34 / 171
王都学院 編
武器屋にて
しおりを挟むそう言えば前回祝福の儀で王都に来た時に市場や店を巡るはずだったのを思い出した。あの日は神級の祝福騒ぎで宮殿に連れて行かれてそれどころじゃなかったからなぁ。知ってる店もギルドと串焼き屋とダンカンさんのところだけだ。そう、装備を揃えてもいいんじゃないか?
そうと決まればまずは武器屋だ。俺はRPGでも防具より武器優先だった、武器が強くなれば倒す時間が短くなり効率が上がる、レベリングするなら尚更武器優先で間違い無いと思う。俺は魔術師だから杖でいいだろう。
串焼きのおっちゃんに武器屋を聞いてみる。
「俺たちは武器屋なんて用事無いからな。それこそ冒険者ギルドにオススメを聞いてみればいいんじゃねーか?」
なるほど、まさしくその通りだ。
「そっか、おっちゃん、ありがとう。ギルドに差し入れするからあと20本くらいちょうだい」
「おう、そういうのは大事だな、わかった、待ってろ。」
焼きたての串焼きをテイクアウトしてギルドに向かう、ここからは近い。
ギルドでは冒険者の安全と育成のために適正な武器や防具を選んでくれるサービスがある。
それこそ加護を受けてない冒険初心者は憧れから好きな武器を選びがちでそこを是正してくれて適切な武器屋、防具屋を紹介してくれる。
もちろん俺は杖だろう、サブウェポンとしてはナイフだな。
ナタリーは今空いているようだ。
「ナタリーさん、ありがとうございました、無事に風呂桶を作ってもらえることになりました。コレ、差し入れです。皆さんでどうぞ。」
「わぁ~、ありがとうございます~。この串焼き好きなんです~。お風呂作ってもらえて良かったです~」
「で、今度は武器屋を紹介して欲しいんですが杖の品揃えが良い店有りますか?」
「はーい、杖がいっぱいあるとこだと~、ここですね~、カイン武器店でーす。魔術師用の杖を取り扱ってまーす。オーダーメイドも出来るみたいですよ~」
「ありがとうございます、そこに行ってみますね」
場所を聞きギルドを出た。
「いらっしゃい、杖ですか?ナイフも少々有りますが」
「まずは杖を見せてください」
「こちらです、杖はうちが王都で一番品揃えがいいと思います。」
ずらりと揃った杖を鑑定していく、杖は個人情報とか無いから良いだろう。杖は魔術師の魔法の威力を上げる為にある、バトルスタッフなどの棍は別だが。とにかく腕力のない俺は魔力で戦うしかないし、他の魔法適正もない訳なので水魔法の威力を上げる杖一択になる。見た目には拘らない、前世の装備が見えるゲームでも強武器がネタ品だったとしても躊躇なく使用していた。
『魔力杖』魔力+1
『水のロッド』魔力+1 MP+10
候補を二つまで絞り込んでいたが何か引っかかる気がする。
「ここに並んでない水魔法系の杖はありませんか?」
「あるにはあるのですが皆さん装備出来ないのです。ある方が置いていったのですがさっぱり売れませんので処分候補になってますが」
「それも見せてください」
「少々お待ち下さい」
そう言ってカインさんはバックヤードに入っていった、程なく出て来る。
「こちらです。何か呪いでもかかっているのでしょうか?」
青い杖で綺麗な形をしている。前世の漫画の神様の作品、三つ目少年の○いコンドルみたいな形だなぁ。
『蒼隼の杖』 魔力+5 素早さ+1
装備制限 魔力24以上
キタコレ、もう俺が使うしか無いだろ。
「コレでお願いします。おいくらですか?」
「えっ?買うんですか?」
3
お気に入りに追加
2,501
あなたにおすすめの小説
異世界に来たけど、どうする?
ほうれん草オバケ
ファンタジー
主人公である久我山功太《くがやまこうた》は家のトイレから出たら異世界に来てしまった…らしい。
処女作です、変な所や誤字などがありましたら遠慮無く申し下さい。
料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
神獣転生のはずが半神半人になれたので世界を歩き回って第二人生を楽しみます~
御峰。
ファンタジー
不遇な職場で働いていた神楽湊はリフレッシュのため山に登ったのだが、石に躓いてしまい転げ落ちて異世界転生を果たす事となった。
異世界転生を果たした神楽湊だったが…………朱雀の卵!? どうやら神獣に生まれ変わったようだ……。
前世で人だった記憶があり、新しい人生も人として行きたいと願った湊は、進化の選択肢から『半神半人(デミゴット)』を選択する。
神獣朱雀エインフェリアの息子として生まれた湊は、名前アルマを与えられ、妹クレアと弟ルークとともに育つ事となる。
朱雀との生活を楽しんでいたアルマだったが、母エインフェリアの死と「世界を見て回ってほしい」という頼みにより、妹弟と共に旅に出る事を決意する。
そうしてアルマは新しい第二の人生を歩き始めたのである。
究極スキル『道しるべ』を使い、地図を埋めつつ、色んな種族の街に行っては美味しいモノを食べたり、時には自然から採れたての素材で料理をしたりと自由を満喫しながらも、色んな事件に巻き込まれていくのであった。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
オヤジが生まれ変わって?系救世主
無謀突撃娘
ファンタジー
オヤジが救世主の物語です。 恐ろしい才能を持って生まれ変わった異世界での冒険物語の中で前世で見つけられなかったものを見つけようとします。
のらりくらり旅をしながらいろいろやっちゃってくれます。
戦闘の時もあればのんびりしてる時もあります。
神様や人とのふれあいなどを通じて成長していく中で世界の歪みに立ち向かいます。
あらゆるものを圧倒することができながら穏やかに話し合ったり時には戦闘になったりなどします。
多少残酷表現があります
文字数は2000~5000ぐらいです
未熟者ですがよろしくお願いします
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
異世界でも商売!商売!
矢島祐
ファンタジー
商売系の仕事ばかり転々として、最後ブラックな流通大手に務めていたおっさんが、サビ残のあげく強盗にあって死んだ
……と思ったら異世界の若手商人に魂だけ転移してしまった!
どうやら、ゴスロリ幼女に変化したドラゴンの仕業らしい。
しかも負けたら『一生飼い殺しになる大借金』が確定する馬車レース中だったから大変!
コレを乗り切って異世界を商売で暮らせるのか?これまでの経験は通用するのか?
慌ただしくてスローじゃない、ビジネス系っぽいけどロリもある異世界商売の物語!
兎人ちゃんと異世界スローライフを送りたいだけなんだが
アイリスラーメン
ファンタジー
黒髪黒瞳の青年は人間不信が原因で仕事を退職。ヒキニート生活が半年以上続いたある日のこと、自宅で寝ていたはずの青年が目を覚ますと、異世界の森に転移していた。
右も左もわからない青年を助けたのは、垂れたウサ耳が愛くるしい白銀色の髪をした兎人族の美少女。
青年と兎人族の美少女は、すぐに意気投合し共同生活を始めることとなる。その後、青年の突飛な発想から無人販売所を経営することに。
そんな二人に夢ができる。それは『三食昼寝付きのスローライフ』を送ることだ。
青年と兎人ちゃんたちは苦難を乗り越えて、夢の『三食昼寝付きのスローライフ』を実現するために日々奮闘するのである。
三百六十五日目に大戦争が待ち受けていることも知らずに。
【登場人物紹介】
マサキ:本作の主人公。人間不信な性格。
ネージュ:白銀の髪と垂れたウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。恥ずかしがり屋。
クレール:薄桃色の髪と左右非対称なウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。人見知り。
ダール:オレンジ色の髪と短いウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。お腹が空くと動けない。
デール:双子の兎人族の幼女。ダールの妹。しっかり者。
ドール:双子の兎人族の幼女。ダールの妹。しっかり者。
ルナ:イングリッシュロップイヤー。大きなウサ耳で空を飛ぶ。実は幻獣と呼ばれる存在。
ビエルネス:子ウサギサイズの妖精族の美少女。マサキのことが大好きな変態妖精。
ブランシュ:外伝主人公。白髪が特徴的な兎人族の女性。世界を守るために戦う。
【お知らせ】
◆2021/12/09:第10回ネット小説大賞の読者ピックアップに掲載。
◆2022/05/12:第10回ネット小説大賞の一次選考通過。
◆2022/08/02:ガトラジで作品が紹介されました。
◆2022/08/10:第2回一二三書房WEB小説大賞の一次選考通過。
◆2023/04/15:ノベルアッププラス総合ランキング年間1位獲得。
◆2023/11/23:アルファポリスHOTランキング5位獲得。
◆自費出版しました。メルカリとヤフオクで販売してます。
※アイリスラーメンの作品です。小説の内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる