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第二部 家庭編

砂の遺跡

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 サンドドラゴンは砂の遺跡にいるらしい。
 今から向かおう。

「砂漠化してる地域のほぼ中心に砂の遺跡は有ります」
「って、俺一人で行くのか?」

「我々では役に立ちません」
「‥‥‥‥‥‥」

 そうかもしれないけどさぁ。なんかこう‥‥‥まぁいいか。呼べる奴を呼ぼう。

「ニャー、サンドドラゴンって知らないニャ」
「あちしも聞いたことないな」

「主殿、今回は我も参りましょう」
「ネロ様、妾も行きまする」



 ローズ、サラ、リヴィア、ヨウコちゃんの4名。現在我が家で動員出来る最大戦力だ。




 砂の遺跡に入る。空間も床も、とにかく乾燥している。ミストサーチが使いづらい。サラの探索能力を頼みに進んでいく。雑魚自体は水属性に弱い敵ばかりだったからそこは楽だった。トラップが多くて大変だった、流砂に飲み込まれそうになったり‥‥‥。

 ともかく、ボス部屋っぽい手前で休憩してから入ろう。

「このボスの手前で休憩って懐かしいな?」
「旦那、久しぶりにアレやってくれよ!」
「休憩なら構わないニャ?」


「休憩だしな、よし! ポーションミスト!」

「「ニャ~~」」
「ふわっ! なんでございますか、これは~?」
「くっ! わらわは、こっ、このような‥‥‥あぁっ!」

 おい! ヨウコちゃんは何をしてんだ!
ヒューマン以外にはポーションミストは変な効果があるらしい。治癒、リラックス以外の何かが。


「さて、そろそろ行くぞ。準備はいいか?」
「「ニャー」」
「「はい!」」

 ボス部屋のドアを少しだけ開けて様子を伺う。オプションを侵入させて、中を覗く。

 いる、大きさもだが存在感がすごい。オーラというのか、圧を感じる。

 ふと足元を見ると、砂が動いている。

 嫌な予感が脳裏をよぎる!

「砂から離れろ!!」

瞬間、砂から槍のようなトゲが突き出してきた。みんなが飛び退く! 間一髪だった。

「向こうも気付いているぞ! オプション展開!」

 サンドドラゴンが吠える!! 
 すごい声量だ! 

 とりあえず、目についた砂を全て濡らしてしまえ、操作しづらくなるだろ。

 無数のオプションから水を発生させて、砂を濡らした‥‥‥が、すぐに乾いた。

「なんだと‥‥‥、俺の水が‥‥‥?」
「ギャオオーーーン!!!!」

 今度は向こうからの攻撃、砂が集まり拳大になって飛んでくる。

「くっ!!!! 撃ち落とす!!」
 オプションからのウォーターバレットで全て撃ち落とした。
 あぶねーなぁ‥‥‥

「今度はこうだ!!」
 大水で部屋を満たしてやる‥‥‥とすぐさま乾かされる。

「旦那!! 後ろ!!」
 
!!!!! 砂玉が飛んできた!

「あぶねっ!! サンキュー、サラ!」

 しかし‥‥‥
 決着つくのか? これは‥‥‥
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