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かしわ(以下 か)「皆さん、こんにちは」
サキ(以下 サ)「こんにちは~」
か「9回目です」
サ「暖かくなってきたわね」
か「お花見終わったね」
サ「楽しかったわ~。でも案外寂しさはないもんよね、春って」
か「他の花が咲きだしたり、暖かくなって体の緊張がなくなってくるからじゃない?」
サ「なんか、そんな説とか、あったっけ?」
か「聞いたことはないけど、木の芽時、て云うじゃん」
サ「久々に聞いたわ、それ」
か「今年はまだ、お目にかかってないな」
サ「ブツブツ云いながら一人で歩いてる人ね」
か「歌いながら歩く人は、季節関係なく見るけどな」
サ「いるー! お店に一人いるわよ」
か「サキじゃないの?」
サ「あたしじゃないわよっ。───うち、夜のお店だから、帰る時人気ないじゃない。最初は怖かったから歌いながら帰ったんだって。自転車だけどね」
か「チャリ多いよな。遭遇率が高いんだろうけど」
サ「チャリだったら、すれ違ったりしても一瞬だからいいじゃん、て云ってた、その子」
か「暗闇で後ろから追い抜かれると、怖いよな」
サ「確かに~」
か「たぶん、聞かされる方の気持ちには気付いてないだろうな、そいつ」
サ「たぶんね~。───それより、お勉強の方は、どお?」
か「あー、真剣になったから、ノートに補足とか書き始めちゃったりしてる」
サ「エラ~イ。頑張ってるじゃない」
か「でも土曜日しか出来なかった」
サ「どうしてっ」
か「目ェこえ~よ。───家族サービス」
サ「出たー! ボーリングだな?」
か「拍手~」
サ「ねえ、断らない、て事は、あんたもやりたいんでしょ?」
か「他に運動しないしな」
サ「なんか、週末に休み入れるの避けてくれてる、とか云ってなかった?」
か「気のせいだ」
サ「アピールしとけばいいのに」
か「可愛そうかな、と思って」
サ「自分が一緒にいたいだけでしょ」
か「いなけりゃいないで、できる事いっぱいあるからなー。月2回くらいでいいよね」
サ「会うのが?」
か「週末に一緒に休むの」
サ「でもそれなかったら、ずっと会えないの?」
か「いや。ヤツは平日休みもあるから、そん時は夕ご飯作って待っててくれる」
サ「やさし~い」
か「ハズレの時もあるけどね」
サ「文句云っちゃダメよ」
か「土曜日取り敢えずテキストの区切りついたから、今度またテストする」
サ「今回は予告ね。自信の程は?」
か「ない」
サ「せめて前回よりは良くならなくちゃ」
か「そりゃ頑張るよ。前回のテスト返ってきたヤツ、コメント酷かったな」
サ「そうなの? なんて?」
か「1回目と同じ」
サ「は? どういう事?」
か「コメント2箇所あるんだけど、よく見たら印刷みたいだった」
サ「ウソでしょ!? じゃ、何見てるの? 何に時間かかってるの?」
か「さあ。人手不足とか?」
サ「えー、楽しみにしてるのにね」
か「いや、別に」
サ「頑張ってやったら楽しみでしょ?」
か「テスト返ってくるのが? 意外と秀才だったの、サキちゃんて?」
サ「んな訳ないじゃん。自分のテストじゃないから楽しみなのよ」
か「そんなこったろうと思った。特に前半」
サ「前半? なんて云ったっけ?」
か「さあね」
サ「え? たのしみにしてる...?」
か「なんか、印象としては、普段使ってる母国語じゃなくて、第二言語、つまり日本なら外国語を、教えるとか、覚える、て事について、講釈タレてる感じ。そんな研究内容、とか説とか、どうでもいいのもある」
サ「急に戻ったわね。───どうでも良くないのもあるの?」
か「結論としては、人それぞれだけど、教え方、つーか、覚え方にはいろいろ説があるからね、みたいな?───自分に合うのはどれかな、とか、こっちが思っちゃう」
サ「自分の事に置き替えるのはいいんじゃない?」
か「具体的じゃないのに、全部覚えろ、てのも乱暴な話だよな。実際に教えるとなると、イメージ全然湧かない。講釈はいいからさー、て感じ」
サ「どうしたら覚えるかなんて、本人の意識の問題じゃない?」
か「なら、独学で覚えるだろ。意識付けが日本語教師の...腕だろ!」
サ「いったいな、もうっ」
か「ごめん。足だった」
サ「足はこっち!」
か「これは?」
サ「腕! 足! そこは膝。肘。脇」
か「違う。毛細血管のいっぱい詰まってるとこ脇!」
サ「じぁ───」
か「チクビドリルしないよ」
サ「せえへんのかーい!」
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