするから言うのやめなさいね?」
イリスは白ちゃんに真顔で注意される。
「あっ、はい」
でもちょっと凹んだ師匠も見て見たいと思うイリスだった。
だって凄い可愛いと思うから!
《つまり、白ちゃんはクレアさんのお師匠さんなんですね?》
話しを聞いてたシルフェリアがその事を気になったのか質問して来ると、
「そんな大層な物じゃ無いわ。
基本、あの子は放っておいても色々な事をドンドン自分で覚えたから。
・・・身体を動かす事以外はね。
でもそうねぇ、腐れ縁の友達って所かしらねぇ」
と嬉しそうに答える白ちゃん、2人の仲はかなり良さそうだ。
「しかしホワイト殿はそんなに長く生きておられるのですか?」
オーガの寿命は400年ほどと言われている。
オーガキングのホワイトはその倍としても1000年は厳しいはずなのだ。
しかし話しは15000歳のクレアの若い頃の話しなのでガストンは、ホワイトが転生をしているので無いかと思って質問して来た。
「あらぁ、ごめんなさいね。
アタシも大事な事を伝えて無かったわ!アタシは「イフリート」でもあるのよ」
イフリート・・・火の大精霊だね。
つまり寿命は現時点では不明・・・ユグドラシルと同じく多分3万年くらい?
《イフリート?!私、初めてお会いしました!》
同じ大精霊のシルフェリアが驚くが・・・ちょっと待て。
「何回も会ってるじゃないのシルフェリアちゃん!
どおりで他人行儀だと思ったわ、やっぱり気付いて無かったのね・・・」
だよね。
お前、イリスに精霊の講義をしてる時にイフリートに会った事あるって言ってたじゃねえか。
《ええ?!いつ?!》
「精霊会議の時よ!」
100年に一度くらいに世界中の大精霊が集まって情報交換をする会議があるのだ。
《ええ?!だってあの時のイフリートって女性だったじゃないですかぁ?!》
「・・・精神生命体の精霊の時の姿が普段と違うの当たり前でしょ?
でも魂は同じなんだから普通は気づかない?」
《全然気づきませんでした・・・》
「そう・・・なら仕方ないわね」遂に白ちゃんが諦めた?!
シルフェリアのダメ精霊っぷりに同じ大精霊のシルフィーナも呆れる。
ちなみに風の大精霊のシルフィーナは精霊会議に参加した事は無い。
理由は「面倒くさそう」だからだ。
参加、不参加は完全に本人の自由なので不参加の大精霊も結構多いのだ。
しかし、なんか面白そうなのが分かったので次回の精霊会議には参加して見ようと思うシルフィーナだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
21
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる