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冒険者 編

検証④

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 固定化は上手く出来たようだ、みんな希望したので全ての部屋のベッドをウォーターベッドにしてやった。
 見た目はただの水のところにシーツをかける、濡れないし乗れる。圧力次第で固くも柔らかくも出来る。温度も変更出来るので夏でも涼しく冬も暖かい。

 ミストドアはもしかしてだけどワープ出来るのか?
 霧がスクリーンのように展開された。霧の手前で行き先を念じて入ってみると成功だ、シャルの部屋だ、でも一つ失敗した、着替え中だったのだ。

「キャー!!!!」
「あ、ごめん」


「いや、良いのよ。フィアンセだしね、でもこういうのは突然だと困るのよね、心の準備とか‥‥‥」
「いえ、すいません」
 はい、正座させられてました。

「私なら大丈夫だったけど」
 とマリア。
「私も望むところです」
 とナタリー。

「いや、ワタシも構わないのよ、でもあまりに気が抜けてたから‥‥‥」
 とシャル。


「で、どこでも行けるの?その霧で?」
「俺が行ったところなら行けるみたい」

「すごいじゃない、うちに繋いでよ」
「宮殿に?あのお披露目パーティー会場かバルコニーになるかな」
「ワタシの部屋が良いわね」

「シャルの部屋は行ったことないよ」
「‥‥‥フィアンセだしね。特別に入れてあげるわ」

 パーティー会場だったところにミストドアで飛び、シャルの部屋に入れてもらった。
 さすがは王女殿下だ。調度品が上品だ。
 ミストドアで帰って来た。誰にも見つからなかったので、とりあえず秘密にしておいたほうが良さそうだ。


 ミストドアだがもしかして固定化できるのか?‥‥‥出来なかった。
 出来たら流通に革命が起きるわな。
 俺が居ないと使えない、と。

「コレでいつでも帰れるわね」
「俺と一緒じゃないとダメみたいだけどな」

「私の家にも繋いで、ネロ。うちすごく遠いから」とマリア。

 マリアの家は辺境伯家だ、辺境にある、つまりめちゃ遠い。
 ヴァッサー家のあるマイチー州より遠い。馬車で何日もかかるのだ。

「俺行ったことないよ、じゃあ今度挨拶もあるし行こうか?」
「うん、連絡だけしておくね」

 目標が出来た、ヤーパニー国中を巡り廻るのだ。一度行けばミストドアで行き来出来る。まだ見ぬ生物、モンスター、食べた事のない物、楽しそうじゃないか。
 旅行だって行きはテンション高くて移動時間も楽しいが、帰りは現実に戻らされる気分になるし悲しくなる。
 だがミストドアなら時間ギリギリまで滞在出来る、帰りが一瞬だからな。
 前世のように渋滞も事故もない。なんと素晴らしいことか。

 契約に関しては外に出ないとわからないな。
 ミストサーチでモンスターを探す、水属性のモンスターといえばスライムだろう。水辺に行ってみよう。
 見つけた、スライムだ。

『契約』

スライムが寄ってきた、プルプルしてる。

ぼく、わるいスライムじゃないよ
と、言ってる気がする。
 契約出来たのか?ぴょんぴょんついて来る。手を近づけてみると、乗った。でぴょんぴょんしてる。なんかかわいいな。連れて帰ろう。
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