御伽の国

素うどん

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翔(しょう)の国編

第6話

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人魚姫は自分の姉達や、王子との出会い等を話してくれた。

「とっても楽しかったの!」
「楽しかったの?」
「もう会えないから、夢の中でも会いたくて…」
「人魚姫さん…」
「しんみりしないの!私は自分で選んだ選択肢に後悔はして無いの!」
「分かりましたっ!」
「うん!やっぱりユズハちゃんは笑ってた方が可愛いわ!」
「ありがとうございます!」
「えへへ!じゃあ、私の海を案内するわね?」
「はい!」
「此処よ!」

目の前に広がるのは、珊瑚や岩、魚達が共存する世界だった。
「綺麗…!」
「でしょ?お姉ちゃんー!お母さまー!ただいまっ!!」
「お帰り!」
お姉様達は、パッと振り返り人魚姫の周りを囲む。
「ユズハちゃん、いらっしゃい!」
「あ、はいっ」
「アラ。貴方は?」1番上のお姉様が聴いた。
「私は…」
「ユズハちゃんよ!お姉さま!」
「ユズハちゃん?よろしくね?」
「はい!」
「ユズハちゃんは、何処から来たの?」
「ユズハちゃん、年齢は?」
「好きな子はいるの?」
と質問攻めにされ、ワタワタとした。
「お姉さま、質問攻めにしたらユズハちゃんが答えられないわ!」
と人魚姫さんが止めてくれた。
「ひ、1つずつお答えします!」

人魚姫と人魚姫のお姉さまの質問に1つずつ答えた。
夢の世界って良いな。とユズハは思った。夢の世界なら、自分の思い通りに動けるしなるから。
でも、私は現実に戻って翔を助けないといけないと…。

「ユズハちゃん、どうしたの?」
「人魚姫さん。お世話になりましたっ」
「え?お世話に?まだ話し足りないわっ!」
「でも、私は現実世界に戻って人助けをしないといけないんです。」
「人助けを?うん、なら仕方ないわね…。あ、1つだけ叶えて欲しい願いがあるの」
「願い?何でしょう?」
「翔を助けてあげて」
「っ!!何でその名前をっ」
「じゃあね?」
すうっと人魚姫さんは消えたー
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