御伽の国

素うどん

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万里(ばんり)の国編

第2話

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翌朝
万里が自分の国から帰ってきた。らしいが、万里の部屋に行ってノックをしてみたが返事がなかった。
昨日黒羽に万里の部屋は覚えてて下さいと言われ、教えられたのだ。

「居ない…」
ユズハは諦めて、食堂へ向かった。
階段を降りて右に曲がると、食堂に出る。

「あ、黒羽!」
「おはようございます、姫様。どうかなされましたか?」
「万里がいないの!」
「万里様が?今朝見かけましたけど…」
「何処行ったんだろう…」
「では、探してきます。姫様は、お食事を取ってて下さい。」
「分かりました…」
ユズハが席に座ると、黒羽は食事を運んで来てくれた。
「では、すぐ戻ります。」
「あ、はいっ」
ユズハは、1人寂しくご飯を食べ始めた。


「万里様、こちらにおられましたか」
黒羽が訪ねたのは、中庭の噴水前だった。
「……、あぁ。執事か」
「どうしたんですか?お国に帰られて、何かありましたか?」
「今は国が荒れている…。出発を延ばしてくれないか?」
「出発を?いつ頃がよろしいでしょうか?」
「3日後…、3日待ってくれ」
「分かりました。その間に準備します。」
黒羽はペコッと頭を下げ、その場を去った。

「どうして…どうしてあんな事に」
万里は、噴水をぼぅっと眺めながら涙を流した。
拭っても拭っても、涙は溢れてきた。
「クソッ…、何で溢れてくるんだよっ」
噴水の近くの椅子に座り、万里は目を閉じた。
そして、昨日の事を思い出した。
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