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第二部 家庭編

ナタリーの気持ち

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「やっぱりまた増えたんですね‥‥‥」
 ナタリーの声が低い‥‥‥。
 怖い‥‥‥。
 もちろん今は正座だ。

「で、今回はアマゾネス? また珍しい種族の方を‥‥‥」
「スミマセン‥‥‥」

「いや、良いんですよ。ネロくんの強さならもっといてもおかしくない、むしろ少なめだと思うので‥‥‥。頭ではわかってるのよ? でもね~」

「本当にごめん、ナタリー」
立ち上がり、壁の方を向いているナタリーを後ろから抱きしめる。

「ちゃんとナタリーも大事にするから‥‥‥」
「もう‥‥‥、ずるいです‥‥‥」

 ナタリーは平民なので、あまり複数妻のいるケースに慣れていないそうだ。平民でもいる事はいるが、少数派だからな。

「もう、わかりました! 出来るだけ事前に教えてね!」
「ありがとう、ナタリー。身体は大丈夫?」

「私はつわりもないし、比較的動いてるから‥‥‥。最近は動くのよ? 触ってみる?」
「そうか、良かった。どれ‥‥‥」

「おぉ、蹴ってる。元気そうだな」
「私なんて健康しか取り柄が無いから‥‥‥」

「そんな事無いよ。美人受付嬢って有名だったじゃないか」
「そんなの随分昔の話よ。シャルちゃん、マリアちゃんみたいに身分も無いし、あんなに綺麗でも無いわ」

 身分コンプレックスってやつなのかな?個性で言えば、確かにナタリーが一番普通だ。
 というか、他が個性的すぎる。
 王女、貴族令嬢、猫獣人が二人、水竜、妖狐、エルフにアマゾネスと多すぎないか?


「そんな事無いよ。俺がナタリーにどれだけ癒されていると思っているんだい?」
「‥‥‥‥‥‥ありがとう、ネロくん」

 そのまま見つめあってキスをした。


「キスだけで大丈夫‥‥‥?」
「‥‥‥ん?」

「いや、みんな妊娠しちゃって‥‥‥、ネロくんのアッチの方は大丈夫かなって‥‥‥」

 ナタリーは真っ赤になってしまった。
でもやはりナタリーは優しいな。

「あ、ほら。安定期に入ったから優しくするなら大丈夫かなって‥‥‥。でもローズちゃん、サラちゃん居るから大丈夫よね、ハハハ‥‥‥」

「わかった、優しくするよ。こっちにおいで‥‥‥」
 きっと今日のナタリーはこういう気分なのだろう。
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