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かしわ(以下 か)「皆さん、こんにちは」
サキ(以下 サ)「こんにちは~」
か「帰りは大雨らしいよ」
サ「それって、明日まで雨?」
か「今夜から明日の朝がピークらしい」
サ「じゃ、今日はお店直行しよ。何か買う物あったかな?」
か「そういう事はこの場で云わないで欲しい」
サ「カットすれば~。あ、そういえばあんた、今回ここにいる、て事は、前回、あたしに食べられてなかった、て事ね」
か「いや、左手の指2本、これニセモ───」
サ「やめなさいよっ」
か「画像ないだけに信じるかな?」
サ「逆でしょ。フェイクニュースでさえ、動画なのに」
か「だから、さ」
サ「くだらない事云ってないで、───ほら、今回は?」
か「土曜日はデートだったから、日曜日にテストして提出した」
サ「それだけ? 勉強は?」
か「テスト勉強に時間かかったから、今回は、以上!」
サ「...いいわよ。テスト、頑張ったのよね」
か「うん」
サ「...終わりかよっ」
か「あー。範囲がテキスト1冊分だったから、広かったね」
サ「手応えは?」
か「自信がある!───とはさすがに云えないな」
サ「椅子から落ちるわ!」
か「大丈夫か、椅子?」
サ「何よ、もうっ。お決まりね」
か「前にも云ったかな?───出題の仕方が、理解度チェックと添削テストで正反対なんだよね」
サ「正反対?」
か「レッスン1個終わるごとに、理解度チェックがあって、基本10問」
サ「うん」
か「それをノートに移して、見返してからの、HPでWEBテスト」
サ「うん」
か「この、理解度チェックとWEBテストて、問題の出し方がそっくりなの」
サ「はいはい」
か「で、その出し方、ていうのが『こうこうこうでこういうのを〇〇という』て感じ」
サ「あ~、穴埋めだ」
か「そう。たいがいはこの〇〇に覚えなきゃいけない用語が入ってるから、問題ごと覚えたら良いかな、と」
サ「そうね! そっか、そんなふうにやってるんだ」
か「うん。ただ、添削テストの方は穴埋めじゃなくて、4択なんだよね」
サ「ああ。でも問題の出し方が変わっても、ちゃんと覚えて...あ!」
か「うーん、まあ...」
サ「覚えてないんだ、ちゃんと」
か「全部まるまる覚えるのは、ちょっと難しいかな...」
サ「そりゃそうでしょうけど...」
か「WEBテストだと、問題文までそっくりだからいい線いくんだけど、添削テストだと、『これこれとして適切なものを以下の4つから選べ』て」
サ「選択問題か」
か「ちゃ~んと引っ掛け、つーか、カンでは答えにくい文になってるんだよなー」
サ「まるまる覚えたら?」
か「『Aという学者の概念に基づきBとCという学者が提唱した教授法を〇〇という』まず名前覚えらんねえ」
サ「外人の名前、得意じゃないの?」
か「厭味のつもりか、それ。───海外の学者が名付けるから、用語もカタカナとか、アルファベットとか。だから覚えにくいところに、誰それが提唱した、とか云われても問題文にヒントがこれっぽっちも入ってない」
サ「もう丸暗記しかないんじゃない?」
か「本番前にはそれしかないだろうけど...」
サ「本番前なんて覚えられるわけないじゃない」
か「今覚えたところで、他の事覚えたら忘れるわ」
サ「大威張りで云うことじゃないわね」
か「実際に教えるのに学者の名前なんて必要ないだろ」
サ「訊かれるかもよ。『なになにを提唱した学者は誰ですか、かしわ先生』」
か「『あー、そーゆーことは知らなくてもいーよ、サキ君』」
サ「『本当は知らないんじゃないですか、かしわ先生?』」
か「『そんな事はないよ、キミ。モノには順序というものがあるだろ。キミにはまだ早い。それよりサキ君、キミよく見ると───』」
サ「『な、なんですか、先生...』」
か「『キミ、ブタゴリラに似てるっ───』痛っ!」
サ「いい加減にして」
か「スイマセン。───実際にそんな事訊いてくるヤツいないだろ」
サ「じゃあ、せめてそれ以外は丸暗記すれば」
か「ふっ。それが出来れば苦労はないぜ」
サ「そうね。じゃあ苦労しなさい」
か「あ、見捨てられた。て、どこ行くん? トイレか?」
サ「出勤できるうちにしとかないとね」
か「行きは良い良い帰りは怖い」
サ「あんたも早く帰りなさいよ。じゃあね、バイバイ!」
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