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第二部 家庭編
スタンピードの始まり
しおりを挟む俺は王都、マロニェール領マイチー州、ミヤキャソル領都センラックをミストドアで往復しながら対策をしていく。
王都とセンラックは海方面、マイチー州は山方面からモンスター達は発生するそうだ。
王都にはシャルとハイド、ヨウコちゃん。マイチー州はジャンヌとレオン、ローズとサラ。センラックにはマリアとビアンカ、リヴィアを配置した。
俺とフローラは遊撃、ミストドアで移動しながら攻撃したり回復したりする予定だ。
ーーーーーーーーーーーー
「そろそろ、最前のモンスターが到着しそうです」
王都のギルド職員の一言で場が緊張する。
遠くにモンスターが見えてきた。
「よし、じゃあハイド、母さんに見せてやろうか」
「はい! 母様、ご覧ください! これが父様との合成魔法です!!!!」
「「光水合成! ダイアモンドダスト!!」」
パァーンッ!!!!!!!!
水分を霧にしてハイドの光魔法で広範囲に散布、極限まで冷やした霧氷が中空で光輝き、モンスター達を凍てつかせる。
「モンスターが‥‥‥凍りついた!?」
「さあ! 行きましょう! 母様! 皆さん!! 勝利を我々に!!」
「‥‥‥!! ええ!!」
ハイドは大勢の前でも物怖じしないらしい。演説打って飛び出して行った。そこまで大したモンスターはいなさそうだ。
「ポール兄さん! 全体指揮をお願いします」
「任せておけ! 若者だけに任せておけるか! 我に続け!! 突撃!!!」
「ヴォー!! 倒すぞー!!!!」
「やるぞ! 俺たちが王都を護るんだ!!」
「おぉーーーーーー!!!!」
ーーーーーーーーーーーー
「傷ついた人をこちらに!! 回復出来ますので!!」
「おぉ、ありがたい!」
「連れてくる! 頼むぜ!」
「「土水合成! エリクサーゾーン!!」」
エリクサーミストを土魔法の癒しの魔法と組み合わせてより広範囲に回復ゾーンを作り出す。
「おお、あっと言う間に疲れも魔力も‥‥‥」
「ここにいて魔法を使ってもすぐに回復するぞ!」
「魔法も技も撃ち放題だ!!」
「ヨウコちゃん、あとは任せるぞ!」
「お任せあれ、ネロ様! では、妾も暴れるとするかの!」
ヨウコちゃんにはエリクサーをごっそりと渡しておいた。ミストに入ると蕩けるからな。
ーーーーーーーーーーーー
マイチー州に移動した。ここはこれからモンスターの先鋒が来そうだった。
「レオン、待たせたな。準備は?」
「大丈夫です、父様!」
「よし、じゃあ奴ら全体にかましてやろう!」
「はい! 風水合成! テンペスト!!」
突如巻き起こる突風、大雨の大嵐、竜巻が無数のモンスター達を飲み込んでいく! 雑魚モンスターはそれだけでキラキラしていく。
「すごい‥‥‥、行くよ、レオン!!」
「はい、母様!!!!」
「ウチらも負けてられないニャ!!」
「ようし! 旦那任せてくれ!!」
「父様、ポール兄さん。あとはお願いします。折を見て戻ってきますので」
「ネロよ、任せておけ! やるぞ、ポール!」
「ネロの魔法と比べたら型落ちだろうけどやってみるよ! 『アルティマフレア!!!!』
ヒュッ!!
シュババーーーーーン!!!!!!!!
どこが型落ちだよ‥‥‥。
あらかた吹き飛ばしてるじゃん。
「今だ! 突撃!!!!
「俺たちも続けー!!!!」
「おぉーーーーーーー!!!!」
ーーーーーーーーーーーー
ミヤキャソルに移動した。
「リヴィア、状況は?」
「まもなくこちらまで辿り着きそうですな」
「父様! 準備はいいですか!?」
「お前が指示出すのか、ふふっ、逆だろ。まぁいい。ぶっ放してやるか!」
「「火水合成!! ハイドロエクスプロージョン!!!!」」
ドカァーーーーーン!!!!
ハイドロボムの超強化版だ。点火する為の氷の微粒子が必要ないから、俺は水の分解に専念出来る。そして爆発の元になる水は海だからいくらでも有る。
「ちょっとネロ。海が燃えてるわよ」
「そういう魔法だからな。まさに火の海ってやつだ」
「まったく簡単に言うわねぇ。とんでもない事してる自覚は‥‥‥ないわね。そういう人だったわね」
まるで俺を人外扱い‥‥‥
いや、人外でしたね。
「我の分も残しておいて欲しかったのですが‥‥‥、まぁ残敵を討伐いたしますわ」
「あとは海に落ちた魔石を拾っといてくれ」
「わかりました、主殿」
「ここの指揮はお義兄さんお願いします」
「任せておけ! ありがとう、ネロ! 終わったら祝杯をあげよう!! 行くぞ、皆の者! 我に続けぇーー!!!!」
「「「ウォー!!!!!!!!」」」
ーーーーーーーーーーーー
その後は三カ所をローテーションで廻ってエリクサーゾーンで随時回復。負傷者はほとんどゼロだと思う。ちゃんと見てないからわからないけどな。
正直今回の一番の功労者はフローラだと思う。
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